皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第14話

 仮称『巣(ネスト)』に上陸してみて色々な細かい探査を直ちに行い、様々な事実が判明して来た。

 

 先ず此の仮称『巣(ネスト)』は幾つもの断層が有り、然も其の一つ一つの厚さは相当な物で何万キロメートルに及ぶ事が判った。

 

 更には、構造も全く異なっていて、外殻は明らかに金属に近い性質だったのだが、内部に行けば行く程柔らかい物質で構成されている。

 

 そのままドンドンと我々突撃部隊は『巣(ネスト)』の深部へと、侵入して行った。

 

 其れに伴いまるで気泡の様に穴がそこら中に開いていて、其の穴からはバグスの乗る機動兵器や怪物共が続々と現れてくる。

 

 其の数は、内部に侵入すればするほど増して行き、容赦無く攻撃して来る為に敵バグス同士の攻撃が重なってしまい、半ば同士討ちとなっている。

 

 「・・・何だか、全然統制がなっていないから、逆に混乱してないか・・・?」

 

 「・・・確かにな・・・、バグスの集団戦と云えば、統一意思の元で無駄の無い攻撃が特徴なのに、此の状態は明らかに協調性が無いばかりか、無統制と言って良いな・・・。」

 

 「だったら、チャンスじゃない! 敵バグス達が混乱しているのなら今の内に深部に侵攻しましょうよ!」

 

 「そうだね、此の混戦は僕達にとって都合が良いから、好機では有るよ!」

 

 「幸い、かなりの数の『疑似ブラック・ホール爆弾』が有るから、其れを使用して後を追わせない様にすれば、盾の代わりになりそうよ!」

 

 「なら、サッサと行動しましょうよ! 悩んでいる暇は無いわよ!」

 

 其の通りだ、我々には時間が無限に有る訳では無いので、臨機応変に対処しながら進むしか無い。

 

 タイミングを測りながら、『疑似ブラック・ホール爆弾』を機雷の様に我々の後方に布石の様に配置して、敵バグス達が集結して追い縋って来たら爆発する様にして置いた。

 

 其のお陰で我々突撃部隊は、全くと言って良い程損害を出さずに深度へ進んで行く。

 

 かなりの深度へ到達すると、周囲の穴の様子が異なり始め、段々と脈動する内蔵の様な壁面となっていった。

 

 《・・・一つの可能性として推測して居たが、もしかすると此の仮称『巣(ネスト)』は、何らかの集合生命体か或いは一つの生命体なのかも知れないな・・・。》

 

 そんな事を考えて居ると、突然、赤黒い触手の様な物が数百本襲い掛かって来た!

 

 しかし、『リミットブレイク(限界突破)3』状態にある神機達に、此の様な何の装甲も持たずバグスの機動兵器でも無い攻撃力も持たない物体では、近くに寄った段階で塵と化して行った。

 

 暫くの間同様の行動が続けられたが、やがてその攻撃も無くなって穴の大きさも尻すぼみとなり、とうとう穴が無くなり壁に行き着いてしまった・・・。

 

 どうやら此処までが問題無く到達出来る限界の様で、後は我々突撃部隊が無理矢理侵入して行くしかない。

 

 という訳で、こういう事態を予め想定していたので、神機の中でも特殊な武装を数多く持つ、ロンの『神機ガルガンチュア』を先頭にして、武装の一つ『ドリル・クラッシャー』を使用して、内蔵の様な壁面を深々と抉りながら突き進んだ。

 

 内蔵の様な壁面は、それ程の強度を持って居ないので殆ど問題無く突破して行く。

 

 かなりの時間『ドリル・クラッシャー』を使用して突き進み、やがて途轍もなく広大な空間に到達する。

 

 其処には、様々な敵バグスの艦隊や怪物共が億の単位で並んで居て、更には卵が詰まった卵管が縦横に走っていて、何やら生体的な工場の様であった。

 

 直ちに隠蔽魔法を我々突撃部隊は纏い、生体的な工場を詳細に探査をするべく、此方の超探査プローブを隠蔽魔法を施した上で放ち、状況を確認して行く。

 

 静かに潜航する様な気分で我々突撃部隊は、超探査プローブから齎されるデータを検証しながら、此の仮称『巣(ネスト)』の中心核への最短ルートを探し出した。

 

 ほぼ間違い無い最短ルートに辿り着いたが、此の生体的な工場をそのままにして置く訳には行かないので、残っていた『疑似ブラック・ホール爆弾』を全て放出し起動させた瞬間に、中心核への最短ルートへ侵入して行った。

 

 凄まじい破壊の波動が後方から届いたが、其れよりも気になるのは仮称『巣(ネスト)』の中心核である。

 

 想像が正しいとすれば、恐らくは此の銀河系どころか、銀河系を内包する小宇宙の運命を左右する存在が、居る筈だ!

 

 暫くの間、何の抵抗も受けずに直進して行くと、先程の生体的な工場程では無いが、かなり広大な空間に辿り着いた。

 

 其処は暗かった。

 

 何の光も無いので、仕方無く魔法技術と科学技術の融合で出来上がった、疑似太陽を生み出して空間に放った。

 

 疑似太陽による光源で、空間の奥の方に何かが見えて来る。

 

 其れは、超巨大なコクーン(繭)の様に見えた。

 

 しかし、白濁しきったその中身は見えない。

 

 詳細なデータを得ようと探知魔法を飛ばしたり、超探査プローブを放ち様々な探査手段を行使したが、一切の探査手段が阻害される。

 

 恐らく此の超巨大なコクーン(繭)の中身こそが、我々の目標である!

 

 一気に勝負を決めるべく、我々突撃部隊は攻撃体勢に移ろうと、準備に入ろうとした瞬間!

 

 悍ましい程の強力な悪意を持った存在が、我々の眼前に出現し始めた!

 

 《・・・やはり居たか・・・、最終目標のガーディアン(護衛)・・・、恐らくは最強の敵!》

 

 空間を歪めながら、何処からかやって来る存在!

 

 其奴に対抗するべく我々の乗る神機達は、己の中に有る至高のエンジン『ゴッド・ハート(神の心臓)』を限界まで唸りを上げさせた。

 

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