様々な遠距離攻撃の応酬を繰り返したが、『ツァトゥグァ』の体表にも届かない。
《・・・『リミットブレイク(限界突破)3』、然も至高のエンジン『ゴッド・ハート(神の心臓)』をフルスロットルで放つ攻撃は、軽く惑星数個分消し飛ばすレベルなのに、一発も『ツァトゥグァ』に届かないとは・・。》
こんなに桁が違う相手だと、如何に俺が『鏡花水月』を会得していようと、力の方向や弱点を掴もうとしても何の役にも立たず、とてもでは無いが我々では対抗しようが無い。
しかし、泣き言を言っていても仕方が無い。
「力では、『ツァトゥグァ』に到底敵わないのは判ったが、何らかの手段を皆で見付けられる様に頑張ってみよう」
「・・・そうだな、幸い奴は率先して行動する訳でも無いので、此方から行動しない限り動かない。
ならば、様々な手段を試そうぜ!」
「なら、私から提案なんだけど、此の足元の超巨大なコクーン(繭)を積極的に巻き込みましょうよ!
どう考えても私達と『ツァトゥグァ』が、こんなに近くでやり合っているのに、手を出してこない処を見ると、攻撃する手段が無いんじゃないかしら?」
「其れは良い着眼点だねサクラ、僕も超巨大なコクーン(繭)を観察してたら、防御行動では無いけど『P.K.(念動力)』を厚くする自動防御の様な自律行動だけはしているよ。
もしかすると、生命体の無意識での防御かも知れない」
「だったら、無理矢理にでも『ツァトゥグァ』の攻撃も絡ませて、超巨大なコクーン(繭)の『P.K.(念動力)』を厚くする自動防御を越える威力で、ぶつけてやりましょうよ」
「そうね、吾達にとっては突撃部隊以外には守るべき存在は、此の空間に存在しないんだから、気にせずに攻撃しまくりましょうよ!」
仲間達の意見を受けて、神機の高機動力を活かして超巨大なコクーン(繭)を背にしながら、『ツァトゥグァ』を苛つかせる為に、周囲に纏わり付く蝿であるかの様に魔法で出来た自律攻撃する玉を無数に作り出す。
案の定、『ツァトゥグァ』は苛立ち始めて、無茶苦茶に攻撃して来た。
其の攻撃は当然、俺達が背にしている超巨大なコクーン(繭)に当たりまくり、神機で攻撃せずとも被害を与える事に成功した。
《・・・さて、上手く行けばこのまま『ツァトゥグァ』を利用して、超巨大なコクーン(繭)の正体を暴けるかも知れないな・・・。》
其処まで上手く行かなくとも、超巨大なコクーン(繭)の外殻にかなりの傷を負わせてくれれば、此方が突入する事が出来るだろう。
其れを期待して、神機からそこそこの攻撃を『ツァトゥグァ』にして、注意を促して強力な攻撃を神機にするように誘導した。
すると、『ツァトゥグァ』の体表で無数に蠢く触手から、黒色のビームが一斉に放たれて収束する様に神機達に襲い掛かる。
だが、予め来る事が判っている攻撃は少しも怖くない。
ギリギリで回避して、『ツァトゥグァ』の興味を惹きながら神機達は、大穴の開いた超巨大なコクーン(繭)の外殻から遠ざかり、『ツァトゥグァ』を遠くへ誘導した。
その間に、突撃部隊が搭乗している特別製の揚陸艦は隠蔽魔法で姿を隠しながら、大穴の開いた超巨大なコクーン(繭)の外殻内に潜入して行った。
《良し、上手く行ったぞ! 頼んだ突撃部隊の皆! 必ず超巨大なコクーン(繭)内部に存在する敵バグスの首魁を滅ぼしてくれ!》
予め、此の事態も有り得ると作戦案は用意されていたので、其の作戦案通りに突撃部隊の皆は遅滞無く侵入して行った。
《さて、上手く突撃部隊の皆が侵入出来た以上、『ツァトゥグァ』には退場して貰おうか!》
至高のエンジン『ゴッド・ハート(神の心臓)』は、唸りを上げながらエネルギーを噴出させて、神機に強力極まり無い攻撃を繰り出させてくれる!
しかし、『ツァトゥグァ』はそんな星系破壊出来るレベルの攻撃に対し、難なく同等の攻撃を跳ね返す様に返してくる。
だが、此れまで『ツァトゥグァ』と対戦して来て、判ってきた事が幾つか有る。
『ツァトゥグァ』は決して、此方の攻撃を上回る攻撃を返してくる事が無く、常に同等の攻撃でしか返して来ない。
其れも、絶対に此方の行動を見てから行動して来るので、必ず此方が先手を取れる。
恐らく『ツァトゥグァ』は、何らかの理由で意思を持っていないか抑制されていて、その代わりに自己防衛本能の様な行動原理だけは問題無く起動する様になっているのだろう。
更には、思考能力が無い所為か、あまり周りの状況を考慮した行動を取っていないので、上手く行けば自滅的な行動に誘導出来るかも知れない。