(突撃部隊ドラゴン軍団 軍団長アトラス黒竜王)視点
ドラゴン達による『インフェルノ・カノン』と、機雷敷設による攻撃範囲の収束により、敵の怪物共はある種の視野狭窄が起こり、次々と同じ方向からの侵入しか選択しなくなり、まるで海に身投げするレミングの様に馬鹿みたいに自殺して行く。
まあ、そう仕向けたのは我々なのだから、文句を付けるのはどうかと云う意見も有るだろう。
しかし、其の昔、惑星アレスでの地上戦を経験していた者としては、バグスが相手となってからは、まともな思考戦が一切無くなり、単に生物の衝動とまるで群生生物の、個体其れ其れの思考が無い蟻や蜂に似た全体的な行動原理でしか動かないので、集団戦には向いているかも知れないが、ある意味パターン化していて予測が立ちやすい。
なので、効率的に怪物共を処理する事にして行く。
『インフェルノ・カノン』を撃つことで、魔力を使い切ったドラゴン軍団は、『竜機人(ドラゴノイド)』の標準装備である両肩の高威力ブラスターと、両手に持つビーム・マシンガンを効率良く怪物共に叩き込んで行く。
『竜機人(ドラゴノイド)』には、腹部に存在する『モノポール・エンジン』から得られる、莫大なエネルギーが有るので高威力ブラスターとビーム・マシンガンを連射する程度なら、半永久的に撃ち続けられるし、其の間にエネルギーを魔力に変換する『対消滅リアクター』が背中側で稼働し続けている。
恐らく後一時間もすれば、先程と同じく『インフェルノ・カノン』を撃つ前までに魔力を回復出来るだろう。
しかし、そんな風に効率的に怪物共を処理し続けているのだが、一向に怪物共が尽きる気配が無い。
まさか無限に湧き出る筈は無いのだが、此れまで倒した怪物共の数が概算で100億を優に越えているのに、勢いが衰えないので些か心配になって来た。
《・・・此処らで、一旦休憩を取らせないと、武器の消耗度が問題になって来るな・・・》
そう考えて、『突撃部隊部隊長 ラウンズ筆頭 『劉備玄徳』殿』に自分と妻の必殺技の一つを使用したい旨を具申した。
やはり同じ思いを抱いていたらしい、『劉備玄徳』殿からは直ぐに許しが出たので、早速準備に入る。
先ず妻の『紅龍妃 グローリア』の『竜機神(ドラグゴッド)』が携える『神杖(ゴッド・ワンド)』を、怪物共が押し寄せてくる直前に配置して、自分と妻は其れ其れが『神弓(ゴッド・ゴーガン)』を構える。
そして、其れ其れの『神弓(ゴッド・ゴーガン)』にて、魔力を凝縮した『神矢(ゴッド・アロー)』を番えて『神杖(ゴッド・ワンド)』に向けて放った。
魔力を凝縮した『神矢(ゴッド・アロー)』を、『神杖(ゴッド・ワンド)』の作るフィールドを通す事で、増幅した上に分裂させて100万の矢となって怪物共に襲い掛かる!
其の放たれた必殺技こそは、『神矢万箭矢(ゴッド・ミリオン・アロー)』!
100万の矢は、怪物共を一気に貫き通しながら、そのまま空間に開いた穴へ殺到し、空間を隔てた場所に存在する怪物共に襲い掛かり続ける。
此れで、暫くの猶予が取れた筈なので、自分の配下のドラゴン軍団に休息と武器の点検を申し渡し、その間に残存している怪物の掃討を、ラウンズの『機動武人(モビルウォリアー)』と『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』に頑張って貰う。
かなりの数の怪物共を、先程の『神矢万箭矢(ゴッド・ミリオン・アロー)』で倒したが、未だに10万程の怪物共が此の空間に居るので、ラウンズと『薩摩武士団』は周囲の機雷を利用しながら次々と怪物共を殲滅して行く。
凡そ一時間が経ち、全ての此の空間に居る怪物共が居なくなったので、改めてアポロニウス皇太子殿下と連絡を取ってみた。
【アポロニウス皇太子殿下! 此方は一旦、敵バグスの攻撃が一段落していますので、敵の中心核に向かおうと思います、そちらはどの様な状況ですか?】
【そうか、見事な戦果だアトラス黒竜王殿! 逆に此方はひたすらの攻撃の掛け合いで、もう少ししたら『リミットブレイク(限界突破)3』の限界時間となってしまう。
よって、此方は無視して敵の中心核に攻撃し、トドメを刺してくれ!】
【・・・了解致しました。 アポロニウス皇太子殿下に於いても決して無理はしないで下さい!】
【・・・当然だよ・・、こんな所で死ねないからな!】
やはり、『ツァトゥグァ』相手では、如何に神機と言えど勝ちきれずに、何とか競り合えているだけなようだ。
ならば、突撃部隊のみで敵の中心核を崩壊させてみせるまで!
準備の終わったドラゴン軍団を主軸とした攻撃を掛ける為に、空間の穴から離れた方向から敵の真の意味での中心核に向かった。
いよいよ見えて来た敵の中心核は上下に太い柱が有り、其の真ん中には半透明な球体が存在した。
至近距離なので、詳細な探知魔法と科学的探査を行うと、様々なデータが出揃ってきた。
あの中心核から伸びる上下に太い柱は、どうやら神経柱な様だ。
つまり、目の前に有る敵の中心核である半透明な球体は、恐らく此の仮称『巣(ネスト)』の司令部と推測が出来た。
覚悟を決めて自分達突撃部隊の全員は、己達が持つ最強の攻撃力の必殺技を行使するべく準備に入る。