皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第27話

 (6次元 奈落の底 宮殿『マウス・オブ・マッドネス』にて揺蕩う旧支配者の総帥『魔皇アザトース』)視点

 

 不快な気分となる・・・。

 

 此れまでは順調に行っていた・・・。

 

 永遠の時にて、争い続ける敵対者・・・『調整者』・・・、奴等の産まれた3.5次元への侵略は、順調に行われていた・・・。

 

 余は配下の蕃神(ばんしん)と共に、4次元世界より産まれ、『古きものども』を従えて4次元を席巻し、全てを奪い取った・・・。

 

 そして高次元への侵略を開始し、5次元を簒奪し6次元への侵略も間もなく終わるだろう・・・。

 

 しかし、余の此の行動を良しとせず、阻害して来る者が有った・・・。

 

 ・・・『調整者』・・・。

 

 奴等は、烏滸がましくも、自らを次元の安定と調律を図る、『調整者』と名乗り、余達の行動を掣肘して来たのだ・・・。

 

 不愉快であり、不遜であり、不満である・・・。

 

 だが、奴等が存在する、7次元の保有する力は絶大で有り、余と蕃神(ばんしん)そして配下の『古きものども』達の力を結集しても、其の牙城を崩す事は出来ない・・・。

 

 だが、奴等『調整者』の一人、『ルミナス』の根源力の拠り所を解析した、余の臣下『ナイアーラトテップ』は、教えてくれた・・・。

 

 奴等『調整者』は、余の産まれた4次元世界より下位の、3.5次元が力の根拠となっていると・・・。

 

 ならば、少しでも奴等の力を削ぐ為にも、下位次元である3.5次元を簒奪する必要がある・・・。

 

 此の目論見を果たす為に、余は様々な手を打った・・・。

 

 配下の『古きものども』達から、それなりの者である『クトゥルフ』・『ダゴン』・『ツァトゥグァ』などを、3.5次元に派遣する事にした・・・。

 

 しかし、此れまでの様に上位次元への侵略と異なり、下位次元である3.5次元を簒奪するには、余達の力は強大過ぎて、制限が掛かってしまった・・・。

 

 仕方無く、配下の『古きものども』達は100分の1程の分体を、次元の穴を通じて送り込む事にした・・・。

 

 例え、100分の1程の分体であろうと、配下の『古きものども』達は強大であり、3.5次元内の宇宙群はドンドンと侵略を成功させた・・・。

 

 だが、27899小宇宙の侵略の際にイレギュラーが生じる・・・。

 

 何と、27899小宇宙の中でも非常に小さい銀河雲の一角で、『クトゥルフ』の分体が消滅したのだ・・・。

 

 本来の100分の1程の分体であろうと、『クトゥルフ』は余の配下として、上位次元を侵略するにあたり、数々の武勲を得た強者である・・・。

 

 たかが、下位次元の原生生物などに、滅ぼされる道理が無い・・・。

 

 其の間違いを正す為に、余は残っていた『ツァトゥグァ』を現地に派遣した・・・。

 

 なのに、有り得ないことに、『ツァトゥグァ』まで消滅してしまった・・・。

 

 有って良い訳が無く、非常に不愉快極まりない・・・。

 

 困った事に、余や蕃神(ばんしん)であっても、何故か下位次元の3.5次元の完全な観測を行えていない・・・。

 

 4次元と5次元は観測出来ているので、不自然極まり無い・・・。

 

 恐らくは、奴等『調整者』が何らかの方法で、余達が観測出来ない様な措置を取ったのだろう・・・。

 

 全く忌々しい話しだが、方法論も推測出来ないのだから、どうしようも無い・・・。

 

 だが、辛うじて『クトゥルフ』達の消滅だけは、本体のオリジナルが感応で把握出来るので判った・・・。

 

 一体どの様な原生生物が、強者である『クトゥルフ』達の分体を消滅させたのだろうか・・・?

 

 余達に手傷を負わせるだけでも、奴等『調整者』であってすら難題であるにも関わらずだ・・・。

 

 もしかすると、奴等『調整者』も何らかの対抗手段を、3.5次元に構築しているのかもしれないな・・・。

 

 まあ、待つしか無いのかも知れないな・・・。

 

 既に、下位次元に通ずる次元の穴は構築出来ず、これ以上下位次元に戦力を出す訳にも行かない・・・。

 

 余達が行った行為は、当然、奴等『調整者』も把握していて、同じ措置を4次元と5次元に講じてきている・・・。

 

 其処には、余達の分体も守備に就いて居るのだから・・・。

 

 3.5次元も大雑把ながら、戦力分布図では大半の宇宙を占領出来ていた・・・。

 

 其れ等がきっと、『クトゥルフ』達を消滅させた忌々しい原生生物を、葬ってくれるだろう・・・。

 

 かなりの時を掛ける事になるだろうが、そもそも寿命などと云うものが存在しない、余や蕃神(ばんしん)そして『古きものども』達にとって、何億年掛かろうと、永遠を生きる余達には須臾の時に過ぎない・・・。

 

 何時の日か、3.5次元を席巻した余の眷属が、戦力になり敵対者たる奴等『調整者』を、追いやる重要な存在になってくれるだろう・・・。

 

 そんな将来を夢見て、余は今しばらく眠るとしよう・・・。

 

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