皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第29話

 あの遠征から5年が経った・・・。

 

 遠征から帰還した『殴り込み艦隊』は、戦力を殆ど失ったのでアルカディア星系の守備部隊として再編し、自分が常駐する惑星アルカディアの周辺に存在する数多の軍事惑星で戦力の回復に務めている。

 

 其れと入れ替わる形で、此れまでずっと防衛戦力として編成されて来た、妹弟達の軍団が周囲の他星系に進出して行った。

 

 敵バグスの空間戦力たる宇宙戦列艦群と機動兵器や怪物共は、『虚無(ヴォイド)』空間に集結させてしまった上に、司令塔だった『マザー・バグス』も『巣(ネスト)』内の戦闘の際に、『司令バグス』の産まれ出る苗床になってしまい、現在バグスに指示を出せる者は存在しない。

 

 なので周囲の他星系には、敵バグスが残して行った地上兵力が存在しているだけなので、地下などに退避している『人類に連なる者』達の安全を確保した上で、大量のパワードスーツと大量のドローンを降下させて、敵バグスの地上兵力を殲滅して行くと云う、謂わばルーチンワークを行い、次々と解放して行った。

 

 加速度的に周囲の星系は解放され、5年が経った現在『人類銀河帝国』に新しく編入された星系は30を越えた。

 

 漸く以前の『人類銀河帝国』の戦力に質的には凌駕する体制になれた。

 

 各星系を『スター・ロード』で繋げる事で、大規模な施設と大出力の電力が必要無くなった超FTL通信を遥かに越えた速度を持つ、『銀河通信ネットワーク』を構築する事に成功する。

 

 当然此の画期的な通信技術は、元々惑星アレスの月に有った神々(調整者)の超科学力と魔法技術の融合から生み出された物で、我々が独自に全て開発した物ではない。

 

 しかし、更に『スター・ロード』に魔力を通わせて通信速度の加速化と安定化、そして重要な星系での通信と物流のハブ化は、新しい帝国の頭脳人や役人達の努力のお陰である。

 

 きっと神々(調整者)も、我々が元の技術を更に発展させて、円滑な運用をしている事実を賀してくれる事だろう。

 

 『人類銀河帝国』に新しく編入された星系が30を越えた事で、各星系には常時防衛艦隊が二つ常駐し、交代交代で防衛任務を行い常に余裕を持った戦力を保持させる。

 

 其れとは別に、何時でも何れかの星系が攻撃に晒された際に、救援に向かう機動艦隊を10艦隊、現在は各星系のほぼ中央に存在する、此処、アルカディア星系に遊弋させている。

 

 此の先の大戦からの5年間で、戦力の回復は十分に整ったので、後は全壊してしまった『神機』達と『機動武人(モビルウォリアー)』の復旧とアップデートに努める予定だ・・・。

 

 嗚呼、そうだった。 実は此の5年間で自分達は私的な事で大変化が有った。

 

 先ずは、神機のメインパイロット全員が結婚したのだ。

 

 正直な処、自分は半ば本気でバグスとの戦いで戦死するだろうと予感していて、実際に先の大戦では死ぬ間際まで追い込まれても居る。

 

 なので極力、無責任な事は出来ないので婚約等の約束事は回避していた。

 

 しかし、いざ生き残って帰還してみれば、とんでもない数の婚姻申込みの依頼が殺到し、断りの返事を角が立たないように文面を考えるだけで、庶務が疎かになる程忙殺された。

 

 結果、仲間で相談した結果、全員が仲間で結婚する事が決まる。

 

 些か問題が有りすぎな気もするが、同時に産まれてから全員で遊んで行く内に、おままごとを始めてからは様々なシチュエーションを男子と女子で考えて、大体のポジションは決まっていた。

 

 そんな関係に決定的な変化が起こったのは、小等部に入る直前に出会った『褒姒』が、やたらと自分に興味を持ち絡んできてからだ。

 

 『褒姒』は、崑崙皇国の唯一の皇女と云う事で、蝶よ花よと育てられていて、然も様々な才能が突出している上に、潜在していた魔力は人間の限界点を遥かに越えていた。

 

 なので、自分と初めて出会った頃は相当に天狗になっていて、自分が本気を見せると全力で自分に挑んできて、其れに応えて対応してやると自分の事を詳細に知りたがって来た。

 

 其処からは年に数回は直接会って武道の力を試し合ったり、中等部からは一緒の学生生活を共に過ごし、高等部からは宇宙での生活を主にして、そのまま殆ど仲間達と一緒の家族の様な生活だ。

 

 此処まで濃い生活を共にすると、他の人とは思い出が無さ過ぎて、結婚相手としては過去の共通点が見い出せない。

 

 結局、仲間内でパートナーを作り、結婚するしか無くなった。

 

 其の際に、自分とケントそしてロンには選択肢が無く、女性陣での拳を交えた話し合いでパートナーが決まった。

 

 まあ、本当の処は己を納得させる為の通過儀礼だったらしいけど・・・。

 

 そういった事情で、自分と褒姒、ケントとサクラ、ロンとマリアが結婚する事になり、国事行為の自分と褒姒の結婚式が、大々的に行われた後に、ケントとサクラそしてロンとマリアの結婚式が其の一週間後に行われた。

 

 此れ等の結婚式も、此処、惑星アルカディアで行ったので、自分達は惑星アレスでなくて生活拠点は惑星アルカディアと定める事になった。

 

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