更に時が経ち、人類銀河帝国 コリント朝300年・・・。
現在は、儂の孫である『アルトリウス・コリント』が第4代人類銀河帝国皇帝の御代である。
いよいよ今から儂と妻の『褒姒』含む仲間達と共に、『アーカーシャー解脱』を行う。
如何に『ナノム玉3』による最高の強化措置を行った肉体であろうと、300年近く生きて来るとかなりキツいものがあるし、子孫達にとっても老害となっている様な気がする。
「・・・其れでは、実行します・・・。」
何代目かの賢聖が、我々6人の『アーカーシャー解脱』を指揮する。
少し離れた場所に有る遺族部屋と中継で繋いで貰っているので、最期の挨拶を行う。
「・・・『アリオン』上皇に『アルトリウス』皇帝よ・・・、息子と孫にして『人類銀河帝国』及び、アンドロメダ銀河や大マゼラン銀河を含む『大銀河連邦』の盟主よ・・・、そなた達ならば此の小宇宙の命運を任せられる。
未だ残存する敵バグス共も、10個の銀河を統括する『大銀河連邦』が持つ航宙軍ならば、後は殲滅処理を行うだけで済むだろう・・・。
もし、バグス以上の外敵が現れたとしても、そなた達が復活させた上に増やす事に成功した、『神機』20機と見事に相続してくれた『神鎧ジークフリート』ならば、『人類に連なる者』の未来を託せる。
他の者達も頼んだぞ!」
と元第2代人類銀河帝国皇帝としての義務としての言葉を贈り、少し砕けた遺言も子孫達に贈る。
「さて、堅苦しい言葉は終わりで、集まってくれた子供達よ聞いてくれ。
おじいちゃんとおばあちゃん、そして仲間達は今から『アーカーシャー解脱』と云う物を行い、謂わば幽霊の様な存在になってしまうが、ちゃんと手続きをとって申請すれば、AR空間で再会出来るし、色んな相談に乗る事も出来るよ。
其れに、儂達だけでなく、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、そして他の人達とも出会う事が出来る。
きっと寂しく無いし、もしかすると神様と会話できるかも知れない。
それって素晴らしいと思わないかい?」
そう言って、子孫達全員に笑いかけた。
隣に横たわる妻の『褒姒』と仲間達も、其れ其れに子孫達全員に別れを告げていた。
漸く、全てのお別れが済み、其の時がやって来る・・・。
そっと儂の右手と左手を握って来る者達が居る。
左手は『褒姒』が、右手は『ケント』が握り、良く見ると他の仲間達も全員円を描く形で両手を繋いで居る。
「・・・此れからも貴方と共に有るわ・・・。」
と言いながら妻の『褒姒』が顔をほころばせ、『ケント』や他の仲間達も、
「嗚呼、其の通りだぜアポロ! 産まれた時も一緒だったし、此れからもずっと一緒だぜ、なあ、みんな!」
「そうだよ、アポロ」
「「其の通りよ、アポロ」」
と応えてくれた。
「・・・そうだな、此れからもずっとみんな一緒だ、さあ、行こうか・・・。」
「「「うん!」」」
何だか、幼い頃に立ち返った応答をして、現在の賢聖に頷き『アーカーシャー解脱』は実行された・・・。
暫くの間、恐らく意識が無かったのだろう。
【・・・アポロ・・・、起きて、アポロ・・・】
誰かが、何だか非常に懐かしい声を掛けて来るのを感じる・・・。
いや、寧ろAR通信に近い精神に訴えて来る様な感じだ。
起き上がろうと意識したが、何だかフワフワした感じで、年老いて最近は億劫になっていた起きると云う行動が、直ぐに出来た事で違和感を覚えた。
《・・・そうか、精神体になったのだから、身体の負荷が一切無くなったのか・・・。》
そう思考すると、呼ばれた事を思い出し、呼ばれたと感じた方向に意識を向けた。
【うん、問題無い様ね。 精神体になった事への戸惑いも殆ど無さそうね】
そう言いいながら、僕を観察するうら若い女性が、にこやかに微笑んだ。
《・・・誰だろう・・・?》
と疑問に思っていると、反対方向からも懐かしい声を掛けられた様に感じる。
【流石のアポロも、困惑してる様だね。 現世でのモニター越しの会話では、年取った姿形で表示されていたからなあ】
其の言葉のイントネーションと、懐かしい気配に僕は振り返った。
其処には、想像通り若い頃(多分25歳頃)の父様の姿が有った。
【父様! それじゃあ此方の女性は母様ですか?!】
【失礼ね、アポロ! アランの事は直ぐに判ったのに、私の事は判らなかったなんて!】
【いや、だって僕は母様のそんな姿は記憶に無いですよ! 僕の知っている母様は一番若い頃でも、妹達と弟をあやしている母親としての姿で、そんな高等部の女子位の頃は知りませんよ!】
【其れもそうね、だけど此の頃の姿がアランと出会った時で、私に取っては思い出深い姿なの。
つまり私にとって最高の姿なのよ!
其れにアポロこそ、5歳児位の姿になって居るわよ!】
【エッ?! それじゃあ僕が望んでいる最高の姿は、こんな幼児の頃の姿なの?!】
【いや、そうじゃないと思うな。 多分父親母親がこんな姿なので影響されたからだろうな】
そんな会話をしていると、何だか凄く懐かしい甲高い声を上げた幼児姿の女の子が走ってくる。
走ってくると云うのは語弊が有るな、何故なら幼児姿の女の子はフワフワと浮いて居るのだから。
【うわ、懐かしいな初めて会った頃の褒姒じゃないか!】
【そう言うアポロも、初めて会った頃の姿じゃない!】
そんな風に会話していると、褒姒の両親がやって来るのが見えた。
崑崙皇国の皇帝夫妻だった褒姒の両親も、凄く若返っている。
僕と父様・母様が頭を下げると、褒姒の両親も礼を返して来る。
そして幼い褒姒が僕の手をとって、
【面白いのよね~、さっきチラッと見えたんだけど、ケントやサクラ達も私達と同じく幼児姿だったわ。
此の頃の姿に思い入れが有るのかしら?】
【そうかも知れないな・・・、丁度、小等部に入る前の此の頃は、色んな人と出会ったり様々な出来事があって印象深かったからかな?】
【まあ、精神体になったんだから姿形なんて自由自在だし、此れからは永遠と言って良い時間が有るもの!
色々と試して行けば良いし、全ての責任も無くなったのだから、楽しみましょう!】
【其れもそうだな、どうせ妹達や弟も来年辺りに『アーカーシャー解脱』するだろうから、居心地の良い場所になるだろうな~】
【そうよ、きっと凄く素晴らしい場所になるわ! さあ、みんなに会いに行きましょう!】
【そうだね! 褒姒、行こう!】
そう言って、僕は褒姒と手を繋ぎみんなの居る場所に向かう。
《こんなに、安らかになれるとはね。
肉体に縛られて居た時は、責任と義務が凄かったので辛かったけど、頑張って良かったよ。
僕の子孫達も、頑張っていれば僕の様に報われるだろうな》
そう思いながら、懐かしい人々の居る光り輝く場所に、懐かしい人々を見付けて手を振りながら近付き、暖かく迎えられてみんなで笑いあった。
ありがとう、みんな! 此れからも宜しくね!
此れにて、変則的ながら2つに分けた物語は終結しました。
大変、文章力の無い駄文であったと思いますが、一応終わらせる事が出来ました。
此れも読者の皆さんが、付き合って読んでくれて感想を述べてくれたお陰です。
読んで下さった方々は察して居られると思いますが、実は此の2次小説は一切手直しの無い草稿をそのまま載せさせて頂いた、非常に不完全な物なのです(汗)
兎に角、自分の中で湧き上がる『航宙軍士官、冒険者になる』と云う素晴らしい小説への想いを、リビドーの赴くままに書き殴ったと云うのが此の作品です(汗)
なので、非常に整合性の欠けた読むに耐えない代物であったのは、自分自身よく判って居ります。
ただ、言い訳をさせて貰うと、今後、別のオリジナル作品を作るにあたり、色々と修行させて貰いながら、ハーメルンで勉強する事が出来た事は非常に有り難かったです。
どの様な形で今後、自分の作品を載せる事になるのかは、まだ非常に流動的ですが、取り敢えず既に草稿を脱稿している『格闘技』と『魔法学園』モノを、短編集として何処かで発表したいと想います。
どうか、引き続き読んで下さると非常に有り難いです。
また、此の不完全な物語も、暇が出来ましたら全てやり直すレベルで、書き直した代物も発表したいと思っています。
時折、覗いてくれると幸甚です。
では、一先ずのお別れですが、こんな妄想だらけの1ファンが『航宙軍士官、冒険者になる』と云う素晴らしい作品をリスペクトしている事を、原作者様が知ってくれると良いなと願って居ります。