皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第11話

 朝食を済ませて、迎賓館から出発した送迎バスが、僕のクラスメイト達が滞在しているホテルに向かい、みんなが搭乗してから『第七回 世界武道大会』会場の『コロシアム』に向かう。

 

 このコロシアムは、遥か昔から存在している魔法的遺物、所謂『アーティファクト』そのもので、様々な機能を有していて、帝国の技術の幾つかは、この機能を賢聖モーガン様やマリオン様が調べる事で、利用出来る様になったそうだ。

 

 全く、先史文明や神々(調整者)の方々の技術は凄いものだ。

 まあ、親友達の神機を見学した際にも思ったが、神々(調整者)の技術は正に神域に有り、人が到達するには尚数百年掛かりそうだ。

 

 そんなコロシアムに到着し教師たちの先導の元、中に入っていくとまだ始まっていないのに喧騒が凄い。

 帝国第一校小等部の張り紙がある席にみんなで向かい、順番に座って行き隣同士に親友達が座ると、ブザーが鳴り他校の生徒達も座り始めた。

 

 開会式が始まり、ルールや禁止事項が説明されそれが終わると、剣聖『ヒエン』様と拳聖『ダルマ』様が宣言された。

 

 「此れより、『第七回 世界武道大会』を開始する!」

 

 「各々が1年間磨いてきた技と鍛錬を、思う存分発揮する事を望む!」

 

 とのお言葉に、

 

 「「「「「オオオオオオッ!!!」」」」」

 

 との歓声が上がり、早速熱気が立ち昇る。

 

 小等部の演武大会が最初なので、その地方大会の様子が立体プロジェクターで映し出された。

 色々な地方や各国で演武をしている生徒達が頑張っている様子、そしてそれを根気良く教えて行く神剣流と神拳流の師範代、他にも小等部の教師が帝国の基本武術で有るコリント流剣術とコリント流格闘術を教えるシーンが流れて行く。

 

 20分程の動画が終わると、準備の終わった小等部高学年による演武が始まった。

 

 選手が、4部門『神剣流』『神拳流』『コリント流剣術』『コリント流格闘術』の演武を行い、優れた演武を行った選手から順位を付けて行く。

 

 準決勝までは、昨日までに終わっているので、決勝戦に出場する10人が演武して行く。

 

 僕達のドッジボール指導をしてくれている先輩も、決勝戦には出場出来ていた。

 ただ公平な目で見ていると、出場選手の内、日の本諸島の一人の選手と崑崙皇国の2人の選手の演武が素晴らしい。

 

 結局、総合得点でトップが日の本諸島の選手で、2位と3位が崑崙皇国の2人の選手に決まった。

 

 残念では有るが、公平な採点結果に会場は盛り上がっているし、先輩も納得しているみたいだ。

 

 僕達の応援席に戻ってきた先輩は、応援してくれていた全員に感謝し、全力で演武出来たと誇らしげだった。

 僕達も見事でしたと称え、労って上げた。

 

 次の中等部の演武は小等部と若干違い、普通の型の演武以外に各流派の奥義を使える者は、人形相手に繰り出して良い事になっている。

 このルールは、かのテオさんとエラさんの天才兄妹が、中等部の時に奥義の幾つかを披露して優勝してしまったので、ルールが変更された経緯があるのだ。

 実際に過去の中等部優勝者は、全員奥義の披露で優勝している。

 

 正直な処、小等部でもこのルールに変更して貰いたいと思っている。

 

 会場の清掃が終わって、中等部の演武が始まる。

 やはり、小等部の演武と違い中等部の演武はメリハリが違うし、完成度が素晴らしかった。

 

 だが、此処でも日の本諸島と崑崙皇国の選手が、素晴らしい演武を披露している。

 まあ、此の原因はなんとなく察しが付く、理由は剣王と拳王が其れ其れの国に正式に招聘されていて、非常に熱心に師匠の剣聖と拳聖の弟子を超えるべく指導しているからだ。

 

 そして困った事に、現在、剣聖と拳聖は僕達親友5人組と妹達を、事実上の直弟子にしていて鍛えているので、他の世代はおざなりになっている。

 

 此の事実は本当に他の世代には申し訳ないが、剣聖と拳聖に僕達の立場でものを言える訳もなく、どうしようもない。

 

 案の定、中等部も小等部の結果と同様に、1位から3位まで全て日の本諸島と崑崙皇国に占められてしまった。

 

 この結果に結構帝国の教師陣はショックの様で、専門の教師陣は青褪めた顔をして集まっている。

 

 《・・・うーん、此の結果は帝国にとって不味いかも知れないな・・・。》

 

 と感想を抱きながら、昼休憩に入ったので昼食を摂るべく、みんなで会場近くに設営されている食事スペースに向かった。

 

 教師陣はお通夜状態だが、生徒である僕達は別に気にする事無く、昼食を摂りながら他国の生徒の見事な演武を褒め称えていた。

 

 其処に、崑崙皇国の教師を連れた彼女(『玉藻前(たまものまえ)』)がやって来た。

 彼女はゾロゾロとお付きの護衛を連れて、僕達帝国のスペースに現れて、お互いの教師達は互いに健闘を称え合い、今後の夏と秋のイベント開催の確認等を話し始めた。

 

 彼女は帝国側の選手の健闘を称え、残念な成績も来年の挽回の糧にして下さいと申し添えて来た。

 

 完璧だ、彼女は崑崙皇国皇女の振る舞いとして、完全な礼儀を示している。

 

 そんな彼女は上級生達を労った後、僕達新入生に近づいてきて、

 

 「貴方方が、我と同世代なのね、小等部の高学年になった時にはお互いがんばりましょう!」

 

 と言ってきたので、僕が応対して、

 

 「そうだね、早くても後3年後からだけど、その時はお互い頑張ろう!」

 

 と激励しあい握手をして別れた。

 さて、午後からは高等部の試合が始まる。

 エラさんの応援を頑張るぞ!

 

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