皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第19話

 宇宙船は、昔の首都である『マーラーヤナ』の広大な軍隊用の演習場に着陸させると、早速帝国から持ち込んだ重機が取り囲み、安定させる為の工事に着手し始めた。

 

 カルマ様の指示で、元々宇宙船に有った様々なアーティファクトを、機能が確認されている物はそのまま使用し、機能の判らない物は船内から搬出して研究する事になった。

 

 「アポロニウス皇子殿下、貴方の膨大な魔力の安定供給のお陰で、貴重なデータが取れました。

 此れからは、適切な魔力供給係数が判りましたので、後は代替エンジンを船内から操作出来る様に成りました。

 誠にありがとうございます!」

 

 「いえいえ、御役に立てて僕も嬉しいですよ。

 其れでは、予定通り現在の首都『ムンバイ』に向かいます。

 カルマ様と八仙の方々、またの再会を楽しみにしております」

 

 「私と八仙の方々は、ある程度の宇宙船の改修目処が付いたら、帝都コリントに行って賢聖『モーガン』殿そして帝国魔法技官長『マリオン』殿と技術指南を仰ぎ、アラン皇帝陛下との今後の計画を話す必要があるので、アポロニウス皇子殿下が旅行から帝都に帰って来た時会えますよ!」

 

 「そうですね、その時には僕の世界一周旅行で得た見聞を聞いてくださいね!」

 

 「ええ、楽しみにしてますよ」

 

 と話して、僕達はアーガマから呼んだ騎竜のミネルヴァに乗って首都『ムンバイ』に向かう。

 

 「此の地で、私の両親は『破滅竜ジャバウォック』を倒したのね!」

 

 「嗚呼、ミネルヴァも大好きな連続ドラマでも有った、アラム聖国VS連合軍の大会戦でアラム聖国の『聖獣騎士団』《光翼隊》と共に屠ったんだよ!」

 

 僕達を乗せて、気持ち良くアラム共和国の青空を飛びながら、ミネルヴァは僕の相槌を聞いて大きく頷いた。

 

 「私とアポロの両親達は、今の平和を築く為にあの連続ドラマの通りに戦ったのよね・・・。」

 

 「嗚呼、凄い戦いの連続で、恐らくは連続ドラマでは描写されて無かったけど、きっと神経を擦り減らしながら全員頑張ったんだと思うよ・・・。

 僕が君と親友達と共に、世界一周旅行に行こうと思った理由の一つに、両親達が世界で戦った場所を巡って、実際にその場を体験したりその後どの様に変化したかを知りたかったんだよ!」

 

 「そうね、私も両親の戦友で有るドラゴン達の話しは聞いているけど、結構大雑把だし、両親達は今では神にも等しい能力を持つから、私との差が有り過ぎて実感が沸かないのよねー。」

 

 「其れには、同意だな! 僕は魔力こそ父様に勝てるけど、技術と効果的な魔法の運用、格闘技に於けるスキルはとてもじゃないけど到達出来る未来が見えないよ!

 ミネルヴァ! 君も連続ドラマで観たから知っているだろう。

 大体、殆ど魔法を使わず君のお父さんのアトラス様を、余裕で身体能力での格闘技を主に使用した対戦で降したシーンは、信じられなかったよ!」

 

 「あの戦闘は、アトラス父さんも未だに恥ずかしがってますよ(苦笑)。

 それまでは、本当に井の中の蛙大海を知らずで、人間をただ自分に比べ小さい事と魔力保持量も少ないというだけで見下していたけど、アラン様がその身体能力だけでアッサリと自分を気絶させた事に、己の元々持っている素質だけでは、自分より素質が上の存在にはアッサリと殺されてしまうのを痛感し、実際に帝国軍として従軍し始めたら、自分より圧倒的に強い『古きものども』の怪物達との連戦を繰り返す内に、アラン様の言いつけ通りに戦闘訓練と精神を鍛える努力をする事で、十分対抗出来た事でアラン様を心底尊敬してるの。

 私もあの連続ドラマを観て、アトラス父さんの気持ちが良く判ったわ!」

 

 「そうだな、僕もせめて気持ちだけでも父様に追いつける様に努力するよ!」

 

 そんな風にAR空間を利用した会話をしながら、本当に素晴らしい空の旅をしながら、首都『ムンバイ』の空港に着陸した。

 空港には、僕達の乗艦アーガマの他に、アラム共和国の飛行船『ラクシュミー』や帝国航空会社『エンパイア・エアー』の飛空挺が数多く就航していて、凄い混雑が空港内では起きている。

 

 「・・・凄い人数だな・・・、僕達は専用のゲートから入国審査も無しでくぐれたけど、一般ゲートは大変そうだ・・・。」

 

 と独り言を述べていたら、先導してくれている空港職員が、

 

 「全くですよ、アポロ皇子殿下の帝国と違い、未だに『ナノム玉』の普及率が50%を切っている上に、インフラ整備が遅れていますし、アラム共和国は山岳地帯が国土の半分を占めているので、山脈を容易に越えられる飛空挺の人気は、今後も変わらないでしょう。

 以前のアラム聖国を主導していた宗教指導者達には怒りしか有りませんよ!

 ひたすら軍事力に税金を使用していて、国民の為には欠片も還元しなかったとは、呆れるしか無いですよ!」

 

 と憤慨する様に言っていたので、おざなりながら相槌を打ち専用のゲートをくぐって、アラム共和国側が用意した送迎車両に乗った。

 

 アラム共和国側が僕達の滞在する宿泊所として用意した場所は、高級ホテルで元は藩王の離宮だったらしくて、とても大きな浴場が有るそうなので親友達は喜んでいるらしい。

 さて、僕も折角だから大浴場を堪能させて貰うかな。

 

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