皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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序章 第二話

 「浮かない顔をしてるな、どうしたんだアポロ?」

 

 と相変わらず元気の塊の様な雰囲気を醸し出して、親友の『ケント』は僕の机の隣に座りながら聞いて来た。

 

 「実は・・・。」

 

 と今朝の話しをすると、眼を輝かして、

 

 「それじゃあ、俺も教えて貰うよ!

 親父とお袋も、コリント流剣術と格闘術の達人だし、セリーナ様とシャロン様は同僚同士だから気心が知れていて問題無いし。

 2人同時に教えていれば、きっと厳しさも二分の一になるよ!」

 

 と言ってくれたので、成る程と納得しその方向で話しを進める事にしたので、一気に気が楽になった。

 流石ケントだ、生まれた時から兄弟の様に育って来たから、阿吽の呼吸で僕の気持ちを察してくれる。

 諸々の朝の出来事を互いに交換していると、やがて皇子宮の教室に、残りの生徒が次々と入室して来る。

 

 此の教室には、合計20名の同学年の子供が学んでいて、僕達同じ誕生日の5人以外にも、王族や貴族そして華族の子弟が通っている。

 元々は、僕達5人を纏めて遊ばせていて、その間に母親達がお茶会をしたり女子会をしたりと云う、時間に過ぎなかったんだけど、時々帝国でも一流と呼べる人々が、僕達幼児に色々教え始め、其の様子を見た高位の王族や貴族の方々が、自分たちの子弟にも参加させたいと打診が有り、其れをクレリア母様が受け入れた経緯が有る。

 

 まあ、特に変な子供が居る訳では無いから別に良いんだけど、やたらと家に招待したがる親御さんが居るので、ややうっとおしいと感じている今日この頃だ。

 

 そんな事を考えていると、『サクラ』ちゃんと『マリア』ちゃんが教室に入ってきて、僕とケントに挨拶のハイタッチを要求して来た。

 

 「パチン!」

 

 と結構良い音が鳴り、教室の他の子供達が注目する中、サクラちゃんとマリアちゃんは笑いながら、僕とケントに話し掛けてきた。

 

 「アポロとケントの相棒のアルファとベータから、私の相棒ガンマとマリアの相棒デルタ、そして『ロン』の相棒イプシロンが、朝の散歩で話題にしてたらしいけど、マリアの神機とロンの神機がいよいよ見つかったらしいじゃない!

 アポロとケントなら、親父さん達から何か教えてもらってるんでしょう!

 教えてよ!」

 

 「あたしの神機が、元々有った『アトランティス大陸』から失われて、何故か『南アメリア大陸』で見つかり、ロン君の神機も『北アメリア大陸』で見つかったらしいじゃない!

 ケント君とサクラちゃんの神機『応龍』と『天照』が見つかってから3年振りの発見だし、きっと大騒ぎになるわよ!」

 

 と二人共嬉しそうだ。

 ケントも、

 

 「俺の『応龍』も最近は、スター・ティア(星の涙)を通して意思疎通が上手くなってきて、ホログラフィー(疑似立体映像)を出せる様になってきたんだぜ!」

 

 自慢する様に、ケントは己のネックレスを見せてきて、中央に有るスター・ティア(星の涙)の表面に、『応龍』のホログラフィー(疑似立体映像)を浮かび上がらせる。

 

 「私も、出来るよ! 見てて!」

 

 とサクラちゃんもネックレスを出して、『天照』のホログラフィー(疑似立体映像)を浮かび上がらせた。

 

 教室中のクラスメイトが集まってきて、二人の神機のホログラフィー(疑似立体映像)を見て歓声を上げると、二人は得意になって胸を張って自分達の神機に命令する。

 

 「「みんなにアイサツして!」」

 

 との命令に二人の神機は、ホログラフィー(疑似立体映像)の姿を10倍に大きくすると、『応龍』は青く輝きながらドラゴンに良く似た頭を器用に沈ませて挨拶し、『天照』は桃色に輝き両手を会わせてお辞儀して挨拶してくれた。

 

 「「「ワーッ!!」」」

 

 と教室中のクラスメイト達が歓声を上げていると、丁度チャイムが鳴り先生が教室に入室して来た。

 

 「さあ、着席しなさいな!

 貴方方の大声は、廊下にまで聞こえていたわよ。

 あんまりはしたないと、午後のレクリエーションであるマナー講習では、厳しく教える様に担当の『ザード』子爵には通達しますからね!」

 

 と、ただでさえ気分の滅入るマナー講習が、より嫌になってしまいそうな事態に、周囲のクラスメイト達を見回して、

 

 「さあ、みんな静かにしよう!

 昼食の後の昼休みにじっくりと見せて貰うし、マリアちゃんとロン君の神機の話しをして上げるよ!

 授業中は、勉強に集中しようよ」

 

 と僕が皆に言うと、クラスメイト達は頷きながら席に着いてくれた。

 先生に向き直り、

 

 「どうぞ先生、授業に入って下さい!」

 

 と促すと、先生は何やら感銘を受けた様な様子でしきりに頷いている。

 

 その先生の様子に疑問を覚えたが、直ぐに授業が始まったので取り敢えず疑問は棚上げにした。

 

 授業は何時もの様に文字とルミナス教の書き取りと、先生が補足説明する『人類銀河帝国』の歴史、そして算数・理科・社会を午前中に集中して行う。

 

 此処に居るクラスメイト達は全て『ナノム玉1』を服用しているので、睡眠教育とイメージ動画で基本学力は既に帝国が成立する前の一般人20歳を凌駕する程だが、実際に文字を書いたりしないと、一方的なイメージ動画の押し付けでは、単なる暗記マシーンにしか成り得ないので、物を考える力を養う為に自分の考えを披露し合って、色々な考えが存在する事を理解し合うのだ。

 

 結構熱くなって、帝国が成立する前のベルタ王国で愚かな行為を繰り返した、『ヴィリス・バールケ』と云う宰相の結末に、クラスメイトが、

 

 「自業自得だね」

 

 「大した才能も無いのに、何で王権を奪えると思ったのかしら?」

 

 「単なるマヌケじゃないの」

 

 「周りの貴族も、見る目が無いね」

 

 「アラン皇帝陛下を見て、その常人では有り得ない輝きを理解出来ないなんて、身分信仰を過信したね」

 

 と様々な意見が出るのを見ても、5歳の幼児でも感じ方に差が有るなあと思い、十人十色のことわざは上手く例えたものだと感じ入る。

 

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