皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第24話 (アポロの背景)

 [サクラ視点]

 

 

 昨日私とマリアちゃんが、ホシさんとナタリーさんの子供達4人に会いに行ってる間に、ロンはクーガー君を自分の実験協力者にしたみたい。

 

 今朝から二人でプチ・パワードスーツの訓練を積極的にやってるわ。

 

 まあ、この二人は『クライナ公国』での公式な行事は無いから、どうでも良いんだけどね。

 

 さて、次の目的地は『ルーシア王国』だから、夏だけど朝晩は寒い所なの。

 ナタリーさんから貰った防寒具をマリアちゃんと一緒に試着しようっと!

 

 午後になって、盛大なクライナ公国の国民のお見送りを受けて、『ルーシア王国』へ出発したわ。

 

 『ルーシア王国』か・・・、帝国民の殆どが観た連続ドラマでも、スラブ連邦によって9割以上の国民が殺されて、一度国が滅ばされた可哀想な国家なの。

 だけど、唯一の王家生き残りの『アナスタシア王女』が西方教会に助力の申請を行い、その申請を帝国が西方教会のトップであった『ヨハネ教皇』や西方教会圏の同盟国等で、全面協力する事を確認し、帝国が主力となってスラブ連邦と戦う事となったわ。

 その此れまでのセリース大陸に於いて有り得ない規模、そして人間では無い『古きものども』との殲滅戦争は、信じられない化け物共との凄まじい連戦だったの。

 

 私達は、連続ドラマで初めて知ったけど、両親に聞いてもその当時の帝国民は、戦況に一喜一憂して大変だったらしいわ。

 そして件のアナスタシア王女は、暫くの間、帝国で元の避難していたルーシア王国民と暮らしていたけど、国土がある程度改善してから、ルーシア王国に戻ってアナスタシア女王になって統治しているんだって。

 今回私達が、来訪するに当たっては帝国の正式な国使ではないから、ルーシア王国民がどの様な生活を営んでいるか、確かめたいとアポロから説明を受けてるわ。

 なので、アポロ達が王宮に行っている間に、私とマリアちゃんが街を見て廻る事になったの。

 

 2日後、ゆっくりと周辺の小国によりながらルーシア王国の首都『サンクトペテルブルク』に到着したわ。

 今現在ルーシア王国は、他国に難民として散っていった国民を、帝国の援助の元で積極的に帰還させて、『システム・ガイア』のお陰で土壌改良された広大な農地で働いて貰っている。

 なので、サンクトペテルブルクを始め大都市は、必然的に大規模な農産物の集積所であり大陸各地に魔導列車とデコトレで輸送する機能を持つ拠点でもあるわ。

 

 だから、貿易拠点として様々な人種が入り乱れる都市としても有名なのが、現在のサンクトペテルブルクなの。

 

 アポロ達と別れてマリアちゃんと私は、サンクトペテルブルクにある繁華街にやって来たわ。

 冬にはあまりの寒さで港が凍ってしまって船が、入港も出港も出来ないらしいけど、今は夏なので凄く一杯の船が入港していて賑やか。

 私達は、一軒のアクセサリー・ショップに入ってみたんだけど、そこには私と同世代の女の子が沢山居て、帝国で流行している魔力で色々な光り方をするイヤリングや指輪が置いてあって、入荷待ちの品物もあったわ。

 次にスイーツのお店に入ったら、ルーシア王国では収穫できない柑橘系のフルーツを使ったケーキもあり、消費期限が短い商品も多かったの。

 結構沢山のスイーツを買って、アーガマに送って貰う手続きをしてから、港を見る為に幾つかの路地を抜けて歩いて行くと、何だか怪しい視線を感じたわ。

 

 【・・・マリアちゃん、気付いてる?】

 

 【・・・判ってるわ、多分だけど4人ね!】

 

 【恐らくだけど、探知魔法でしか反応しないから、『ナノム』反応が無いから、例の反ナノム主義者の犯罪者じゃないかしら?】

 

 【でしょうね、それじゃあ次の辻でワザと躓いて、隙を見せるわ!】

 

 【判ったわ!】

 

 とナノムでの接触会話をして、予定通りマリアちゃんが躓いた感じで転んで見せると、四方に隠れていた如何にもそれらしい大人が、漁港にありがちの網を被せようとして来たわ。

 

 そんな汚らしい網に包まれるのは御免被るので、素早く私とマリアちゃんは襲って来た4人の大人の足払いをして距離を取ったの。

 

 「何だ、このガキどもは?!」

 

 「仕方ねえから、腹を殴って気絶させてから連れて行け!」

 

 と下品な指示をするならず者のリーダーらしき奴を認識した上で、私は姿無き護衛者に指示したの。

 

 「速やかに、確保しなさい『菊』に『椿』!」

 

 「「承知!」」

 

 何処からか判らない女性の声に、ギョッと驚いたならず者4人は、辺りを必死に見渡したが当然見つけられない。

 

 「何処だ、何処にいやがる?」

 

 とならず者のリーダーらしき奴が狼狽えていると、ならず者4人全員がいきなり硬直してそのまま倒れ伏したわ。

 

 「殺してはいないのよね?」

 

 「大丈夫ですよ、但しこいつらはナノムの恩恵を受けていないので、中々回復しないでしょうね!」

 

 と云う返事と共に、『光学迷彩スーツ』を纏った女性が二人姿を現したの。

 

 「それじゃあ、後の事は貴方達『甲賀組』に任せるわ。

 私とマリアちゃんは、港でタクシーを拾ってアーガマに帰還するから、アポロへの報告も任せるわね!」

 

 「ハッ! お任せ下さい! お前達こいつらを帝国情報局のルーシア支部に運んで、尋問しておけ!」

 

 何時の間にか集まって居た、帝国情報局の黒服エージェント達が、素早くならず者4人全員を通りに用意してある車に連れ込んで行ったわ。

 

 さて、こんな至極どうでも良い事件は彼女等に任せて、もう少し港を見物しましょうっと。

 




 ytaki33さんの御指摘の通り、考えてみると背景説明が無さ過ぎですね(反省)
 なので、せめて主要メンバーの背景と、現在の状況を説明して行きますね。
 今回は、第三部の主人公である『アポロ』君の紹介を致します。

 アポロ・・・本名『アポロニウス・スターヴァイン・コリント』
       
       父『人類銀河帝国初代皇帝 アラン・コリント一世』

       母『人類銀河帝国初代皇妃 クレリア・スターヴァイン・コリント』

       生年: コリント朝元年 11月11日

       現在は帝国第一小等部の6年生にして生徒会長
       『ナノム玉2』を服用しているが、父母が『ナノム玉3』を共に服用している為に、1段階上の能力を使用出来る、つまりAR空間や『イーリス』とのダイレクトリンクが可能。
       此れはアポロの弟妹達も同様である。
       相棒は、星猫のアル(正式にはアルファ)。
       護衛忍者はサスケ(猿のサスケ)で甲賀忍軍の次期当主、叔父はアランの護衛忍者カトウ(飛び加藤)。

       剣聖・拳聖・賢聖が個人的な師匠である。
       武道大会では3年連続の優勝者で、1年生からやっている趣味のドッジボールでは、地区大会準優勝で終わった。

       今年から始めたプチ・パワードスーツのクラブに中等部からは入るつもり。

       親友達は、それぞれの趣味に合わせたクラブに入るので、若干付き合い方が変わると本人は考えている。

       12歳の思考や言動では既に無く、ほぼ完成された人格を得ている。
       当然それは父親であるアランとイーリスによる、生まれる前からの処置が原因であるが、実は調整者達が出生事情に関与していて、最強の神機『メタトロン』のメインパイロットとして予め登録されていた。

       現在はまだ当人達が幼いので不可能だが、次代の竜族の長である『ミネルヴァ』が共に乗り込む事で、星系すらアッサリと破壊するモード『ルシファー』を使用可能となる。

       まだまだ、今回では明らかにしていないが、様々な秘密が彼には隠されている。
       何れ、彼が成長し真の意味で『人類銀河帝国』が取り戻されてから、因縁の相手である『古きものども』の尖兵『バグス』との星間戦争で、徐々に明かされる。
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