皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第26話 (サクラ・マリアの背景)

 [クーガー視点]

 

 

 オイラがこのアーガマという空飛ぶ船に乗って1週間がたったんだけど、驚くことが多すぎてだんだん慣れちまったよ。

 アポロ様が帝国の皇子なのは初めっからわかっちゃいたけど、こんなにスゲエ人とは思わなかったよ!

 

 各国のおエライ人たちが、まだ子供のに頭をふつうにさげるんだぜ!

 それも、帝国の皇子という理由じゃなくて、アポロ様その人をソンケーしてるんだよ!

 今も、カザフ侯王って人とそのトリマキが、アポロ様とテオさんが主導する作戦ってヤツを真剣にケントーしてるんだぜ!

 

 「・・・此の様に、輸送用トレーラー群を側面の壁として利用し進路を狭めた上で、予め準備して置く罠に誘い込みます。

 そして進む事に躊躇する『饕餮(とうてつ)』を背後から、カザフ侯国軍の誇る鉄槍騎兵が追い込みを掛けて罠である巨大落とし穴に落とします。

 そして、カザフ侯国軍の所有する陸上駆逐艦5隻が、落とし穴に上からの魔法榴弾攻撃を徹底的に行い、『饕餮(とうてつ)』の機動戦力を殲滅して、後は奴等の行動経路を遡り巣と思われる場所を割り出し、『饕餮(とうてつ)』の根絶を目指しましょう」

 

 とオイラには一つもわかんねえが、アポロ様が主導する作戦ってヤツが説明されて、カザフ侯王って人とそのトリマキたちも納得したらしくって、カイギってやつが終わったぜ。

 

 オイラは、アポロ様のお付きってヤツなんだけど、やたらとアポロ様がこのカザフ侯国ってところじゃあソンケーされてて、なんでも『フレエザルモノ』の子供ってことで、神様みてえにあつかわれてる。

 きっと、アポロ様のおやじさんはモノスゲエ人なんだろうな。

 

 オイラがテーブルマナーが苦手なんで、せっかくカザフ侯王って人が宴会してくれるって言ってくれたんだけど、アポロ様はアーガマでの準備があるって言って断っちまった、なんだかもうしわけねえな。

 

 確かにあしたの戦いの準備があるからいそがしくって、アポロ様は帝国の運輸局とやらに輸送用トレーラーのシヨウキョカってやつや、カザフ侯国への武具供与許可ってヤツを、帝国軍にとってたんだ。

 

 とてもオイラと同じ年齢には見えねえ人だが、アーガマ内の食堂で夕飯をいっしょに食べてる時は、カザフ侯国の名物料理『ベシバルマック』『キルギス』『バシコルトスタン』を美味しそうに食べながら、アポロ様のおやじさんに珍しい料理のお土産として持って帰れると喜んでる姿は、子供っぽくてわらっちまった。

 

 朝早く、オイラたちはアーガマに輸送トレーラー20台を乗せて戦場となるカザフ侯国東北部に向けて空を飛んで行った。

 どうやら、アポロ様たちは例の怪物がどこにいるか知ってるみたいで、迷いなく平野に着陸すると輸送トレーラー20台を降ろして準備を始めた。

 そしてテオさん以外の人たちが、輸送トレーラー20台の作業をしてるあいだに、オイラとテオさんを連れてアポロ様がワナの落とし穴を掘る場所に来た。

 

 「アポロ様、ここに大きな穴をどうやって掘るんですかい?」

 

 と聞くと、テオさんが、

 

 「嗚呼そう云えばクーガー君は、アポロ殿下が魔法を使用する場面を見た事が無かったな。

 驚く事になるから、気をたしかにな!」

 

 となんだか笑いながら言われちまった。

 よくわかんねえが、まあ見ていよう。

 すると、あまりにも簡単にアポロ様は手を上げてかまえ、魔力を集中してる。

 

 「ウワッ!」

 

 予告されてたのに、声を上げちまったぜ。

 

 こんなの想像出来るわけねえぜ!

 しんじらんねえくらいの大穴が目の前にアッサリ出来ちまった!

 

 「うーん、もう少し深くした方が良いでしょうな!」

 

 「そうですね、大体深さは200メートル位にして、魔法榴弾攻撃が効率的に『饕餮(とうてつ)』に当たる様にしましょう」

 

 「広さは、直径2キロメートル位ですか?」

 

 「ええ、此の広さなら『饕餮(とうてつ)』の群れ全てを落とせるでしょう」

 

 とタンタンとアポロ様とテオさんは話しあってる。

 こんなに簡単に、一人の人間が平野に大穴を開けちまったのに、テオさんはぜんぜん驚いてねえし、むしろ当たり前のように話してる。

 オイラは、まだまだアポロ様のことを理解してねえらしいな。

 あらためてアポロ様のスゲエところを知らされて、ソンケーする気持ちが強くなっちまった。

 

 いろいろな用意が終わって、みんなで夏なのにすずしいこの場所で、バーベキューって食べ方で肉や野菜を焼いて食べてたら、カザフ侯国の軍がやって来たので、すごく急いでやって来たカザフ侯国の軍人さんたちを将軍というエライ人を始め兵士全員をねぎらってバーベキューに誘い、食事させて上げてた。

 

 カザフ侯国の軍人さんたちは、馬からおりてよろいかぶとを脱いでから、食事をし始めてくれて、彼らからは『馬乳酒カルピス』っていう、子供が飲んでも問題ない飲み物をくれたから、オイラたち子供たちも一緒に飲み食いをして、カザフ侯国の軍人さんたちと仲良くなった。

 

 そんな感じで一夜を明かすと、カザフ侯国のクチクカンと云う大きな船が5隻やって来て、全ての準備が終わったようだ。

 

 オイラにはわからねえが、なにかの方法で怪物をおびき寄せて、もうすぐこっちにやって来るらしい。

 

 全員はいちってヤツについて、怪物を待ってると、やがてみょうな雄たけびをあげて怪物がやって来るのが、アーガマの上から見えた。

 

 「グギャギャギャー!」

 

 とかぬかしてやって来る怪物は、コウガクメイサイとか云うショチをした輸送トレーラー20台の見えないカベで進んで行く道がせまくなってることに気がつかないで走ってくる。

 

 そのまま怪物たちは、アポロ様が魔法で掘った大穴に向けて、なにも知らずに走っていく。

 

 やがて幻術ってヤツで見えないようにしてた大穴に、ドンドン怪物が落ちて行くんだけど、後ろの怪物たちはなんで前の怪物がいなくなってるのかわかんねえらしくて、走らなくなったヤツが増えて来やがった。

 

 そこに、カザフ侯国の馬に乗った軍が、後ろから襲いかかって幻術が無くなって見えている大穴に、怪物たちを落として行ったぜ。

 

 全部の怪物を大穴に落とすと、あらかじめ準備してたアーガマとクチクカンが、スゲエ魔法攻撃を大穴にし始めた。

 

 そのすんげえ魔法攻撃はとんでもねえモノで、怪物たちは悲鳴も上げれずにやられていったぜ。

 

 1時間程の魔法攻撃で、動かない怪物たちのようすを確認し、後のことをカザフ侯国の将軍に全て任せてオイラたちは、コンロンコウコクという大きな国に向かう。

 

 オイラもウワサに聞いたことがある程の国だ、きっとスゲエ国なんだろうな!

 




 人物紹介③

 サクラ

 本名『サクラ・イチジョウ』

 父:『元拳王にして親衛隊格闘技術師範 ミツルギ・イチジョウ』子爵

 母:『剣王にして親衛隊剣術師範 オウカ・イチジョウ』子爵夫人

 生年: コリント朝元年 11月11日

 現在は帝国第一小等部の6年生にして生徒会書記

 親友達の内でも、剣術と格闘技ではアポロのライバルと自他共に認めている。

 相棒は、星猫のガンマ。

 剣聖・拳聖がアポロと一緒に個人的な師匠である。

 母親の影響で、中等部では剣術部に入る予定。

 将来は、神機『天照』のメインパイロットとなる為、大切に保管していた日の本諸島では注目の人物でもある。

 既に神拳流・神剣流の双方で奥義を伝授されていて、崑崙皇国の褒姒とは常に『武道大会』の決勝戦で戦うので、好敵手と認めあっている。


 人物紹介④

 マリア

 本名『マリア・ブラウン』

 父:『剣王にして崑崙皇国剣術師範 シュバルツ・ブラウン』子爵

 母:『華族専用酒舗『黒い森(シュヴァルツヴァルト)』オーナー ターニャ・ブラウン』子爵夫人

 生年: コリント朝元年 11月11日

 現在は帝国第一小等部の6年生にして生徒会財務係

 親友達の内でも、剣術と料理の腕に定評が有る。

 相棒は、星猫のデルタ。

 剣聖・拳聖がアポロと一緒に個人的な師匠である。

 母親の影響で、中等部では料理研究会に入る予定。

 将来は、神機『ブラフマー』のメインパイロットとなる予定。

 母親の取引先との兼ね合いで、レストラン『豊穣』と懇意で新作のスイーツを貰えるので、親友達から羨ましく思われている。
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