皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第30話

 「どう、此の特別ドームは何か感じる?」

 

 「・・・うーん、普通のドームに較べて防御力に特化している様だね、魔力・物理力でも此のドームを壊すのは容易では無いね・・・。」

 

 そんな感想を僕が述べると、褒姒はニヤニヤと悪戯を仕掛ける幼子みたいに笑っている。

 

 「やっぱり、此処まで隠蔽機能を盛り込んでいたら、幾らアポロでも中の様子は判らないのね!」

 

 「正直、此処まで隠蔽されたら僕どころか、父様やセリーナ・シャロン母様達でも探知出来ないだろうね、つまりセリース大陸には探知出来る人は居ないよ!」

 

 その僕の言葉に、満面の笑みを浮かべた褒姒は僕の腕を取ると、ドームの勝手口と思われる入り口に向かった。

 其処を守衛していたガードマンに挨拶をすると、僕と褒姒が来る事が判っていた様で、直ぐ様ドアを開けてくれたので問題無く中に入った。

 

 結構長い通路を抜けて、セキュリティのしっかりとした頑丈そうなドアが見えて来た。

 すると、僕の中の何かに触れる様な気配を感じる。

 それが何かが判らないので、僕は立ち止まって気配の正体を探る。

 その僕の様子を横から見ている褒姒は、

 

 「流石ね、本当に流石だわ! 我はあの頑丈なドアの中に入らないと判らなかったのに・・・。」

 

 との声にも僕は答えずに居たが、やがて首から下げていた『星の涙(スターティア)』がほのかに輝き始めた。

 その『星の涙(スターティア)』の反応から、僕は凡その気配の正体が判った。

 

 「・・・恐らくだが、此のドームには神機が有るのだろう?

 然も、『星の涙(スターティア)』の反応の具合からすると、ケントの神機『応龍』では無くて、今まで発見出来て居なかった未知の神機だろう?」

 

 と聞くと、褒姒はやや呆れながら肩を竦めて答えた。

 

 「・・・本当に嫌になるわね、アポロのその探知能力には呆れてしまうわ。

 その通りよ、此の中には新しく発掘した神機が眠っているわ!」

 

 と褒姒は言うと、スタスタと歩いて頑丈のドアの前に着くと、魔法の波長チェックのロックを解除して僕とともに中に入った。

 

 もう外では夕闇を迎えて暗くなっているのに、此のドーム内は非常に明るくて、幾つものサーチライトが神機が封印されていると思われる岩塊を照らしている。

 

 ただ、僕は神機が有る事は中に入る前に気付けていたから、その事には驚かなかったのだが、別の意味で驚愕してしまった!

 

 その事に気付いた褒姒は、僕が驚いた事に気を良くし、

 

 「あら、流石のアポロでも神機の数には気が付かなかったのね!」

 

 と得意な様子で僕の顔を覗き込む。

 だが、そんな褒姒の様子にも相手せずに、僕は2つの神機が封印された岩塊を見つめ続けた。

 

 そんな僕の様子を見に、帝国に於いても崑崙皇国でも科学者そして魔法研究家としても著名な、『八仙』の方々がやって来た。

 八仙の一人である、『藍采和』様が僕の様子に気付いて柔和に笑われながら、僕の手を握って来て、

 

 「ようこそ、アポロ皇子! 私達『八仙』は貴方と貴方の友人方が来られる事を心待ちしてましたよ!」

 

 と言ってきて、他の八仙の方々も頷いている。

 

 やや呆然とした気分のまま、僕は八仙の方々に向き直って尋ねた。

 

 「・・・もしかして僕達の旅は、此の2機の『神機』との邂逅も計画の内だったんですか?」

 

 僕は、半ばこの『神機』との邂逅は、父様と賢聖モーガン様そして八仙の方々の計画と確信して尋ねた。

 

 「その通りだよ、アポロ皇子の察しの良さは本当に脱帽ものだよ、ならばその意図とせざるを得なかった背景も判ってくれるな?」

 

 「大体は把握できたつもりですが、正解を教えてくれると幸いですね」

 

 「其れではその把握できている内容を答えてくれるかな、アポロ皇子」

 

 「そうですね、其れでは答えます。

 既に『神機』の存在は広く全世界に知れ渡っていますので、国家や様々な組織がその探索を目指しています。

 其れは帝国等に知らせる事で、関係を良くしよといった様な良好を目指す方向とは別に、『神機』を独占したり売りつけようといった様な悪事を働こうとする組織も存在しますので、その様な組織に知られない措置を施すと云う意味で、秘密裏に行動する事。

 また、其れとは方向性が違いますが、『神機』自体を神聖視して、御神体の様にする為に奪おうとする事も考えられます。

 そしてそういった諸々の悪意は、僕達『神機』のメインパイロットにも降り掛かっていて、常に僕達の動向は注視されています。

 そういった意味の注目を避ける意味でも、あくまでも僕達の旅は私的なものである必要が有りますし、極力公的な行動を慎む必要が有りましたが、あまりにも公的な動きをしなさ過ぎるのも不自然なので、国使に見られない程度に各国を巡りました。

 此れ等の事実を経る事で、『神機』に関する旅では無いと印象付ける事が出来ました。

 他にも・・・」

 

 此処まで述べると、『藍采和』様は手を上げて僕を制して、

 

 「理解できている様で幸いだよ。

 其れでは、此の2機の『神機』の説明を早速しよう!」

 

 と僕と褒姒を八仙の方々は、岩塊の前に連れて行ってくれた。

 

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