皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第一章 第32話

 昨日の『伏犠』と『女媧』と云う、2機の新たに発見された『神機』との衝撃的な出会いを経て、崑崙皇国の首都『南京』に向かった。

 

 アーガマは順調に空を進み、首都『南京』の空域に入った。

 空からも龍脈門(レイライン・ゲート)が有る超巨大ドームと、皇宮の有るメインドームが目立つが、その周辺にも存在する大小様々なドームが100以上有り、セリース大陸に於いて最大の都市である事が納得出来る規模だ。

 現在の首都『南京』の都市人口は凡そ3千万人で、流入人口を合わせると5千万人に上り、帝都コリントの都市人口2千万人を遥かに超える。

 事実上、世界最大の都市なのだ。

 

 お陰で、飛空艇や飛行船の離着陸も当然多く、アーガマが多少珍しい空中艦船でも、それ程目立たずに空港に到着出来た。

 

 空港の専用ゲートを特別賓客用のゲートを通行させてくれたので、殆どノーチェックで通させてくれて、専用リムジンバスに全員乗り込み皇宮に向かう。

 

 何度も来た事があるので、勝手知ったる専用の裏口から皇宮に入り、皇室一家のプライベート・ルームに通されて、最期のチェックを受けて『李世民』皇帝陛下と『妲己』皇妃殿下の居る後宮の私室に案内された。

 

 「良く来たね、アポロ皇子とご友人方。 ようこそ崑崙皇国の首都『南京』は常に変化する都市なので、前回来訪した時と違うと思うので、色々と見学して行ってくれ」

 

 「私達も気軽に出かけられたら良いのですけど、どうしても公務があるし私達一家が外出する時は大事になってしまうのよね、だから貴方方が上手く出かけられる時は、気分転換に褒姒を『光学迷彩スーツ』を使って連れ出してくれると助かるわ!」

 

 その言葉を聞いて、どんな方法か知らないけど、昨日の褒姒の行動は崑崙皇国の皇帝夫婦に把握されていない事が判った。

 恐らくは、知らせない方が良いのだろうと当たりをつけた僕達は、皇妃殿下の言葉に頷くだけで終わらせて、昼食を皇帝一家と摂る約束をして、後宮の離宮に部屋を用意されていたので、心遣いに感謝して遠慮なく部屋に向かい手荷物等を置いて、皇帝一家との昼食に参加した。

 

 その後、親友達は褒姒と皇妃殿下の案内で、『衰微亭』や諸々の豪華絢爛な建物や庭園を見学に行く事になった。

 

 その間僕とテオさんは、『李世民』皇帝陛下と軍務尚書の『岳飛』様、そして驃騎将軍の『趙匡胤』様と共に、皇宮内の特別会議室で情報の共有化を図る事になった。

 

 幾つかの此れまでの僕達の旅路で起こった、八仙の方々と一緒に行ったアラム共和国での異星の宇宙船の改修工事と、今回の2機の『神機』が封印されている岩塊の崩壊と『伏犠』と『女媧』という2機の『神機』の復活を説明した。

 

 「・・・フム、やはり君等『神機』のメインパイロット達は、特別の存在なのだな。

 実は、秘密裏にアポロ皇子のお父上であるアラン皇帝陛下に依頼して、神機『応龍』を里帰りの名目で崑崙皇国に移送させてもらい、2機の『神機』が封印されている岩塊との反応検査を行うつもりだったんだが、どうやら褒姒の独自判断で、一足飛びに2機の『神機』の封印を解く事が出来た様だな・・・。」

 

 流石に、李世民皇帝陛下は昨日の褒姒の行動は、把握していた様だ。

 恐らく先程は、妲己皇妃殿下に褒姒の無茶な行動を、知らせないという事にする為に知らない振りをしたのだろう。

 やはり、あの場で褒姒の事を言わなくて良かった。

 

 其れよりも、別の報告を上げる必要が有ったので、早速例の『饕餮(とうてつ)』と『牛種(ぎゅうしゅ)』の生き残りが居た事と、その討伐が行われた事を報告した。

 

 「嗚呼、その報告は既に得ているので、当然奴等の行動を遡って巣と思われる場所も特定し、2度と繁殖しない様に駆除を軍隊に指示して行ったのだが、どうやら幾つかの遺跡等に封印されていた『古きものども』が、人知れず復活して繁殖した様なんだよ。

 今後も此の様に、人知れず復活して繁殖する『古きものども』の眷属は現れるかも知れないな・・・。」

 

 と李世民皇帝陛下は、うんざりした様子で溜息混じりに仰った。

 

 其れに対して、僕は八仙の方々とも相談した、一つの手段と運用を提案した。

 

 「・・・李世民皇帝陛下。 僕の提案ですが、例の2機の『神機』が封印されている岩塊の残りと、封印していた場所である『五行山』の岩塊もお調べ下さい。

 昨日もデータを確認すると、或る特性が散見されました。

 其れは、『古きものども』の存在を感知すると、敵意とも思える反応を見せるんです。

 先程も説明しました通り、『饕餮(とうてつ)』を2匹捕獲してましたので、実験した処顕著な反応を示すのですよ。

 『饕餮(とうてつ)』の2匹は、崑崙皇国にこのままお渡ししますので、どうか研究用の資料としてお役立て下さい!」

 

 その僕の言葉に、

 

 「判った。 有り難く利用させて貰うよ!

 しかし、10年前に『古きものども』との戦争こそ終わったが、奴等の残滓は未だに存在してるのか・・・。

 うんざりする話しだが、今の平和を維持するためにも、我等が動くしかあるまいよ!」

 

 との力強いお言葉に、僕も首肯した。

 

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