皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第二章 第2話

 「来たか、アポロ! まあ、時間はたっぷり有るから寄ってけよ!」

 

 僕が幻術を解いてケントの玄関に降り立つと、玄関前で僕を待っていたケントが迎えてくれて、僕を家に招き入れてくれた。

 

 僕にとっても親友達の家でも、ケントの家はアスガルド城の至近距離に有る所為で、事あるごとに寄る事が出来るので非常に立ち寄り易い。

 

 「いらっしゃいませ、アポロニウス皇子様!

 現在は、当主と奥様は空軍基地に勤務されていますが、ご隠居様方は本宅のリビングに居られますので、そちらでご歓談戴けませんでしょうか?」

 

 「ええ、構いませんよ。 ご隠居様方とのお話しは楽しいですからね!」

 

 とケントの家の家宰である執事長と会話して、僕はリビングに向かった。

 

 「いらっしゃいませアポロニウス皇子様、どうぞ此方へ。」

 

 とリビングに居たメイドから案内されて、席に着くと全員が年齢80以上の4人のご隠居様方が、頭を下げて来た。

 

 「「「「お久しぶりです、アポロニウス皇太子殿下! ご壮健そうで何よりです!」」」」

 

 と4人の元気すぎるご老人方が、僕に挨拶してくれたので、

 

 「そうですね、最後に会ったのが4月くらいですから、約半年程ですね。

 しかし、皆様こそ健康そうで良かったですよ!

 常々、僕達皇族には、両親より年上の親族が居なくて、ケントの様に祖父祖母どころか皆様の様な、曽祖父と曾祖母が居られる幸せが羨ましく思ってたんですよ」

 

 と答えると、4人共に恐縮されたがやっぱり曾孫の親友である感覚が勝ったのか、僕にしきりとオヤツを勧めたりジュースを提供して来たので、程々に頂いて会話に花を咲かせていると、準備の整ったケントがやって来たので、4人に別れを告げて僕とケントは、ケントの家の専用車両に乗り込み中等部まで送って貰う。

 

 何故此の様な対応をしているかと云うと、例の父様の発表があって以来、様々なマスコミが公式・非公式を問わずに、あらゆる機会を利用して皇帝一家に接触を測って来るのだ。

 

 なので、小等部の妹達と弟にはマスコミはかなり遠慮してくれて、遠巻きに眺めるだけなので、それを隠れ蓑にするべく本日からの新学期に合わせ、アスガルド城の護衛騎士をテオさん自らが率いて、小等部の妹達と弟を護衛して行って貰う事になっている。

 

 中等部に上がり、然も新入生代表になっている僕には、コメントを求め易いと踏んだマスコミ各社は、アスガルド城前と中等部門前に昨日から群がっているそうだ。

 

 なので、事前に計画して実行しているのが、ケントの家の専用車両である程度公道を走り、最後は空から屋上に僕とケントは幻術を常時発動させた飛翔魔法で辿り着くと云う事にしたのだ。

 

 予定通りに、僕達は中等部の校門から2キロメートル程離れた、公園の駐車場で降ろしてもらい、幻術を常時発動させた飛翔魔法で空を飛ぶ。

 

 空から臨む中等部には、隣接する駐車場に大量のマスコミ各社の車が止まっていて、かなりの交通規制が掛かっていた。

 

 まあ、予想通りの事なので僕は回避出来たのだが、一般生徒達にとってはいい迷惑だろうな。

 

 そんな事を思いながら、中等部の校舎屋上に降り立つと、予め教えてもいないのに、ケント以外の親友達とクーガー、そして褒姒と3兄弟の内の関羽殿と張飛殿が、僕とケントを迎えてくれた。

 

 「・・・思っていたより遅かったわね、アポロ!」

 

 と何故か、不機嫌そうな態度で褒姒が、朝の挨拶も無しに僕を非難して来た。

 

 他の人達は、当たり前の様に朝の挨拶をして来たので、彼女だけが浮きまくっている。

 

 「何でそんなに不機嫌なんだよ、褒姒?」

 

 そう僕が問うと、褒姒は頬を膨らませて僕に文句を言って来た。

 

 「当たり前でしょう! 貴方、私に一つも例の発表の内容を教えて無かったじゃない!

 我の父上や重臣達には既に情報の根回し済で、後から聞いたけど、アポロ自身はかなり前から知ってたらしいじゃない!

 其れに、貴方の親友達はある程度の情報を聞いてたらしいわね!

 水臭いじゃない!

 我と貴方達は、結構長い付き合いなんだから、教えてくれてても良かった筈よ!」

 

 と憤慨しながら、僕達を糾弾して来た。

 其れに対して僕も、しょうが無いから釈明した。

 

 「其れに関しては、確かに申し訳なかったけど、だけど仕方無い理由が有ってね。

 先ず君は帝国民では無いし、立場が崑崙皇国の皇女なので、もし情報の共有を測ると帝国としては強権を発動させていざという時には拘束する事も考えられたので、崑崙皇国との仲が悪くなる事も想定出来たんだよ。

 まあ、こんな風に全世界に父様が発表したので、そんな事をする必要も無くなったし、逆に君とクーガーそして関羽殿と張飛殿には僕達と同様に、かなり詳しい情報共有をして貰うから、覚悟していてね!」

 

 「判ったわ、関羽と張飛そして高等部の劉備には、私の側近として情報共有してもらうわよ!」

 

 と、褒姒は自分の将来の側近となる3兄弟に、二の句も告げさせずに命令している。

 まあ、僕としても非常に信頼出来そうな3兄弟には、真の情報を共有してもらいたかったから、渡りに船かな。

 

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