皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第二章 第18話

 僕達の帝国から提供されているスペースコロニーに戻り、全員の点呼を行い帝国に報告するレポートを提出させた。

 みんなは、今回の資源衛星からの岩塊切り出しを、其れ其れの専用パワードスーツで行えた事が、非常に面白かったらしく、レポートを提出しながら興奮してみんな話しかけてきた。

 

 「やっぱり凄いですよ、この『魔法気剣(マジックオーラソード)』と『魔法気拳(マジックオーラナックル)』を、パワードスーツで再現できるシステムは!

 ほぼ自分達が作り出す要領で、発現させて使用出来るから違和感が無いので、まるで肉体の延長線上ですよ!」

 

 と、『七虎大将』の纏め役の『劉玄徳』が僕に話しかけて来て、他の面々も大きく頷いている。

 

 特に『七虎大将』の中で最年長(と言っても31歳だが)の『黄忠漢升(こうちゅうかんしょう)』は、我々の中でも『源為朝』と共に双璧の弓の名手なので、弓矢状に『魔法気剣(マジックオーラソード)』を発現させて、2人共に遠当てで『気(オーラ)』で出来た矢を放つ事が出来る。

 

 その技倆を専用パワードスーツでも再現出来たので、非常に喜んでいる。

 

 そんな風にみんなが興奮して提出したレポートを、帝国軍人で僕達への監察官として出向している人物に渡し、僕達への試みを統括している査察部の『サーシャ』大佐に、宜しくお願いしますと伝言して置いた。

 

 僕達の帝国から提供されているスペースコロニーを始め、専用パワードスーツでの資源衛星切り出しは、今後の自給自足プラントを運営できるかの、試験運用と様々なサバイバル技術の実践なのである。

 

 其れを帝国軍としては、テストケースの一つとして僕達の組織に依頼して来て、学校教育もこのスペースコロニーでリモートによる遠隔授業が主体となり、中等部・高等部を問わずに勉強できる体制となった。

 

 僕達の『キャメロット』と褒姒の『百八家』、そして僕達の拠点となっていた中古ドームに居住していた、元東方教会信者の中で希望者を募り、更には『三聖』と『六王』の弟子の方々が参加してきて、今現在5千人が此のスペースコロニーで生活している。

 もう少しすると、セラスとシェリスの妹達が中等部の基礎勉強を終えて合流するから、父様とセリーナ・シャロン母様達が1年間の内、殆どを此の『オービタルリング』で過ごしている事を考えると、皇室の半分が宇宙に居る事になるな。

 

 

 

 

 

 其れから1年半が経ち僕も15歳になり、皇室としての責任を負う立場となった。

 そして正式に『立太子の儀』が執り行われて、皇太子として『人類銀河帝国』の継承者となった。

 

 其れに伴い帝国軍でも、僕直属の親衛隊を編成する話しが出て、300人程の帝国でも生え抜きの名家から配属されて来た若手の軍人を、徹底的に僕の『キャメロット』が選抜試験を行い、半分の150人に篩い落とし、落ちた者も官僚として僕達に協力して貰うべく、諸々の事務を手掛けて頂く。

 

 そんな風に、僕の周りにも色々な変化が起こっていたが、一番の変化は帝国軍だろう。

 

 先ず大規模な再編成が行われ、陸軍・海軍・空軍は一旦解散させて、惑星アレスに常駐する軍隊は警備軍として一元化されて、基本的に一切の外敵のいない地上世界を警察と一緒に治安維持を主目的として、行動する事になった。

 

 その代わりに出来たのが、圧倒的な規模で創設されたのが『航宙軍』である。

 

 その規模は、1千万人と云う惑星アレスに於いて、中規模な国家の国民数とほぼ同等の人数に上る。

 

 その『航宙軍』は、全軍が『オービタルリング』と専用のスペースコロニーが活動拠点となり、続々と建造されている『宇宙戦闘艦』での航行訓練を行っている。

 

 現在、神々(調整者)が保管してくれていた『モノポール(磁気単極子)』を主動力とした機動戦艦と、其れに付随する随伴艦50隻で構成された艦隊を、一つの単位として現在は10個艦隊が就航している。

 

 そしてとうとう僕と父様それに褒姒は、一つの艦隊と共に月の探索、そして僕と褒姒の『神機』である『メタトロン』と『九尾』の回収に向かった。

 

 「いよいよね、アポロ! 我と貴方の『神機』! 『メタトロン』と『九尾』を回収出来るこの日を、我は幼い頃から待ち望んでいたのよ!」

 

 その褒姒の渇望にも似た心からの声を聞きながら、僕も同様に興奮して心が沸き立っていた。

 

 生まれたその時から、賢聖『モーガン』様とその同僚たる神々(調整者)に使命を与えられた方々が、僕達に告げていた『神機』のメインパイロットである運命!

 

 僕以外の親友達の『神機』は地上に有った事から、比較的早く対面していてその脈動を感じる事で、とても喜んでいる事が僕と褒姒には感じられていて、「良かったね」と云う感情は有ったのだが、やはり寂しいと云う気持ちが湧いてくる事実は、確かに存在した。

 

 だが、漸くその気持から解放される瞬間が近付いているのだ!

 僕と褒姒の胸の高鳴りは、月が近づくに連れて大きくなって行った。

 

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