皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第二章 第22話

 「其れでは、始めます!」

 

 「嗚呼、構わないぞ! 予定通りに先ずは崑崙皇国に向かう様に!」

 

 僕の掛け声に父様が答え、僕と褒姒は『メタトロン』の権能である、『ラファエル』を起動して『位相差空間』を使用した。

 

 「シフト(位相差ジャンプ)!」

 

 との僕の言葉で、僕の乗る『メタトロン』を中心にしてフィールドが広がり、褒姒の乗る『九尾』も含めて父様を包むと、そのまま2機と一人はその場から消えて、次の瞬間には崑崙皇国の『南京』上空に顕現した!

 

 既に『光学迷彩魔法』を張っていたので、一般人民には見つから無かったのですが、直ちに崑崙皇国の警備軍には感知されたので、ワラワラとドローンが集まって来るので、父様が最上位者としての特殊コードをAR通信で発信し、ドローンに警戒行動をさせない様にして、同じAR通信で崑崙皇国の警備軍と『李世民』皇帝に事情を話し、『メタトロン』と『九尾』を置ける場所に誘導して貰う事にした。

 

 結局、僕達は『南京』の皇城の後宮に有る広大な庭に招かれた。

 どうやら、あまりにも扱いが難しい問題なので、『李世民』皇帝が私有地で有る此処に迎える事で、有耶無耶にしてしまうつもりらしかった。

 

 「いきなり帰って来るとはな、褒姒! どういう事なんだい?」

 

 と怒って良いのか、無事を喜べば良いのか判らない様で、『李世民』皇帝は複雑な顔をしていたが、隣で喜んで自分の娘と抱き合っている、『妲己』皇后の態度に諦めたのか『李世民』皇帝は、親子3人で無事を祝いあった。

 

 「本当に申し訳無い、『李世民』殿に『妲己』殿!

 事前に報告したかったのだが、我々帝国のAR回線は月からのデータ通信に専有されていて、貴国に報告出来なかったし、其れに我々が向かった月自体が、様々な防壁が施されていて、其れは通信にも適用される様なんだよ。

 お陰でいきなりやって来る事になってしまった、お詫びする!」

 

 と父様が頭を下げて詫びると、『李世民』皇帝と『妲己』皇后は慌てて父様に歩み寄ると、手を取って頭を上げさせてから両手で握りしめ、

 

 「何を仰っしゃられますかアラン殿! 

 そもそも帝国と我が崑崙皇国とは、同盟関係とはなっていますが、云わば兄弟の様な絆で結ばれている国同士ですし、特に『帝都コリント』と『南京』は『龍脈門』で事実上繋がっているから、地続きの都市と言って良い程です!

 隠し事など何も無いので、連絡も要りませんから自由に往来してくれて良いですよ!」

 

 と『李世民』皇帝は言ってくれた。

 

 そんな風に言ってくれる父親の心遣いを、まるで無視するように褒姒は、

 

 「そうよ、アラン皇帝陛下とアポロも何にも気にせずに『南京』に来てくれて良いのよ!

 だって、こんなに近い存在同士なのよ! 宇宙ステーション近くの『スペースコロニー』にも、我の『百八家』とアポロの『キャメロット』は一緒に生活しているし、帝都コリントでは我とアポロの民とも呼べる人々が既に3万人も存在するの。

 何時かは帝国と崑崙皇国は、惑星アレスの統合国家として、認識される様になる筈よ!」

 

 と、とんでもない事を言い出してしまった。

 

 まあ、こんなお互いの国民を無視した様な物言いは、公式な場で言ってしまったら、エライ事になってしまうが、こんなプライベート空間なら知られる筈も無いな。

 

 父様と『李世民』皇帝は、この褒姒の発言を無視する事にした様で、父様が話題を変え、

 

 「どうぞご覧になって下さい! 此の2機の『神機』こそは、アポロの『メタトロン』と褒姒殿の『九尾』です。

 月に封印されていましたが、2人のメインパイロットが月に来訪した為に、封印が解けて呉れました。

 然も、神々(調整者)はこの2機の復活を認めて、我々に様々な魔法技術を開陳して来ました。

 是非『李世民』殿には、崑崙皇国の頭脳である『八仙』方を派遣して頂き、帝国と崑崙皇国の協力体制の元で、神々(調整者)の魔法技術をフィードバックして、技術革新を果たしましょう!」

 

 「そうですね、褒姒が生まれた時に賢聖『モーガン』様から告げられた、『神機』のメインパイロットであると云うお告げ!

 その時より、ある程度の覚悟は決めていました。

 当然、崑崙皇国と致しましては、帝国への全面協力を行い続け、アラン殿の公表された宇宙進出と『古きものども』への対抗措置を取る為に、努力して参りますぞ!」

 

 『李世民』皇帝の力強いその言葉に父様は大いに頷かれ、両者はガシッと両手で握り合い、両国が全力を出し合う事を誓い合った。

 此処に、両国の合意が皇帝同士の誓いで果たされたのである。

 

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