「で、この2機の『神機』、『女媧』と『伏犠』を月に送るのですね!」
「その通りです、此の自立型の2機の『神機』を月のメンテナンスベースで、最終調整する事で真の意味での惑星アレスの守護神となって貰う為に!」
と、『李世民』皇帝の問いに父様は、答えて上げた。
「さあ、アポロ! 『女媧』と『伏犠』此の2機の『神機』を月のメンテナンスベースに送れ!」
「了解しました! 権能『ラファエル』起動! シフト(位相差ジャンプ)!」
と僕は、『メタトロン』の権能である『ラファエル』を起動し、『位相差空間』を使用した。
その瞬間、特別ドームで調査されていた『女媧』と『伏犠』は、月のメンテナンスベースに問題無くシフト(位相差ジャンプ)した。
そして、幾つかの決め事とこれからの方針を話し合い、『八仙』の月への招聘を確約して貰った。
次にシフト(位相差ジャンプ)したのは、当然帝都コリントで他の『神機』を集合させて研究している、研究用ドームである。
事前に連絡していたので、関係者と其れ其れの『神機』のメインパイロットである、僕の親友達が集合していてインナースーツと宇宙服に身を包んで待っていた。
「アポロー! 漸くお前の『神機・メタトロン』に会えた様だけど、もう乗って居るなんてな!
褒姒も、乗機の『神機・九尾』に無事乗れたんだな! 流石だぜ!」
「有り難う、ケント! 今からケントの『神機・応龍』も月に運ぶから、月のメンテナンスベースで直ぐに君も乗れる様になるよ!」
「それじゃあ、私の『神機・天照』も月に行けば乗れる様になるのね!」
「そうだよ、サクラの『神機・天照』、マリアの『神機・ブラフマー』、ロンの『神機・ガルガンチュア』も、月のメンテナンスベースで最終調整を行えば、問題無く乗れる様になる筈だよ!」
と、ケントとマリアに返事をして上げると、マリアとロンは、
「あたしの『神機・ブラフマー』に乗れる様になるのは凄く嬉しいけど、月に行けるというのが本当に感慨深いわ!
アポロやアラン皇帝陛下から聞かされてたから、月が神々(調整者)の遺産なのは判ってたけど、いよいよあたし達も行けるのね!」
「その通りだよ! ただ今回はあくまでも『神機』をメンテナンスベースで、最終調整を行う為の承認行動だけだから、あまり長く滞在しないけどね」
「だけど、凄いよ! 神々(調整者)の遺産! 然も未だに完全に稼働しているオーバーテクノロジーそのものに触れられるんだぜ!
今回はしょうが無いけど、最終調整を終えた『神機』の受け取りに僕達はまた行くことになる筈だから、その時は滞在したいな!」
「うーん、どうだろうな? まだまだ、月がどういう構造になっているかは、今現在調査している最中だし、シフト(位相差ジャンプ)で簡単に行ったり来たり出来るから、直ぐに戻る公算が高いよ」
と僕が答えると、ロンは賢聖様と賢王様に付いて行くよ、と他の方向から月で長く調査する方法を模索している。
そんな風に、僕と親友達が会話している間に、褒姒と僕の妹達は親密に会話していて、その会話に『神機・九尾』自身が参加していたので、周囲の関係者も会話に参加してきて、随分盛り上がっていた。
妹達が僕達の元に来て、『神機・九尾』との会話を興奮して聞かせてくれた。
「凄いんだよ、九尾ちゃんは! 私達人類に会う事を何千年も待っていたんだって!
九尾ちゃんは、遥か遠くの銀河によく似た星雲で、『古きものども』の尖兵である『バグス』にやられた人達の、願いと祈りが根源に存在する『神機』なんだって。
だから、ここの人類が『バグス』にやられないように、全力を尽くして頑張るんだってさ!」
「それどころか、父様達の狙いと云う『バグス』の母星を探る事に、積極的に努力するそうですよ!」
とセラスとシェリスの妹達は、興奮している。
まあ、妹達の興奮は理解できるので、僕の『メタトロン』にも妹達に挨拶させた。
【姫君様方、お初にお目にかかります! 我が名は『メタトロン』!
全ての天使の長にして、全ての天使の権能を行使出来る者です!
今後共に戦う、マイ・マスター(御主人様)と会えた事を、神々(調整者)に感謝致します】
と話し掛けたので、妹達は目を丸くして驚いていたが、やがて落ち着いたら積極的に会話しだして、みんなからの質問にまるで秘書の様に取り次いで、『メタトロン』と人々の円滑なコミュニケーションを仲立ちしている。
そんなこんなで、みんなが落ち着いて来た段階で、父様が全員に命令して選抜された関係者と、親友達のメインパイロットを連れて月に向かう事を告げて、準備に入る。
準備を終えた選抜された関係者と、親友達メインパイロットは、『メタトロン』を中心にして同心円状に待機してシフト(位相差ジャンプ)を待つ。
「・・・其れでは、準備も整った事だし、アポロ、シフト(位相差ジャンプ)発動!」
「了解しました! シフト(位相差ジャンプ)発動! 目的地、月のメンテナンスベース!」
「了解! 復唱! シフト(位相差ジャンプ)発動! 目的地、月のメンテナンスベース!」
次の瞬間、僕達全員は『神機』と共に、月のメンテナンスベースに降り立った。
あまりのアッサリさに、驚いている全員を誘導してメンテナンスベースに『神機』を運び入れて、最終調整を受けて貰う体制を整えた。