皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第7話

 僕達の乗る『神機』は、そのあまりにも強すぎる攻撃力で、地上では敵を攻撃する訳にはいかないが、魔力を膨大に保持しているので、魔力循環システムの無い惑星での、帝国軍のパワードスーツ等の魔法動力炉を使用する機体に、魔力を供給する事で役に立つし、攻撃では無い魔法での補助は出来るので、ある意味補給の為に此処で帝国全軍を後援している。

 

 シフト(位相差ジャンプ)で連れて来た揚陸艦による主砲攻撃を受けて、敵の食肉を扱う製造工場をアッサリと壊滅させてから、予め包囲していたバグスの降下兵が駐屯している基地に向けて、パワードスーツ部隊が襲い掛かる。

 

 高威力のブラスターで、バグスの基地に張られているバリアーを消し飛ばし、魔弾でのマシンガンで数少ない敵の攻撃兵器を次々に無力化する。

 

 《・・・やはり、バグス共は自分達に対抗し得る戦力を『人類に連なる者』には無いとみなしていて、油断仕切っているな・・・。》

 

 僕や他の帝国の幕僚の大多数が作戦案を講じて居た際にその可能性が高いと、予想していた通りにバグスは『人類に連なる者』の軍事力を殆ど無いと見て行動している様だ。

 

 まあ、無理も無いであろう、かれこれ15年間も『人類に連なる者』は、有効な攻撃をバグスに与えられて無かった事が、復元したデータで判っている。

 ならば、あまり思考をした形跡が無く、パターン行動と習性で行動していると考えられるバグスは、別に傲慢でも無く普通に『人類に連なる者』を侮っているのだろう。

 

 此の状況は、此方にとって非常に都合が良いので、此の儘戦況を有利に進めるべきだ。

 

 1時間もすると、大勢が決して地上の戦闘は掃討戦に移り始めた。

 そのタイミングで、僕と同じく此の惑星シリウスに来ているケントに通信した。

 

 「ケント、例の捕虜収容所の解放の状況はどうだ?」

 

 「順調だぜ、アポロ! そんなに捕虜収容所にはバグスの降下兵が配置されて居ないから、各捕虜収容所にパワードスーツ一部隊を派遣すれば充分に制圧出来る。

 幸い、バグスは捕虜を飢えさせるつもりが無かったらしくて、食糧は質は兎も角、量は潤沢に与えられてた様だから、回収用の輸送船にも捕虜自身が歩いて乗り込んでくれてるよ。

 だから、予定通りにアポロは此の惑星シリウスに点在している、バグスに因われていない避難民の探索と回収に移ってくれ!」

 

 「判った、その間のパワードスーツ一部隊と揚陸艦等への、魔力補給と支援は任せたぞ!」

 

 「了解したぜ! アポロは例の『バルーン(緊急避難用魔法泡)』で、避難民を救い出してくれ!」

 

 そのケントの通信に頷いて、僕は『メタトロン』のモードを切り替えた。

 

 「『メタトロン』! 人類守護、最適化モード! 『ミカエル』発動!」

 

 次の瞬間、『メタトロン』はその36対の翼を、神々しい白銀に煌めかせると、今現在も狩られ続ける避難民を救うべく、優先度が高い場所の避難民の所にシフト(位相差ジャンプ)した。

 

 様々な状況で危機に陥っていた避難民を、『バルーン(緊急避難用魔法泡)』で次々と救い出し、医療艦や輸送艦に回収して行くと、僕達地表に降りた部隊を統括している『高長恭』中将は、僕とケントに命令を下した。

 

 「ほぼ、敵バグスの降下兵とそれに付随する兵器は殲滅出来た!

 後は、ドローンによる警戒行動を継続させた上で、我々は惑星シリウスに残る本来の『人類銀河帝国』の資料や、敵バグスの情報収集を開始する。

 アポロニウス皇太子とケント少尉は、各々の『神機』を宇宙空間での戦闘支援に当たらせよ!」

 

 「「了解!!」」

 

 その命令を受諾して、僕とケントは一気に宇宙空間での戦闘に参加すべく、『楊大眼』上級大将の乗る宇宙要塞艦の中にシフト(位相差ジャンプ)し、待機していた『ミネルヴァ』と『ライデン』装備のドラゴン100頭と合流し、宇宙空間での戦闘モードに切り替えるべく準備に入る。

 

 「『ミネルヴァ』! 『メタトロン』に『フェードイン』せよ!」

 

 「了ー解ー! ミネルヴァは『メタトロン』に『フェードイン』しまーす!」

 

 ミネルヴァが、そう言って己の翼を折り畳んで『メタトロン』に向けて背を向けると、淡い光が『メタトロン』から照射されて、ミネルヴァは『メタトロン』に光と共に『フェードイン』をした。

 

 そして『フェードイン』したミネルヴァは、僕を頭上に掲げる形で『メタトロン』に乗り込み、僕と共に『メタトロン』を操縦する、副パイロットとなった。

 

 そして、今までミネルヴァのパイロット席に着いていた星猫のアルが、僕達のアドバイザーとして此のパイロット空間で宙に浮いて、僕達をサポートする体勢を取る。

 

 此の一人と一頭そして一匹が『メタトロン』に搭乗する事で、互いをフォローし合う完全な状態となり、ほぼ死角が無くなるのだ。

 

 僕が此の体勢となった段階に前後して、ケントの『応龍』も出撃体勢が整う。

 

 ケントの『応龍』の場合は、親父さんの『ケニー』大将旗下のドラゴンの内、ケントの『応龍』と親和性の高い個体100頭が選抜されていて、ケントの『応龍』とダイレクトリンクを行う事で、正に手足となって戦闘する事が出来るのだ。

 

 そうやって、僕等の2機の『神機』は惑星シリウスの軌道上で、初めての空間戦闘を始める事となった。

 

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