灼光を放ちながら、敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の腹部が、膨張運動を止めて行く。
信じ難いが、あの膨大なエネルギーの爆発を、無理矢理ながら抑え込んだらしい。
だが、当然ながらそれ相応の被害が有ったらしく、敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の下腹部の半分は、身体の大部分から切り離されて行く。
恐らく、其の部分に自壊し始めた己の身体を集める事で、全体の崩壊を食い止めたのだろう。
凡そ己の身体に於ける、体積部分の2割を切り離した敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』は、その身体の表面を覆う外骨格の様な鱗部分をいきなり逆立て始める。
嫌な予感がして、急遽、僕達は『神機』の防御フィールドを何層にも張り巡らして、其の範囲を帝国航宙軍全ての艦艇に及ぼして、完全防御体勢を取らせる。
其の僕の予感通りに、敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の外骨格の様な鱗部分は、少しづつ本体から射出する様に切り離されて、我々帝国航宙軍全てに襲い掛かる!
此の位の攻撃は想定通りなので、それ程帝国航宙軍は驚かずに粛々と防御体勢のままで、対応していたのだが、その物理攻撃力は半端な物では無かった。
2連星のシレノスとシリウスの救助活動と回収活動はもう直ぐに終わるので、其れまではシレノスとシリウスの地上状態が荒れるのは困るので、サクラの『天照』が太陽からのエネルギーを魔力に変換し、褒姒の『九尾』が敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』と2連星のシレノスとシリウスの間に、超巨大なエネルギーフィールドの壁を構築させ、僕の『メタトロン』とケントの『応龍』で敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の攻撃を迎撃し、暫くの間凌ぐ事に専念した。
1時間に渡り、敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の攻撃を凌ぐ事に成功し、2連星のシレノスとシリウスの救助活動と回収活動が漸く終了した。
そのまま、全てのシレノスとシリウスからの避難民達を、輸送船に乗ってもらい長距離ワープで惑星アレスに避難してもらう。
諸々の憂いがクリアしたので、帝国航宙軍の艦隊にもシレノスとシリウスからの避難民達を収容した輸送船の護衛として、先に惑星アレスに行って貰う事にする。
「其れでは、後は思いっ切り『神機』での全力攻撃を振るってやれ!
今後の『宇宙大怪獣』への攻略方法の指標にもなるからな、様々な方法を試して見ろ!」
との、『楊大眼』上級大将と『ヴァルター』大将のお墨付きを、僕達『神機』部隊は頂いた。
そして次々と帝国航宙軍の艦隊が、長距離ワープで戦場から退避して行き、最後の『楊大眼』上級大将の乗る宇宙要塞艦が長距離ワープで去っていき、僕達『神機』部隊は帝国航宙軍の艦隊を保護していた、魔力フィールドを全て解いた。
そう、此の地に着いた段階から、何重にも魔力フィールドでの保護を常に帝国航宙軍の艦隊にしていて、其れは2連星のシレノスとシリウスも同様であった。
つまり、我々『神機』部隊は過剰なまでに周りの環境保全と、仲間の安全保障の為に力を振り向けていたのだ。
漸く、其の我々を縛っていた条件は無くなった!
全員の『神機』が、真の攻撃体勢にモード変更を行う!
「『応龍』モード変更! モード『蒼龍(そうりゅう)』!」
「『九尾』モード変更! モード『金毛白面(きんもうはくめん)』!」
「『天照』モード変更! モード『須佐之男命(すさのを)』!」
「『メタトロン』モード変更! モード『ルシファー』!」
全ての『神機』が、防御主体のモードを変更し、戦闘主体のモードとなった!
ケントの『応龍』は、全身を蒼く染め上げた龍となって、紫電を纏う巨大な龍の姿になり、僕の『メタトロン』の左側の位置に着いた。
褒姒の『九尾』は、全身を金毛の巨大な狐となって、九本の巨大な尻尾を立ち上げて、僕の『メタトロン』の右側の位置に着いた。
サクラの『天照』は、女神の様な姿から完全に変わり、まるで厳しい顔をした男神の様な姿に変わり、僕の『メタトロン』の下側の位置に着いた。
最後に、僕の『メタトロン』は翼の塊である何時もの姿を完全に変えて、72枚の羽根が収束して行き、合計12枚の翼を持つ、堕天使の姿に変身した。
そう、此の4者4様の『神機』の姿こそが、真の攻撃体勢であり、其の攻撃力は『神機』全てが軽く星を砕き、僕の『メタトロン』に至っては、星系すら滅ぼす事が出来るらしい。
しかし、それ故に惑星アレスの近くでは、兵装を試す事も出来ず。
更には、互いでの模擬戦闘も行えなかったのだ!
(何故なら、2機の『神機』が戦闘機動を行った場合、近傍にある惑星を滅ぼし兼ねなかったからだ)
さて、2連星のシレノスとシリウスは例え荒らされてしまって、人が住めなくなろうとも、此の後惑星フォーミングを行って、魔力循環惑星に生まれ変わって貰う予定なので、例え半壊してしまっても問題無い。
いよいよ、『神機』達の攻撃が見れる事に、僕は不謹慎にも胸が高鳴る想いがして仕方無くなってしまった。