皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第12話

 「さて、練習して来た聖魔法の内で最強の、『グランドクロス』を放つ!

 僕の『メタトロン』がモード『ミカエル』で仕掛けるから、みんなは現在のモードのまま魔力を僕に預けてくれ!」

 

 「判ったぜ!」

 

 とケントは言い、直ぐに魔力を僕に届けてくれたが、褒姒とサクラは僕とは別の攻撃手段を取ると、データでの申告をして来て、データを整理してくれた星猫のアルも納得したのか、僕に提言してくれた。

 

 「アポロ! 確かにこの送られて来たデータを詳細に見ると、『グランドクロス』だけよりずっと強い性魔法をサクラの『天照』は使えるみたいだよ!

 初めて、全力で『神機』を稼働した事で、様々なリミッターが解除されたらしくて、サクラの『天照』なら『メタトロン』のモード『ミカエル』と同等か其れ以上の聖魔法を、太陽の力を借りて褒姒の『九尾』と協力し合えば放てるよ!

 彼女達に任せよう!」

 

 「判った! だけどそれだけでは危ないので、僕達は僕達で『グランドクロス』を放とう!」

 

 「そうだね僕達は、さっきから当初の予定通りに『グランドクロス』は準備に入ってるから、後1分で撃てるよ!」

 

 「それじゃあ、同じ1分後にその聖魔法を『グランドクロス』に重ねて放ってくれ、頼んだぞ褒姒とサクラ!」

 

 「「判ったわ!!」」

 

 と云う2人からの返事を受けて、ドンドン近付いて来る敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』を、のんびりと眺めながら僕は女性陣2人が放つ聖魔法を楽しみにしながら、ケントの『応龍』から渡される魔力を聖魔法『グランドクロス』にするべく、『メタトロン』をモード『ミカエル』に変更し、『ルシファー』モードに酷似していながら、より神聖な気(オーラ)を纏いつつ『スターソード・エクスカリバー』を頭上に掲げる様に大上段に構える。

 

 あまりの敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』の大きさの所為で、突進されている筈なのに遠近感がおかしくなりそうになりながら、星猫のアルからの正確な距離を報告されつつ、聖魔法『グランドクロス』を放つべく、更に魔力を練り上げ続ける。

 

 サクラから準備が整ったと連絡が来たので、先ずはその聖魔法を放って貰う。

 

 「行きます! 聖魔法『天照天祥降臨(あまてらすてんしょうこうりん)』!」

 

 瞬間、サクラの『神機』である『天照』が、サクラの『スターソード・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)』を頭上に振りかざすと、凄まじい光りを発した天叢雲剣から、無数と言って良い程の光の束が敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』を貫いた!

 

 そして、其れにやや遅れて僕は聖魔法を繰り出した!

 

 「受けよ! 聖魔法『トルゥー・グランドクロス・アタック(真の十字架斬り)』!」

 

 僕の其の雄叫びと共に、ミカエルとなったメタトロンは『スターソード・エクスカリバー』を大上段から振り下ろし、素早く横に真一文字に切り払った!

 

 其れは正に、ルミナス教の司教様等が綺麗に十字を切って、光の跡が残った様に十字が空間に刻まれ、そのままその十字は敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』に直進して、見事に斬り刻みながら4分割して行った。

 

 暫くの間、時が止まったかの様に敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』は4分割されたまま静止していたが、やがてボロボロと崩壊して行くとそのまま光の粒子に還元したかの様に、光りとなって消滅して行った。

 

 僕達『神機』部隊も、暫くの間その様子を伺っていたが、其れ以上の変化が認められそうもないので、漸く緊張を解いてリラックス出来た。

 

 《・・・僕とみんなの初戦が、此れとはキツすぎるな・・・。》

 

 正直な処、僕達『神機』部隊は乗機たる『神機』の能力から、初戦は楽勝であろうと考えて居た。

 しかし、蓋を開けてみれば、他の帝国航宙軍では対抗出来ない、巨大過ぎる『宇宙大怪獣』が相手であり、然も詳細なデータが無いどころか、全てがぶっつけ本番で独自に弱点を探さなければ、解決しようも無い相手だった。

 

 予め、あらゆる場面での対処法と、望み得る最高の教育を受けて来た僕とその仲間だったからこそ、多少なりと焦らずに対処出来たが、こんなとんでもない敵といきなりぶつかった他の『人類に連なる者』達は、多分絶望しながら戦ったのだろう。

 

 其れに比べれば僕達は恵まれているし、背中を支えてくれる存在は数多くいる。

 その事実を大切に感じながら、僕達『神機』部隊は撤収準備に入った。

 

 幸い、敵甲冑魚型『宇宙大怪獣』のそれなりの部分を、体内に侵入し切り刻んだ時に回収してるし、かなり被害を受けている2連星のシレノスとシリウスも、地上波とても人が住めない程荒廃していたが、別に星ごと崩壊している訳では無いし、精々何度かの『ポールシフト(地軸傾斜)』が起こっている程度なので、後で『スターロード』を開設しに来る艦隊が、惑星フォーミングをすれば全ては解消出来るだろう。

 

 其れよりも、一刻も早く戦いに参戦出来なかった仲間に全て報告したいと思い、僕達『神機』部隊は脱出組に合流するべく、超長距離ワープに突入して後を追った。

 

 

 

 此の日、『人類に連なる者』達に取って、初めてバグスの最強戦力である『宇宙大怪獣』を倒す事に成功したのである。

 此の事実は直ぐ様、バグスを統括する『マザー・バグス』の知る事となり、彼女は初めて自分達に真の意味で対抗できる存在が、此の次元に存在する事を把握したのであった・・・。

 




 どうも遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
 本年も宜しくお願いします。

 さて、本編では漸く一つの戦いが終了しましたが、当然本編主人公のアポロにとっては初戦が終わったに過ぎません。

 此れから彼とその仲間達は、今回と同じく銀河系に於ける辺境星域を解放する戦いを繰り広げて行き、当面の目標である本来の『人類銀河帝国』の首都を目指す事になります。

 今後もあらゆる強敵や出会いがありますので、どうぞお楽しみに。
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