隣人トラブル系Vtuber 作:凛ちゃん
……こいつか?
凛ちゃんネル。
登録者35.5万人で、同接が4900人か。
コメントも大荒れで見るに俺の今の状況とかなり合致する。
多分こいつだな。
見つけた。
しかし、ガチの数字だったとは。
登録者数35万、しかもリアルタイムでこの人数集められるやつがこんなボロアパートそれも隣に住んでいたとは。
やっぱ人集める人間は人間性として終わってるやつが多いんだな。
俺も、こいつも。
って、は?
こいつV事務所最大手のVtuberじゃねぇか。
え?
こんなことしても許されるのか?
普通の配信者でも炎上しそうなモンなのに、Vがこれはアウトじゃないか?
「お前、凛って奴か?」
「な、」
とりあえず、こいつなのは確定。
配信にしっかり声乗ったわ。
「お前、Vtuberだったのか」
「だ、だったら何?」
というか、こいつはミュートとかしないのか?
普通に会話続けちゃってるけど、俺が放送禁止用語叫んだらどうするつもりなのだろうか。
防音死んでるアパートでの台パン行為もそうだが、流石に配信がストロングスタイルがすぎる気がする。
事務所はそういう教育してやらないのだろうか。
あ、そうだ。
「ふーん、俺にそんな生意気な口聞いていいわけ?」
「は?」
「あー、無性に住所を大声で叫びたくなってきたなぁ」
「特に意味はないけど」
こういうのやっぱ好きだな。
昔ユーチューバーになる前は凸に行ったり、なった後もファンネル飛ばしたり。
規約のせいで色々できなくなってきちゃったからなぁ。
やっぱ俺はこっち向きなんだよな。
視聴者としても投稿者としても。
最近のこのサイトはどうも綺麗すぎて好かん。
「私の住所晒すなんて、そんなの犯罪でしょ?」
「やってみなさいよ、訴えるわよ!」
「誰もお前の住所を叫ぶなんて言ってないだろ」
「え?」
「俺の住所叫ぶだけだし、何の問題もないだろ?」
はい、論破。
何つって。
こんなことして遊んでる場合じゃないんだよなぁ。
いや、久々に楽しかったけど。
さっさと仕事しないと、この遊んでる間にも視聴者が……
いや、ちょっと待て。
これ使えるんじゃね?
「……勘弁してください」
「ん〜? 聞こえないなぁ」
「許してください、やっと見つけた天職なんです!!」
「悪いと思ってるなら、まず取るべき行動があるだろ?」
「ごめんなさい!!」
「ま、分かったんならもういいで」
上場企業に正面うって喧嘩売るのは下策、当然規約からいって広告もつかなければ訴えられて金をむしり取られてジ・エンドだ。
だが、被害者としていくのはどうだ?
上場企業っていうのは、力と知名度を持ったせいで責任というものがまとわりついてる。
バイトテロなんかいい例だ。
正直企業からしたら知ったこっちゃない下っ端のやらかしでもでかいニュースになるし責任を求められる。
俺が加害者としてではなく被害者として突っ込めば、俺の立場としてはかなり安全なところからとてつもなくでかい火を起こせるんじゃねぇかって寸法だ。
これはチャンスだ。
相手はチャンネル登録者数35万とすこし、いや噛み付く相手としてはかなり物足りない。
でもそれじゃ測れない価値が凛ちゃんネルというVには存在する。
そもそもVtuber自体いま勢いのある業界だし、そこのトップの神ライブ所属のVだ。
そんじょそこらの100万登録と比べることすら烏滸がましいレベルだと俺は判断した。
さらについ最近神ライブが上場したのも追い風だ。
Vオタ以外の注目もある程度はあるはず。
つまり、ファンとアンチだけを相手する必要がない。
その他大勢がいるのなら正論を振り翳せば、法律という強力な後ろ盾があれば問題ない。
罪の重さは関係ない。
それが罪であるのなら、彼らは間違いなく俺の味方だ。
だがそのためには準備がいる。
それに凛とかいうのも、うまく操ってやらないと。
すぐ消化されたせっかくのチャンスが無駄になる。
まずは罪を意識させて、罪悪感を持たせて、炎上とライバーとしての責任の方から……
行ける!
しかも、Vに固執してそうなのもさらにグットだ。
視野の狭い人間は簡単に動かせる。
時間がない、とにかく動こう。
細かいことなんて後でどうにでもなる。
思い立ったが吉日だ。
ピンポーン
「おう、テメェ! さっきのはどう言う……」
え???