嗚呼、残酷なシャケ生よ。   作:ノリと勢い

8 / 10









期待外れだったら、『ン』もあげよう。














ゆったりじっくり見るのがおすすめです。








キミに『キ』と『ホ』を足してあげよう。

 

 

 

 

 

「……これは………………」

 

 

 尤もらしい理由を使い四肢を預かったお陰で、予想よりも速く解析が完了してしまった。

 四肢の内、右腕と両足はなんとか胴体に接続し直せる程にまで回復したが、左腕は断面からの侵食が激しく、接続し直すにしても肘から先しか使えないとは思われるが。

 …はぁ…………目先の問題は、あのガールを保護してから2日間も経ったせいで異常事態に気づき始める彼女の友人や親族も現れる頃だ、という事だ。

 

 人工音声はデータ不足のため模倣しきれない。本人から説明させるのは簡単だが、彼女は頭が良さそうには見えないため不確定要素が重い。

 どちらかといえば危険な状態だ。

 〔洗濯〕も楽じゃない。

 偽装は無理では無いが、最近は設置していたシャケの誘引装置の破壊や装置破壊対策の電棘鉄線の破壊が断続的に起こっているため、念を入れ資金を保持しておきたい。

 ………異常に知能の高い個体でも生まれたのだろうか。

 

 

 もう一つの理由は…まぁ、解析結果を見てからだ。

 胃袋まで呑まれたのにどうやって脱出したのかは不明だが、シャケの胃液に数十秒触れてから生還した者は彼女が初めて…極めて希少な検体だ。

 シャケの胃酸がイカやタコの海鮮物に触れると、急速な汚染と侵食の反応が現れる。それは彼女の肉体に対しても例外ではなく侵食が確認されたのだが………これが問題だ。

 

 ()()()()()()()()()()

 

 通常のシャケのインクも微弱の侵食性を持つためそちらでも検証してみたが、インクを弾くだけでなく分解までもしてみせた。彼女の四肢を3つも再使用可能の状態にまで戻せたのもこの特性あってこそのもの。

 

 思わぬ所で大きな拾い物をするものだ。培養した彼女の皮膚に触れさせただけでこれ程までに効果があるのだから、血液ともなってしまえばどうなってしまうのだろうか。

 

 防護服のさらなる発展の為にも、殺して有限の資源にしてしまうには実に勿体無いと言える。

 どうせ大して使えない左腕だけこちらで使い続けさせてもらうとして………残りの3つは戻してあげよう。

 使い慣れたものの方が良いだろうからね。

 

 左腕は無くても困るだろうし……丁度良い機会だ。

 試用対象を迷っていた試作品の義手をあげよう。

 きっと喜んでくれる筈さ。

 

 

 …以上。これら2つの理由から、ボクは彼女を〔掃除〕したくはない。ただ……こちらの要求を飲まないばかりかこの件を言いふらすというのであれば………………

 

 

 

「……………あまり抵抗しないで欲しいな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………さて、話をつける時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ウーミーベーカラワキーターツシャケ、

 ソノイクラヲカカーゲー》

 

 

「かー…がー…やーくあしたをめーざして…きんいくらささげっよー………」

 

 

 

 

 ミノリちゃん。

 

 

 

 

 サヤちゃん。

 

 

 

 

 ヒノエちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 私の。………………私の………………………

 

 

 

 

 

 

 「…………たいせつな、ともだち。」

 

 

 

 

 

 

 もう居ない。死んだ。

 …私が殺したんだ。助けられなかった。

 私だけが生き延びた。みんなに背中を押されて。

 私が死ぬべきだった。

 みんなが生き延びるべきだった。

 

 

 

 どうして?

 

 

 

 

 

 

 どうして、私を残したの?

 

 

 こたえてよ。みんな。

 

 

 

 

 わたし、なんにも。

 

 

 

 

 

「できなか、った。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〘…………………話をしてもいいかい?〙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………………くまさん。

 クマサン。

 

 

 

 

「………たすけて、ください。」

 

 

〘………………?〙

 

 

「もう分からないんです。なんで私が生きてるのか。何ができるのか。どうしてみんな死んじゃったのか。教えてください。私は、…………私は何をすればいいんですか?」

 

 

 

〘…………………………〙

 

 

 

 私に手足があれば。

 本体に影響が無かろうが今すぐこの木彫りに掴みかかって縋りついていたんだと思う。

 

 私に知恵があれば。

 こいつに良いようにされなかったのかも。

 

 

 

 ………私に力が、強さがあれば。

 みんなを助けられたのかな。

 

 

 

「くま"、っ………さん、あ、な"た、は。」

 

 

 

 私に手足をくれますか?私に知恵をくれますか?私に力をくれますか?私に。私に。私に。

 

 ともだちを、かえして、くれますか?

 

 

 

 

〘……………本題へ入るよ。〙

 

 

 

「っ…!!まっあ"…………ん"ぐっ……ぁ"っ…!!」

 

 

 

〘落ち着いて聞いてほしい。まだ君の体は完全に治った訳ではないのだから。〙

 

 

「っっっ……っ……!!!!!!」

 

 

 

〘そう睨まないでくれ。…………さて。言いたい事は大きく分けて二つある。まず君の四肢に関しての事だ。〙

 

 

「…っっ………っ…………っ……!!!!!!」

 

 

〘結論から言えば、君の右手と両脚はなんとか回復させることができた。明日接続してあげよう。でも……左腕は侵食が進みすぎていて回復が不可能だった。〙

 

 

「…………っ、あ、い…え、そん、な。」

 

 

〘そこで。だ。君に頼みがあるんだよ。ボクの会社は片手を失ったイカやタコ用に義手や義足を開発しているのだけれど………ウチには欠損のある社員なんて居なくてね。それの試作品を君が試験運用してくれないかな。〙

 

 

「……うで?」

 

 

〘そう。君の左腕だ。〙

 

 

 

「………………わたしにしか、できない?」

 

 

〘そう。君にしかできない。〙

 

 

 

 

 渡りに船。なんて言葉では表せない。

 

 わたしはもう…、だめになってしまいそうだ。

 今までの。色んなことが、絡まって、ぐちゃぐちゃになって、つらい。耐えられない。

 

 使命が欲しかった。

 大義が欲しかった。

 

 

 

 

 

 貰えて、しまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は……………………あ、は、は。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〘………………………〙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あはははははははははははははははははは縺ッ遘√′謔ェ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

〚この [[Message]] は 機キキ能ゥさ〛

 

〚思考    を      規制にカ2。した。〛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ♪〜 カガヤクンデスマーチ

 

 

 

 

〚輝く明日を目指して、金イクラを捧げよう!!〛

 

 

 

 

 







『飼い殺し』?

いえいえ、『有効活用』ですよ。




高評価&お気に入り登録、
ぜひともお願いします。



ただの質問です。気にしないでください。気に。時に、特に、このイカちゃんは。

  • 生かすべきだ。
  • 殺すべきだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。