ポケットモンスター M・GS~金銀より綴る物語~   作:紫苑試験式

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どうも、ごめんなさいでした。


1.見合って出会ってデビュー戦

後ろをテクテク着いて来るヒノ(ヒノアラシ(♀))を時折いきなり振り返って反応を確かめると、何とも小憎らしいまでにおっとりとした表情で、歩きながら首を傾げてくる。

立ち止まって中腰になり、目線を合わせてじーっと見つめてみれば、ヒノも律儀に立ち止まって見つめ返してくるのだ。そのまま視線を合わせながら後ろ歩きで後退してみれば、ヒノも慌ててトコトコ着いて来る。

 

「……」

 

拙い、拙いぞ。これは最早、癖になりつつある。

連れ歩きの脅威だ。堕落を助長しかねない。これを推奨したのは誰だったか……一言言いたい。

 

グッジョブ、と。

 

そうやってまた立ち止まって俺が一人悶えてるもんだから、ヒノアラシはまるで「自分が何をした?」とでも言いたげに困ったような表情で首を反対に傾げる。

 

……感情が決壊し、思わず抱き寄せてしまうのも無理は無かった。

 

「……ヒノ?」

 

ワンテンポ遅れての反応、この垂れ目が更に細められるのがまた効果抜群だ!

こやつめ、さては悶え殺して骨抜きにする戦術だな?

 

……なんて馬鹿みたいなことを考える道中、旅は至って順調である。

 

 

 

今までペットは絶対に世話が出来ないから大型のものは飼うことは無かった。

子供の時にトカゲ・ザリガニ・カブトムシ・その他昆虫・川魚等々、一通りは捕まえてきて一週間程で死なす……というのは済ませている。

大抵は、庭先に置いておいて野生の狸(これ本当)にやられるパターンである。まぁそれ以前に干からびさせているのかもしれないが。

最長でベータなんていうコップの中でも生きる小さい魚、一年。こいつは一週間放置してしまっても生き伸びる、それなりに愛着を持った相棒であった。

なのに、もうそれなりの歳になったにも拘らずやはり管理不足が原因だったこともあり、もう二度とペットを飼うことは無いと決めたのだ……が。

 

が、だ。

いや、ここまで考えておいてなんなのだが。

 

 

ポケモンは、ペットではなく嫁だ!!まず心配無ぇ!!!!!!!!

 

 

……ってのがオチだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何の脈絡もなくこの世界に来てしまった人間としては戸惑うことも多い……というわけでも無く、即座に順応してしまうお茶目さには我ながらもどうかと思うが、それはさて置きとにもかくにもポケモンマスターである。

日本全国の皆の、夢の職業だろう。

初代赤緑がリアルタイムな中の人=俺(2■歳)であるが、これから冒険の始まり、出発進行、レッツスタート!(重複)

 

 

……まぁ意気込みはそれとして、現実的認識としては気が付いたら容姿が退行して14歳になったらしい今日この頃だが、俺が俺自身であることに変わりは無い。

しかし、名前はゴールド(デフォルト!)という名前になってしまったようだ。

まぁ、自分の名前は好きでなかったし……何より名前を名乗るのは終始徹底して極力に控える俺である。特に問題はあるまい。

 

 

ここまでの経緯はというと、まず母親を名乗るゴールド君の“おかあさん”が、現状を受け入れた直後の俺を起こしに来てポケギアだのなんのを手渡してくれた。

“そういうもの”なんだろうが、なんとなくでこの人が自分の親だということを認識したり、ある程度“こっちの世界”の常識も浮かんでくるので、あやふやな限りだが“そういうもの”なんだろう。そう納得。

 

おかあさんはかなりのマイペースらしく、伝言などを伝えて物を渡してひとしきりしゃべくると、それで満足したようで自己完結して階下へと降りていく。

どうやら性格も自分に通じるものがありそうなのかもわからないな、と思ったりした。

 

そしてお馴染み自分のパソコンから……のみならず、こっそり且つ大胆にも“キズぐすり”1ダースと“どくけし”何個かを家の至る所から回収することに成功した。(取りつくしちゃった感が無くもない)

 

バレる前にそのまま伝言を貰っている宇津木博士(漢字で書くのは何故か怒られるらしいが、敢えて)の所に行ってポケモンを任されるイベントを……というのがゲームの流れなわけだが。

 

 

「ぅ、ぁぁ!!!だ、誰かぁっっ!!!」

 

 

家を出て早々、研究所へ続く並木道から外れた奥の獣道の方角から、かなり切実そうな悲鳴が聞こえてくるではあるまいか。

 

これは、あれだ。

あれなんだろうな……

分かってる。俺は割と分かっている方だ。←8割の人が皆そう思ってます。

 

とにかく駆けつけてみるしかない。

 

 

『sp――!!spsp――!!』

 

「ワニっ!ワ、ニ……」

 

「ぅぅ……」

 

「く、守りながらではワニノコだけでこの数はきつい……せめてカバンの所まで突破できれば……っ!」

 

 

ちょっとした雑木林の奥、少しだけ開けたスペースに剣呑な雰囲気の集団。

その大半はポケモンで、初見な俺としてはパニックしかねない大きさである黄色と黒がいかにもなスズメバチ――“スピアー”5匹が、1匹のポケモンとその後ろの二人に襲い掛かっているのだ。

 

一人の少女とそれを庇う大人の男性(白衣を着ていて、もしかしたら……?)、そしてその前に立って奮戦するのは普通の犬くらいの大きさの青い鰐と思しき生物――“ワニノコ”である。

レベル差があるのかかなりの劣勢で、何故か余り攻勢に出ていないスピアー達ではあるが、このままでは危ないことには違いない。

かと言って無策のまま俺が飛び出してもどうしようもなく、最悪はこちらに注意を引きつけて全力で逃げたりするのも視野に入れつつ、木陰から身を潜める。

 

 

「く……ワニノコ!こわいかお、いけるか!?」

 

「ワ、……ワニ……ッッ!」

 

 

……とは考えつつも、実際には全力で浮き足立っていた。

 

正直勢いに任せてたところがあるし、なんとかなると楽観視してもいたが……あれは、怖い。

冷静に事態を判断しているようで、実のところパニック寸前である。

 

ポケモン?そりゃ楽しいイメージしか無いよ。だけど相対してみれば分かる。人じゃどうしようもない、脅威以外の何物でもない。

そう、ちっぽけな人間じゃ、太刀打ちなんて出来っこない。

 

俺はその時、確かに無力感に苛まれ、諦念に囚われてもいた。

 

 

ワニノコは専守防衛で立ち回っていたが、とうとうスピアーの繰り出した両の手の鋭い針にやられ、崩れ落ちる。

指示を出していた男性の叫びが聞こえた。

 

 

俺は、目の前が真っ白になったように、ただそれを見ていることしか出来なかった……かというと、そうでも無かったが。

……それどころかそちらを見てもいなかったのだが。

とにかく一人の人間、しかも現在に至っては子供である俺には、出来ることなどたかが知れているのである。

それは、確かに実感していた。

 

……実感していたのだが、そこでまさかのモンスターボールである。

 

ご都合主義よろしく、近くに落ちていたらしいカバンから転がり落ちた赤と灰色の球体“モンスターボール”である。

大事なことは三回言う。モンスターボールなのである。

 

俺がそれに気づくと、それに応じたかのように出てくるのは一匹のポケモン。

……もとい、相棒?

……いや、My soul パートナー?

 

 

――否、嫁である。

 

 

見えづらいが確かにそこにある、柔らかさが具現化したかのような芸術の域にさえ入ると思しき見事な毛並み。

普段は垂れ目であろう目元を吊り上げて、そこに確かな闘志をたぎらせる力強い眼差し。

目が合って、瞬間の確信だった。

 

俺は、こいつと、旅に出る!と。

 

 

「……一緒に闘って、くれるか?」

 

「……ヒノッ!」

 

 

何度も言うが、俺は結構パニックだったのだ。……テンションが高かった、とも言う。

 

うだうだ心情を吐露してみたが、ぶっちゃけ感性で息をしているような所がある俺である。

そんなものは次の瞬間にはどこかに吹き飛んで……ぶっ飛んだままに、はっちゃけたのだ。

この時、脳内では勢いよく戦闘BGM(灼熱のバトルフィールド)が聞こえてくるほどであった。アニメのやつだ。

 

 

「ヒノッ!今日からお前はヒノだ!いいな!?」

 

「ヒノッ!」

 

「よし、行くぞ!ひのこをばら撒いてのたいあたりをぶちかましてやれ!頭から行くな、体を使って思い切り行け!ねじり込むように突っ込みながらひのこを纏ったりすれば尚良し!!」

 

「ヒノォッ!」

 

 

出会ってこの間、僅かに数秒である。後で聞いたところ、ワニノコが倒れる数瞬前だったそうだ。

 

自分でさえも謎の勢いでそのままスピアー達の背後にタッグで特攻していき、まだまだ低レベルだろうヒノ(確定。)にフィーリングで指示。

何故それでいけると思ったのか、議論の分かれる所である。

ゲーム批准なら所定レベル修得、アニメに至っては修行らしきものをこなさなくてはならないそれを、いきなりに言って成立するものでは、まずない……

 

 

「いけーーーっっっっっ!!!火ぁぁぁ炎車ーー!!!」

 

「ヒノヒノヒノヒノヒノヒノヒノヒノーーーーーーーッッッ!!!」

 

「――!?s、sp――――!!??」

 

 

……のだが、うちの子は出来が違った。テンションが高かった、とも言う。

完全な不意打ちの形で、始めにばら撒いたひのこが最後尾にいた一匹に直撃。

勢い補正で確一、所謂“きゅうしょに当たった"のだろう。

次いで本体特攻は振り向き様の二体に激突。堪らず弾き飛ばされていく。

ここで、ワニノコに攻撃していた内の一匹がこちらに気付き迎撃に。飛ばされた二体も一匹は恐らく“やけど”状態で力尽きたようだが、もう一匹が復帰。戦力差的にかなりきついが、2対1の変則ダブルバトル戦に……

 

 

「ヒノッ、初手かわして喰らいついてやれ!ぶちかましてやれぇぇぇ!!!!」

 

「ヒィーノッッッ!!!!」

 

 

……ならないッッ!!

最強説、避けろ厨の真実。勢いその他諸々により会心の一撃をお見舞いして、とうとう一対一の対面に。

健闘の末か沈んでいくワニノコを背に、堂々と振り向く最後のソレは、それまでのとは明らかに個体差があってヒノと比べると五倍くらい体格が違う。

 

風格もあり、明らかにレベルの差がまだある……仮にゲームシステムだったとしたら、連戦でヒノは最低でも初期値からLv.10代には達しているだろうが、生憎テンションで何とか出来てしまうこのノリはアニメのそれに近い。

 

まだまだ戦意みなぎるヒノは火炎を纏って戦闘態勢に入っているが、その実ジリジリとした間合いの取り合いで膠着状況に。

幾分か冷静さを取り戻したもののヒノ同様にまだまだ意気 大 爆 発 の俺は、手に汗握る緊張感を味わいながら必死に思考を巡らせて臨む。

ヒノはまだまだこれからの逸材だ、体力は当然ながら向こうに分がある。

だが幸いにもタイプ相性はこちらにあるので、一撃に懸ける他無いだろう。

 

状況判断もそこそこに、保たれている均衡が破られる瞬間が訪れるのを、肌で感じ取った。




始めだけ失礼します。
何視点なんだよって話かとは思いますが、答えは“俺視点”です。ここで言う“俺”とは一人称のことではなく“俺”であり、つまりそういうことです。
……はい。
ゲームっぽい世界に来た主人公ですが、バトルはアニメっぽいなんでもありな避けろ厨もありです。ギャグ補正だとかはかからない、シビアな路線を目指します。十万ボルトを耐えるなんて何処の勇次郎か。サトシなんていなかった。
世界観的にはゲーム批准。ですがやっぱり致死級なジムの仕掛けなど無かったのである。フウロさん、大砲は流石に。ふっとびはボディだけにして欲しいものです(セクハラ)
キャラ、創ります。ポケスペは二巻の表紙のみしか見てないので、同名の全く別人なんかが出てくると思われます。特に色系。
しかし思い入れあるキャラにはとことんリスペクト。
ハーレムっぽいかもです。別に鈍感でも無く、適度にガツガツすること請け合いでしょう。
オリジナル要素、プライスレス。元々、カオスなポケモン(ゲームシナリオの混合)をやってみたいがための試みなので、展開によってはあっちゃこっちゃぶっ飛ぶと思われます。改造ポケモンのベガとか、映画舞台に行く感じですかね。
この物語を作っていく上で影響を受けていると言わざるを得ないリスペクト作品は、二次作品でオトロラさん家のワイルドフラワーズ!とニコ動の逆回りプレイ・サンタサン一連のシナリオ!、です。特に後者は妄想が暴走した原因。二番煎じにならないように気を付けます。
後、作者は懐古厨の気があるのかもわかりません。ミュウツーの逆襲は未だに全作中最高傑作だと思ってますし、ロケ団の登場セリフも初めのが一番良いと思います。
弟を連れて行ってたDP世代の映画は結局最後には寝てましたし。
初代赤緑も一番好き(これはバグ技含めてですが)ですし、SSHGのCMで金銀の時のCM抜粋後に「あの感動から十年。」というだけのシンプルなフレーズには鳥肌が立ちました。無論買いました。
大人が懐古して子供の自分に語ってくるのは大嫌いでしたが、良作だからと大人が好きだったゲームを薦められている弟もまた、同じ事を思っているんだろうなと、イナズマイレブンの映画を否定して喧嘩して思った作者です。

この作品を書き始めてすぐエタったの自体が遥か昔のこと過ぎて、時間ができた今書き直している今日この頃ではありますが。
気が向けば、どうぞ宜しくお願いします。

くどい後書きはこれのみなので、ご安心を貴方に。
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