アニメオタクだらけのシェアハウスで、俺は特撮に人生を捧げる。   作:naogran

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98話・満点メイド

10月27日。上野家。

 

実里「大丈夫だって!多分もう少しで来ると思うけど、なんせ私の婚約者だもん♪」

 

彼女の名は上野実里。今日は彼女の婚約発表パーティーであり、親戚達を招いている。

 

夏彦「今日はお招き頂きありがとうございます。瀬川夏彦です。」

 

親戚達「きゃぁぁぁ〜〜〜!!」

 

実里の母「あ、あなたが瀬川家の御曹司、夏彦さんね?」

 

瀬川夏彦。瀬川家の御曹司。

 

親戚A「うわぁ!噂通りイケメ〜ン!流石実里よ!よくやったわ!」

 

実里「でっしょ〜?夏彦は本当に素敵なんだから〜♪」

 

帰国子女で高学歴。おまけに美人の実里にとって相手は選び放題。そんな中選んだ男は、親戚中が驚く程ハイスペックな瀬川夏彦を選んだのだ。金持ちの御曹司との結婚に、親戚中が実里と夏彦を羨ましがってくる。

 

親戚B「夏彦さんと実里、高学歴だしどこから見てもお似合いよね〜!」

 

親戚C「瀬川家と言えば、株式会社テストンを経営してるんですよね?」

 

夏彦「はい。俺はそこの副社長です。」

 

親戚B「テストンと言えば、最近開発したアプリが大流行してるのよね〜!」

 

親戚C「私も知ってます!ピーポーテスト!運命の相手のタイプが分かるんですよね!そう言えば、実里はやった事ないの?」

 

実里「まさかw私の運命の相手はもうここにいるもーんw」

 

親戚C「あははwそうでした。」

 

全員がテーブルに座り、パーティーが始まる。

 

実里の母「それでは皆さん!席に着きましたね?」

 

実里の父「これから婚約パーティーを始め・・・」

 

パーティーが始まろうとした時。

 

夏彦「ちょっと待って下さい。心さんのとこにだけ寿司がないみたいです。」

 

実里「え?あぁ、それは気にしなくていいのよ。」

 

彼女の妹の心。彼女の前にだけ寿司がないのだ。心は実里と違って低学歴で、家族から差別を受けているだ。

 

実里「そんな事より早く乾杯しましょ?」

 

だが夏彦は、心をジッと見ている。

 

夏彦「でも心さんの食べるものが・・・」

 

実里の母「まぁまぁそんな事は気にしないで、楽しんで下さいな。」

 

実里の父「では改めて、乾杯!」

 

パーティーが始まったと同時に、夏彦と彼の両親が心に寿司を分けてあげた。

 

夏彦「心さん、良ければ俺の分食べませんか?」

 

夏彦の母「私のも食べて下さい。」

 

夏彦の父「どうぞどうぞ!遠慮なさらずに!」

 

心「あ、いえ・・・すみません。私は全然大丈夫ですから。(折角の申し出だけど、受け取っちゃうと後から何て言われるか・・・でも瀬川家の人達は、皆優しいなぁ・・・)」

 

夏彦「心さん?食べないんですか?」

 

心「あ、いえ・・・何か・・・」

 

実里「夏彦〜。そんなに構わないで大丈夫だよ?こんなの何時もの事だしさ。」

 

夏彦「何時もの事?何でそんな事するんだよ。」

 

実里の父「何でって、低学歴だからだよw」

 

実里の母「そうそうw」

 

実里「私も本当に自分の妹なのか何度も疑ったわw」

 

心「そっか・・・家族じゃないんだ・・・」

 

上野家は高学歴をプライドに持っており、心を蔑ろにするのが当たり前なクズの家庭。

 

夏彦「そうか・・・実里達は心さんの家族じゃないのか・・・」

 

心が上野家の一員じゃない事に夏彦がガッカリした。だが彼から予想外の言葉が・・・

 

 

 

 

 

 

夏彦「実里とは婚約出来ない。」

 

 

 

 

 

 

実里「え・・・?何で・・・?」

 

突然の婚約白紙を宣言した夏彦。それに同意するように彼の両親が怒った。

 

夏彦の母「そうね。夏彦の判断は正しいわ。」

 

夏彦の父「この婚約は無かった事にして貰おう。」

 

実里の父「そ、そんな!待って下さいよ!どうして突然・・・」

 

実里「そうよ!納得出来ないわ!」

 

夏彦「実里は素敵な女性だと思ってたのに、とんだ見当違いだった。実の妹への態度がこれではな。」

 

彼は、心を蔑ろにする実里達に怒っているのだ。

 

実里「だ、だって・・・心より私の方が優秀だし・・・」

 

夏彦「は?心さんより優秀だって?心さんのような逸材に気付けないって事は、君もそれ程優秀じゃなさそうだ。」

 

心(わ、私が逸材!?生きて初めて言われたんだけど・・・嬉しい・・・!)

 

夏彦「父さん、母さん、帰ろう。」

 

夏彦の父「そうだな。」

 

夏彦の母「お邪魔したわね。」

 

瀬川家は全員立ち上がって荷物纏め始めた。突然の婚約白紙を宣言されて実里は相当焦っている。

 

実里「待ってよ夏彦〜!お願いだから〜!」

 

夏彦「今の君には、何の魅力もない!」

 

実里「ひ、酷い・・・私の何が不満なのよぉ・・・」

 

すると夏彦が、心にある物を渡した。

 

夏彦「心さん、これを。」

 

渡したのは、1枚の紙。

 

心「これは・・・?夏彦さんの連絡先?」

 

夏彦「落ち着いたら連絡して下さい。それじゃあ。」

 

そしてそのまま、瀬川家は出て行った。

 

実里の父「そんなバカな・・・」

 

実里の母「実里が婚約破棄・・・嘘でしょ・・・?」

 

すると3人が、怒りの矛先を心にぶつけた。

 

実里「心!一体どう言うつもりよ!!」

 

実里の父「まさかお前が実里の事を悪く言ったんじゃないだろうな!!!」

 

実里の母「正直に言いなさい!夏彦さんとは何処で知り合ったの!?」

 

心「そ、そんな事言われても分かんないよ・・・」

 

実際彼女も夏彦と何処で出会ったのか分からない。

 

心(何で瀬川家の人達は、あんなに私に優しかったんだろう・・・夏彦さんに連絡したら、答えが分かるのかも知れないな・・・)

 

連絡先が書かれた紙を見ていると。

 

実里「そんなもの貰って調子に乗ってんじゃないわよ!!」

 

心「あ・・・」

 

実里が夏彦の連絡先が書かれた紙をビリビリに破いてしまった。

 

実里「ふん!あんたに必要ないでしょ!」

 

心は謎を抱えたまま、ひとまず部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

心の部屋。

 

心「う〜ん・・・私の名前を検索しても何も出て来ない。有名人でもないし、目立った覚えもないから当然だけど・・・」

 

スマホで自分の名前を調べたが、検索に引っ掛からない。

 

心「夏彦さんはどうして私を逸材だと思ったんだろう・・・う〜ん・・・やっぱり直接聞いてみるしかないかな〜。」

 

 

 

 

 

 

翌日の10月28日。

 

心「ねぇお姉ちゃん、夏彦さんに聞きたい事があるんだけど・・・」

 

実里「はぁ?あんた私から夏彦さんを奪い取ろうて言うの?」

 

心「え?違うよ。私はただ、夏彦さんが私の何を知ってるのか教えて欲しくて・・・」

 

実里「そうやって夏彦さんに近付いて誑かすつもりでしょ!あんた何処まで恥知らずなのよ!」

 

誤解だと説得したが、実里は一向に理解せず心を責めるばかり。

 

 

 

 

リビング。

 

心「違うって言ってるのに・・・(自分の事を知りたいと思っただけだもん・・・)」

 

”ピンポーン”

 

そう困っていると、家のインターホンが鳴って誰かがやって来た。

 

夏彦「こんにちは。」

 

心「あ・・・」

 

実里「夏彦?」

 

訪ねて来たのは夏彦だった。訪ねて来た夏彦に実里が喜んでる。

 

実里「嬉しい!会いに来てくれたのね!(ふふwやっぱり夏彦は私の事が好きなんだ!)昨日の事を謝ってくれたら、許してあげなくもないわよ〜w」

 

だが夏彦は。

 

夏彦「いや、実里じゃなく心さんに会いに来たんだ。」

 

心「え?私?」

 

実里「ちょっと、何で心なの?」

 

夏彦「ずっと連絡を待ってたのに、来ないから心配になったんだよ。何かあった?」

 

心「それは・・・えぇと・・・」

 

夏彦「どうした?遠慮しないで教えて欲しい。」

 

心「はい・・・実はあの紙、お姉ちゃんに破かれてしまって・・・」

 

夏彦「何だと!?」

 

実里「夏彦!これは誤解なの!心が夏彦を誑かそうとするから・・・」

 

夏彦「実里の事はどうでもいい!!心さん、俺と一緒に来て欲しい。連れて行きたい場所があるんだ。」

 

心「は、はぁ・・・」

 

実里「ちょっと!何処行くの!?私も一緒に・・・」

 

夏彦「実里には用はない!」

 

実里「え・・・」

 

夏彦「お邪魔しました。」

 

彼は心を連れて上野家を出て行った。

 

実里「待って!置いてかないでよ!うわぁぁぁぁぁ〜ん!私のハイスペ婚の夢がぁ〜!」

 

その場で泣き崩れた。

 

 

 

 

 

 

一方ここは諸星邸のリビング。

 

優之「ん〜・・・」

 

この日、優之と志歩と茂成はスマホと睨めっこしている。

 

優之「だっはー!89点・・・もうちょいで最高ランクだったのに・・・」

 

茂成「お。88点。まあまあだな。」

 

志歩「ふぅ〜。91点ね。」

 

諸星「楽しんでいるようで何よりだよ。」

 

優之「このピーポーテスト、結構難易度ありますね。自信あり気に問題解いたのに一歩も及ばないなんて。この道徳的な問題、全部善意に解答しても他の問題が難しいですね。」

 

諸星「それもこのピーポーテストの醍醐味だよ。」

 

茂成「そう言や今日、お客様が来るって仰ってましたけど。」

 

諸星「そうだね。もうそろそろ来ると思うよ。」

 

 

 

 

一方夏彦と心は、諸星邸にやって来た。

 

心「う、嘘でしょ・・・夏彦さん、諸星財閥とも繋がりがあるんですか・・・?」

 

夏彦「父が社長を務める株式会社テストンは、諸星財閥の傘下企業だからね。」

 

心「な、成る程・・・」

 

夏彦「さぁ行こう。諸星様が心さんに会いたがってるんだ。」

 

心「え?あの諸星様が?」

 

リビングのドアを夏彦がノックする。

 

心(そんな私に、諸星様が一体何の用だろう?)

 

夏彦「失礼します。」

 

 

 

 

リビングのドアを開けると、諸星が出迎えてくれた。

 

諸星「やぁ。君が上野心さんか。ずっと会いたいと思っていたんだ。」

 

心「ほ、本物の諸星様だ・・・!」

 

茂成「夏彦さん。」

 

夏彦「あ。皆さんもいらしてたんですね。」

 

心「え?この方達は・・・」

 

優之「あ、初めまして。愛川優之です。」

 

茂成「畦間茂成です。」

 

志歩「星川志歩です。」

 

心「え?イラストレーターの優とYouTuberのなっくんさんに、小説家の星川先生まで!?」

 

夏彦「こちらの3人は、俺の知り合いだ。優之さんと茂成さんはモロスターアートに所属していて、星川さんは小説家でもあり諸星財閥の専属脚本家でもあるんだ。」

 

心「そうなんですか・・・で、でも諸星様。どうして私なんかを招待してくれたんですか・・・?」

 

夏彦「それは、心さんの『ピーポーテスト』の結果を見たからさ。」

 

ピーポーテスト。株式会社テストンが開発した最近流行ってるアプリである。心は以前友人に誘われて1度挑戦したみたいだが、すっかり忘れていた様子。

 

心「ピーポーテストって、運命の相手のタイプが分かる奴ですよね?」

 

夏彦「表向きはね。」

 

心「表向き?」

 

夏彦「ピーポーテストは、IQ・EQなど人間としての様々な能力が測れるんだ。本当の目的は、それを使って優れた人材を発掘する事なんだ。」

 

諸星「優秀なメイド適合者を見付ける為に、俺がテストンに開発を依頼したんだよ。そして、そのテストで1位だったのが心だ。」

 

心「えぇ!?」

 

なんと彼女のピーポーテストは1位を記録していた。夏彦と諸星が彼女に優しくしてくれる理由が理解した瞬間だった。

 

夏彦「皆さんはどう?点数は。」

 

優之「後1点で最高ランクだったんですが〜。いやぁ〜難しいですね。」

 

志歩「私は91点を記録しました。」

 

茂成「88点。まあまあです。それにしても、1位を記録した人の噂を聞いたんですが、それが心さんですね。」

 

心「じゃあ、夏彦さんが私を逸材と言っていたのは・・・」

 

夏彦「そう言う事。俺も実里の妹が心さんだと知った時は驚いたよ。だから尚更、実里のあの態度が許せなかった。」

 

諸星「心は稀に見る逸材だ。そんな君に頼みがあるんだ。俺は『ピーポーテスト』を使って初のメイドスカウトを実施している。心にはその第1号になって欲しいと思ってる。福利厚生は充実してるよ。」

 

心「え?私がですか?」

 

諸星「うん。だから心が良ければ、是非モロメイドになってくれないかい?」

 

心「も、勿論です!ありがとうございます!」

 

志歩「新しいメイドさんが誕生したわね。」

 

優之「より賑やかになりそうだ。」

 

 

 

 

 

 

心は急いで帰宅して荷造りをしていると。

 

実里「心!夏彦を返して!」

 

実里の父「お前は姉の婚約者を奪ったんだぞ?」

 

実里の母「夏彦さんは絶対に実里の方がお似合いだわ!」

 

諸星財閥に行っている間に、誤解したまま話が広がってしまっていた。

 

実里「ってか何で荷造りしてるの?」

 

心「実は私・・・モロメイドにスカウトされたんだ。」

 

実里「まっさか〜wそんな訳ないでしょw」

 

実里の父「モロメイドって、優秀じゃないとなれないんだぞ?」

 

実里の母「すぐバレる嘘吐かないでよw」

 

3人は心がモロメイドにスカウトされた事を酷くバカにして笑っていると。

 

”ピンポーン”

 

実里の母「あら?誰か来たみたい。」

 

実里「私出るよ〜。」

 

玄関のドアを開けると、諸星と夏彦が立っていた。

 

実里「な、夏彦と・・・諸星様!?」

 

夏彦「心さんを迎えに来たんだ。」

 

諸星「遅いから心配でね。」

 

2人は心を迎えに来てくれた。3人はこの状況を信じられず困惑している。

 

実里の父「ま、まさか・・・本当に心はモロメイドになったんですか?」

 

実里の母「な、何かの間違いですよね?」

 

実里「心は低学歴だし特技もないですよ?」

 

モロメイドにスカウトされた心を懲りずにバカにしていると。

 

諸星「そこまでにして貰おうか。」

 

実里・実里の両親「ひぃっ!!」

 

諸星の恐ろしい眼光にビビった。

 

諸星「心は俺が自らスカウトしたモロメイドだ。君達は俺に見る目が無いと言いたいのかい?」

 

実里「すみません!そんなつもりはないです!」

 

実里の両親「申し訳ありませんでした!」

 

3人はすぐに土下座して諸星に謝罪した。

 

夏彦「さ、心さん。荷物はこれだけ?」

 

心「はい。あ、自分で持てますから・・・」

 

夏彦「大丈夫。俺が車まで運ぶよ。」

 

実里「待ってよ夏彦!ちゃんと話し合いましょう!」

 

夏彦「今更何を話すんだ?もう俺は、少しも実里に興味がない。」

 

実里「嘘よ・・・この優秀な私がフラれる訳がない・・・」

 

自身の持つプライドが許せず、今の現状を受け入れない様子。

 

夏彦「実里より、モロメイドになれた心さんの方が優秀だし魅力的だ。自分を見つめ直して、少しは謙虚になるんだな。」

 

2人は家から出て行った。実里はハイスペ婚を諦めてない。

 

実里(そうだ!私もモロメイドになれば良いじゃん!)

 

悪知恵が閃いた実里が諸星にモロメイドになれないか交渉する。

 

実里「諸星様!どうやって心はモロメイドにスカウトされたんですか?私にも教えて下さい!」

 

諸星「仕方無い。特別に教えてあげよう。それはね・・・」

 

 

 

 

 

 

そして諸星邸に戻って来て、早速モロメイドに着替えた心が優之達3人の前に立った。

 

優之・志歩・茂成「おぉー!」

 

心「ど、どうですか・・・?」

 

夏彦「うん。とても似合っているよ。」

 

諸星「今日からモロメイドとして頑張ってね。期待しているよ。」

 

心「はい!皆さんも、本日から宜しくお願いします!」

 

優之「こちらこそ。」

 

茂成「頑張って下さい。」

 

志歩「でも無理はしないで下さいね。」

 

こうして心は、正式にモロメイドになれたのだ。

 

 

 

 

 

 

その夜。実里は部屋で諸星から教えて貰ったピーポーテストを実践していた。

 

実里「あーもう!このピーポーテストとか言うの、全然良い点取れない!」

 

心が1位を取ったと聞いて慢心になっていた実里だったが、今まで勉強して来たものとは根本的に違っていた。

 

実里「何この問題・・・目の前に困っている人がいたら・・・?そんなの私に関係ないし、何もしないでいいのよね?」

 

採点結果は32点と言う最低点。

 

実里「心は1位なのに、こんなのありえない・・・!」

 

高得点すら取れない自分のプライドが苛立ちを醸し出している。

 

実里(こうなったら・・・!!)

 

彼女はある方法を思い付いた。

 

実里「お願いお父さん!このアプリに細工して!」

 

なんと父に自分の点数を高くする為の細工を頼んだのだ。実は実里の父はテストンの社員なのだ。

 

実里の父「無理だ!バレたらただじゃ済まない!」

 

実里「だってこのままじゃ、私が心より劣ってる事になっちゃうんだもん!そんなの可笑しいでしょ?」

 

実里の父「う〜ん・・・確かにそうだな。よし!実里が優秀だと知らしめる為に、俺がどうにかしてやろう!」

 

実里「やったぁ!お父さん大好き!」

 

だがこの決断が、とんでもない展開を生む事になる事を2人は知らない。

 

 

 

 

 

 

10月29日。株式会社テストンで緊急事態が起きていた。

 

社員A「マズい・・・!こんなの初めてです!」

 

社員B「すぐに直さないとヤバいぞ・・・!」

 

突然ピーポーテストの数値にバグが生じて高得点者数が続出したのだ。

 

夏彦「どうしてこんな事に・・・!?」

 

瀬川社長「すぐに調査に入るんだ!」

 

社員一同「はい!」

 

実里の父(マズいぞ・・・実里の点数だけ変更するつもりが間違えて全部のデータを変えてしまった!バレないように静かに帰ろう・・・)

 

元凶の実里の父が気配を消して帰って行った。

 

夏彦「皆頼むぞ!今日中に原因を見付けて直すんだ!」

 

社員一同「はい!」

 

 

 

 

 

 

一方諸星邸では、遊びに来ている優之と佑美と真吾と志歩と茂成がピーポーテストに違和感を感じていた。

 

優之「何か可笑しいな。」

 

茂成「適当に解答する遊びをしていたつもりが全問正解になってる。」

 

志歩「これって幸運?それともバグ?」

 

佑美「まさか、テストンがサーバー攻撃を受けてるんじゃないの?」

 

真吾「だとしたらすぐに止めよう!」

 

茂成「ああ!」

 

佑美「閉じて閉じて!」

 

すぐにアプリを閉じた。するとスマホに通知が入った。

 

優之「ん?何だこれ?」

 

佑美「こ、これって・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方。テストンの社員一同は丸1日掛けて全ての調査を終えた。調査の結果、実里の父のパソコンから書き換えの痕跡が見付かった。

 

瀬川社長「これは明らかにミスじゃなく、故意にやっている。」

 

夏彦「父さん、俺が上野家に向かいます。」

 

瀬川社長「ああ。頼む。」

 

 

 

 

 

 

上野家に訪れた夏彦が、実里の父に怒りをぶつけた。

 

夏彦「よくもデータの書き換えなんかしてくれたな!あんたのせいで今、会社は大騒ぎだ!」

 

実里の父「うぅ・・・すみません・・・」

 

そこに実里が帰って来て、夏彦を見て喜んだ。

 

実里「ようやく私の良さに気が付いてくれたのね!」

 

自分の優秀さが夏彦に認められたと思っている。夏彦は今の言葉を聞いて実里が元凶だと確信した。。

 

夏彦「実里・・・やっぱりお前の仕業だな!父親に頼んで、データを細工して高得点に見せ掛けたんだろう?」

 

実里「えええ?そ、そんな事頼んでない・・・よ?」

 

シラを切っているが。

 

夏彦「言い訳したって無駄だ!証拠は全て揃ってる!後、あなたはクビだ!2度と会社に顔を出すな!」

 

実里の父「そんなぁ〜・・・」

 

実里「信じられない・・・お父さんが会社をクビ・・・?」

 

”ピリリリリリリ”

 

父からの着信を受けた夏彦がすぐに電話に出る。

 

夏彦「何?父さん。」

 

瀬川社長『夏彦、大変な事になった!今諸星様から連絡が来たんだがな!』

 

夏彦「諸星様から?何があったんですか?」

 

瀬川社長『バグのせいで、ピーポーテストの高得点者用のメッセージが大量に誤送信されているようだ。』

 

夏彦「高得点者のメッセージが・・・それってまさか・・・諸星財閥への招待状の事ですか!?」

 

瀬川社長『そうだ!その中には愛川優之さんと佑美さんと真吾君、それに星川志歩さんと畦間茂成さんの名前も含まれている!』

 

実里の父が起こしたバグにより、高得点者にしか送られないはずの諸星財閥への招待状が大量に誤送信されたのだ。

 

実里「もうお父さん!何だってそんな改竄したのよ!」

 

実里の父「実里が急かすからだろうが!」

 

瀬川社長『今諸星財閥には、大勢の女性が押し寄せているらしい。愛川さん達も対処に加わってくれている。今すぐ何とかして欲しいと諸星様から言われている!諸星財閥との関係が悪化すると、会社存続に関わってくるぞ?』

 

夏彦「わ、分かったよ・・・!すぐに諸星財閥へ向かう!」

 

通話を切り、実里と実里の父を睨む。

 

夏彦「お前ら・・・今すぐ諸星様に謝りに行くぞ!」

 

実里・実里の父「はいぃぃ〜!」

 

夏彦は実里の家族を連れて諸星邸へ向かった。

 

 

 

 

 

 

諸星邸に着いた。

 

実里・実里の両親「申し訳ありませんでした!」

 

3人は諸星に土下座して謝罪する。

 

 

 

 

優之「あの3人が心さんの家族か。」

 

茂成「みたいだな。」

 

佑美「娘の為だけにデータを改竄するなんて。」

 

志歩「バカにも程があるわね。」

 

真吾「怖い家族だね。」

 

 

 

 

諸星「まさかテストの結果を改竄するなんて・・・しかもやり方を間違えてこれ程のバグを生じさせるとはね。君は技術者としても優秀とは言えないな。」

 

実里の父「返す言葉もございません・・・」

 

実里の母「諸星様!本当に申し訳ございませんでした!でも、実里は昔から本当に優秀な子なんです!」

 

実里「そうです!あの時は調子が悪かったけど、ちゃんとやれば私だって・・・」

 

 

 

 

優之「おいおい、この期に及んで言い訳とか。」

 

真吾「怖いって言うよりも、別の意味で可哀想だね。」

 

 

 

 

諸星「君は何度やっても良い成績は取れないよ。君達家族は、心の事を甘く見過ぎだ。彼女がどれ程優秀か、その目でしっかり見ると良い。」

 

指を鳴らすと、ドアが開いて1人のモロメイドが入って来た。

 

優之「心さん!」

 

そのモロメイドは、心だった。

 

佑美「心ちゃーん!」

 

入って来た心に佑美が飛び込んで抱き締めた。

 

心「ゆ、佑美様・・・」

 

優之「佑美さん、心さんが苦しんでるだろ?」

 

佑美「じゃあ優しく抱き締めてあげるね。ごめんね心ちゃん。」

 

心「い、いえ。」

 

実里の母「心・・・あなたまさか、本当にモロメイドに!?」

 

実里の父「バカな・・・とても信じられん・・・」

 

実里「こんなの・・・信じられない・・・」

 

心「この姿を見せても、すんなり信じてくれないんだね・・・」

 

佑美「妹さんが憧れのモロメイドになれたのに祝福してくれないなんて酷いご家族だね!」

 

心「諸星様から事情を聞いたけど、私は庇えないよ。」

 

実里「あんた私の妹でしょ!?助けなさいよ!!」

 

実里の父「そんな薄情者に育てた覚えはないぞ!」

 

諸星「ほぉ?俺の大事なメイドにそんな態度を取るのか?君達は俺よりもまず、心の方に謝るべきだろう。」

 

実里「嫌です!!心なんかに謝るなんて!!」

 

実里の母「心が優秀な訳ないわ!!」

 

実里の父「諸星様は騙されています!!」

 

優之「あ〜あ。そんな下らないプライドの為に謝罪しないなんて、あんたら人生を棒に振ったな。」

 

実里「五月蝿い!!さっきからあんた達は何なの!?部外者は引っ込んでなさいよ!!」

 

諸星「俺の大事な逸材達を部外者だと?罵倒にも甚だしいな。」

 

実里「事実じゃないですか!!部外者は部外者でしょ!!」

 

茂成「はぁ〜・・・どうするよ優之?」

 

志歩「このままじゃ埒が明かないわよ?」

 

優之「ならここは。佑美さん、手伝ってくれる?」

 

佑美「良いわよ。」

 

優之「諸星様、ここはどっちが賢いか白黒付けるのはどうですか?」

 

諸星「成る程。その方が手っ取り早いね。」

 

優之「実里さんだっけ?そんなに自分が優秀なら俺と勝負しろ。」

 

実里「あんたと?あんた学歴は高い方なの?」

 

優之「残念だが高卒。あんたらから見たら低学歴だな。」

 

実里「あはははw低学歴が高学歴の私に勝負w?心と同じ低学歴の癖に生意気じゃないのw?」

 

優之「別に俺をバカにするのは構わない。けど、心さんにまでバカにするのは看過出来ない。佑美さん、あの問題を頼む。」

 

佑美「任せて♪これから私が話します。それに返すよう会話して?じゃあ行くよ?」

 

実里の母「これなら楽勝ねw」

 

実里の父「実里、即決めてやれw」

 

実里(優秀な私の実力を見せてやるわw!)

 

佑美「Я хочу проверить возможности устройства.Ты тоже можешь говорить на этом языке?」

 

実里・実里の両親「へ・・・?」

 

出題されたのは、ロシア語だった。

 

志歩「ロシア語ね。しかもその言葉、何度も聞かされて耳に胼胝ね。」

 

茂成「唯一翻訳出来る言葉だもんな。」

 

実里「ロ、ロシア語?」

 

優之「おいどうした?あんた優秀なんだろ?優秀ならロシア語なんて楽勝だよなぁ〜?」

 

実里「くぅぅ・・・!!」

 

佑美「もう1回行くね?Я хочу проверить возможности устройства.Ты тоже можешь говорить на этом языке?」

 

実里「・・・・・・!ああもう!!分かんないわよ!!ロシア語なんて習った事ないんだもん!!」

 

優之「あ〜あ。優秀なのにロシア語が理解出来ないなんて可哀想なお人です事。」

 

実里「じゃああんたが返しなさいよ!!どうせ分かんないんでしょ!?」

 

優之「все в порядке, нет проблем.」

 

実里「へ・・・?」

 

佑美「Я хочу проверить возможности устройства.Ты тоже можешь говорить на этом языке?」

 

優之「все в порядке, нет проблем.」

 

実里「は・・・?」

 

諸星「どうやら勝負あったみたいだね。」

 

実里の母「ち、ちょっと!さっきのは何て言ったのよ!」

 

優之「志歩。茂成。翻訳してやれ。」

 

志歩「その装置の能力を確認したい。この言語も話せる?」

 

茂成「大丈夫だ、問題ない。」

 

諸星「2人共正解だよ。」

 

優之「こんなのシン・ウルトラマン観てる人なら楽勝なんだけどな〜。」

 

実里「そんなの分かる訳ないでしょ!!低学歴の癖に巫山戯んじゃないわよ!!」

 

優之「でもあんたはロシア語理解してなかったよな?それで優秀だと自負してるとか恥ずかしくないのか?」

 

実里「くぅぅ・・・!!」

 

諸星「俺は、百歩譲って娘の為に細工する気持ちは分からなくもない・・・だが実の娘、妹を卑下する気持ちは一切分からないし、分かりたくもない。この場で心に謝れば許してやろうと思ったが罰を受けて貰った方が良さそうだ。夏彦、今回の被害総額は幾ら位かな?」

 

夏彦「ざっと1000万です。」

 

諸星「なら、それを上野家に請求しよう。」

 

実里・実里の両親「え・・・」

 

1000万の請求を突き付けられた3人が必死に謝罪する。

 

実里「ここ、こ、心・・・ごめんなさい!」

 

実里の父「すまなかった!」

 

実里の母「悪かったわ!私達を許して・・・!」

 

諸星「いいや、もう心が許したとしても、俺が絶対に許さない。俺だけじゃなく、優之君達も許さないと思うよ。1000万円は、借金してでも払って貰う。」

 

実里・実里の両親「そんなぁ〜!」

 

茂成「自業自得だなこれは。」

 

志歩「これは次回作の小説に使えそうね。」

 

茂成「お前やっぱそれだよな。」

 

真吾「でもこれで、心お姉ちゃんが解放されて良かったね。」

 

優之「そうだな。」

 

 

 

 

 

 

10月30日。

 

諸星「心、ありがとう。何時も助かってるよ。」

 

心「とんでもありません諸星様。でも・・・本当に私で良かったんですか?私、お姉ちゃんみたいに優秀じゃないのに・・・」

 

諸星「あのテストは優秀かどうかだけを判別するテストではない。優秀且つ人としての優しさを測るテストなんだ。君は特に人格面でとても優れている素晴らしく優秀なモロメイドなんだよ。」

 

心「諸星様・・・ありがとうございます!」

 

するとそこに優之が訪れた。

 

優之「諸星様。また来ちゃいました。」

 

諸星「いらっしゃい優之君。」

 

優之「あ。心さん。」

 

心「優之様。いらっしゃいませ。」

 

優之「どうですか?モロメイド充実していますか?」

 

心「はい!とっても楽しいです!」

 

優之「それは何よりです。あ、心さんの家族は藍澤組で労働生活を送っていますよ。」

 

心「藍澤組って確か、あの日本最大のヤクザ事務所ですか・・・?」

 

優之「ええ。俺藍澤組の皆さんと孫娘さんとお知り合いなんで、3人の近況を聞いて報告しました。」

 

心「そう、なんですね・・・」

 

 

 

 

中庭。

 

優之「そうそうそのまま。そのまま座っていて下さい。」

 

草木の上で座っている心を優之が絵を描く。

 

優之「出来ました!どうですか?」

 

天使の姿をした心の絵が完成した。

 

心「わあー!これ私ですか!?」

 

優之「俺の特技の創作イラストです。心さんは可愛らしくてふわふわしているので天使風にしてみました。気に入って貰えましたか?」

 

心「はい!とても可愛いです!ありがとうございます!」

 

優之「そうだ!明日ハロウィンイベントがあるんですが、ご一緒にどうですか?」

 

心「楽しそうですね!是非!」

 

ここには心を無能なんて言う人は誰もいない。これからも、諸星様が褒めて下さった優しさを大切にしようと決めた心であった。

 

『END』




        キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

      愛川佑美:伊藤美来
      愛川真吾:長谷川育美
      星川志歩:鬼頭明里

       上野心:???
      瀬川夏彦:小松昌平

      上野実里:くるすみや
      実里の母:あむここ
      実里の父:野瀬育二

      諸星志揮:???
      夏彦の母:仲村かおり
      瀬川社長:中村悠一

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