アニメオタクだらけのシェアハウスで、俺は特撮に人生を捧げる。   作:naogran

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32話・再現ドラマシナリオ

4月1日。この日優之は、品川区で星川志歩に会っていた。

 

優之「え?再現ドラマの脚本?お前が?」

 

志歩「ええ。モロダストの依頼でね。是非再現ドラマの脚本をお願いしたいって。」

 

優之「モロダストが企画する再現ドラマかぁ・・・まさか嘘じゃねえよな?」

 

志歩「エイプリルフールだから嘘吐いてると思ったら大間違いよ。」

 

優之「んで、一体どんな内容なんだ?」

 

志歩「斉藤貴紀って知ってる?」

 

優之「ああ。モロダストに所属している今人気急上昇中の若手俳優だろ?」

 

志歩「彼、高校時代演劇部だったんだけど、1回のミスで雑用ばかりやらされて、挙句の果て卒業アルバムの自分の写真だけ黒く塗り潰されると言う酷い仕打ちを受けてたの。」

 

優之「最低だな。」

 

志歩「企画は斉藤貴紀とモロダストの共同企画の再現ドラマ。張本人である顧問と同級生の男に仕返ししたいって言うの。」

 

優之「成る程。んで、もう構想は決まったのか?」

 

志歩「ある程度はね。でも、1つだけ懸念がありそうなの。」

 

優之「懸念?」

 

志歩「それは・・・」

 

 

 

 

 

 

モロダスト・会議室。諸星と俳優の斉藤貴紀が座って待っていた。

 

志歩「失礼します。」

 

諸星「星川さん。脚本は完成したかい?」

 

志歩「はい、バッチリです。」

 

完成した台本を見せる。

 

諸星「・・・うん。素晴らしい内容だね。」

 

志歩「ありがとうございます。斉藤さん、これで良かったですか?」

 

貴紀「うん。星川さんありがとうございます。」

 

志歩「それにしても酷いですね。雑用された挙句、卒業アルバムを黒く塗り潰されるなんて。あの2人、自分の事しか考えてないみたいですね。」

 

貴紀「高校の時でも、2人はずっと威張ってばっかりでしたから。」

 

諸星「でも良い脚本が出来て良かった。これで制作を始められるよ。」

 

志歩「あ、諸星様。」

 

諸星「ん?」

 

志歩「ドラマの撮影日、愛川優之が見に行きたいって言ってましたけど、宜しいでしょうか?」

 

諸星「そうか。君は優之君の幼馴染みだったね。歓迎するって伝えておいて。」

 

志歩「ありがとうございます。それと斉藤さん、私から1つ懸念を伝えても。」

 

貴紀「懸念?」

 

志歩「それは・・・」

 

 

 

 

 

 

4月2日。ドラマの制作が始まった。高校時代の貴紀に縁のある人達に次々と取材が行われた。

 

スタッフ「2人は貴紀さんとどんな関係だったんですか?」

 

光秋「はい!俺は貴紀と凄く仲が良くて、切磋琢磨してきた仲なんです!」

 

元同級生の本庄光秋。

 

秀成「俺は演劇部顧問で皆が帰った後、2人で熱心に練習してたりしてました。」

 

顧問の青島秀成。

 

スタッフ「成る程。」

 

 

 

 

 

 

その帰り道。

 

光秋「いやー、上手く行きましたねw!」

 

秀成「これで俺達の株は爆上がり。この脚本も素晴らしいw!」

 

光秋「俺達は貴紀と仲の良い設定になってるしw!」

 

秀成「名演技をするしかないなw!」

 

光秋「そして貴紀に恥掻かせてやるぜw!」

 

 

 

 

 

 

4月5日。ドラマの撮影が始まった。

 

優之「ドラマの撮影現場なんて初めてだな。」

 

志歩「優之〜!」

 

優之「お、志歩!」

 

そこで志歩と出会った。

 

優之「このお方が斉藤貴紀さんか。」

 

志歩「そうよ。」

 

優之「初めまして。愛川優之です。」

 

貴紀「斉藤貴紀です。宜しくお願いします。」

 

優之「ん?そのアルバムはもしや。」

 

貴紀「そうです。」

 

卒業アルバムを捲って優之に見せる。

 

優之「うげぇ〜・・・えげつねぇ・・・」

 

 

 

 

撮影現場には、悠里の姿もあった。

 

光秋「うぉぉ!本物の悠里ちゃんだ!」

 

秀成「凄い!やっぱり生で見ると可愛いな!」

 

光秋「先生、良い演技して悠里ちゃんとも仲良くなりましょう!」

 

秀成「そうだな!」

 

 

 

 

優之「あの2人が?」

 

貴紀「はい。俺を陥れた張本人です。」

 

志歩「まぁ、出演を快諾した事を後悔すると良いわ。」

 

優之「ナチュラルに悠里と仲良くしようとしてるな?」

 

 

 

 

 

 

そして撮影が始まった。

 

悠里「貴紀君、大丈夫?」

 

貴紀「うん、大丈夫・・・もっとしっかり演技出来るようにならないと!」

 

 

 

 

秀成「な、なぁ、皆演技上手くないか?」

 

光秋「う、上手いっすよね・・・」

 

2人の迫真の演技に、光秋と秀成は驚いている。

 

 

 

 

優之「俳優の生の演技を見るとやっぱり違うなぁ。悠里も良い演技してる。」

 

 

 

 

更に。

 

秀成「しかも、こんな展開だったか?」

 

光秋「それ、俺も思いました。何か俺達がスタッフに伝えてない展開になってるような・・・」

 

秀成「一体どうなってるんだ?」

 

 

 

 

志歩(気付いたみたいね。でももう遅いわ。)

 

 

 

 

撮影途中、貴紀は卒業アルバムを取り出した。

 

光秋「な・・・何で卒業アルバムを!?」

 

秀成「一体どうするつもりだ!?」

 

 

 

 

貴紀「これが・・・俺の卒業アルバム!?」

 

そのアルバムは、貴紀が最初に貰った物と同じように貴紀が黒く塗り潰された物だ。

 

貴紀「何だこれ・・・何で俺の所が塗り潰されているんだ・・・!?」

 

この台詞を言うと、2人は青ざめた。

 

 

 

 

悠里「あれ?次はお2人の台詞ですよ?早く演技して下さい。」

 

光秋「ち、違います!!」

 

秀成「そ、そうだ!!」

 

悠里「でもここに書いてますよ?『だって、お前雑用係じゃんw』『そうそう、台詞を忘れうような奴を教え子にしたつもりはないからなw』って。」

 

光秋「なっ・・・!?それは俺達が本当に言った言葉!?」

 

秀成「何でスタッフに伝えた話と変わってるんだ!?監督!!俺達が何でこんな役に!?」

 

2人が監督にそう詰め寄って行った時。

 

諸星「再現ドラマだから、リアルなものじゃなきゃ意味がないよね?」

 

光秋・秀成「も、諸星様!?」

 

貴紀「はあー・・・2人共、あんな内容で撮るはずがないじゃないですか。」

 

志歩「どうかしら?私が書き上げた最高傑作のシナリオを。」

 

優之「自分を褒めてどうする。」

 

志歩「斉藤さんから聞いたわよ。1回のミスしただけなのに雑用係をさせるなんて、あなた達それでも人間なの?」

 

光秋「で、でも俺達はあの台本を渡されたんだぞ!!何で台本が変わってるんだよ!!」

 

志歩「あ〜。あれ、私が作った偽台本よ?」

 

光秋・秀成「偽台本!?」

 

志歩「私の懸念が的中したようね。あなた達は撮影前、斉藤さんと仲の良い仲間を演じるかも知れない。だから事前に書き留めた偽台本を渡すようにスタッフさんに伝えておいたの。」

 

諸星「それに、これは実際に君達がやって来た事だよね?ちゃんとこのまま世に出るから安心して。」

 

秀成「そ、そんな・・・」

 

光秋「こんな事が・・・」

 

放心状態になった2人。そして・・・

 

秀成「こんな役やってられるか!!」

 

光秋「ああもう辞めだ辞め!困ると良いさ!!」

 

2人は役をバッサリ切り捨て帰ろうとした。

 

貴紀(まあそりゃそうだよな・・・)

 

志歩「私の懸念がまた的中したようね。スタッフさん。」

 

スタッフ「はい。それでは代理の方お願いします!」

 

代理キャスト「はい!」

 

代理キャスト「宜しくお願いします!」

 

代理のキャストも事前に用意していた。

 

秀成「はぁ・・・!?」

 

光秋「嘘だろ・・・!?」

 

志歩「フフッ♪」

 

 

 

 

 

 

あの時。

 

志歩『斉藤さん、私から1つ懸念を伝えても。』

 

貴紀『懸念?』

 

志歩『それは・・・あの2人は仲の良い仲間の皮を被る可能性があるんです。だからこれをスタッフさんに渡して下さい。』

 

渡したのは、別の台本。

 

志歩『それは私が書き留めた偽台本。本番の台本とは違う内容です。』

 

貴紀『星川さん。』

 

志歩『それともう1つ懸念が。本番の台本を読んで、2人は役を降りる可能性がありそうなんです。だから、事前に代理のキャストさんを用意してくれませんか?』

 

諸星『成る程。分かった、代理の2人は俺が用意しておくよ。』

 

 

 

 

 

 

翌日の打ち合わせ。

 

志歩『と言う訳なんです。お願い出来ますか?』

 

秀成の代理キャスト『そうなんですか。いやぁ〜酷いお2人ですね。』

 

光秋の代理キャスト『任せて下さい。僕達が最高の悪役を演じますので。』

 

志歩『ありがとうございます。』

 

光秋の代理キャスト『斉藤さん、僕達の演技でその2人をギャフンと言わせましょう!』

 

貴紀『はい!』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

監督「それじゃあ、貴紀君が卒業アルバムを取り出し開く所から行くよ。よーい、スタート!」

 

 

 

 

撮影再開。

 

貴紀「な、何で俺だけ黒く・・・」

 

光秋の代理キャスト「だって、お前雑用係じゃんw」

 

秀成の代理キャスト「そうそう、台詞を忘れるような奴を教え子にしたつもりはないからなw」

 

貴紀「そ、そんな・・・」

 

秀成「や、止めろぉぉぉぉ!!!!」

 

光秋「映さないでくれぇぇぇ!!!」

 

2人は耐え切れず、撮影しているカメラの前で必死に訴えた。

 

監督「カット!」

 

 

 

 

諸星「2人の良い表情が取れたよ。今回は出演してくれてありがとう。」

 

志歩「私の小説と脚本はね、最後に逆転するシーンが定番なの。あなた達のリアルな反応が貰えて嬉しいわ♪」

 

優之「自分達のやった事を、しっかり反省するんだな。」

 

秀成「そんな・・・」

 

光秋「最悪だ・・・」

 

 

 

 

 

 

4月14日。ドラマが全国に放映された。このドラマは、貴紀が悔しい思いをして来た事が忠実に描かれ、最後にはスカッとしたと視聴者からの反響も大きかった。

 

 

 

 

その結果。

 

女性「あのドラマの悪役の張本人らしいよ。」

 

男性「うわ、本当だ。」

 

2人は会社でも学校でも何処に行っても後ろ指を指される人生を送っている。更にSNSで大炎上を受け、仕事が上手く行かなくなったとか。

 

光秋「こんなはずじゃなかったのにぃぃぃ・・・」

 

秀成「俺の教師人生が・・・終わった・・・」

 

 

 

 

 

 

一方で貴紀は。

 

女性ファン「あのドラマを観て勇気を貰いました!」

 

女性ファン「私も夢に向かってがむしゃらに頑張ります!」

 

貴紀「ありがとう!応援してるよ!」

 

高校時代のエピソードにより、更に応援してくれるファンが増えて行った。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「いやぁ〜悠里。結構良い演技だったな。」

 

悠里「緊張したけど、ドラマの撮影も面白かった〜。」

 

淳一「良いな〜。俺もドラマの撮影現場を見学したいな〜。」

 

悠里「え〜?」

 

淳一「悠里様〜!機会があれば是非お願いします〜!」

 

悠里「どうしよっかなぁ〜?」

 

 

 

 

 

 

星川家。

 

志歩「あの脚本のお陰で、また新たな構想が湧き上がったわ。次のジャンルはっとぉ〜♪」

 

あのドラマの脚本のお陰で、また新しいアイディアが浮かび上がり、筆が高速に進んだ。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      星川志歩:鬼頭明里

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈

      斉藤貴紀:安田陸矢

   本庄光秋・代理:山口和也
   青島秀成・代理:佐久間元輝

      スタッフ:亀谷祐馬
        監督:浜添伸也

     女性ファン:八木侑紀
     女性ファン:難波佑香

      諸星志揮:???

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