アニメオタクだらけのシェアハウスで、俺は特撮に人生を捧げる。 作:naogran
夕方。木曜日のおあにた荘。
優之「よし、明日の企画のイラストが出来た。」
タブレットで企画用のイラストが完成した。それをUSBに移してバッグに仕舞う。
優之「さてと、そろそろ晩飯食うか。」
リビング。真奈美が作っておいた夕食を食べる。
淳一「仕事は順調か?」
優之「ん?まぁな。明日の企画用のイラストが完成したばかり。」
悠里「どんな企画なの?」
優之「アイドルオーディション用でな。今度開催される新生アイドルのオーディションがあって、そのイラストの制作を任されたんだ。」
康介「ほほう。もう優之君に大きな仕事が入ったのか。」
優之「上司の木島さんが俺を見込んでいてね。」
”ピーンポーン”
インターホンが鳴った。
有香奈「あら?お客さんかしら?真奈美さん。」
真奈美「ごめんね?食器の片付けで手間取ってて。」
優之「あ、俺が出るよ。」
おあにた荘のドアを開けた。
優之「どなたですか?・・・ん?」
訪れて来たのは、1人の女性と、サングラスをした厳つい男性だった。
優之「あ、あの・・・」
サングラスの男「よう、ここの住人か?」
優之「そ、そうですが・・・(何だ・・・!?見るからに怖いこの男は・・・!まさか取り立て屋!?それとも誰かの借金を回収しに来たのか・・・!?)」
真奈美「優之君?」
優之「ま、真奈美さん・・・!」
真奈美「あら!源一郎さんに陽子ちゃん!」
優之「へ?」
源一郎「よう真奈美ちゃん!元気そうだな!」
陽子「真奈美。相変わらずね。」
優之「あのぉ、真奈美さん・・・この方々は・・・?」
真奈美「あ、ごめんね?樹々ちゃーん!」
樹々「ん?お祖父ちゃん!お母さん!」
優之「へ!?」
2人を招き入れた。
源一郎「いやぁ〜驚かせてすみません。えっと、優之君でしたっけ?」
優之「は、はい。今月からここに引っ越した愛川優之です。」
源一郎「ワシは藍澤源一郎です。藍澤組の組長をしております。こっちは娘の陽子です。」
陽子「初めまして。」
優之「藍澤組・・・日本最大勢力のヤクザ組織って噂の・・・」
真奈美「因みに、私と陽子ちゃんは高校時代からの親友同士よ。」
源一郎「皆も元気そうだな。」
淳一「源一郎さん久し振り!」
悠里「陽子さん元気そうですね!」
優之「え?皆知り合いなの?」
有香奈「ええ。樹々ちゃんが入居した時に知り合ってね。」
康介「最初は君と同じ反応だったけど、今はすっかり仲良し同然だよ。」
優之「へぇ〜・・・って、今思った。樹々ちゃんってヤクザの子・・・?」
樹々「そう。」
源一郎「ハッハッハ。樹々にはやりたい事をやらせておりますから、ご心配ありませんよ。」
樹々「お祖父ちゃん。お母さん。急に来てどうしたの?」
陽子「あのね樹々。実はね・・・」
さっきまで笑顔だった陽子と源一郎が真剣な顔になって樹々に言った。
源一郎「樹々。お前の親父が脱走しやがってな。」
樹々「っ・・・!?」
父親が脱走。その言葉を聞いた樹々が怯え始めた。
有香奈「樹々ちゃん!」
怯える樹々を有香奈が抱擁して落ち着かせる。
優之「樹々ちゃん?どうしたの?」
淳一「優之。こりゃあ厄介事になりそうだ・・・」
優之「ちょ、ちょっと待て。理解が追い付かないんだけど・・・」
源一郎「なら、ワシが話しましょう。」
樹々が怯える理由を話した。
優之「親父さんが元凶?」
陽子「そうなの。15年前、私が堅気の世界で生きて行けるようになる為に、仕事を沢山して、運命の人と出会ったの。」
優之「それが樹々さんの親父さん?」
悠里「樹々ちゃんのお父さんはね、私達から見ても相当のクズなんだよ!」
康介「そうそう。僕でもムカムカする男でね。」
優之「それで、親父さんってどんな感じなんだ?」
淳一「一緒くたに語るとな。かなりのヒモ男だ。結婚して自分を養う為に、良い男を演じていたんだ。」
優之「うへぇ・・・それ誰から聞いたんだ?」
淳一「陽子さんと源一郎さんから聞いたんだ。」
陽子「主人は私と結婚した途端に自堕落になって・・・」
源一郎「樹々が生まれても、子育てを全くしなかったんだ。」
有香奈「自分は働きもせず競馬にパチンコばっかり。しかも負けたら陽子さんと樹々ちゃんに暴力を振るってたわ。完全にストレス発散。」
優之「酷いな・・・」
康介「それ所か、陽子さんに働くなと命令していたんだ。」
優之「・・・はぁ?」
陽子「あの人に言われたの。『お前が働いたら、俺が不甲斐ない男だと思われるだろ』って。」
優之「え・・・マジで意味分かんない・・・仕事しなきゃ借金とか返せないんですよね?」
淳一「それがさ、『借金?何それ僕分かりませ〜んw。』って訳分からん事を言って借金を踏み倒したんだ。」
優之「マジで意味分かんねえ・・・」
源一郎「だが、そいつが借金してる所はな、ワシら藍澤組が経営している金融機関だった。」
陽子「それを知った私は、こっそり家から抜け出してお父さんに助けを求めたんです。」
優之「それで、どうなったんですか?」
源一郎「すぐにそいつはワシらに連行されたんだ。その際に彼奴は・・・」
樹々の父『お前がヤクザの娘だなんて何故言わなかったんだ!!知っていたら借金や暴力なんてしなかったんだぞ!!』
源一郎「と発狂しながらな。今は組が経営する工場で住み込みで働かせておる。借金返済まで相当掛かるがな。」
真奈美「でもまさか脱走するなんて・・・このままじゃ樹々ちゃんに危険が及ぶわ・・・」
樹々「あの人は嫌・・・絶対に会いたくない・・・」
淳一「明日は俺達学校で、優之達も仕事。樹々ちゃんに危険が及ばなきゃ良いんだけど・・・」
悠里「それ所か、学校に押し寄せて来るかもだよ・・・」
優之「源一郎さん。何か策はないんですか?」
源一郎「心配には及びません。今日は樹々の親父の近況と、その策の事を話しに来たんです。」
樹々「・・・?」
翌日。樹々が通う中学校前。
???「樹々・・・樹々何処だ・・・」
物陰から登校する学生達を覗く男。この男こそが、樹々の父親である。
樹々の父「樹々出て来い・・・お父さんと一緒に暮らさせてやる・・・お!?」
そこに、樹々の姿があった。1人で登校している。
樹々の父「居た・・・」
物陰から離れ、こっそりと樹々に近付く。
樹々の父「やっと見付けたぞ。樹々!」
声を聞いた樹々が振り返った。だが・・・
樹々ではなく、全くの別の女子中学生だった。
樹々の父「・・・は?」
女子中学生「おじさん、誰?私に何か用?」
樹々の父「て、テメェ!!紛らわしい格好してんじゃねえぞ!!」
突然樹々の父が逆ギレして、女子中学生に暴力を振るおうとした。
???「おい!」
樹々の父「アァ!?」
そこに現れたのは、ヤクザの男だった。
ヤクザ「テメェ、他所のお嬢さんに何しやがってんだ!!!」
樹々の父「ヤ・・・ヤクザ・・・!?」
ヤクザ「ん?よく見たらお前、ウチの工場で働いていたはずの・・・」
樹々の父「チッ!!」
その場からすぐ逃げた。
ヤクザ「親父!そっち行きました!!」
源一郎「ご苦労だったな。」
逃げた先に、源一郎達藍澤組が立ちはだかった。これは、樹々の父を誘き出す為の作戦だった。
樹々の父「あ・・・ああ・・・お・・・お義父さん・・・」
源一郎「お前にお義父さんと呼ばれる資格はない!!もう逃げられはせぬぞ。娘や孫、ましては他所様のお嬢さんに手を出そうとした罪の償いをさせてやる。連れてけ!」
ヤクザ達「ヘイ!」
樹々の父「離せ!!離しやがれ!!もう俺はあんな生活はしたくないんだ!!!」
抵抗も虚しく、藍澤組に連れて行かれた。
源一郎「樹々。もう良いぞ。」
そこに樹々がひょこっと出て来た。
樹々「お祖父ちゃん。ありがとう。」
源一郎「どう致しまして。これで安心して学校へ行けるな。」
樹々「うん。響子、大丈夫だった?」
響子「うん大丈夫!樹々の為に体張るよ!幼馴染みなんだし!早く行こ?」
樹々「うん。」
響子と一緒に中学校へ登校した。
その日の夕方。
優之「そっか。親父さん捕まったんだね。」
樹々「うん。お祖父ちゃんのお陰。」
淳一「また逃げ出したら怖いなぁ。」
真奈美「大丈夫よ。陽子ちゃんから聞いた話だとね、今は隔離部屋に監禁されながら働からせてるって。」
悠里「じゃあもう安心だね!良かったね樹々ちゃん。」
樹々「うん。」
康介「じゃあ今日は、樹々ちゃんが見たいアニメを見ようか!」
有香奈「良いわね!」
樹々「良いの?」
淳一「勿の論!樹々ちゃん何見たい?」
樹々「えっとね、これとかこれとか!」
何時も寡黙な樹々がワクワクしながらアニメを選ぶ。
優之「樹々さん、元気になって良かったね。」
真奈美「ええ。そう言えば優之君、企画用のイラストどうだった?」
優之「好評だったよ。そのイラストが決定稿に選ばれたんだ。」
真奈美「凄いじゃない!それで、そのオーディションは新生アイドルのオーディションって言ってたけど、どんな人が対象なの?」
優之「下は中学1年生。上は高校3年生。女性アイドルのオーディション。」
真奈美「悠里ちゃんと樹々ちゃんなら受けれそうね。期間は?」
優之「まだ準備中で、来年の2月辺り。来年のオーディションが楽しみだ。」
この日の夜は、樹々の見たいアニメで大盛り上がりしたと言う。
『END』
キャスト
愛川優之:濱田龍臣
日高淳一:宮田俊哉
三峯悠里:近藤玲奈
竹下有香奈:大西沙織
松浦康介:寺島拓篤
新田樹々:佐藤亜美菜
藍澤源一郎:小杉十郎太
新田陽子:三森すずこ
樹々の父親:柳晃平
響子:本渡楓
東山真奈美:後藤邑子
どっちが好き?
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