黒いモヤが人の形に変化する。このモヤはあの黒い男の個性なのだろう。
「13号にイレイザーヘッドですか.....。先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなんですが....」
「やはり先日のはお前らの仕業か....!」
手の男はイライラを抑えるかのように首を掻きむしる。
「どこだよ....せっかくこんな大衆引き連れて来たのにさ.....。オールマイト.....平和の象徴....いないなんて.....子供を殺せば来るのかな?」
その瞬間、生徒たちの背筋が凍った。やたらは本物の
「それに.....あのベルト....あれが五つの内の一つか......」
手の男は巧のベルトを見ながら呟く。
「
「先生!侵入用センサーは!」
「勿論ありますが.....!」
「現れたのはここだけか学校全体か。何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそうゆうことができる奴がいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスがある時間割.....バカだがアホじゃねぇ、これは何らかの目的があって用意周到に画作された奇襲だ」
轟の言う通り、何も考えなしに侵入して来たとは思えないタイミングだった。
「こいつら、オールマイトになんか用がありそうだぜ。恨みを持った連中か、または別の理由できたのか....どちらにせよ、ここを切り抜ける方法を考えねぇと」
巧はあの二人の
「13号!避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある敵だ!電波系の奴が妨害している可能性がある!上鳴!お前ば個性で連絡試せ!」
「ッス!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていっても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの束縛だ!正面戦闘は....!」
「一芸だけではヒーローは務まらん。13号!任せたぞ!」
そう言うと相澤はゴーグルを装着し、
「すごい....!多対一が先生の得意分野だったんだ....!」
「おい行くぞ出久!」
「分析している場合じゃない!早く避難を!」
相澤の戦闘スタイルにじっと見ていた緑谷を巧は無理やり引き連れる。しかし目の前に黒いモ男が現れる。
「させませんよ」
生徒達は目の前に現れた黒い男に邪魔され、立ち止まってしまう。
「初めまして、我々は
咄嗟に13号は指先のキャップを開けて個性を使おうとするが突然上から二つの影が通り過ぎる。
「オラァ!!」
「うぉおっ!」
それは爆豪と切島であった。二人は黒い男に攻撃を仕掛ける。
「まずは俺達にやられる事は考えなかったのか!?」
「危ない危ない......生徒とはいえど優秀な金の卵」
しかし黒い男には攻撃が効いておらずからぶったようにすり抜けるだけだった。
「ダメだ!退きなさい二人とも!」
「遅い!蹴散らしてなぶり殺す!」
黒い男から黒いモヤが現れ何人かの生徒たちを良く呑み込んでいった。
●●●
黒い霧が晴れると巧は燃え盛る街の中にいた。どうやら巧は火災ゾーンの方飛ばされたようだ。
「どこだここ?USJの中か?ワープがあいつの個性か?あの野郎、こんな熱い場所に飛ばしやがって!ぜってぇぶちのめす」
熱いのが苦手な巧は飛ばされた場所に文句を言う。すると背後に誰かがいる気配がした。巧は急いで物陰に隠れ、誰なのか確認するとかなりの人数の
「クソッ」
この人数ならいけるかもしれないが、流石に一人ではきつい、ベルトを使おうかと考えていると、また背後から気配がする。
「なんだ尾白かよ、驚かすんじゃねえ」
「悪い、お前もここに来たのか?」
「ああ、他の奴らも別の場所にいるはずだ」
「やっぱりそうだよな。とにかくここを切り抜けるために作戦を.....」
尾白がこの状況を打開する為に作戦を考えようとしたその時、巧は
「あ!おい乾なにしてんだよ!」
尾白の声も聞かず巧は次々と
●●●
手の男はこの状況を呆然と眺めていた。相澤が周りの
「おい、あのベルトを持ったガキがこの中のどこかにいる。見つけて奪ってこい」
手の男はジャージを着た男に巧からベルトを奪ってくるように命令した。
「お前が取りに行けばいいだろ」
しかしジャージの男は手の男の命令に反発し、手の男はイライラし始める。
「ウルセェな、さっさと奪いに行け、お前もあの力が使いたくてウズウズしてんだろ?」
「......チッ」
ジャージの男は図星を突かれたのか、舌打ちをして取り敢えず山岳ゾーンまで相澤に見つからないように歩いて行った。
●●●
「皆は!?いるか!?確認できるか!?」
「散り散りにはなってはいるがこの施設内にいる」
飯田はいなくなった何人かの生徒たちの安否を確認するが障子が個性で音を拾い全員USJ内にいることを伝えた。
「物理攻撃無効でワープって.....最悪の個性だぜオイ.......!」
この黒い男を倒すことができる個性を持った者は今この中にはいなかった。圧倒的に不利な状況に13号は飯田にある提案をした。
「....委員長!」
「は!」
「君に託します。学校まで駆けてこの事を伝えてください。警報が鳴らず、電話も圏外になっていました。警報機は赤外線式....先輩....イレイザーヘッドが下で個性を消して回っているにも拘らず無作動なのは....恐らくそれらを妨害可能な者がいて...即座に隠したのでしょう。とするとそれを見つけるより君が駆けた方が早い!」
「しかしクラスを置いていくなど委員長の風上にも....」
「行けって非常口!外に出れば警報がある!だからこいつらはこん中だけでことを起こしてんだろ!?」
「外にさえでりゃ追っちゃこれねぇよ!お前の足でモヤを振り切れ!」
「食堂の時みたく、サポートなら私超できるから!する!から!お願いね委員長!」
最初こそ皆を置いて行くようなことを躊躇した飯田であったが、皆から後押しされ、覚悟を決めた。
「他に手段が無いとはいえ、敵前で策を語る阿呆がいますかね。まぁ、その策は不可能ですよ」
「そうならないよう、教師の私がいるんでしょうが!」
そういうと13号は黒い男と激突する。
●●●
「ハァ!」
「ぐああ!!」
「はっ!」
「うげぇ!」
一方火災ゾーンでは巧と尾白が
「結構いたからきついと思っていたが、こいつら大したことねぇな。雄英のロボの方がまだ強いぞ」
「お前なんで後先考えずに突っ込んだんだよ!!」
「作戦なんか考えてる暇なんざねぇよ。兎に角全員ぶっ倒せばいいだけの話だ」
「あー!もー!」
巧と尾白は次々と迫ってくる
「これで片付いたな。ったく、手こずらせやがって」
「俺たち、結構良いコンビだったりする?」
「さぁな」
全て倒した二人はまずこの火災ゾーンから出て他の散り散りになった生徒たちを助けなくてはならない。
「尾白、まだ他に敵がいる。あいつらならなんとかできるかも知れねぇが、相手はどんな個性を持っているかわからねぇ、だが恐らくあっちも同じことだ。向こうが俺たちの個性を知らねぇなら、状況を有利に運べるはずだ。俺は山岳ゾーンの所に向かうから、お前は別のところに行け」
「わかった」
巧と尾白は二手に分かれてそれぞれ別の場所に向かった。
●●●
ここは山岳ゾーン今この場所で耳朗、八百万、そして人質にされた呆け顔の上鳴が
「上鳴さん!」
「やられた!完全に油断してた....」
「同じ電気系個性としては殺したくないが.....しょうがないよな」
「ウェ.....ウェ......」
人質に取られた上鳴は、自分の個性でこのような呆け顔の状態になっている。このままでは上鳴は殺されてしまう。その時だった。
「お前ら、殺す前に一つ質問したい。ベルトを持ったガキがいるはずなんだが、ここにいねぇか?」
「ベルトって乾さんのこと.....?」
「こ、ここにはいない.....」
ジャージの男はため息をつき頭を掻く。すると後ろの
「おい、急にこんなとこに来て何のつもりだ?まさか、このガキ共を横取りしようってか?悪いがこいつらは俺のお楽しみ用なんだよ。他あたってくんねぇかな?」
「なんだその目?俺をコケにしてんのか?ああ!?」
「下等生物が......この俺に気安く触ってんじゃねぇ」
「あ?」
ジャージの男は腕を振り解き
「この力をガキ共に使おうかと思っていたが、気が変わった。まずは生意気なお前からだ」
そういうとジャージの男の顔から模様のようなものが浮かび上がる。そしてジャージの男は灰色の怪物に変化した。そのオコゼのような見た目の怪物はオルフェノクであった。仮に"スティングフィッシュオルフェノク"と名付けよう。
「な、なんだこのバケモノ!?」
「うわああ!!」
「こ、こいつ殺りやがったぞ!」
「に、逃げろ!!」
突然ジャージの男が灰色の怪物になったかと思うと
「悪りぃ、遅れた」
「「「乾〈さん〉!!」」」
巧は三人がスティングフィッシュオルフェノクに襲われているところを目撃し、間一髪のところで助けることができた。三人は自分たちを助けに来てくれた存在に恐怖が吹き飛んだ。
(まさかオルフェノクが
巧はスティングフィッシュオルフェノクの方に向き、戦う覚悟を決める。体勢を戻したスティングフィッシュオルフェノクは巧が腰に巻き付けているベルトを見る。こいつがベルトの持ち主だと気づいたスティングフィッシュオルフェノクは喋り始めると、スティングフィッシュオルフェノクの影が裸の青白い男の姿に変わった。
『そのベルト......!お前が持っていたのか!』
巧はファイズフォンを取り出し、変身コードを入力する。
『5 5 5』
『Enter』
Standing by
そしてファイズフォンを上に掲げ、叫ぶ。
「変身!」
ファイズフォンをセットすると巧の全身に赤い光が包み込む。
Complete
そして巧は仮面の戦士、ファイズに変身した。
「そのベルトをよこせ!」
スティングフィッシュオルフェノクは巧に向かって走り出す。巧も手首をスナップし、走り出した。
●●●
一方セントラル広場では相澤が手の男達と相手していた。しかし相澤は少し押されているようだった。そんな中手の男は何かを呟いていた。
「23......24.......20.......17」
「チッ!」
「動き回るので分かりづらいけど、髪が下がる瞬間がある。一アクション終えるごとだ。そしてその間隔はだんだん短くなってる」
「よく喋る口だ」
相澤は手の男に向かって肘打ちを仕掛けるが手の男はそれを手で掴む。すると、相澤の膝が崩れ始めた。
「無理をするなよイレイザーヘッド」
「!?」
相澤はすぐに距離を取り自分の膝を見る。
(膝が崩れた!?)
「その個性じゃ.....集団との長期決戦は向いてなくないか?普段の仕事と勝手が違うんじゃないか?君が得意なのはあくまで奇襲からの短期決戦じゃないか?それでも真正面から飛び込んできたのは、生徒に安心を与えるためか?カッコいいなぁ、カッコいいなぁ。ところでヒーロー.....本命は俺じゃない」
すると手の男の背後から巨大な黒い怪物が出現する。その怪物は脳がむき出しになっておりまるで死んでいるかのように目が虚になっていた。
「こいつは対平和の象徴改人"脳無"。イレイザーヘッド、お前じゃこいつには勝てない」
相澤はすぐに個性を使用するが、全く反応がなかった。
「!?」
「あー、無駄無駄。そいつはお前の個性は通じない。つー訳でやれ、脳無」
脳無は相澤にゆっくりと迫り来る。すると相澤の背後から一つの影が飛んできた。その影は脳無にぶつかり倒れる。ぶつかった脳無はビクともしなかった。相澤は飛んできた相手を見ると灰色の怪物であった。その後に黒い男もやってくる。
(今度はなんだ!?また脳無とかゆう奴か!?)
「おい、
「はい、13号を倒しましたが、うっかり一人逃してしまいました
「なんだよ、このままじゃヒーローを呼ばれんじゃねぇか。まあいい、ヒーローが来てもこの脳無がいる。それとお前、結構苦戦してるみたいだが....?」
「くっ.....!うるさい!」
飛んできたスティングフィッシュオルフェノクは立ち上がり怒鳴る。すると後ろから巧が走ってくる。相澤は一瞬誰だかわからなかったが腰に巻いているベルトを見て巧だということがわかった。
「乾!なんでここに!?」
「あいつと戦ってたらここまで吹っ飛んできたんだよ!ていうか、あの黒いのなんだ!?」
「どうやらあいつらの秘密兵器とかゆう奴だ。あの灰色の奴はなんだ?」
「わからねぇ、なんかいた」
巧はオルフェノクのことを言う訳にはいかないので、適当に答える。
「おい、なんかピンチって感じみてぇだが、大丈夫か?」
「馬鹿いえ、俺はプロだ」
「無理すんじゃねぇ、ここは俺に任せろ」
「待て!」
巧は目の前にいる二体の化け物相手に立ち向かおうとする。オルフェノク相手に普通の人間が敵う筈もない。しかし相澤が引き止める。
「生徒のお前に任せられるか!そんなことしたら教師以前に、ヒーロー失格だ!俺に任せろ!」
「そんなこと言ってられる状況じゃねぇだろ!ここでなんとかしねぇとこのままじゃお前死ぬぞ!」
「それでも守るのがヒーローの務めだ......!」
「............!」
どうしても引き下がろうとしない相澤の目に巧は圧倒される。そして巧は相澤に言った。
「だったら、ヒーローの卵として、俺もあんたを守る」
そう言うと巧は相澤の腹に溝打ちする。
「ぐ......!い....乾.....!」
そして相澤は力が抜け、目を閉じた。巧は相澤を抱えると。出口の方を見る。
「砂藤!こいつを頼む!」
巧は気絶した相澤を全力で出口に向かって投げ飛ばした。砂藤は突然のことで戸惑いながらもなんとか相澤をキャッチし、その場に寝かせた。それを確認した巧は後ろにいる
「カッコいいねぇ、さすがはヒーローの卵っていった感じかな?でも、その選択はただの馬鹿だ」
今の状況は相手は四人、対して巧一人、圧倒的に不利な状況であった。しかし巧は怖気付くこともなく腕をスナップし、構えを取る。巧はこの四人相手にどう立ち向かうか考えていた。
(ああは言ったものの、どうする?どいつを狙った方がいい?あの黒いのか、オルフェノクか.....)
するとスティングフィッシュオルフェノクは右手から三叉を出現させ、構える。そして死柄木は脳無に命令した。
「やれ」
そしてスティングフィッシュオルフェノクと脳無は走り出す。先に巧に迫ってきたのは脳無だ。脳無は目にも止まらぬ速さでパンチを繰り出す。巧はギリギリで右に避ける。次にスティングフィッシュオルフェノクが巧に向かって三叉を振り下ろす。その攻撃も巧はなんとか躱し、蹴りを入れた。巧はファイズフォンを取り出しコードを入力して銃の形に変形する。
『1 0 3』
『Enter』
SINGLE MNDE
巧はファイズフォンを構え、脳無に向かって撃つ。ファイズフォンから放たれたフォトンバレットは脳無に直撃し、その体を焼いた。しかし脳無の焼かれた体は瞬く間に再生する。
「なにっ!?」
「こいつの個性は超回復。並の攻撃じゃ脳無を倒すことはできないぜ」
死柄木は得意げに脳無の説明をする。巧は二体の怪物の猛攻になんとか避けることしか出来ず、防戦一方の状態であった。脳無は巧に向かってストレートパンチを繰り出し、巧の胸部を殴る。そしてスティングフィッシュオルフェノクが三叉で巧のを切り裂き火花を散らす。巧は転がりながらも咄嗟にファイズフォンのコードを入力する。
『1 0 6』
『Enter』
BURST MODE
銃を構え、二体に向かって三発のフォトンバレットを発射する。光弾は二体に向かっていくが、スティングフィッシュオルフェノクは三叉で防ぎ、脳無は構わずそのまま突進し、拳を突き出す。
「くそっ!」
巧は腕を交差させて拳でガードするが勢いが強く吹き飛ぶ。巧は地面に転がりながらなんとか体勢を立て直す。その直後スティングフィッシュオルフェノクが三叉を突き出し巧に攻撃した。攻撃を喰らった巧は火花を散らした。
「ぐはぁ!」
そして畳み掛けるように何度も三叉を振り回して巧を攻撃する。そんな光景を出口付近に集まっていた全員が見ていた。
「おいおい!乾の奴やられるぞ!」
「防戦一方だな。このままだと死ぬぞ」
「早くたっくんを助けてないと、でもどうすれば.....」
●●●
少し時間が遡り雄英の駐車場。そこには車やバイクなどが置かれており、これで通勤して来る教師や雄英の関係者は多い。その中で一台の変わったデザインのバイクが置いてあった。そのバイクは巧と緑谷がいつも通学で使っているオートバジンであった。基本的にエンジンをかけないと動かないオートバジンは持ち主の巧が戻ってくるまで静かに待っているものだが、突然オートバジンが動き出す。オートバジンはまるで助けを求められたかのようにA組の生徒達がいるUSJまで向かった。
●●●
緑谷は考えていた。オルフェノクの力を使えば、助けられるかもしれない。しかし皆に自分の姿を晒してしまう。それは爆豪と轟も同じだ。どうにかしてこの状況を打破できる策は無いかと考えていると、突然出口の扉が勢いよく開かれ、全員の頭上を通る。そこに現れたのは一台のバイクであった。
「バ、バイク!?」
「あれは、オートバジン!!」
それはスマートモータースが開発したオートバジンであった。オートバジンはそのまま走ってスティングフィッシュオルフェノクと脳無を吹き飛ばし、巧の方へと戻って来た。
「オートバジン....自動運転付きかよ、このバイク」
巧は自らUSJまで来たオートバジンに驚きつつも左ハンドルに何か窪みがあることに気づいた。巧はすぐにファイズフォンからミッションメモリーを抜き取る。そしてそれを左ハンドルの窪みに差し込んだ。
Ready
そして左ハンドルを抜き取ると、それは赤く光る刃がついた剣、"ファイズエッジ"が現れる。巧はこの剣を眺めた後、ファイズフォンを取り出してコードを入力する。
『5 8 2 6』
『Enter』
Auto Vajin
BATTLE MODE
するとオートバジンは変形し、なんと人型のロボットに変わった。
「あのバイクロボットになったぞ!」
「カッケェ!!」
出口にいた何人かが、オートバジンの変形に驚いている。巧もロボットに変形したオートバジンに驚くも命令する。
「俺はオルフェノクをやる。お前はあの黒いのだ」
そういうと巧はファイズエッジを構え走り出す。そしてオートバジンも高速で走り出し巧を狙おうとする脳無と迎え撃つ。
「急になんだよ.....バイクが来たと思ったらロボットに変形しやがって.....カッコいいな.....」
死柄木は突然現れたオートバジンにイラつくも、少し羨ましく思った。そんな死柄木を横目に黒霧は言う。
「死柄木弔、目的を忘れてはいけませんよ」
「わかってる.....オールマイトを殺して、ベルトを奪う、だろ?ついでにあのロボも貰おうかな.....」
巧はスティングフィッシュオルフェノクと戦っていた。スティングフィッシュオルフェノクの三叉と巧のファイズエッジがぶつかり合い火花が散る。スティングフィッシュオルフェノクが三叉を突き出すと、巧は左によけファイズエッジを脇腹に向かって振るう。しかし三叉で防がれてしまいお互い一歩も引かない状態であった。一方オートバジンは脳無に向かって前輪部分であるバスターホイールを使って毎秒96発の12mm弾を発射するガトリングガンを撃つ。しかし超回復の個性を持った脳無には効かずそのまま迫ってパンチを繰り出す。オートバジンは咄嗟にバスターホイールで防ぐ。そして脳無の腕を掴むと全力で脳無の体にパンチを喰らわした。しかし脳無には全く効いていない様子だった。
「無駄だよ....脳無には超回復の他にショック吸収っていう個性も持っているんだ」
「個性二つ持ちかよ!?」
巧はスティングフィッシュオルフェノクと戦いながら驚く。
「よそ見をするな!」
スティングフィッシュオルフェノクは巧に向かって三叉を振り下ろすが、巧ははギリギリで防ぐ。ショックを吸収する個性というのならば効くまで攻撃を与え続ければ良いだけの話。オートバジンは脳無の拳をバスターホイールで弾くと、連続でパンチを繰り出した。
「おいおい、押されてんぞ.....!なんでこんなことに.....!」
死柄木はどんどん押されて来ている状況にイラついて来た。
「脳無!そのロボよりもあのガキを狙え!」
死柄木は脳無に怒りの混じった声で命令する。そして脳無はオートバジンの攻撃を振り切り巧に向かって突進する。巧はすぐに気づくと後ろにいるスティングフィッシュオルフェノクを蹴り飛ばし、ファイズエッジからミッションメモリーを抜き取り投げ捨てる。そして左側に設置してあるファイズショットを抜き取ると、そこにミッションメモリーを差し込む。
Ready
そしてファイズショットをナックルモードに変形させた後、ファイズフォンのエンターキーを入力した。
『Enter』
Exceed charge
するとベルトからフォトンブラッドが流れ、ファイズショットにエネルギーを送る。巧は向かってくる脳無に向かって構えを取る。そして脳無が目にも止まらぬ速さでパンチを繰り出した瞬間に巧はファイズショットを突き出した。
「オラアァ!!」
そしてお互いの拳がぶつかり合い、ものすごい衝撃があたり一面に広がる。するとそのファイズショットは脳無の拳を突き破り、そして顔面に直撃し、グランインパクトを喰らわした。そして脳無の背後にΦの文字が浮かび上がると同時に吹き飛ばされて壁に激突し、そのまま動かなくなった。
「やった!やったぞ!乾があの化け物倒しやがった!」
「スゲェぜ乾!!」
「そのままあいつもぶっ倒しちゃって!」
周りが歓喜の声をあげ、巧を応援している。
「脳無!脳無!くそっ!あのガキ〜!!おい!さっさとあいつを殺せ!!」
死柄木は脳無が倒されてしまったことに怒りが爆発し、スティングフィッシュオルフェノクに命令する。スティングフィッシュオルフェノクは雄叫びをあげて突進してくる。
「このクソガキイイイイ!!調子乗ってんじゃねええええ!」
スティングフィッシュオルフェノクは下半身が魚のような姿に変化し、空中を飛び回る浮遊態に変化した。スティングフィッシュオルフェノクは空中を滑空し、巧に襲いかかり、巧を掴んで空中へと持ち上げた。
「このままお前を地面に叩きつけて、グシャグシャにしてやる!!」
巧は必死に踠くが、中々離そうとしない。巧はなんとかファイズフォンを抜き取りコードを入力した。
『1 0 6』
『Enter』
BURST MODE
そして背後にいるスティングフィッシュオルフェノクに向かってフォトンバレットを放つ。スティングフィッシュオルフェノクは怯るみ、巧みを離してしまう。巧は地面に着地すると、ファイズエッジを探す。しかしそんな暇も与えんと元に戻ったスティングフィッシュオルフェノクが三叉を持って巧に突進して来た。巧はこの攻撃には反応できず防御の体勢にも入る暇がない。このまま三叉が巧を貫いてしまうと思ったその時巧の後ろから一つの影が飛び上がった。
SMAAASH!!
それは緑谷であった。緑谷はスティングフィッシュオルフェノクの顔面に渾身のパンチを繰り出した。スティングフィッシュオルフェノクは吹き飛び地面に転がる。その隙に緑谷は巧が放り投げたファイズエッジの柄の部分を渡す。
「たっくん、これ」
「サンキュー出久、後は任せとけ」
巧はファイズエッジにミッションメモリーを挿し込む。
Ready
すると刃の部分がなかったファイズエッジから赤い刀身、"フォトンブレード"が現れる。スティングフィッシュオルフェノクも立ち上がり三叉を構える。そして始まりの合図を待つようにお互い動かない。そして崩れた瓦礫の破片が落ちた瞬間二人は走り出し互いの武器を振り上げぶつかり合う。スティングフィッシュオルフェノクはその瞬間ファイズエッジを絡みとり、真上に弾き飛ばす。巧が真上に飛んだファイズエッジを見上げた隙に三叉を突き出すが、巧はすぐに反応してジャンプし、三叉を踏み台にして上に飛び上がる。そしてファイズエッジをキャッチするとファイズフォンのエンターキーを押した。
『Enter』
Exceed charge
ファイズエッジにエネルギーが送られ、巧はファイズエッジを自由落下の勢いに乗せて振り下ろす。スティングフィッシュオルフェノクは咄嗟に三叉で防ごうとするがファイズエッジはそれを端折りそしてスティングフィッシュオルフェノクを真っ二つにする。スパークルカットを放った。その直後に背後からΦの文字が浮かび上がると、体から青い炎が出始め灰となって崩れた。
「やったあああ!乾が化け物を倒したあああ!!」
「後はあいつらだけだ!」
周りが勝利の雄叫びをあげている中、死柄木は怒りの声をあげる。
「このやろおおおおお!!ぶっ殺してやる!!!」
するとその瞬間、出口の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
「1–Aクラス委員長飯田天哉!只今戻りました!!」
それは助けを呼ぶためにUSJから逃げ出した飯田であった。その後ろには雄英のヒーロー達が駆けつけており、形勢は逆転した。
「死柄木弔。脳無もオルフェノクもやられてしまった今、完全に不利です。ここは一旦引きましょう」
黒霧は死柄木に一旦引くよう提案する。死柄木は怒り抑え、巧に捨て台詞を吐く。
「覚えてろよ、いつか絶対にお前を殺してやるからな.....!」
そう言って死柄木は黒霧のモヤの中に消えていった。全員が勝利の余韻に浸る中、巧と緑谷、爆豪、轟の四人はそんな気分になることはなかった。緑谷は巧を見る。巧は灰の山を眺めているが、仮面のせいで、今どんな顔をしているのか分からなかった。