巧たちがメリッサに連れられてI・EXPOを案内されていた。その時、メリッサは巧たちに話しかける。
「君たちのこと、なんて呼べばいい?」
「どっちでもいい」
「私もどちらでも!」
「僕のことは...デクと呼んでください」
「デク?変わったニックネームね。わかったわ!デク君にイヌイ君とハツメちゃんでいいかしら?私はメリッサでいいからね」
●●●
I・EXPOを回っていた巧たちは改めてその広大さに圧倒されていた。様々なパビリオンを見上げながらメリッサに連れられてI・EXPO内を歩いていく。巧には特に興味をそそられるようなものは見当たらなかったが、緑谷と発目は目を輝かせながら色々なものを見て回っていた。
「うわぁ!カイジュウヒーロー"ゴジロ"!」
緑谷の視線の先には災害などで活躍する、ヒーロー"ゴジロ"がいた。巧もピースサインをしているゴジロの方に向く。
「でかいな....」
その大きな体に少しだけ圧倒されるがそれだけ。緑谷は目を輝かせながら写真を撮りまくっている。
「スポンサーを出している企業から招待されたのね。最新アイテムの実演とかサイン会とか、色々催し物があるみたい!」
「ああ!流石I・EXPO!」
周りを見渡せば様々国から集まったヒーローたちがいて、緑谷はさらに目を輝かせる。対照的にあまり楽しくない巧は近くの椅子に腰掛けて上を見上げていた。スマートブレインから渡したいものがあると言われてここに来てもらうものもらってさっさと帰ろうとしたのに、まだ完成していないと言われて今この状況にいる。暇を持て余している時ふと、とあるものが目に入った。
「あれは....」
巧の視線の先にはどこかで見たことがあるバイクがあった。いや、見たことがあるではない、知っていた。巧は走り出し、人混みをかき分けながらそのバイクに近づく。
「オートバジン。なんでここに?」
なんと展示されていたものはオートバジンだった。I・アイランドに来る前に先に送らせて行ったオートバジンだったが、何故か展示されていることになっていた。不思議に思いながらも柵を乗り越えるが近くにいた警備員に呼び止められる。
「ちょっと君、これ以上は立ち入り禁止だよ」
「いや、あれは俺のものなんだ」
「君のもの?何を馬鹿なことを、これは展示物で君ものじゃない。わかったならここから立ち去りたまえ」
「んだとテメェ。これは俺のバイクなんだよ。見せて欲しいって言うからわざわざこんなへんぴな場所に送ってやったんだ。貸したものはちゃんと返すのが人としての礼儀だろうが!」
「騒ぎを起こすならここから出ていってもらうぞ!」
「上等じゃねぇか!やれるもんなら....!」
「あのすみません!」
徐々にヒートアップしていく巧と警備員に誰かが声をかける。二人は同時に振り返ると、そこにはメリッサとその後ろに緑谷と発目がいた。
「あのそのバイク、彼のなんです。返してもらえませんか?」
「え?そうなんですか?」
「はい」
警備員は少し驚いたような顔をすると、すぐに巧に謝った。
「これはすみません!ここに送られてきた時、てっきり展示物かと思いまして!君のものだったらもう返すから!」
「チッ、さっさと返せばいいんだよ」
巧は舌打ちをしながらオートバジンに近づく。そしてオートバジンにあったスイッチを押した。
BATTLE MODE
するとオートバジンはバトルモードに変形し、周りの人たちは驚いた。発目もその姿に興味津々だった。
「おお!ロボットに変形するんですか!ますます興味がそそられますねぇ!」
「お前には渡さねぇ。いくぞオートバジン」
巧はオートバジンにアタッシュケースを渡し、オートバジンは受け取ると巧の後ろをついて行った。
「あのバイクロボットになるんだ。スマートブレインってすごい...!」
「本当にそうですよね」
メリッサもオートバジンがロボットに変形したことに驚きを隠さなかったが、緑谷はUSJの時以来に見るのでそこまで驚きはしなかった。とは言っても、スマートブレインの技術力には驚くことは多い。
「そういえば夜には関係者を集めたパーティーも...ってデク君も出席するんだよね。マイトおじさまの同伴者なんだし。イヌイ君とハツメちゃんも一緒にパーティーに出席してみない?」
「パーティー?」
巧が後ろを振り返ると、同時にオートバジンも振り返る。
「パパが主催で今夜セントラルタワーでパーティーをやるの。私の紹介があれば参加できるけどどう?」
「いい機会だからたっくんも一緒に行こうよ!」
「........わかった」
「私も是非!」
パーティーと言われると、正直行きたくはない。故に断りたかったが、緑谷の誘いを断るわけにはいかないので承諾した。発目の方も迷うことなく承諾する。
「それなら決まりね!正装の服とかもってる?」
「いや、持ってない」
「持ってないです!」
はっきり答える二人にメリッサは少し考える。
「それなら私が用意してあげる。それじゃ3人とも見学の続きをしましょ!」
メリッサは正装の服は任せてくれと、得意な顔をする。そのあとは色々なものを見て回った。飛行や潜水も可能なビークルや、水深7000mまで潜水できる潜水服。36種類のセンサーが搭載されたゴーグルなど、様々なものをメリッサは紹介し、緑谷と発目は驚きの連続だった。
「実はほとんどのものはパパが発明した特許をもとに造られているの!」
どうやらメリッサが紹介した発明品のほとんどは父親であるデヴィットが開発したものを元に造ったものらしい。メリッサは自慢気に語る。
「ここにあるアイテム一つ一つが、世界中のヒーローたちの活躍を手助けするの」
メリッサの目には父親を心から尊敬する目をしていた。
「お父さんのこと、尊敬しているんですね」
「パパのようになることが夢だから」
「あ、そういえばメリッサさんってここのアカデミーの...」
「うん。今3年!」
「I・アイランドのアカデミーって言ったら、全化学者志望の憧れの学校じゃないですか!」
I・アイランドのアカデミーというと、世界最難関の育成機関であり、そこにいるメリッサも将来有望な科学者だ。
「私なんかまだまだ...。もっともっと勉強しないと...」
「僕も...オールマイトのようになるために...もっと努力しなくちゃ...!」
意気込むメリッサに同調するように緑谷も意気込む。二人には目指すべき夢と目標がある。巧はそんな二人を見て、このような夢を守るのが巧の目指す目標だと再確認する。そんな巧をよそに、発目はオートバジンの前に立っていた。
「オートバジンさん。あなたが持っているそれを見せてくれないですか?少しだけでいいんです。ほんとにちょっとだけ!一瞬だけでいいですから!もしくはあなたの体の構造の方を教えてください!お願いしま...!」
「何してんだお前は」
必死にオートバジンに話しかける発目だが、全く無反応のオートバジン。巧は発目に近づいてその頭を鷲掴みにした。鷲掴みのまま振り返る発目の目に入った光景は怒り半分呆れて半分の巧の顔だ。
「何って、少し彼とお話してただけですよ」
「嘘つけ、お前が話してたこと全部丸聞こえなんだよボケ」
「耳いいんですね」
「いいか、俺のものにいっさい触るな。次触ったらどうなるかわかってんだろうな...!」
巧は発目の顔に近づいて睨みつけながら脅す。しかし発目は巧の脅しには全く動じなかった。更に怒りのボルテージが上がる巧は本当にぶん殴ってしまいそうになっていた。そんな時、発目がある提案を出してきた。
「乾さん。私から一つ提案があるんですけど...」
「....んだよ」
提案と聞いてもはや聞く耳を持つまいと思っていた巧だったが、一瞬だけ考えて聞いてみることにする。
「交換ですよ。確かに私の一方的なギブではあなたにとってはフェアじゃありません。なので...私のことは好きにしていいですよ。体の方は自結構信があるんです!」
「.....は?」
一瞬何を言っているのか理解が追いつかなかった。正直交換と聞いて、何を渡そうともベルトとバイクを譲る気はなかった。聞くだけ聞いて断ろうとしたが、とんでもない交換条件に巧は唖然としてしまったのだ。
「あなたのバイクとベルトを私に譲っていただければ、私のことは何をしても構いません。胸だってほら...」
「お前マジで殺すぞ舐めやがって...!自分の体ぐらい大切にしやがれ!」
「じゃあ何がいいんですか?」
「何もいらねぇよ!お前が何をどうしようが俺は絶対に渡さねぇからな!」
「そんな冷たいこと言わないでくださいよ〜」
「チッ....!」
発目と話すは疲れると感じる巧。その時、後ろから誰かがこちらに駆け寄ってくる気配を感じた。巧は振り返ると、そこには麗日と八百万、そして耳朗の3人がいた。しかもコスチューム姿だ。向こうには緑谷とメリッサが何か話している。
「乾君もいるんや!その人は....もしかして乾君の彼女?」
興味津々に隣にいる発目が彼女なのかと聞いてくる麗日に怒りが湧くが、ここは抑えてる。後ろでは少し興味がありそうな八百万とジト目で見てくる耳朗がいる。巧の中で嫌いなやつ認定になっている発目のことを彼女かと言われると勘違いも甚だしいうえに、腹も立つ。巧ははっきりと否定した。
「んなわけねぇだろ。こんなやつの恋人なるやつなんて頭のいかれた野郎ぐらいだ」
「ひど....じゃあ、乾君の彼女やないんやね?」
「ああ」
あまりにも酷い言い草に麗日は少し引くが乾の彼女ではないということは理解した。それでいて耳朗はまだジト目で形を見ている。
「そうだったんですか、てっきり私乾さんの....えっとお名前は?」
「発目明と申します!」
名前を聞いてくる八百万に発明はハッキリと答える。色々と誤解が解けたところで、向こうにいた緑谷とメリッサがこちらに駆け寄ってきた。
「よかったらカフェでお茶しません?」
●●●
「へぇ〜!お茶子さんたち、プロヒーローと一緒にヒーロー活動したことあるんだ!」
「訓練やパトロールくらいですけど...」
「ウチは仕事に関わったけど、避難誘導したくらいで...」
「それでもすごいわ!」
苦笑いしながら答える二人にメリッサは感心を向ける。
「私はなぜかテレビCMに出演するハメに...」
「普通じゃできないことね!素敵!」
緑谷はヒヤヒヤしていたが、女子たちは和気藹々と会話している。
「明日アカデミーの作品を展示してるパビリオンに行く予定なんです」
「すごい楽しみ!」
「メリッサさんの作品も?」
「ええ、もちろん」
仲の良さそうに話す女子たちを見て緑谷は安堵する。巧は話に興味がないのか、ずっと音楽を聴いていた。因みに聞いている音楽は"a-ha"の"Take on Me"。隣では発目が何か巧に話しかけているようだが、巧は無視し続けていた。その時、ウェイトレスが注文したものを届けにきた。
「お待たせしました」
巧は顔お上げてウエイトレスの顔を見る。
「何してんだお前ら」
何とそのウェイトレスは上鳴と峰田だった。緑谷は声に気づいて驚いていた。
「その声...!上鳴君!?と、峰田君!?」
「あんたら何してんの?」
まさかここのカフェに上鳴と峰田がいるとは思いもよらず、緑谷たちは驚いていた。
「EXPOの間だけ、臨時にバイトの募集してたから応募したんだよ。な?」
「休み時間にEXPO見学できるし、給料もらえるし、来場した可愛い女の子と素敵な出会いがあるかもしれないしな!」
堂々と胸を張る峰田と親指を立てる上鳴。理由が下心しかない上にその二人の視線はメリッサと発目にロックオンしていた。
「おい緑谷!あんな美人どこで知り合ったんだよ!」
「そーだぞ乾!隣にいる可愛い女の子.....もしかしてお前の彼女?」
「だから違ぇつってんだろうが!」
さっきも同じ質問をされて机を思いっきり殴る巧。その姿に少しビビる峰田であったが、その後ろからまた聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「何を油を売っているんだ!バイトを引き受けた以上労働に励みたまえー!!」
「「ぎゃーーー!!」」
向こうから走ってくるのはヒーローコスチュームを着た飯田。上鳴と峰田は飯田を見るなり絶叫してしまう。
「い、飯田君!」
「来てたん?」
「ウチはヒーロー一家だからね!I・EXPOから招待状を戴いたんだ!家族は予定があって、来たのは俺一人だが....」
どうやら飯田はヒーロー一家だったためにI・EXPOから招待状をもらっており、客としてこのカフェに来たところ、バイトをしていた上鳴と峰田を委員長として見守っていたらしい。
「飯田さんもですの?私も父がI・EXPOのスポンサー企業の株を持っているものですから、招待状を戴きましたの!」
「で、ヤオモモのチケットが二枚余ってたから、女子全員で厳選な抽選の結果、ウチらが一緒に行くことになったわけ」
「うん。他の女子もこの島に来てるんだよ」
「明日からの一般公開に全員が見学すふる予定ですの」
プレオープンには招待状が必要だが、一般公開なら自由に見て回ることができる。
「よければ私が案内しましょうか?」
「いいんですか?」
「うん!」
「「「やったー!」」」
女子たちは大喜びし、続けて上鳴と峰田が連れて行ってほしいとメリッサに縋ろうとした時、遠くから爆音が轟いた。
●●●
巧たちが向かった先には土煙が立ち込めており、岩山が見える。ここはここは個性を使って
『クリアタイム33秒!第8位です!』
MCのアナウンスが流れるとモニターに人影が映し出された。その映像に映っていたのは切島だった。
「あ、切島くん」
「デク君。あの人も...?」
「はい、クラスメイトです」
切島に関しては巧が学校からもらったチケットのうち二枚を渡しているのでここにいることは知っていた。そして二枚というとあともう一人いる。緑谷は一体誰なのかは見当がついていた。
『さあ、次なるチャレンジャーは!?』
MCが場を盛り上げる中、緑谷はスタート地点の方を見た。
「やっぱり...」
緑谷の予想通り、そこにいたのは爆豪であった。
『それではヴィラン・アタック!レディ〜...ゴー!』
MCのアナウンスと同時に爆豪は両手の爆発させ、その勢いでどんどん駆け上がっていき、次々と
「死ねええええええ!!」
そしてゴール地点までだどりつくとまたアナウンスが流れた。
『これはスゴ〜い!タイム15秒!トップです!』
トップだというのにどこか不服そうな爆豪はスタート地点に戻った。先に終わっていた切島は後ろに巧たちがいることに気づくとこちらに駆け寄ってきた。
「お!緑谷!乾!お前らもきてたんだな!ありがとなチケットのこと!」
「うん...」
切島は緑谷からもらったチケットのことについてお礼を言ったその時、爆豪は巧と緑谷がいることに気づくと一気に距離を詰めてくる。巧は咄嗟に緑谷を守る体制に入る。
「何でテメェらがここにいんだぁ!?どういうことだクソ髪ぃ!」
「ああ、あのチケットはさ、実は乾から貰ったものなんだよ」
「ああ!?何でそれ言わねぇんだよ!」
「言ったらお前絶対ついてこないだろ」
「クソがーーーーー!!」
巧のおこぼれをもらったと知った瞬間よほど悔しかったのか、爆豪は声にならない叫びをあげた。
「テメェら!俺の前に姿見せんな!俺がいる範囲外で観光しろや!」
「指図してんじゃねぇ!お前が消えろボケ!」
「んだと〜〜!」
二人が口喧嘩をしている最中、それを見過ごせない飯田は二人の喧嘩に割って入る。
「二人とも!喧嘩はやめたまえ!」
「「ウッセェ!」」
たまに入る飯田に二人は怒鳴る。そんな彼らを見ていたメリッサは少し驚いていた。
「あの二人いつも喧嘩しているの?」
「いつものことです」
「男の因縁ってやつです」
メリッサの質問に耳朗は呆れて答え、麗日は真面目な顔で答える。
「ところでお前らもあれ挑戦すんのか?」
「あ?」
切島が指を指す方向にはさっき爆豪と切島の二人が挑戦していた"ヴィラン・アタック"。
「やるだけ無駄だ!俺を超えるなんて無理に決まってんだろ!」
「ハッ!2位を超えるくらい余裕だ」
「んだとゴラーー!!」
巧は雄英体育祭のことを掘り返し、爆豪はまたしてもブチギレる。そんな爆豪を無視して巧はヴィラン・アタックの方に向かった。スタート地点につくと、MCが合図を出すのを待つ。
『それじゃあ行きますよ!ヴィラン・アタック!レディ〜ゴー!』
MCの合図とともに巧は走り出した。ここで詳細を省かせてもらう。結果から言えば。
『タイムは15秒!同率1位です!』
「クソッ!何でいつもこうなんだ!」
またしても爆豪と同じ記録になってしまったことに苦言を呈してた。
「また爆豪と同じだよ」
「雄英体育祭の障害物競走の時といい、中間テストの時といい、いつも同じ順位ですわね」
八百万が言っているように、A組の全員が思っていたことだった。巧は近くにあったベンチを蹴り、そのベンチに座った。
「さっきの子と同じ記録だったけど、それでもすごいわね」
「お世辞なんざいらねぇぞ」
「お世辞なんかじゃないわ。私もほんとにすごいと思ってるもの」
笑顔を向けるメリッサに巧はそれでもムカッ腹がたつためベンチを殴った。
「本当に機嫌が悪そうね。大丈夫かしら」
「放っておいてください。すぐに機嫌がなおるので」
まだ機嫌が悪そうな巧にメリッサは少し心配になる。隣にいた緑谷は心配しないように助言した。そのあとは緑谷もヴィラン・アタックに挑戦することとなり、結果は16秒と巧と爆豪とで1秒差になった。緑谷は嬉々としてベンチに座っている巧に駆け寄る。
「たっくん!僕16秒だったよ!たっくんと1秒差!」
「...そうか、すげぇな」
嬉しそうに話す緑谷を見て、巧の怒りはおさまる。その時、突然目の前で巨大な氷の山がヴィラン・アタック全体を覆ってしまった。その光景に緑谷は驚き、隣にいた巧は誰がやったのか見当がつくと、小さく舌打ちをした。
『すごいすごい!14秒!第1位です!』
その正体は轟だった。轟は氷の山から降りると、少女が一人駆け寄ってきた。
「すごいですね焦凍さん!1位だなんて!」
「ああ、ありがとう結花」
轟に駆け寄ってきたのは結花だった。結花は嬉しそうに轟を褒めると、轟も心なしか顔が赤くなっていた。
「轟くん!長田さん!」
「あ!緑谷さん!と、乾さん!」
緑谷は二人に駆け寄り、結花は緑谷に気がつく。巧は他人のフリをして無視をしようと思ったがすぐに気づかれてしまった。
「彼らもクラスメイト?」
「いえ、右の方は同じクラスメイトですけど左の方は同じヒーロー科ですけどB組の方です」
「みんなすごいわね!さすがヒーローの卵!」
その時、爆豪が轟の前に飛び込んでくる。
「テメェこの半分野郎!」
轟と結花は爆豪の方に振り向き、結花は爆豪の怒り顔に少し不安になるが、轟は反応は薄い。
「いきなり出てきて俺スゲーアピールかコラ!」
「あの...」
「ウルセェ!モブはすっこんでろ!」
「あ、ごめんなさい...」
爆豪に話しかけようとした結花だったが、怒鳴られてしまい少し怖がってしまう。その姿を見た轟は爆豪の胸ぐらを掴んだ。
「結花を怖がらせてんじゃねぇ!!テメェぶち殺すぞ!!!」
「ぬお...!」
その爆豪以上のキレように爆豪は少したじろいでしまう。
「轟ってあんなキレるんだな。初めて見た....」
「怖すぎだろ...」
周りのA組たちも轟のキレように驚いている。巧はその姿を見て呆れていると、轟がこちらの方に向いてきて、ギョッとしてしまう。
「お前、何でここにいんだ?」
「雄英高校とスマートブレインからもらった。そういうお前は?」
「招待受けた親父の代理だ。(せっかく結花と二人っきりだったのに...クソッ邪魔しやがって乾巧...!)」
轟は周りに聞こえないように心の中で悪態を吐く。轟は父親エンデヴァーから二枚のチケットをもらい代理でここにきた。おそらくエンデヴァーなりの気遣いなのだろうが、轟は感謝してはいなさそうだった。
『あのー、次の方が待って...』
「ん?ああ、悪い。ほら行くぞ馬鹿ども」
「「誰が馬鹿だ!」」
喧嘩しながらもヴィラン・アタックから離れる3人。その様子をメリッサは楽しそうに見ていた。
「雄英って楽しそうなところね」
「少なくとも退屈はしないですね」
「「うん」」
八百万の言葉に同調する耳朗と麗日。色々な事件に巻き込まれやすいタチなところは危険極まりないが、退屈はしないのは確かである。