進化する人々   作:奥歯

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爆豪、変身

植物プラント内で爆豪と轟は二人の(ヴィラン)と応戦していた。爆豪は獣の男に爆破をくらわせ、獣の男も攻撃を仕掛けるが、避けられてしまう。そして爆豪は怒涛の猛攻撃を獣の男にくらわせた。一方、轟の方でも細身の男と交戦中で、細身の男の攻撃を氷を使って避けつつ、その氷で攻撃するも、細身の男はその攻撃を避け、または右手で破壊するなどして轟を追い詰めていた。途中、轟はその細身の男な個性の特徴を掴む。

 

「あいつ、空間に穴を開けてんじゃねぇ、抉ってやがる...!」

 

「そういうことか...!」

 

爆豪はその謎めいていた個性の正体に納得しながらも全力の猛攻撃をしたにも関わらず、それでも立ち上がってくる獣の男に苛立つ。

 

「キリがねぇ、いつまでもテメェに構ってられねぇんだよ!」

 

爆豪は爆破で飛び上がると腕を交差させ、爆風でスピードを上げる。

 

榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)!!

 

「うぉおおおお!?」

 

爆豪は獣の男に向かって最大火力の爆破を解き放つ。そは爆破をもろにくらった獣の男は倒れてしまった。

 

「よくも!」

 

「爆豪!」

 

細身の男が攻撃を繰り出した時、爆豪は咄嗟に避ける。その時、爆豪の裾が破けた。細身の男はもう一度攻撃しようとした時、自分の右手が光の反射で光って見えた。

 

「チッ....ん?何だこりゃ?」

 

右手に付着した液体に細身の男が気を取られる。そして爆豪はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「俺の汗だ」

 

「?」

 

「ニトロミテェなもんだ!」

 

「!」

 

あることに気がついた轟はすかさず左の炎で細身の男を攻撃する。するとその炎は爆豪の汗に引火し、爆発した。細身の男は吹き飛ばされ、すかさず轟が氷で拘束した。二人の(ヴィラン)を倒した爆豪と轟は瓦礫に埋まっていた切島の元に駆けつける。

 

「切島!」

 

「無事か!?」

 

「う、動けねぇ...!助けてくれ...!」

 

苦しそうにもがく切島に爆豪は呆れてた顔をする。

 

「アホかお前は個性解けばいいだけだろうが」

 

「あ、そっか...」

 

うっかりしていた切島はすぐに個性を解いて瓦礫から抜け出す。

 

「あー、びっくりした」

 

「取り敢えず怪我がなくてよかった」

 

「ケッ....」

 

ふと、爆豪は自分を庇って守ってくれた切島に小さくつぶやいた。

 

「あんがとよ...」

 

小さく言ったつもりだったが、聞こえてしまっていたらしく切島は笑う。

 

「んだよ、らしくねぇな!気にすんな!」

 

「してねぇわ!」

 

「よし緑谷を追うぞ」

 

「命令すんな!」

 

恥ずかしさに轟にも噛み付く爆豪、すぐに上の階に行ってしまった緑谷たちの後を追うために走り出そうとした時、後ろから怒声が聞こえた。

 

「テメェら!まだ終わりじゃねぇぞ!」

 

突然怒声を上げたのは轟の氷によって拘束された細身の男。三人は振り返ると、獣の姿から小柄の男の戻った男がよろけながらも立ち上がる。

 

「ぶっ殺してやる!うおおおおおおおお!!」

 

「おおおおおおお!!」

 

二人の男は雄叫びをあげると、顔に模様が浮かび上がり体が変化する。そして二人は灰色な怪物。オルフェノクに変わった。細身の男は頭が円錐状に尖った絶滅したカメロケラスの姿を模したカメロケラスオルフェノク。小柄の男は同じく絶滅した生物、オパビニアの姿を模したオパビニアオルフェノク。カメロケラスオルフェノクは氷を軽々と砕き、爆豪たちにゆっくりと迫ってくる。

 

「こ、こいつら!USJの時のやつと同じ...!」

 

「オルフェノク...!」

 

爆豪たちは冷や汗を流しながら構えをとる。今切島がいる状態ではオルフェノクの姿になって戦うことができない。どうするべきかと頭を回らせていると爆豪はふと、近くに置いてあったアタッシュケースを目にした。あることを思いついた爆豪はアタッシュケースに近づき、鍵を開ける。そして中に入ってあるファイズギア一式を取り出して自身の腰に巻きつけた。そしてファイズフォンを取り出した時、轟がそれを制止する。

 

「おい!どうするつもりだ!?」

 

「離しやがれ!こいつを使って...!」

 

「爆豪!それ乾じゃねぇと使えねぇだろ!お前じゃ意味ねぇって!」

 

「ウルセェクソ髪ぃ!あいつに出来て俺に出来ねぇことはねぇ!やってやる!」

 

爆豪は変身しようとするがまた轟が止める。

 

「爆豪、仮に変身できたとして、それを使うってことはどういうことかわかってんのか?」

 

もしこのファイズギアを使えばあのオルフェノクに対抗することはできるであろう。しかし、それはあのオルフェノクを殺すということだ。轟は爆豪にその覚悟があるのか、そういう目をしていた。爆豪は轟の腕を振り払う。

 

「俺は巧とは違う。ここでやらなきゃ、こっちが殺られんだ!」

 

そう言って爆豪は立ち上がりファイズフォンを開く。

 

『5 5 5』

 

『Enter』

 

Standing by

 

そしてファイズフォンを顔の横に持ってくるとファイズフォンの正面を向ける。

 

「変身!」

 

Complete

 

するとファイズドライバーからフォトンストリームが爆豪の全身を駆け巡りファイズへと変身を遂げた。

 

「爆豪...!」

 

「マジか...!」

 

まさか変身できるとは思っても見なかった轟と切島は驚きを隠さなかった。爆豪は構えを取り、二体のオルフェノクを迎え撃つ。爆豪が走り出すと二体のオルフェノクも走り出した。先に攻撃を仕掛けたのはカメロケラスオルフェノクで爆豪はカメロケラスオルフェノクの攻撃を右手で防ぎ、左手で腹を殴る。怯んだところで後ろから迫ってきたオパビニアオルフェノクを蹴り飛ばし、爆破で空中を飛ぶと同時にカメロケラスオルフェノクに向かってドロップキックをくらわした。

 

「かかってこいやぁ!」

 

迫ってくるオルフェノクたちに爆豪も突撃する。爆豪はカメロケラスオルフェノクの攻撃を避け、後ろに回り込みバックドロップをくらわす。そして迫ってくるオパビニアオルフェノクに渾身のパンチを繰り出し、顔面に直撃したオパビニアオルフェノクは壁に激突してしまう。その隙に爆豪はファイズショットを取ると、ファイズフォンからミッションメモリーを抜き取りファイズショットにセットする。

 

Ready

 

そしてファイズフォンのエンターキーを押した。

 

『Enter』

 

Exceed charge

 

ファイズショットに右腕のフォトンストリームを通じてフォトンブラッドが流れ、ファイズショットにエネルギーが溜まる。爆豪はファイズショットを構えるとよろけながら立ち上がるカメロケラスオルフェノクに向かってグランインパクトをくらわした。

 

「うおりゃあああああ!!」

 

「ぐあああああああああ!!」

 

顔面にグランインパクトをくらったカメロケラスオルフェノクの背後にΦの文字か浮かび上がると青い炎に包まれ、灰となって崩れてしまった。一人倒した爆豪は自身の姿を見る。

 

「これがファイズか、中々いいじゃねぇか」

 

そう言っている間に後ろから迫ってきたオパビニアオルフェノクの存在に気づけず、爆豪の背中に衝撃が走る。

 

「ぐはっ!」

 

吹き飛ばされた爆豪は壁に激突する。そして反撃はさせないと言わんばかりにオパビニアオルフェノクは間髪入れずに迫ってくる。そして首を掴まれ爆豪は持ち上げられる。

 

「クソが...!離しやがれ...!」

 

首を締め付けられ、息が苦しい爆豪は何とか振り解こうとファイズショットからミッションメモリーを抜き取り、ファイズフフォンに戻す。そしてファイズフォンォフォンブラスターに変形させナンバーを入力する。

 

『1 0 6』

 

『Enter』

 

BURST MODE

 

そしてファイズフォンの銃口をオパビニアオルフェノクの頭に直接当て、引き金を引いた。オパビニアオルフェノクは思わず手を離してしまう。怯んだ隙に爆豪は突っ込もうとすると轟が待ったをかけた。

 

「おい!爆豪!」

 

「何だ半分野郎!?」

 

「右腰にあるやつを使え!右足に取り付けるんだ!」

 

「命令すんな!今やろうと思ってたんだよ!」

 

爆豪は轟に怒鳴りながらも右腰にあるファイズポインターを取り出し、ミッションメモリーをセットする。

 

Ready

 

そして右足にあるエナジーホルスターにファイズポインターをセットした。その間にオパビニアオルフェノクは立ち上がり雄叫びを上げて迫ってくる。

 

「死ねえええええ!クソガキいいいいい!!」

 

迫ってくるオパビニアオルフェノクに爆豪は右足を腹に命中させる。その間にエンターキーを入力した。

 

『Enter』

 

Exceed charge

 

そして右足のフォトンストリームを通じて、フォトンブラッドが流れファイズポインターにエネルギーが溜まったと同時にアパビニアオルフェノクの腹にポインティングマーカーが射出されオパビニアオルフェノクを捉える。そして爆豪は飛び上がり両足を突き出した。

 

「死ねええええええええ!!!」

 

「があああああああああ!!!」

 

爆豪はポインティングマーカーを通り抜け、クリムゾンスマッシュを繰り出し、オパビニアオルフェノクの背後から光となって現れる。そしてオパビニアオルフェノクからΦの文字か浮かび上がり青い炎に包まれて灰となって崩れた。爆豪は変身を解除する。切島と轟は爆豪の元に駆けた。

 

「おい爆豪!すげぇな!バケモン二体も同時に!」

 

「ハッ!これぐらい余裕だ!」

 

「何でお前が変身できたのかは分からねぇが、取り敢えず早く行くぞ」

 

「轟!詳しく教えてくれ!」

 

まだ状況が整理できていない切島が轟に事情を聞こうとした瞬間プラントの壁から約30体ほどの警備マシンたちだった。爆豪たちはまたしても行手を阻まれてしまい戦闘態勢に入った。

 

「奴ら、本気になったようだな」

 

●●●

 

「———さん!——ぬいさん!乾さん!」

 

「!!」

 

巧が目を覚ますと目の前に結花の顔があった。巧は結花に膝枕をされて寝ており、体を起こし辺りを見渡すとそこはセントラルタワーの外であった。巧は思い出した。ウォルフラムに吹き飛ばされて壁を突き破り外に放り出されてしまったのだ。しかしウォルフラムにつけられた傷はどこにもなく、すでに結花が傷を治していたようだ。

 

「どれくらい寝てた!?」

 

「ほんの数分です。まだそれほど経っていません」

 

「そうか....」

 

巧は取り敢えず落ち着くと、結花に支えられなが立ち上がる。巧は上を見上げる。かなりの高さから落とされた。目標地点の最上階に行くには時間がかかる上に締め出されいるので中に入ることができない。

 

「どうやって上に登る...」

 

「それなら私に任せてください」

 

「?」

 

突然自分に任せてくれと胸を張る結花に巧は振り向く。

 

「私が乾さんを上まで飛んで運びます」

 

「お前空飛べんのか?」

 

「はい!鶴なので!」

 

巧は思い出した、結花も同じオルフェノクだった。しかも鶴のオルフェノクだ。これならあっという間に最上階まで登れる筈だ。早速結花はオルフェノクの姿になり巧を後ろから持つ。

 

「それじゃ行きますよ!」

 

「ああ!」

 

そして結花は背中から翼を広げて、空高く舞い上がった。

 

●●●

 

緑谷たちは順調に突き進み、120階まで到達していた。

 

「なんかラッキーじゃね!?101階超えてからシャッター開きっぱなしだなんて!」

 

ここまで順調に突き進み、怪しすぎるほどにシャッターが閉まっていないことに何人かは気づいていた。

 

「私たち、誘い込まれていますわね!」

 

「ああ!」

 

「それでも!少しでも上に行くために!向こうの誘いに乗る!」

 

向こうの誘いであったとしても先に進むしかない。轟がつくてくれた道を無駄にするわけにはいかないのだ。130階まで来たあたりで緑谷たちが通る道のあたりで警備マシンが徘徊しているのが見えた。今見える数だけで70〜80体ほどはいた。

 

「何で数なん...!」

 

「やはり相手は閉じ込めるのではなく捕らえることに方針を変えたか...!」

 

「きっと僕たちが雄英生であることを知ったんだと思う」

 

向こうも本気を出してきたことに息を呑む。しかし八百万は強気に微笑む。

 

「でも!そうなることはこちらも想定済みですわ!」

 

そう言って八百万は個性を使って作り出した巨大なシートを取り出した。

 

「よし!予定通りプランAで行こう!」

 

「よっしゃ!やってやるぜ!飯田!いっちょ頼む!」

 

「ああ!」

 

上鳴は飯田に両手を差し出す。飯田は上鳴の手を掴むと勢いよくドアを蹴破り、上鳴を全力で振り回す。

 

「ぬおおおお!!」

 

そして飯田は警備マシンに向かって上鳴を投げ飛ばした。そして緑谷たちは八百万が作った絶縁シートで感電しないように防御をとった。

 

「くらえ!無差別放電130万ボルト!!」

 

上鳴は警備マシンに向かって放電する。しかし、警備マシンは電気を防御するために一時停止し、感電を防いだ。

 

「防御された!?」

 

「チッ...!なら!200万ボルト!!」

 

防がれたのなら更に威力を高めて攻撃するまでと上鳴はもう一度放電する。しかし耳朗はそれを止めようとした。

 

「馬鹿!そんなことしたら...!」

 

「ウェ〜〜イ...」

 

「アホになっちまうだろ...!」

 

煙が晴れた先には放電で頭がショートしてしまったアホ面の上鳴だった。

 

「でも、お陰で警備マシンを止めることが...」

 

と思っていた矢先、止まったはずの突然警備マシンが動き出し上鳴を拘束具で捕らえてしまう。

 

「上鳴君!」

 

「頑丈すぎだろ...!」

 

「仕方ない!プランBだ!」

 

「はい!」

 

プランBと言われ、八百万は胸元から発煙筒を作り出し、蓋を外して警備マシンに向かって投げる。発煙筒からは一気に煙が巻き上がる。

 

「これで通信を妨害できますわ!」

 

どうやらこの発煙筒には通信妨害の機能が搭載されており、警備マシンは誤作動を起こし始める。他のみんなも発煙筒を警備マシンに向かって投げ、徐々に当たりが煙に包まれる。

 

「峰田君!」

 

「上鳴を返せ!ハーレムが待ってんだ!」

 

緑谷に合図をもらった峰田は警備マシンに向かってもぎもぎを投げつける。警備マシンはもぎもぎがくっつき、動きが止まっていく。最終的に警備マシンは緑谷たちを守るようにバリケードとなった。

 

「どうだ!」

 

ガッツポーズをとる峰田だったが、それでも警備マシンはバリケードをよじ登ってくる。

 

「しつけぇ〜〜!」

 

「くっ...!」

 

まだ襲ってくる警備マシンに飯田は苦しそうな顔をする。するとそんなとき、発目が前に出る。

 

「ここは任せてください!こんなこともあろうかと!」

 

「まだなんかあんの!?」

 

発目は懐から何か取り出す。まだ何かを隠し持っていたのかとツッコミを入れる耳朗。発目が取り出したのは銃に取り付けるマズルのようなものでハッキングガンに取り付ける。

 

「名付けてハッキングガンVer.2!別名ハッキングショットガンです!」

 

発目はハッキングショットガンを警備マシンに向けると弾丸が散弾銃のように射出され、複数の警備マシンに命中する。そしてすぐさまスマホを操作すると警備マシンは一気に機能が停止した。

 

「さすが私のベイビーちゃん!」

 

「最初っからそれ使えよ!」

 

またツッコミを入れる耳朗。その隙に飯田は緑谷に合図を出した。

 

「行くぞ!緑谷君!」

 

「うん!」

 

緑谷は正装の上着を脱ぎ捨て右の裾をまくる。手に巻かれたフルガントレットのボタンを押すと右腕にピッタリとフィットした。これはメリッサにもらったもので、これがあれば緑谷本来の力が発揮できる。

 

「ワン・フォー・オール!フルカウル!」

 

緑谷の体に緑色の稲妻状のエネルギーが全身を駆け巡る。そして警備マシンに向かって拳を構える。

 

「フルガントレット...!」

 

そして警備マシン向かって拳を突き出した。

 

SMAAAAAAAAAASH!!

 

突き出した拳はとてつもない風圧と衝撃を生み出し、警備マシンを吹き飛ばした。その間に飯田は上鳴を拘束していた警備マシンを蹴り飛ばし上鳴を救出する。

 

「耳朗君!警備マシンは!?」

 

「左から来る!」

 

「よし!右から進むぞ!」

 

飯田は上鳴を背負い、先に進む。皆も飯田の後に続いた。

 

「デク君!何その腕!すごいやん!」

 

「うん!」

 

緑谷は頷くとすぐ後ろにいたメリッサに振り向く。

 

「メリッサさん!バッチリです!」

 

「持ってきてたのね!」

 

メリッサが開発したサポートアイテムの性能を目の当たりにしたメリッサは微笑む。すると緑谷は少し困ったような顔をしながらメリッサに尋ねた。

 

「外し方、分からなくて...」

 

「あ...」

 

緑谷はガントレットの外し方が分からず、メリッサに助けを求めた。メリッサはそれを見て少し苦笑いをするのであった。

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