進化する人々   作:奥歯

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巧、復活

緑谷たちは135階辺りの踊り場で耳朗は壁に耳たぶをあて、索敵をしていた。

 

「下の階から警備マシンの騒音多数!」

 

「上からの音は!?」

 

「ない!大丈夫!」

 

「よし!行くぞ!」

 

飯田に続いて緑谷たちは上に登っていく。そしてたどり着いた場所は大型のコンピューターが何台も並ぶ巨大なサーバールームに出た。ここがI・アイランドのシステムを全て管理している場所とも言える場所だ。早くここを抜けようと緑谷たちは走り出そうとした瞬間、突然警備マシンが姿を現す。緑谷たちは咄嗟に身を潜めた。警備マシンの数は先ほどの数の倍以上の数がいた。

 

「くっ...!罠か...!」

 

「突破しよう飯田君!」

 

緑谷はガントレットを起動して警備マシンを一掃しようとした途端、メリッサが止めた。

 

「待って!ここのサーバーに被害が出たら、警備システムにも影響が出るかも...!」

 

もしこのサーバーか破壊されてしまったら、警備システムを変更できなくなってしまうかもしれない。どうすればと考えていると上の方から物音が聞こえた緑谷たちは上を見上げると、大量の警備マシンが落下してきた。

 

「どんだけいんだよおおおおお!!」

 

警備マシンは通路を塞ぎ、緑谷たちは囲まれてしまう。すると八百万はしゃがみ込み、背中から武器を作り出した。

 

「警備マシンは私たちが食い止めますわ!」

 

「緑谷君!メリッサさんを連れて別のルートを探すんだ!」

 

少しでも多く最上階まで行けるように飯田たちはここで足止めをすることを決めた。緑谷はその想いを受け取る。

 

「....メリッサさん!お願いします!」

 

「麗日ちゃんも一緒に来て!」

 

「え!?でも...!」

 

「頼む!麗日君!」

 

メリッサに一緒に来るように言われた麗日は少し戸惑うが、何か考えがあるのだろうと察した飯田は行くように言う。麗日はその真剣な眼差しに強く頷き、緑谷たちと一緒に向かった。緑谷たちを見送った飯田はエンジンを全開にし、最大出力を引き出す。マフラーから炎が吹き出し、全速力で駆け出すと勢いよくジャンプし、駆け出した勢いで警備マシンに飛び蹴りをくらわした。

 

「トルクオーバー!レシプロバースト!」

 

警備マシンは吹き飛ばされ壁に激突した。八百万は巨大な砲台を作り出していた。

 

「砲手は任せます!私は弾を作ります...!」

 

かなり大きなものわ作り出したためか、八百万はかなり辛そうな顔をする。耳朗はそんな八百万を心配するが、弾を受け取ると覚悟を決める。

 

「了解!」

 

耳朗は八百万から受け取った弾を砲台の中に装填し、警備マシンに向かって狙いを定め、弾を放った。発射された弾は警備マシンに命中した。弾は爆発することはなく中身はトリモチになっており、警備マシンを動きを封じた。

 

「ハーレムは譲らねぇかんなぁ!」

 

「ウェ〜イ」

 

峰田は頭からもぎもぎを取り、警備マシンたちに次々と投げつける。後ろでは申し訳なさそうにサムズアップする上鳴もいる。警備マシンは峰田のもぎもぎによって動きを封じられる。

 

「さあ!私のベイビーちゃん!ここが正念場ですよ!」

 

発目はハッキングショットガンを警備マシンに向けて弾丸を放つ。警備マシンはハッキングされ機能が停止してしまう。

 

「行け!」

 

飯田たちは警備マシンたちを食い止めながら緑谷たちが走る道を作る。緑谷たちは飯田たちの足止めを無駄にはしないと全速力で走り抜けた。

 

●●●

 

飯田たちが食い止めている間、緑谷は最上階まで上り詰めていた。その時、サーバールームで大きな爆発音がし、緑谷は心配になって振り向いてしまう。

 

「デク君!止まっちゃダメだ!ここでウチらまで捕まったら、飯田君たちが残った意味がなくなる!」

 

「う、うん!」

 

緑谷は飯田たちが開けてくれた道を無駄にしないように心配になりながらも先へと進んだ。

 

(みんな...!どうか無事で...!)

 

●●●

 

緑谷たちを行かせた飯田たちはサーバールーム内で警備マシンたちと交戦中、全速力で稼働していた飯田のエンジンがついに限界を迎えてしまう。

 

「エンスト!?」

 

飯田のエンジンは完全に止まってしまい飯田は顔を顰めた。動きが止まった瞬間を狙って警備マシンは一斉に飯田に突撃した。

 

「うわああああ!!」

 

「飯田!ヤオモモ、弾を!...ヤオモモ!?」

 

「創造の...限界が...」

 

八百万に弾を作るように言う耳朗だったが、すでに限界を迎えた八百万は何も作り出せ無くなっていた。

 

「オ、オイラも、頭皮の限界だ...」

 

峰田も頭から血を流し、今にも倒れそうになっていた。

 

「ベイビーちゃん!......ここまで、ですね」

 

発目のハッキングガンもショートしてしまい、警備マシンに囲まれてしまった。警備マシンは飯田たちを拘束具で拘束した。

 

●●●

 

サーバールームを抜け、180階辺りまで来た緑谷たちはメリッサの案内で扉の前まで来ていた。緑谷は扉を破壊すると風が吹き込んできた。

 

「ここは...」

 

「風力発電システムよ」

 

ここの風力発電システムは壁が吹き抜けになっており、そこから来る風で発電をしているようだ。中央には上に登るエレベーターがあり、その周りを風力原動機が海から来る潮風によって回転していた。

 

「どうしてここに...?」

 

「タワーの中を登れば警備マシンが待ち構えているはず。だからここから一気に上層部へ向かうの。あの非常口まで行ければ...!」

 

非常口といってもかなりの高さにあり、普通に登るには不可能な高さであった。

 

「あんな所まで...!?」

 

「お茶子さんの触れたものを無重力にする個性なら、それができる...!」

 

「うん、任せて!メリッサさん!デク君につかまってて!」

 

「はい!」

 

麗日に言われた通りにメリッサは緑谷につかまる。そして麗日は手にある肉球で二人に触れる。すると二人の体は無重力の状態となり、体が浮き始める。麗日はメリッサの腰を持ち、力一杯押し上げる。緑谷も同時に足に力を入れて地面を蹴った。

 

「いっけー!」

 

そしてその勢いで上にある非常口にまで飛んだ。麗日は二人が非常口にまで着いたタイミングで個性を解くように待機していた。すると後ろの方で何か物音がした。麗日は振り返るとそこには警備マシンが迫ってきていた。

 

「そんな...!」

 

「麗日さん!」

 

「個性を解除して逃げて!」

 

メリッサは麗日に逃げるように言うが、麗日はそれを拒否した。

 

「できひん!そんなことしたら、みんなを助けられなくなる!」

 

「お茶子さん!」

 

警備マシンに立ち向かおうとする麗日に緑谷はその想いを受け取り、早く非常口まで辿り着くよう焦り始める。

 

(早く...!早く......!早く.......!)

 

焦っていても速くなるはずもなく、麗日に警備マシンが襲いかかった。だがその時、麗日の目の前に爆豪が現れ、警備マシンを爆破した。

 

「かっちゃん!」

 

それでもまだ大量に押し寄せてくる警備マシンに今度は巨大な氷塊が警備マシンを氷漬けにした。

 

「轟君に切島君!」

 

爆豪の後に轟と切島も現れ、麗日を庇うように立った。

 

「怪我はねぇか?麗日」

 

「うん!平気!デク君たちが今最上階に向かってる!」

 

「ああ見えてた。ここでこいつらを足止めするぞ!」

 

轟は氷を生成し警備マシンを凍らせた。

 

「俺に命令すんじゃねぇ!」

 

爆豪も轟に怒鳴りながらも次々と警備マシンを破壊していく。そんな二人を見ながら切島は笑う。

 

「でもコンビネーションはいいんだな!」

 

「誰が!」

 

切島にも怒鳴りながら爆豪は警備マシンを破壊していく。頼もしい仲間が駆け付けてくれたことに緑谷とメリッサは安心する。

 

「ありがとう、みん...なあああああ!?」

 

「きゃあああ!」

 

突然緑谷とメリッサに向かって突風が吹き荒れ、緑谷とメリッサはセントラルタワーの外に放り出されてしまう。

 

「デク君!メリッサさん!」

 

麗日飛ばされていく緑谷とメリッサに向かって叫ぶ。その時、轟は上着を脱ぎ捨て駆け出す。

 

「爆豪!プロペラを緑谷に向けろ!」

 

「だから命令すんじゃねぇ!」

 

怒鳴りながらも爆豪は爆破でプロペラの向きを変える。轟はプロペラの下に向かうと炎を放ち、温められた空気が上にどんどん上昇していく。

 

「ぐううう!?」

 

とてつもない上昇気流に緑谷は元の場所に戻る。

 

「熱風!」

 

「凄え!」

 

機転の効いた轟の作戦に麗日と切島は関心する。

 

「轟君!ありがとう!」

 

「デク君!壁にぶつかる!」

 

轟にお礼を言った矢先にさっきの勢いで緑谷とメリッサは天井にぶつかりそうになる。

 

「くっ!しっかりつかまってて!」

 

「はい!」

 

メリッサは言われた通りにしっかりと緑谷につかまる。緑谷は個性を発動し、力を溜め込む。

 

「ワン・フォー・オール!フルカウル!」

 

力を最大まで溜め込んだ緑谷はその拳を非常口に向かって解き放った。

 

DETROIT SMAAASH!!

 

非常口は破壊され、緑谷とメリッサは非常口の中に入った。それと同時に麗日は個性を解除する。

 

「中に入った解除!」

 

「おい緑谷!受け取れ!」

 

その時、轟は緑谷にあるものを投げた。緑谷は咄嗟にキャッチするとそれはアタッシュケースであった。

 

「これ...!たっくんのファイズギア!?」

 

「それを持って早く行け!」

 

緑谷は轟にもらったアタッシュケースを抱え、管理室へと向かった。

 

●●●

 

緑谷たちが管理室に向かっている途中で、目の前に誰かが現れた。

 

「お前は確か...!」

 

現れたのはパーティー会場にいたソキルという男だった。

 

「胸糞悪いガキどもが!ヒーロー気取ってんじゃねぇぞ!!」

 

そういうとソキルの顔に模様が浮かび上がり、ソキルはオルフェノクへと変化した。その見た目は古代生物のプテリゴトゥスを模したプテリゴトゥスオルフェノクだ。

 

「こいつ...!」

 

「何...!?この怪物...!?」

 

オルフェノクの存在を知らないメリッサはソキルの姿に怯える。緑谷はこの状況をどうすればいいか考えていた。メリッサがいるため、今ここで変身するわけにはいかない。轟から受け取ったファイズギアも使うことができるかわからない。緑谷が考えているうちに、ソキルは緑谷たちに迫ってきていた。もうどうすることもできないと思い、緑谷は覚悟を決めてオルフェノクになろうとした瞬間、ソキルと緑谷たちの間に誰かが窓を突き破って現れた。

 

「たっくん!」

 

「イヌイ君!」

 

それは巧であった。ついさっき結花によってここまで飛んできたのだ。

 

●●●

 

一方の結花は下にある風力発動システムのところに向かっていた。風力発電システム内で警備マシンと交戦している爆豪たちは警備マシンの数の暴力に押されながらも何とか立ち回っていた。その時、切島の背後から警備マシンが迫ってきていた。

 

「切島君!危ない!」

 

気づいた麗日が切島を呼び切島は後ろを振り返る。しかし気づいた時にはもう遅く、警備マシンが切島を襲いかかろうとしていた。

 

「うおおお!?」

 

切島が防御をとった瞬間、襲い掛かろうとした警備マシンに向かって飛び蹴りをくらわせるものがいた。何とか助かった切島は顔を上げるとそこには結花がいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「お前...!確かB組の...!どうやって来たんだ!?」

 

「内緒です!」

 

結花が加勢しにきたことに気づいた轟はすぐさま結花の元に駆けつけ、近くにいた切島を蹴り飛ばした。

 

「ぶはっ!?」

 

「結花!無事だったんだな!怪我は!?」

 

「大丈夫です!少し足を擦りむいただけで...」

 

結花は少し血を流した膝を隠しながらいう。

 

「足をだと...!?あのゴミ野郎...!結花に怪我させやがって...!」

 

またしても轟は結花の怪我を巧のせいにしようとするが、結花がそれを止める。

 

「ほんとに大したことないですから焦凍さん!取り敢えず蹴り飛ばしたあの人に謝って警備マシンを一掃しましょう!」

 

「ああ!すまない切島。大丈夫か...?」

 

「お、おう...」

 

切島は頭を抑えながらも何とか立ち上がり、迫り来る警備マシンたち立ち向かった。

 

●●●

 

窓から突っ込んできた巧は目の前にいるオルフェノクに立つ。

 

「何だお前?どうやってここに来た?」

 

「秘密だ」

 

巧はどうやってここに来たのかとソキルに尋ねられるが、黙秘する。巧は緑谷の方に振り返ると二人しかいないことにみんなはどこにいるのか尋ねた。

 

「おい、他の奴らは?」

 

「みんな、戦ってるよ!風力発電システムのところはかっちゃんたちが、サーバールームのところには飯田君たちがいるよ」

 

「そうか、わかった」

 

状況が飲み込めたのか巧はわかったとだけ言った。その時、緑谷は巧にアタッシュケースを渡す。

 

「たっくん!これ!」

 

「やっと戻ってきたか...。どこにあったんだ?」

 

「実は、かっちゃんが...」

 

「チッあのクソ野郎。後でぶちのめす」

 

巧はやっとアタッシュケースを盗んだ相手の正体が分かり、後でぶちのめすことを決めた。巧はアタッシュケースからファイズギアを取り出し、腰に巻きつける。そしてファイズフォンを開き、番号を入力した。

 

『5 5 5』

 

『Enter』

 

Standing by

 

「変身!」

 

Complete

 

巧はファイズに変身し、夜の闇にフォトンストリームとアルティメットファインダーが光輝いていた。その姿に緑谷とメリッサは見惚れてしまう。

 

「すごい、これがファイズ...」

 

「姿が変わったからってなんだ!死ねぇええええ!!」

 

ソキルは関係ないいと言わんばかりに巧に迫り来る。巧は落ち着いた様子で腕をスナップし、ファイズフォンを取り出して番号を入力する。

 

『1 0 3』

 

『Enter』

 

SINGLE MODE

 

巧はファイズフォンをフォンブラスターに変形させソキルに向かって引き金を引く。そして銃口からフォトンバレットが射出されソキルに命中する。ソキルは吹き飛ばされるも、まだ立ち上がり突撃した。巧はファイズフォンに番号を入力する。

 

『1 0 6』

 

『Enter』

 

BURST MODE

 

巧はまた銃口を向けるとソキルに向かって引き金を引く。そしてフォトンバレッドが連続で射出され、全てソキルに命中し、またしてもソキルら吹き飛ばされた。

 

「クソ...!何だそれは...!」

 

「テメェに答える義理はねぇ」

 

そう言って巧はファイズフォンに番号を入力した。

 

『5 8 2 1』

 

『Enter』

 

Auto Vajin

Come closer

 

ソキルは巧に攻撃しようと迫り、巧も走り出す。ソキルが攻撃しようとした瞬間、巧はソキルの腹に蹴りを入れ、回し蹴りでソキルの顔面を蹴り飛ばす。倒れたところを掴み巧は胸ぐらを掴む。

 

「俺は今機嫌が悪い。テメェをサンドバッグ代わりにして、テメェのボスに借りを返す!」

 

そして巧は何度もソキルの顔面を殴り、腹に膝蹴りを入れそして最後に投げ飛ばした。ソキルは腹を抑えながら悶え苦しみ立ち上がることができない。その間に巧の後ろからオートバジンが窓を突き破り現れる。巧はオートバシンのグリップにミッションメモリーをセットする。

 

Ready

 

そしてグリップを引き抜くとファイズエッジが現れた。巧はすぐにオートバシンに命令する。

 

「オートバジン。天哉たちのところに行け、顔は覚えてるよな?絶対になにも壊すなよ?」

 

命令を受けたオートバジンはすぐに窓を突き破り飯田たちのいるサーバールームへと向かった。

 

「くそっ....!何で....!最強の力を手に入れたはずなのに...!こんなガキごときに....!舐められてたまるかあああああ!!」

 

怒りに任せて迫ってくるソキルに巧はファイズフォンのエンターキーを入力する。

 

『Enter』

 

Exceed charge

 

フォトンストリームからファイズエッジにフォトンブラッドのエネルギーが送られる。そして巧はファイズエッジを下から上に振り上げる。するとフォトンブラッドな斬撃が地面を伝ってソキルの方に迫る。そのフォトンブラッドは斬撃はソキルを直撃し、無重力状態にして動きを捕らえた。

 

「なんだ...!?動けねぇ...!」

 

その隙に巧は走り出し、ソキルに向かってファイズエッジを縦に振り下ろした。

 

「ヤアアアアア!!」

 

「ぐあああああ!!」

 

スパークルカットによって切り裂かれたソキルは真っ二つに分かれ、Φの文字が浮かび上がり、青い炎に包まれて灰になって崩れた。

 

ソキルを巧は変身を解除する。その後に、緑谷とメリッサが駆け寄ってきた。

 

「ありがとうたっくん!助かったよ!」

 

「すごいわねさっきのファイズの力!流石あなたの両親は天才だわ!」

 

「そうかい、それじゃあさっさと行くぞ」

 

「うん!」

 

無表情だが少し照れくさそう巧は誤魔化すかのように最上階へと向かった。

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