時を同じくして結花たちは毒ガスを撒き散らしている
「いました!行きますよ鉄哲さん!拳藤さん!お願いします!」
「おう!」
「OK!」
合図を出した結花に鉄哲と拳藤は答え、鉄哲はスティール化し、結花と同時に飛び上がり拳藤は拳を巨大化して勢いよく拳を突き出した。そして結花と鉄哲は拳藤の巨大化した拳を踏み台にして飛び出す。一方影の正体であるガスマスクをつけた少年、マスタードは自分に向かって飛んでくる結花と鉄哲に気づく。
「な、なんだ!?」
気づいた頃にはもう既に遅く、結花と鉄哲はマスタードの顔面に向かって拳を突き出した。
「はああ!!」
「おりゃああ!!」
「プギャバァ!!?」
顔面パンチをくらったマスタードのガスマスクは砕け散り、吹き飛ばされる。マスタードは後ろの木にぶつかり地面に倒れ気絶してしまった。そして毒ガスも徐々晴れていき、マスタードを確実に倒したことを確信する。結花と鉄哲は綺麗に着地し、拳藤も後に追いついてくる。そして3人はガスマスクを外して顔を見合わせ、勝利の喜びをあげた。
「やった!やりましたね拳藤さん!鉄哲さん!」
「おうよ!1年B組!やる時はやるんだ!!A組たちに負けてられっか!!」
「これでなんとか動きやすくなったはず!」
マスタードを倒したおかげで毒ガスを気にして
「拳藤さん!鉄哲さん!ごめんなさい!ここからは私一人で行かせててもらいます!」
「ちょっ!?長田!?」
「おい長田!待てよ!」
結花は2人に黙って1人で行動することを決めた。結花は今とあることを考えていた。
●●●
BURST MODE
緑川はカイザブレイガンのコッキングレバーを引き、ブレイブトリガーを引いてフォトンブラッド弾を爆豪に向かって放つ。爆豪は短剣で防ぐが防ぎきれずに何発かくらってしまう。
「グハァ!!」
火花を散らして吹き飛ばされた爆豪に緑川は間髪入れずにフォトンブレードで切り裂く。轟の方では青木がデルタフォンを口に近づけ、呟いた。
「Fire」
BURST MODE
青木はトリガーを引き、フォトンブラット弾を放つ。轟は八方手裏剣で防ぎながら青木に向かって走り、切りつけようとするが避けられ、後ろに周りこまれてしまい、振り向いた瞬間を腹に撃ち込まれてしまう。
「グアッ!」
爆豪と轟は緑川と青木に手も足もでず、一方的に攻撃をくらっていた。
「クソが...!お前らなんかに...!」
(クソ...!どうにかして逃げないと...!)
爆豪は悔しさ故に今にも怒りが爆発しそうになる。轟はこの二人を倒せなくてもなんとかこの場から逃げる隙を作る方法を必死に考えていた。
「抵抗しても無駄だ。このベルトはオルフェノクを倒すために作られたものだ。お前らよりも圧倒的に強いのは当然。さて、そこの爆発頭君には俺たちについて来てもらうとするか」
「おい、こいつはどうすんだ?」
青木は轟に指を指し、緑川に尋ねる。緑川は轟を見て、すぐに答えた。
「殺せばいいだろ。こいつを連れてこいなんて命令されてねぇしな。それに、不安要素は潰しておかなくちゃなぁ」
「了解」
仮面で隠れて見えないが、確かに2人はニヤリと笑う顔した。青木は轟の方に向くと、デルタフォンを口に近づける。
「Check」
Exceed Cherge
するとベルトから腕にかけてフォトンブラッドがブライトストリームをつたり、デルタムーバーにフォトンブラッドが送られる。そして青木はトリガーを引くと、薄紫色のポインティングマーカーが射出され、轟を捉える。
「轟!」
爆豪は轟を助けようと動き出すが、そこに緑川が後ろから爆豪の首を掴む。
「おっと、行かせねぇぞ。目の前でお前のお友達が死ぬところをよ〜く見るんだ」
「クソ...!離せ...!」
爆豪は振り解こうとするが、緑川はそれを許さない。その間に青木は身動きができない轟にゆっくりと近づく。
「お前のお友達は死ぬが、お前は殺さないでやる。だから大人しくついて来い」
「誰がテメェらなんかに...!」
そうこうしているうちに青木は飛び上がり轟に向かって右足を突き出す。轟は必死に逃れようとするが体がゆうことをきかず、このままでは轟は死んでしまう。爆豪も何もできず、ただみていることしかできなかった。するとその時、暗闇の向こうから何か光るものが飛んできて、青木の胸を直撃し、火花を散らした。
「グオッ!?」
「何!?グハァ!?」
突然何者かの攻撃に緑川は驚くが、その直後に緑川も同じように光る何かに攻撃をくらい、火花を散らした。爆豪と轟は光る何かを飛ばしてきた張本人を目撃する。
「焦凍さん!爆豪さん!助けに来ました!」
「誰だお前!?」
「結花!!」
その正体は翼を広げて飛んできた結花で、轟は結花の登場にに歓喜し、爆豪は結花のオルフェノクの姿を見るのが初めてなので誰かわからなかった。結花は緑川と青木が怯んでいる隙に空中で爆豪と轟と気を失っている円場を掴み、緑川と青木から遠く離れた場所まで飛んでいった。緑川は立ち上がり、撃ち落とそうとしたが、既に射程の外にだったため、この場は諦めた。
●●●
結花は後ろを振り向き、追いかけていないことを確認するとその場に3人を下ろした。降りた三人は元の姿に戻り一旦落ち着くが、爆豪は怒りに満ちていた。
「クソ!クソ!俺はまだ負けてねぇ!おいお前!なんで助けたんだ!」
「え!?そんなこと言われましても...」
「テメェ爆豪!せっかく結花が助けてくれたのにお礼の一言もねぇのか!!このクソ野郎!!!」
「うっせんだよ半分野郎!!」
「ちょっと二人とも落ち着いてください!」
せっかく助かったのにも関わらず爆豪の癇癪で結花を怒鳴りつけ轟がそれに怒って言い争いになり、結花は二人を落ち着かせようと必死に止める。するとその時、向こうから雄叫びのような声が聞こえてきた。三人はその声に静かになり、声のする方に振り向く。その声は段々こっちにに近づいてきていた。三人はその迫り来る声に警戒する。先にその正体に気付いたのは轟だった。
「常闇か...!?」
「あぁ....?」
轟の予想通り迫ってくる大きな影の正体は暴走した
「デク...?」
「かっちゃん!」
「障子に緑谷...!?そいつ常闇の
「説明は後だ!とにかくこいつを鎮めてくれ!どっちでもいい!」
『まだ暴れ足りんぞぉ!!』
轟は状況が飲み込めなかったが、障子に言われて爆豪と一緒にとりあえず炎と爆破を
『ひゃん!』
突然の強い光に
「ありがとう二人とも、助かった」
「轟君たちも無事でよかった...」
「緑谷さん。ひどい怪我...」
なんとかことが収まり全員一息つく。結花は障子に抱えられている緑谷に駆け寄りボロボロになっている腕や足に触れ、あっという間に治してしまった。
「ありがとう。長田さん」
緑谷は障子から降りるとさっきまで少し動かすだけでも激痛を伴った傷が綺麗に消えて緑谷は腕輪や足を軽く動かす。そして緑谷は今するべき事を整理する。
「まず、僕たちがするべきことはかっちゃんの護衛。プロヒーローのブラドキングと相澤先生のいる施設までかっちゃんを連れて行くこと、それが最優先事項だ。とにかく急ごう!」
●●●
少し時は遡り、クロコダイルオルフェノクを倒した巧はまだ他にオルフェノクがあるはずだと考え、オートバジンと一緒に次に向かおうとした時、ある違和感に気がついた。それはクロコダイルオルフェノクを倒した後の灰の山だ。巧はその灰の山が少し不自然な動きをしたように見えた。風だと思えばそれまでだが、気になってしまった巧はしばらくその灰の山を見ているとなんとその灰の山が見る見る内に集まっていき、あっという間に元のクロコダイルオルフェノクへと戻った。
「何!?」
元に戻ったといっても先ほどの姿より少し違いがあった。さっきまでつけていたバックラーは無くなり、胸の辺りには三つの丸いマークがあった。この姿をクロコダイルオルフェノク剛強態と言うべきか。巧はまさか復活してくるとは思っても見ず、動揺している隙にクロコダイルオルフェノクはワニの顎の様な形をしたファキールス・ホーンを出し、巧に襲いかかった。巧が防御取った直後にオートバジンが前に現れ、バスターホイールで攻撃を受け止める。しかし、先ほどよりも力が増しているクロコダイルオルフェノクはオートバジンを徐々に押していき、吹き飛ばしてしまう。
「オートバジン!クソッ!」
巧は吹き飛ばされたオートバジンに近づきミッションメモリーをセットする。
Ready
ファイズエッジを抜き取り、オートバジンを守るように立つ。しかし後ろから突然オルフェノクが現れ、巧に襲いかかる。巧はすぐに気づいたが反応が遅れてしまい攻撃をくらってしまう。
「グハッ!?」
「よそ見はいかんなぁ。ヒーロー君」
巧に襲いかかってきたのはサボテンのような見た目をしたオルフェノク。カクタスオルフェノクだ。巧は予想外の攻撃にモロにくらってしまい、中々立ち上がれずにいた。オートバジンも助けようするがクロコダイルオルフェノクに押さえつけられてしまう。
「そのベルトをよこせ、そしたら命だけは助けてやる」
「だれが...!」
「なぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁ。大人しく従えよ。無駄な抵抗はしないでさ。さっさと仕事を終わらしたいわけ。面倒くさいことはしたくないんだよ。俺の気持ち分かるよな?面倒くさい仕事はみんな大嫌いだろ?それが長引くと更に....。だから大人しく従えよ、もうお前は負けてんだ...よ!」
「グアッ!」
カクタスオルフェノクは胸を強く踏みつけ、更に体重を乗せる。巧は苦しみながらもなんとか抵抗しようとするが、その間にカクタスオルフェノクはベルトを無理やり剥ぎ取り、巧は強制的に変身を解かれてしまった。
「クソ...!返しやがれ...!」
「ざんねーん。これは今から俺たち
そう言ってカクタスオルフェノクは元の姿に戻る。その姿はなんと赤井だった。巧はその姿を見てショッピングモールで出会ったあの男を思い出した。
「お前は...!」
「ああそうさ。ショッピングモール以来だな...」
赤井はニヤリと笑い、ベルトを巻きつけ、ファイズフォンを開く。
『5 5 5』
『Enter』
Standing by
「変身」
Complete
赤井はファイズへと変身を遂げ、巧は驚く。
「な、なんで...!?」
「勘違いしてるようだから教えてやる。このベルトはな、お前だけが変身できるわけじゃねぇんだよ。このベルトは俺とお前の様なオルフェノクだけが変身できる代物だ。だから俺でも変身できるし、お前らの仲間の誰かが変身することもできるんだ。オルフェノクを倒すために作られたベルトだそうだが、そのベルトを使いこなせるのはオルフェノクだけとはなんとも矛盾してるよなぁ?」
赤井は巧の首根っこを掴み持ち上げ、そして溝打ちで巧を気絶させる。赤井は巧を肩で担ぎ、クロコダイルオルフェノクに行くように言った。
「おいトゥワイス!行くぞ!」
赤井にトゥワイスと呼ばれたクロコダイルオルフェノクは押さえつけていたオートバジンを持ち上げ、どこか遠くに投げ飛ばした。そして元の姿に戻る。その姿は全身タイツで覆面をつけていた。
「赤井!なんで俺を助けなかったんだよ!おかげで命が一つ減っちまったじゃねぇか!まぁあと二つあるからいいけど。道に迷ってたのか?」
「悪い悪い。ていうかお前ずっと黙ってたのはなんでだ?」
「いやぁ、強キャラ感出したかったから」
「アホかよ...」
「それよりこのガキどうすんだ?俺を殺した男だぞ?まぁ生き返ったけどさ」
トゥワイスは気絶している巧を睨みつけながらなぜ連れていくのかを赤井に聞く。
「お前リーダーの話聞いてなかったのか?こいつは5つのベルトを作った男の息子だから、こいつならあと2つのベルトのありかがわかるかもしれねぇってリーダー言ってたろ」
「あーそうだったそうだった。忘れてた。いや忘れてねぇ!」
トゥワイスはなぜ巧を連れていくのかを思い出し、同時に納得がいく。2人は軽い談笑をしながら深い森の中へと消えていった。