進化する人々   作:奥歯

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チーム振り分け

移動中、戸田は次に始める合同実技について説明をしていた。

 

「次に行う合同実技では、チーム戦の形式で行う。人数は63人。1チーム9人で組んでもらう。A組、B組、流星塾生それぞれ三人ずつだ。つまり7チームできるわけだな。他に質問したい者は?」

 

「はい!質問よろしいでしょうか!」

 

戸田が質問する者がいないか聞いた時、飯田が素早く挙手をした。

 

「チームの組み方はどういった形式で行うのでしょうか!?」

 

「それはくじ引きで決める。それぞれ7チーム。A,B,C,D,E,F,Gチームに分かれるんだ」

 

「ありがとうございます!」

 

飯田の質問に戸田は答えた後、とある場所で止まった。目の前には扉が二つあり、左扉に男性のマーク。右扉は女性のマークが貼られていた。おそらくここは更衣室なのだろう。

 

「ここで着替えろ。すぐにだ。時間通りに動け」

 

戸田の催促もあって、生徒たちはせかせかと更衣室の中に入って行った。残ったのは戸田と相澤とブラドキングのみ、生徒たちが着替えている間に沈黙が続いたが、先に口を開いたのは相澤だった。

 

「お前、まさかオルフェノクだったとはな」

 

「人には言えないことだからな」

 

「いつからだ?」

 

「5年ほど前だ」

 

最小限の会話ではあるものの、どうにも知り合いのような雰囲気を醸し出している2人に、ブラドキングは質問をした。

 

「二人はいつから知り合いなんだ?」

 

「高校の時からだ」

 

「.........」

 

ブラドキングから見て、あまり親しい仲ではなさそうな二人に、これ以上の詮索をするのをやめた。

 

●●●

 

男子更衣室では男子達がコスチュームに着替えていた。更衣室の中は先ほどの豪華な内装と違っていたって普通の更衣室だった。そもそもこんなところにお金をかける意味もないからであろう。皆この更衣室で着替えている中、流星塾生だけはコスチュームに着替えるどころか服も脱がずに何か首にかけているものを取り出していた。取り出したものは何か指輪のようなものだった。流星塾生たちがその指輪を右手の薬指にはめると、突然流星塾生たちの服装が一瞬でヒーローコスチュームに変わった。

 

「え!?一瞬で変わった!」

 

「どういう技術それ!?」

 

雄英の男子生徒たちが一瞬でコスチュームに着替えた様子に驚いていると、眼鏡をかけた男子塾生がこの今のカラクリについて説明を始めた。

 

「今のはこのナノリングっていう指輪を薬指にはめるとこういうふうにコスチュームに一瞬で着替えられるんですよ。便利でしょ」

 

「スマートブレインってすげぇなぁ」

 

上鳴がこのナノリングというものもスマートブレインの技術によるものなのだろうと関心していると、水色の髪の男子塾生が待ったをかけた。

 

「おい。作ったのはこの俺だぞ」

 

「え?そうなの?」

 

「そうだ。ナノリングは1から10まで全て俺のアイデアだ」

 

「こんなすごいものを作れるなんてお前頭いいんだな!」

 

「お前如きに褒められても全くもって嬉しくねぇけど。一応ありがとうだけは言っておいてやるよ」

 

技術力には関心するものの、少し癪に触る態度を取る水色の髪の男だったが、生徒たちは急いでコスチュームに着替えるのだった。そんな中、一人巧を見つめる男がいた。巧はその視線には気づいていないが、その視線には憎悪に近いものがあった。

 

●●●

 

一方その頃、隣の女子更衣室でも同じようなことになっていた。

 

「流星塾生ってすごい人がいっぱいいるんですね!」

 

「いやいや!そんなに褒められちゃったらマジ照れちゃうっていうかー!別にそんなすごくないっていうかー!っていうかみんなのコスチュームマジカワじゃん!写真撮ろ写真ー!」

 

ピンク色のツインテールの女子塾生はスマホを持って雄英女子生徒たちと写真を撮っていた。

 

「あの、ここは児童養護施設と聞いているのですが、あなたたちはいつから一緒にいるのですか?」

 

塩崎はこの流星塾が児童養護施設と聞いていたため、子供の頃からいるはずだと考えていた。いつからいるのか、塩崎は質問する。

 

「10年くらい一緒にいるわね。私たちは親に死なれたか、捨てられたかのどっちかなのよ」

 

塩崎の質問に自分たちとは同年代とは思えないほど大人びた薄紫色のロングヘアの女子塾生が答えた。流星塾生は親の顔を覚えていない。故に流星塾生たちが家族はのようなものなのだ。

 

「それは辛かったですね...」

 

「別にそんなことないわ。親の顔も覚えてないし、それに私たちは血は繋がってないけど家族みたいなものよ」

 

「ケロ、深い絆で結ばれているのね」

 

しばらく会話をしていると、そろそろ時間が迫ってきていた。全員コスチュームに着替えたので、更衣室から出てきた。外では教師の三人が待ち構えており、全員がコスチュームに着替えていることを確認した。

 

「全員着替えたな。じゃあ着いてこい」

 

生徒たちは戸田の後ろについていき、廊下を歩いていく。そしてしばらく歩いていると、大きな扉の前で止まった。その扉は無機質な鉄でできており、先ほどの豪華絢爛な内装とは似つかわしくなかった。戸田はその扉の横にあるキーパッドに番号を入力する。すると鉄の扉が音もなくゆっくりと開き、中に全員が入れるほどの空間があった。おそらくエレベーターであろう。

 

「今から地下に向かう。全員乗るんだ」

 

そう言って戸田はそのエレベーターに乗ると、続いて皆も乗り込む。全員乗り込んだことを確認した戸田は、スイッチを押して扉を閉めた。するとエレベーターが動き出し、エレベーターが下に向かう時の一瞬の浮遊感が伝わってくる。しばらく待っているとエレベーターが止まり、扉がゆっくりと開いていく。地下空間は地上と対照的に無機質な廊下が続いており、少し不気味さが伝わってきていた。生徒たちはその長い廊下を歩いていき、少し広い空間で止まった。この空間の目の前にはいくつかの扉があり、薄暗さも相まってその扉が不気味に見えた。

 

「先ほど説明した通り、くじ引きでチームを決める。この箱の中から一人一枚、カードを取ってもらう。そのカードに書かれたチームに分かれろ」

 

戸田が取り出した小さな箱の中には大量のカードが入っていた。おそらく人数分入っているのだろう。生徒たちは一人ずつ箱からカードを取り出していく。巧が取り出したのはBチームのカードだった。そして全員取り出したことを確認した戸田は、生徒たちに指示を出す。

 

「全員取り出したな。では全員チームごとに分かれろ」

 

Aチーム 

青山優雅 蛙吹梅雨 口田甲司

青沼真一 神道貴久 西田清高

泡瀬洋雪 塩崎茨 宍田獣郎太

 

Bチーム 

乾巧 緑谷出久 爆豪勝己

木村沙耶 徳本恭輔 太田信吾

円場硬成 鎌切尖 取陰切奈

 

Cチーム 

芦戸三奈 上鳴電気 切島鋭児郎

伊藤麻美 犬飼彰司 高宮航太

角取ポニー 吹出慢我 鉄哲徹鐵

 

Dチーム 

砂藤力道 障子目蔵 常闇陰踏

新井賢 百瀬つよし 響銃吾

鱗飛竜 凡戸固次郎 黒色支配

 

Eチーム 

峰田実 八百万百 瀬呂範太

木下翼 阿部里奈 棟宮のぞみ

物間寧人 拳藤一佳 回原旋

 

Fチーム 

麗日お茶子 尾白猿夫 轟焦凍

山吹カリン 三原修二 河内勇樹

小大唯 骨抜柔造 長田結花

 

Gチーム 

耳朗響香 飯田天哉 葉隠透

澤田亜希 明智零 上条晴子

庄田二連撃 柳レイ子 小森希乃子

 

「全員別れたな。それでは今から説明する合同実技の細かいルールを守ってもらう」

 

そう言って戸田が手を上げて合図を出すと何にかの黒服の男たちが現れ、生徒たちにプリントを配っていった。生徒たちはそのプリントに目を通すと、今回行う合同実技のルールが記載されていた。

 

「記載されている通りに説明すると、この合同実技はトーナメント形式で行われ、チームごとにそれぞれのステージを進んでもらう。ステージ内では様々な環境や状況を想定した作りとなっており、どんなステージかはチームごとに違う。そしてそこにはトラップや"ホログラムオブスタクル"。所謂仮想(ヴィラン)が君たちを邪魔しに来る」

 

「なるほど、チームの協力が重要になるんだな」

 

ヒーローにとってチームプレイは重要な能力だ。その能力をまだ組んだこともないチームで対戦するということだ。これは相手の個性をよく知っておかなくては成り立たないことだ。

 

「そしてステージを超えた先には各フィールドが用意されている。そこでチームで対戦を行う。そこでは一つのボールが用意されている。そのボールを相手のゴールに3回入れた方が勝ちだ」

 

「なんかバスケみたいだな」

 

「そう思ってくれて構わん。まぁバスケと違って細かいルールはない。ペナルティや反則も特にない。自身の力を思う存分使ってくれ。そして最後に、チーム内ではお互いの名前はヒーロー名で呼び合うように、合同実技といっても本番と同じように行え。そしてスタート前にあの扉の中に入ってもらう。どこに入るかは自由にしろ。説明は以上だ。スタート前に軽く自己紹介でもしていろ」

 

戸田の説明が終わると、生徒たちは言われた通りに自己紹介に入っていった。

 

Aチーム

「俺の名前は神道貴久。ヒーロー名はロンリーハート。好きなものは雨とイエス。よろしくね」

 

神道貴久。髪は青緑色で目の色も同じく青緑色だ。少し眠そうな顔つきをしているが本人曰く眠いわけでは無いらしい。周りからはミステリアスな印象を受けていた。青緑色の海軍コスチューム。右胸にバッジが付いており、そこにFragileと書かれている。

 

「俺の名前は西田清高。ヒーロー名は99.5(ナインティーナインアンドアハーフ)。好きなものは料理とクリーデンスクリアウォーターリバイバルです。よろしくお願いします」

 

西田清高。茶髪で目の色は黒色で眼鏡をかけている。物腰の柔らかい紳士的な態度で周りからの印象は良さそうである。執事服の格好をしたコスチュームでネクタイにはWilly And The Poor Boysと書かれている。

 

「えー...っと、めんどくさ...。俺の名前は青沼真一...。はぁ、ヒーロー名はサレンダー...。好きなものは...写真撮影とチープトリック...。よろしく...。ダルっ...」

 

青沼真一。髪は限りなく黒に近い青で目の色は髪の色と同色。少し気怠そうな印象を受ける様子で、周りからの印象はあまり良く無いようである。タボっとした青いパーカーに背中にはHeaven Tonightと書かれた文字が書いてある。ダメージーンズに白いスニーカーを履いた一見ヒーローコスチュームには見えないラフな格好をしたコスチューム。

 

Bチーム

「俺の名前は太田信吾。ヒーロー名はデスペラード。好きなものはコーヒーとイーグルスだ。よろしく」

 

太田信吾。髪は金髪のオールバックで目の色は黒。白いトリルビーハットをかぶっている。見た目的に同年代とは思えないほど大人びた姿に周りは少し緊張している。白いネクタイに白いジャケット。黒いシャツ。少し丈の広いズボンと白い革靴を履いた白色を基調としたコスチュームで右腕の部分にHotel Californiaと書かれている。

 

「俺の名は徳本恭輔。ヒーロー名はエヴリ・リトル・シング・シー・ドーズ・イズ・マジック。好きなものはプロレスとポリスだ。よろしく頼む」

 

徳本恭輔。髪の色は白髪で目の色は黒色。背丈が大きく。オールマイトほどでは無いが鍛え上げられた肉体に周りは威圧感を感じる。長ズボンの黒いレスラーパンツで上半身は裸のコスチューム。右足には緑色でSynchronicityと書いてある。

 

「私の名前は木村沙耶です。ヒーロー名はペニーレイン。好きなものは歌とビートルズです。よろしくお願いします」

 

木村沙耶。髪は銀髪のポニーテールで目の色は白。他2人とは違いおとなしそうな見た目に周りは少し安心していた。純白の魔女帽子に純白のローブを纏った魔導士のような格好のコスチューム。胸には三日月型のブローチがあり、そのブローチにはAbbey Lordと書かれている。

 

Cチーム

「ウチの名前は伊藤麻美!気軽に麻美って呼んで!あ、そうかヒーロー名で呼ぶのか!ヒーロー名はトゥルーカラー!好きなものは可愛いものとシンディローパー!よろしくー!」

 

伊藤麻美。髪の色はピンクのツインテールで目の色もピンク。結構ハイテンションなギャルという印象で、周りの印象はそれなりにいい。ピンクと白のボーダーのクロップドトップスに右腰にShe's So Unusualと書かれたピンクのハートマークのついたホットパンツを履き、白いルーズソックスと靴底の厚い黒い靴を履いている。

 

「俺の名前は犬飼彰司!ヒーロー名はエクリプス!好きなものはジョークとピンクフロイド!どうぞよろしく!」

 

犬飼彰司。髪は赤色のマンバンヘアで目の色は右目が赤色と左目が黒のオッドアイ。おそらく長髪なのだろう。こちらも伊藤に負けず劣らずハイテンションで、先ほどとは違って少し周りは引いていた。黒いロングコートに黒いズボンという魔術師のような格好をしたコスチューム。クロングコートの背中には赤、青、緑、紫の四色の虹が右肩から背中にかけてコートの左裾まで伸びておりその虹の中にThe Dark Side Of The Moonと書かれている。

 

「俺の名前は高宮航太!ヒーロー名はビートイット!好きなもんは車とマイケルジャクソンだ!よろしく!」

 

高宮航太。髪は短髪のオレンジ色で目の色もオレンジ色。こちらもまたテンションの高い男。なんとなく似た雰囲気の三人が集まっているなという印象を受けた。オレンジ色のレーシングスーツのようなコスチューム。背中、右腕、左腕、右足、左足にNumber Onesと書かれている。

 

Dチーム

「俺の名前は響銃吾。ヒーロー名はスターレス。好きなものは食べることと、キングクリムゾンだ」

 

響銃吾。髪は黒髪に右側が金髪のカールヘアをしていて目の色は黒。印象として物腰が柔らかそうな雰囲気を感じるが少し不気味さもある。黒いネクタイに黒いジャケットと白いシャツ。黒いズボンに黒い革靴の黒色を基調としたコスチューム。左腕の部分にStarless And Bible Blackと書かれている。

 

「俺の名前は百瀬つよし。ヒーロー名はフェードトゥブラック。好きなものはダイアーストレイツ。よろしく」

 

百瀬つよし。髪は金髪で目の色も金色。普通の態度で話していて、あまり印象に残るものはない感じだ。純白の学生服のようなコスチューム。右胸にはCommuniquéと、書かれている。

と書かれている。

 

「新井賢。ヒーロー名はストレンジャー。好きなものはビリージョエル」

 

新井賢。髪は長髪の赤茶色で3つの輪ゴムで髪を束ねている。目の色は赤黒。顔には右目を通るように縦の線と顔の中心に横の線が入った刺青があり、上半身には右腕から胸、左腕から胸にかけて茨のような刺青。胸にはハート型の刺青、背中には星型の刺青がある。そして最後に額に点の刺青があった。簡潔に自己紹介をしている感じから馴れ合いはしないという態度に見える。赤黒いハーフパンツ一枚だけというかなり防御力の低いコスチュームで、ハーフパンツの後ろにはPiano Manと書かれている。

 

Eチーム

「俺の名前は木下翼。ヒーロー名はリトルウィング。好きなものはマシュマロとジミ・ヘンドリックス。お前ら俺の足手纏いになるなよー」

 

木下翼。髪は短髪の水色。目の色も同じく水色。周りを見下しているような態度に周りの印象は悪い。水色を基調としたTシャツと黒いズボンに白衣を羽織ったコスチューム。背中には赤色でElectric Ladylandと書かれている。

 

「私の名前は阿部里奈。ヒーロー名はバーン。好きなものはディープパープル。みんなよろしく!」

 

阿部里奈。髪の色は黄色で目の色は黄色がかったオレンジ。編み下ろしの髪型をしている。男勝りな印象を受けて頼り甲斐がありそうな感じだった。胸元だけを隠した黄色いスポーツウェアに丈が短くタイトな黒いズボンと黄色いスニーカーというかなり布面積の小さいコスチューム。ズボンの後ろに小さくMachine Headと書かれている。

 

「えっと...。私の名前は...棟宮のぞみです...。ヒーロー名はレイレディレイ...。好きなものは...ボブディラン...です...。よろしくお願いします...」

 

棟宮のぞみ。髪は真っ黒なロングヘアで目の色は黒。声も小さく少し内気な様子に周りは本当に大丈夫なのかと心配していた。修道女のような格好のコスチューム。ローブにはHighway 61 Revisitedと書かれている。

 

Fチーム

「私の名前は山吹カリン。ヒーロー名はエイジャ。好きなものは星とスティーリーダン。よろしくね」

 

山吹カリン。髪は薄紫色のロングヘアで目の色も薄紫色。同年代にしてはかなり大人の色気のある印象を受け、何人かドキマギしていた。薄紫色のストラップレスドレスと星型の髪飾りを身につけたコスチューム。星型の髪飾りにはCountdown To Ecstasyと書かれている。

 

「俺の名前は三原修二。ヒーロー名はペーシェンスだ。好きなものはミリタリー武器とガンズアンドローゼズ。よろしく」

 

三原修二。髪は少し癖っ毛のある茶髪で目の色は茶色。少しクールな印象を受け、頼り甲斐がある印象を受けた。黒いTシャツにカートリッジがついた黒いズボン。黒い指抜きグローブを付け、黒いスニーカーを履いたコスチューム。Tシャツの右胸には小さくUes Your Illusionと書かれている。

 

「俺の名前は河内勇樹。ヒーロー名はジ・エンド。好きなものはチェスとドアーズだ。よろしく頼むぜ」

 

河内勇樹。髪は白黒のツーブロック。目の色は黒白目で瞳の色は白。少し胡散臭さが拭いきれない印象を受ける。上半身は右半身が白、左半身が黒のコートで、下半身は右足が黒、左足が白の丈の広いズボン。上半身の白と黒の境目にStrange Daysと書かれている。

 

Gチーム

「麻呂の名は上条晴子。ヒーロー名はセシリア。好きなものは果物と読書とサイモンアンドガーファンクル。よろしくお願いしますである」

 

上条晴子。髪はウェーブのかかったセミロングで髪の色は緑。目の色も緑だが、ぐるぐるメガネをかけておりあまり目立たない。普通とは違う変人的な態度に周りは少し引いていた。緑色のセーラー服のコスチューム。リボンにBookendsと書いてある。

 

「...................俺の...」

 

「この男の名は明智零。ヒーロー名はサブスティテュート。好きなものは俳句とザ・フーである」

 

秋風や

流れ消えゆく

友の声

 

明智零。髪の色は黒で目の色も黒。何も言わないと思ったら隣にいた上条が代わりに自己紹介し、その直後急に明智は一句を詠んだ。こっちもこっちでかなりの変人ぶりに、周りはさらにドン引きしていた。真っ赤な白装束のような格好で、真っ赤な足袋のようなものを履いたコスチューム。コスチュームの襟には小さくWho Are Youと書かれている。

 

「澤田亜希。ヒーロー名はギミーシェルター。好きなものはローリングストーンズ。よろしく...」

 

澤田亜希。髪は真っ黒なストリートヘアで、目の色も黒。常にRolling StonesのLips And Tongueのキャップを被り、ヘッドホンを首にかけている。他人と距離を取ろうとしており、あまり友好的ではない。Lips And Tongueの帽子にヘッドホンと黒い長袖のシャツにTheir Satanic Majesteis Requestと書かれた灰色の半袖のシャツと黒いズボンというストリート風のコスチューム。耳郎はそんな澤田の顔を覗き込むように見ており、澤田は視線に気づくと帽子を深く被って目を逸らした。

 

「そろそろ時間だ。位置につけ」

 

自己紹介もそろそろ終わりを迎え、全員位置に着く。すると扉が自動で開かれる。向こう側は暗闇に包まれており、向こうには何が待ち構えているのかはわからない。少し緊張を抱えながら合図を待った。

 

「始め!」

 

戸田の合図とともに、生徒たちは一斉にその暗闇の中に突っ込んでいった。

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