進化する人々   作:奥歯

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2025年。皆様あけましておめでとうございます。


7つのステージ

扉の向こう側に走っていった生徒たちは自分たちが今どんな場所にいるのかを把握する。

 

Aチーム

Aチームが抜け出た先にはビル群が立ち並ぶ市街地だった。この市街地には人っ子一人も居らず、居るとしても空を飛んでいる鳥くらいだ。この市街地には異様な静けさがあった。

 

Bチーム

Bチームが降り立ったステージは高い山々が立ち並ぶ場所だった。辺りを見渡せる場所に移動すると数キロ先まで山々が立ち並んでおり、異様なまでの広さに大自然の不気味さを感じていた。

 

Cチーム

Cチームが降り立った場所は辺り一面が雪に覆われ、吹雪で数メートル先も見渡せないほどに視界が遮られていた。突然の寒さで全員体を震わせる。

 

Dチーム

ここでは周りがゴツゴツした岩に囲まれ、日の光が入らず、あるとしたら壁に設置されている小さな照明ぐらいだ。この中は地下洞窟だった。

 

Eチーム

こちらも洞窟ほどではないにしても暗く、辺りには機械やパソコンなどの光で照らされていた。ここはどこかの研究所を模したステージのようだった。

 

Fチーム

ここFチームの場所では、日差しが強く太陽光から逃れるための影もない。辺り一面が砂漠に覆われ、植物は一本も生えていないような場所だった。

 

Gチーム

Gチームでは草木に覆われ、ジメジメとした空気が漂っていた。地面はぬかるみで足がとられそうになる。おまけに豪雨に見舞われていた。

 

それぞれのステージに降り立ったチームたちは、まず今いる状況の把握から始まった。それぞれの動向を見て行こう。

 

●Aチーム●

 

「ここは市街地かしら...」

 

「誰もいないな...」

 

「いや、油断しないで。確かに気配は感じないけど、先生も言ったように、トラップやホログラムが潜んでいるはずだから、まずはここを動かずに索敵だ」

 

誰もいないと蛙吹と泡瀬が辺りを見渡すが、西田は油断するなと注意し、姿勢を低くして右手を地面につけた。

 

ハウンドルーパー!

 

すると西田の後ろから4匹の猟犬が現れる。その姿はミリタリーな迷彩柄の服を着て、目には暗視ゴーグルのようなものをつけていた。

 

「みんな。罠か敵が居ないか探してくれ」

 

ハウンドルーパーたちは西田の言葉を聞いてAチームよ周辺を探索し始める。地面の匂いや空気中に漂う匂いなど、様々な情報を頼りに探し回る。

 

「あれがあの人の個性なのですか?」

 

「うん。あれはハウンドルーパーって言うんだけど、索敵とか戦いのサポートで役に立つんだよ」

 

塩崎の質問に神道が答える。するとハウンドルーパーが何かを見つけたのか、ビルの影に潜んでいる何かに威嚇をする。

 

「何か見つけたみたいですよ!」

 

「待って!」

 

宍田がハウンドルーパーの反応を見て、そこに敵がいるのと勘付くが、西田が待ったをかけた。今西田はハウンドルーパーをAチームを中心にして探索をさせていた。そのハウンドルーパーたちが陰に潜んでいる何かに威嚇をし始めた。しかも一斉に。

 

「囲まれたみたいだな...。ダルっ...」

 

青沼が危機的状況であることを説明すると、直後にハウンドルーパーたちが威嚇する場所から何者かが現れた。それは一人だけではなく、何人もいた。その数はざっと数えただけでも数十人はいる。

 

「敵は大体数十人。多分もっといるかもね。みんな一ヶ所に集まって」

 

神道の言葉に従うように全員一ヶ所に集まる。お互い背後を取られないようにするためだ。ハウンドルーパーたちもAチームに集まり、守るように戦闘体制に入る。そして陰に潜んでいたホログラムたちが手に持っている武器をAチームに向けて構えた。

 

●Bチーム●

 

「ここは高山かな...?」

 

「広いな...」

 

緑谷や巧がそのあまりの広さに驚いていると、太田がある物を指差した。

 

「あそこにある塔が見えるか?あそこがゴールだ。前にここにきたことがあるからわかる」

 

「なるほど、あそこを目指せば次のステージに行けるということですね」

 

緑谷が太田の説明に納得するが、少し問題もあった。この高山ではかなりの高低差があり、ゴールを目指すにはかなりの困難を極める。一歩でも足を滑らせてしまえば大怪我で済まされないだろう。

 

「とにかく、進むしかねぇな」

 

「あっ!ちょっとたっくん!」

 

考えても仕方がないと巧は一人崖を降りていき、爆豪も巧に負けていられないと後を追い、他も次々と降りていった。幸い、崖はそこまで急斜面でもなく、高くもなかったため、難なく降りることに成功した。巧は辺りを見渡すが、敵の気配は感じ取れない。オルフェノクの力を持ってしても、何もなかった。ここは安全だと先に進むと、すぐに足止めをくらった。

 

「まずいな...」

 

巧が止まった理由は断崖絶壁の場所が目の前にあったからだ。向こう側はかなりの距離があり、一飛びで行けなくもないが、それ以外のチームが行けるかが問題だった。

 

「底が見えないな...」

 

「落ちたらひとたまりもないぞ」

 

さっきの崖とは比べ物にもならないほどの絶壁で、皆どうやってここを越えるのか思案していると、木村が手を挙げた。

 

「ここは私に任せてください」

 

そう言うと木村は両手の指先から糸を出した。

 

ストロングスレッド!

 

木村は指先から出した糸を自在に操り、編み物を作るように糸がどんどん形作られていく。最終的にその糸は編み込んでいきながら向こう岸にある木に結びつき、一本の橋を完成させた。

 

「これで渡れます」

 

そう言って木村は自身が作り出した橋を渡っていく。他の者も恐る恐る橋を渡る。少し強度の面で心配だったが、そんな心配も杞憂だった。この橋を作り上げた糸はまるで鉄のように硬く、いくら踏んでもビクともしなかった。Bチームはその橋を渡り終えると、橋は役目を終えるように姿を消した。

 

「先に進みましょう!」

 

あんなに大きな橋を作れるなんてすごい個性だなと思いつつ、先に進もうとしたその時、木村は足を地面の突起物に足を引っ掛けてしまい、転んでしまった。

 

「お前大丈夫か?」

 

「あはは...。すみません...」

 

巧は転んだ木村に手を貸し、木村は恥ずかしそうに巧の手を取ると突然巧と木村の足を何かが引っ張り、2人を宙づりにしてしまった。その直後、周囲からBチームを取り囲むようにホログラムたちが押し寄せてきた。

 

「クソッ!罠か!」

 

「ごめんなさーい!!」

 

●Cチーム●

 

「「「ハズレ引いたああああ!!!」」」

 

そう叫ぶ犬飼、伊藤、高宮の三人。Cチームは今、吹雪に晒されていた。思っても見ない状況に、Cチームは寒さで体を震わせていた。指先や耳の先は冷たさを通り越して痛みに変わり、歯をガタガタと震わせながら鼻水を垂らしていた。なんとか寒さを凌ごうと両腕で体を摩るがそんな行為は焼け石に水だった。

 

「寒い!さぶい!サブイッ!」

 

「このままじゃ凍え死んじまぅうううう!!」

 

あまりの寒さにここから動くこともできないほどに思考が鈍っていた。とにかく温まりたい。そんな切な願いだけが頭の中にあった。その時、犬飼が呼びかけをした。

 

「みんな俺の周りに集まって!」

 

「はあぁあぁ?なんでえぇえぇ?」

 

「いいから集まって!」

 

犬飼の言葉の意味がわからないが、とにかく何かしてくれることを願い、皆犬飼の元に集まった。

 

「よし。ちょっと待ってくれよ」

 

そう言うと犬飼は自身の手のひらを上に向けた。

 

イグニスフラグメント!

 

すると犬飼の手のひらから小さな炎が出現し、それが上空へと舞い上がると途端にその炎はCチームを囲うように薄い膜を張った。その炎の中に包まれたCチームにちょうどいい暖かさが伝わってきた。

 

「あったけぇ...」

 

「生き返る...」

 

先程まで寒さに震えていたCチームはその暖かさに震えが徐々に治まっていった。なんとか寒さを凌ぐことができたCチーム。あとはどこにゴールがあるのかを探すだけだ。

 

「寒さはなんとか凌げたけど、どうやってゴール探すの?周り見渡しても何にも見えないんだけど」

 

「そこは安心しろ。ここには前に来たことがあるんだ。どっかに山小屋があるはずなんだ。そこがゴール地点だから小さな灯りが見えればいいんだけど...」

 

そう言って辺りを見渡すが、特に灯りのようなものは見えない。まずは探すよりもここから移動した方がいいと考え、動き出そうとしたその時、角取がある異変に気がついた。

 

「あのォ、何か変ナ音しませェンカ?」

 

角取の言葉に全員耳を傾ける。確かに何か妙な異音が聞こえていた。何か大きなものが迫ってきているような音。全てを飲み込んでしまいそうな力強さを感じる音がしていた。全員が耳を澄ませていると、その音の正体に気がつく。

 

「「「「「雪崩だああああああああ!!!」」」」」

 

その正体は雪崩だった。雪崩はCチームを飲み込む勢いで迫ってきており、Cチームは全速力で斜面を駆け降りた。

 

●Dチーム●

 

Dチームは何もない申し訳程度の証明を頼りに進んでいく。あまりの暗さに目に頼って辺りを探索するのは難しい。主に耳に頼りながら周囲を警戒していた。

 

「ここのステージは道が入り組んでいてね、迷路のようになっているんだ。敵とかは少ない分ゴールに辿り着くまで結構時間がかかるところでもあるんだ」

 

響がこのステージの説明をしながら洞窟内を進んでいくとあるところで立ち止まった。目の前には二つの道があり、どちらかがゴールの道に繋がっている。

 

「早速行き止まりだな。どっちに行く?」

 

そう言う百瀬に響は焦る様子を見せずに前に立った。

 

「こういう時は僅かな情報を頼りに動くことが重要だ」

 

そう言って響は右手を上に掲げた。

 

ダークワールド

 

すると響の掲げた右手の手のひらから黒い何かが出現し、この洞窟内を包み込んでいく。チームはこの黒い何かに嫌な気持ち悪さと不安感を感じていた。

 

「すまないみんな。このダークワールド内では不安感や恐怖感を促進させる作用があってね。少し我慢しててくれ」

 

響はダークワールド内で何かをしているのかじっとその場を動かない。その様子に何をしているのかと気になっていると、百瀬がその説明をし始めた。

 

「響はこのダークワールド内だと感覚が研ぎ澄まされるんだ。音とか光とか、風の強さだとかを敏感に感じ取ってどっちに向かうべきかを判断するんだ」

 

百瀬の説明に皆納得していると、突然ダークワールドが収束していき、響の体の中に戻っていった。

 

「左だ」

 

そう言って響は左の道に進んで行き、チームもその後を追った。

 

●Eチーム●

 

ここ研究所では機械やら機材やらでいかにも怪しい場所だと主張するような雰囲気に皆は警戒しながら道を進んでいた。

 

「研究所は罠が多いステージでね。足元とか気をつけたりしてあんまり物に触らないようにしてね」

 

「そうそう。余計なことせずに俺たちに任せとけばいいんだよ。無能は何にもしなくていいんだからな」

 

「ちょっと翼!あんたそうやって人を見下す態度をするなっていつも言ってるでしょ!」

 

「おいここではヒーロー名で呼び合うはずだぜバーン?俺の名前は今リトルウィングだぞ?気をつけろよ?」

 

人を見下すような発言をする木下に阿部は叱責するが、木下はどこ吹く風だと気にしていなかった。そんな木下に対し周りの印象はどんどん下がり続けていく。そんなやり取りをしながら道を突き進んでいくと隣で峰田が小声で木下に話しかけてきた。

 

「なあおい!お前あんな可愛い奴らと一緒に暮らしてんのかよ!どういうことだよ羨ましいんだよこの野郎!」

 

峰田は阿部や棟宮を指差して恨めしそうに木下を見る。そんな峰田に対し木下はゴミを見るような目で言った。

 

「あの二人はやめとけ、お前のためにもな。それとお前年下のくせに俺にタメ口使うのかよ?イカ臭ぇ童貞の分際で生意気な野郎だなー」

 

「誰が童貞だコラァ!!」

 

童貞と言われたことにキレる峰田に木下はゲロを見るような目で見下していた。そんなこんなで歩いていると鉄の扉の前に止まった。

 

「行き止まりみたいだね」

 

物間は鉄の軽く押してみると重いが鍵がかかっているわけではなさそうだった。

 

「このまま押したら開きそうだね...!」

 

そう言って物間は扉を押そうとした時、八百万が待ったをかけた。

 

「待ってください!横に何か書いてありますわ」

 

八百万が指を差す方向に皆が目を向けると何か注意書きのようなものが書かれていた。

 

「この先有毒ガス発生中だってさ」

 

どうやらこの先には人体に有毒なガスが漏れており、もし扉を開けてしまえば毒ガスでチームは全滅だ。拳藤は毒ガスと聞いてあの林間合宿のことを思い出し、少し顔を顰める。

 

「有毒ガスって...!そんな危険なトラップあんのかよ!?」

 

「ここは安心して下さい!私がガスマスクを作りますので大丈夫ですわ!」

 

「残念だけどそう簡単にはいかないみたいよ」

 

八百万はガスマスクを作ってこの通路を通ることができると豪語するが阿部がそれを否定した。その理由を木下が解説する。

 

「この有毒ガスは皮膚に触れるとヤバいタイプだ。所謂神経剤のガスだな。ガスマスクだけじゃ防げない。この前どっかの脳みその少ない奴らがこのガスの中に突っ込んで二週間寝たきりになっちまったことがあってな。あの時はお笑いだったぜ...」

 

邪悪な笑みを浮かべる木下に周りはドン引きする。それはさておき、どうやってこの中を通るのだろうか、この場所に来るまで、一本の通路しかなかった。他に通れるような道はどこにもない。

 

「じゃあどうすれば...」

 

回原がどうすればいいのかと狼狽えていると阿部と木下はあまり不安がる姿を見せていなかった。

 

「そこは安心して!私たちにはのぞみ...!じゃなかった...。レイレディレイがいるから!」

 

そう言って阿部はのぞみを前に出す。棟宮は突然視線が自分に集中したことに驚きオドオドとしてしまう。その様子にチームはこの子にどうにかできるとは思えなかった。

 

「レイレディレイお願い。あなたが頼りなの」

 

「.......うん」

 

阿部に言われ棟宮は覚悟を決めた顔をする。その顔を見た阿部は頷き木下の方を見る。

 

「ほらリトルウィング!あんたも一緒にやるわよ!」

 

「はぁ?なんで俺が...」

 

「いいからやるわよ!」

 

「わーったよ...」

 

木下は渋々阿部に従い、鉄の扉の前に立つ。阿部も木下の横に立つと2人は拳を握りしめた。一体何をするのかと周りは不安がっているのをよそに、2人は拳に力を込めた。

 

フィジカルエナジー!

エメラルドナックル!

 

すると木下の拳が青く光り、阿部の拳はエメラルドのように硬質化した。そして2人の一歩後ろにいた棟宮は意識を集中し、体を光らせる。そして木下と阿部は自身の拳を鉄の扉に向けて放った。

 

「「ハァッ!」」

 

すると鉄の扉ははしゃげてしまい、遠くに吹き飛ばされてしまう。それと同時に鉄の扉によって閉じ込められていた毒ガスが一気に解放され、Eチームに迫り来るが、それと同時に棟宮が目を開いた。

 

ヒーリングシールド!

 

棟宮が両手をかざすと光の壁がEチームを包み込み、Eチームを毒ガスから守った。

 

「これで大丈夫。先に進みましょ」

 

この光の壁があれば毒ガスから身を守ることができる。そう安心するとEチームは先へと進んでいった。

 

●Fチーム●

 

一面砂漠が広がる場所で人工の太陽が燦々と降り注ぎ、Fチームの皮膚を刺してきていた。人工太陽の日から逃れるための日陰も見当たらず、あまりの暑さに立っているだけでも汗がダラダラと滝のように流れる。

 

「暑いいいいいいいぃ...。このままやと死んでしまう...」

 

「日焼け止め塗っておけばよかったわぁ...」

 

そんなことを言っていると轟が周りに氷を作り出してFチームを包み込み、さっきまで暑さで弱っていたFチームが氷の涼しさでなんとか意識を保った。

 

「ありがとうショート!」

 

「ああ...。この暑さは流石にこたえるからな」

 

「ありがとうございます!ショートさんのおかげで生き返りました!」

 

「君のためなら俺はなんだってするよ」

 

結花の感謝の言葉に轟は非常に嬉しそうな顔をする。そんな轟をよそに三原はあることを考えていた。

 

「確かに今は大丈夫かもしれないが、この状態じゃゴールには行けない。氷を作り出しながら移動しようにも君の体力にも限界はある」

 

「かといってこのまま日差しに当たりながら動いてもゴールに辿り着く前にいずれみんな倒れちゃいますよ。日を防ぐものなんてないし」

 

尾白の言う通り、このままでは全員暑さで倒れてしまうのも時間の問題だ。どうすべきか皆考えていると河内が何か妙なことをしていた。

 

「なーに。無いなら作ればいい」

 

河内は地面にある大量の砂をかき集めて両手手で掬うと、突然砂がひとりでに動き出し、徐々に形を変えていく。するとその砂は何枚かの布に変わった。河内はその布を全員に配る。

 

「これで日を防げばいい。無いよりマシだろ?」

 

「砂が布になってもうた!どういうこと!?」

 

「俺の個性は原子核。原子核から形を組み替えて別の原子にした後に新たにものを作り出すことができる」

 

「へ〜。ヤオモモと同じような個性持ってるんやね!」

 

河内の個性に麗日は感心し、川内が作り出した布を羽織る。そしてFチームは轟の氷のドームから出てゴールへと目指した。しばらく歩いていると、三原はなにか異変に気がつき、Fチームに呼びかけた。

 

「お前たちそこを動くな」

 

「どうしたんですか?」

 

三原の声に振り向くFチーム。三原は自身の視線には何かが潜んでいると勘付いていた。すると突然三原は手のひらを上に向けた。

 

フォースバレット

 

すると三原の手のひらから銃のようなものが出現する。見た目的にグロック34の見た目をしており、FB0125という番号のようなものが刻まれていた。三原はフォースバレットを構えると引き金を引いて地面を撃った。その直後、突然地面が爆発して砂埃が舞い上がった。

 

「うわっ!」

 

「なにっ!?」

 

突然の爆発に驚くFチーム。三原は銃の構えを解き、さっきの爆発であることを確信した。

 

「ここら一帯は地雷が埋まっているな。踏み抜いてしまったら死なないにせよ、かなりのダメージを食らうはずだ」

 

そう言って三原はフォースバレットを腰のガンホルダーにしまった。まさかこんな所に地雷があるとは思っても見なかったFチームは青ざめる。

 

「じゃあ俺がここの地面を凍らせて...」

 

「待て」

 

轟が地面を凍らせてしまえば地雷を踏まずに済むのではないかと考えたが、それに対して三原はまた待ったをかけた。そして三原は地面にあった手頃サイズの石を拾うと地雷が余っている地面に向かって放り投げる。投げられた石が地面に落ちた瞬間、地面は爆発してしまった。どうやらちょっとした衝撃でも地雷は反応してしまうようだ。

 

「まいったねぇ。じゃあどうやってここ通るよ?」

 

そう言う河内に皆はどうするべきかと考えていると山吹が前に出た。

 

「ここは私に任せて。いい考えがあるの」

 

そういうと山吹は両手を上に掲げる。

 

ミルキーウェイ

 

すると山吹の前に大量の光り輝く星々が空中で道を作り出した。まるで天の川銀河のようだった。向こう岸に渡れるようになった。

 

「これで渡れるはずよ」

 

そう言って山吹は星の橋を渡って行く。Fチームもその橋を渡って行った。

 

●Gチーム●

 

ここの湿地帯のステージは高い木などが少ない分広い範囲を見渡すことができるが、ぬかるみなどで足が取られやすく中々思うように前に進めない。そして豪雨により冷たい雨を体に打ちつけてくる。

 

「すごい雨だ...!」

 

「どこか雨を凌げる場所は...!?」

 

「残念ながらこのステージはそういう生ぬるい設計はされておらぬ故、この豪雨が止むこともありませぬ」

 

「マジかよ...!」

 

この豪雨。雨が上からでも横からでも降り注いでくるため、まともに目を開くことができない。葉隠に至ってはほぼ裸のようなコスチュームであるため、身体によるダメージが大きい。

 

「こういう時は無理やり止ませればいいのである。ここは麻呂にお任せを」

 

そういうと上条は両手を上に上げて叫ぶ。

 

北風と太陽!

 

するとさっきまで豪雨に見舞われていた湿地帯は一気に晴れに変わり、今までの勢いがまるで嘘のようだった。これが上条の個性なのかと唖然とするGチーム。

 

「これで大丈夫であります。では先に進みましょうぞ」

 

上条は何事もなかったかのように進んでいった。その後に明智と澤田もついていく。その他もついていこうとした時、耳郎はまた澤田の顔を覗き込む。視線に気づく澤田は視線を逸らし顔を見られないようにした。しばらく歩いていると雑木林がある場所に止まった。背は低いものの、おおよそ3mほどの高さのある複雑に入り組んだ雑木林。しかしこの場所を通り抜けなければゴールに辿り着くことはできない。先に進もうとしたその時、一人明智だけがその場で動かずにいた。それに気づいた周りは明智の方に視線を向ける。

 

息潜み

獲物待ち受け

虎視眈々

 

(((((字余り...)))))

 

また一句を読む明智に字余りだったことに気づく周りだったが、明智はそんなことに気にもせず、突然腰から刀を出現させると、黒い鞘から血のように鮮やかな紅色に輝く刀身を引き抜く。そしてあることに気がついた上条は周りに警告を出した。

 

「皆の者!身を屈めるのであります!」

 

「え、なになに!?」

 

突然のことに戸惑う周りだったが、言われた通りに身を屈める。そして明智は刀を構えて深呼吸をし、意識を集中させる。

 

羽撃斬(はばたき)

 

明智は刀を横に勢いよく振ると刀から紅い斬撃が放たれ、雑木林を一瞬で切り裂いていってしまった。斬撃からはものすごい暴風が吹き荒れ辺りを強く靡かせる。その直後、切り裂かれた雑木林の中からホログラムたちが現れ、全て消えてしまった。

 

「ホログラムが潜んでいたのか」

 

「だったら先に伝えとけよ...」

 

明智はこの雑木林の中に敵が潜んでいたことに気がついていたのだ。無口故にそのことを伝えることなく技を繰り出し、危うく味方を傷つけるところであったが、明智は刀を鞘に戻し周りに謝罪を込めた一礼をすると先に進んだ。唖然とする周りだったが、このまま進んでいれば敵にやられていた可能性もあったため、明智を咎めることはせずに先に進んだ。

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