Ateam vs Eteam
このステージは鬱蒼と生い茂る木々と鳥類などの動物たちが存在するステージ。初動で動いたのは青沼と木下だ。
スペースディストーション
フィジカルエナジー
青沼はボールの所までワープホールで瞬間移動し、木下は高速移動でボールまで近づく。先にボールを手にしたのは木下だった。
「遅いぜ」
「ダルッ...」
木下は掴んだボールをマトに目掛けて思い切りよく投げる。
「まずは一点だ!!」
ボールは一直線に飛んでいき、マトに直撃する。するとモニターにEチームに一点が入った。その衝撃が空間全体に広がっていく。
Ateam0 Eteam1
「まぁ、ザッとこんなもんだろ」
最先の良さに余裕な態度を取る木下。
「よっしゃあ!最先いいぜぇ!」
「このままの勢いで三点入れちまおうぜ!」
「みんな油断は禁物よ!!」
最初に得点できたことに大喜びするEチーム。しかしそこで気を緩めていると足元を掬われることになる。マトに当たったボールはそのまま落下し、その真下にいた神道が片手でキャッチした。
「次は俺たちの番だね」
「みんな!点取り返すよ!」
「「「「「おう!!」」」」」
西田がチームを鼓舞する中、神道はボールを水で覆うとボールを投げる。速度は木下が投げた時ほど早くはなかった。
「私にお任せを!」
すぐに捕えることができると思い、八百万が創造でネットを発射する大砲をつくり出し、ボールに向かって放つ。ネットは見事にボールに命中するが、なぜかボールの勢いは落ちずにそのまま直進し続けた。
「な!?」
「貴久はボールを投げたんじゃねぇ。ボールを水で纏って操ってんだ。だからネットなんかで捕らえても動きは死なない」
「じゃあどうすれば!」
「だったら直接捕える!」
八百万がどうするか迷っていると瀬呂がテープでボールを捕らえようとするが、ボールは瀬呂のテープをスルリと避けてまマトへと直進する。
「マジかよ!?」
「俺の話聞いてたのかよ?」
木下は呆れながらもものすごい速度で飛び上がってそのボールを掴む。
「おっと、取られちゃった」
流石の神道も木下のあの速度を避けながらボールを操るのは困難だったようだ。ボールを取られてしまったが、神道はあまり慌ててはいない様子。木下は掴んだボールを運動エネルギーを込めて思いっきり投げた。
「返してやるよ!」
ボールは高速でマトへと一直線と伸びていき、そのままEチームの点になるかと思いきや、突然的の前にワープホールが現れ、ボールはそこを通過。ボールが通った目の前には青沼がいて片手でボールを受け止めた。
「二度も同じ手を使うな。面倒くせぇ」
「ケッ」
青沼はワープホールをマトのすぐそこに展開すると軽く放り投げてAチームに一点が加点された。
Ateam1 Eteam1
「ヤベェ!点入れられた!」
「まだ同点だ!次点取って追い抜く!」
続いてボールを取ったのは拳藤。手を巨大化させてボールを包み込み取られないようにする。拳藤はマトの方まで走っていくが、そこに蛙吹と宍田が拳藤に突撃し、拳藤の拳に蹴りを入れる。拳藤は思わず手からボールを離してしまう。
「しまった!」
その隙に塩崎がツタの髪でボールを掴みそのままマトに向かって投げるかと思いきや上空へと放り投げた。塩崎がボールを投げた先には西田の眷属の一体であるメタルーダがいた。
「そのままゴールまで直進だ!」
西田の命令でメタルーダはボールを掴むと目にも止まらぬ速さで的へと向かう。
「リトルウィング!」
「命令すんなよ!」
阿部は木下に合図を送ると木下は文句を垂れながら木下は両手を合わせて足場を作り、阿部はその足場を利用して踏み込み、同時に木下が勢いよく両腕を振り上げ、阿部を上空へと飛ばす。上空へと飛んだ阿部はメタルーダの真上まで来ると頭部に鉱石を纏った。
ダイアモンドヘルム!
その直後、木下はニヤリと笑った。
ポテンシャルエナジー
するとメタルーダの真上にいた阿部が急速に落下し始めてメタルーダの背中に向かって頭突きをくらわした。メタルーダはその勢いで地面に激突するが、身体の頑丈さも相まって全く効いてはいなかった。しかしながらゴールを決めさせることは阻止できたため上出来だ。
「ほらいい子だからボール頂戴...って無い!?」
阿部はすぐにメタルーダからボールを奪おうとするが、何故かボールが見当たらなかった。一体ボールはどこに消えたのか、あたりを探すとボールはなぜか一羽の鳥が持ち去っていた。
「空の使者よ、お行きなさい。球を目的地へと運ぶのです」
一羽の鳥を操っていたのは口田だった。口田に操られている鳥はまっすぐマトに向かう。
「鳥!?」
「みたいだな」
木下と阿部は急いで阻止しようとするが木下の目の前に青沼が現れて妨害し、阿部にはメタルーダが羽交締めで動きを封じる。八百万や瀬呂たちも得点を阻止しようとするが、その他Aチームに阻まれてしまう。
「まずい!」
もうすぐボールがマトに届きそうになった時突然、鳥がボールを手放してしまう。
「!?」
操っていたはずの口田は何が起こったのか理解できなかったが、鳥のすぐ下を見たら、棟宮が掌から光の粒子のようなものを鳥に向かって放っていた。
ピューリフィケーション
光の粒子に当てられた鳥はその辺りの木に羽を休めた。棟宮は落ちたボールを拾うと青沼がワープで棟宮の背後に周り、メタルーダが棟宮に迫ってくる。棟宮は青沼とメタルーダの隙間からするりと抜け出して回避し、マトに向かって走る。すると阿部の少し前にいた阿部が棟宮に声をかけた。
「レイレディレイ!」
「うん....!」
阿部は棟宮に声をかけると棟宮は取られる前に阿部にボールを渡す。
「ダルッ...!」
青沼とメタルーダは阿部の方に標的を変えるが、目の前に木下が立ち塞がり、手のひらから青い電気を放つ。
エレクトリックエナジー!
スペースディストーション
青沼はすかさず目の前にワープホールを作り上げると、木下が放った電気はそこを通り抜け、マトへと走っていた阿部の方に向かう。
「ヤバっ!」
木下は咄嗟に電気を引っ込めるが、時すでに遅くあと少しで阿部が感電しそうなところで横から八百万が現れる。
「させませんわ!」
八百万は創造で作り出した絶縁シートを放り投げ、阿部を感電から防ぐ。
「ありがとう!」
「お安い御用ですわ!」
阿部は八百万にお礼を告げた後、マトへと走り出す。阿部が走っている途中で蛙吹、宍田、塩崎の三人が立ちはだかるが、阿部の後ろから峰田、瀬路、回原の三人が飛び出す。
「オイラたちに任せろ!」
峰田はモギモギで宍田の足元に投げると宍田は足をとられて転んでしまい、瀬呂はテープで蛙吹を捕らえ、回原は高速回転する手で塩崎のツタを切り裂く。
「みんなありがとう!もう直ぐゴールッ!?」
阿部がマトに向かってボールを投げようとした時、目の前に大きな壁が立ち塞がった。壁の正体は泡瀬が個性を使って木を組み立てて作ったものだった。阿部はもう既にボールを投げてしまって、そのボールは壁に簡単に塞がれてしまい、その隙に青山が華麗にキャッチする。
「お前らがボールに集中している隙に俺たちは完璧な防御対策をしてんだよ!」
「そんな...!」
泡瀬が得意気に話す中、青山はボール軽く上に投げるとボールに狙いを定めてネビルレーザーを放つ。
「僕のネビルレーザーを受けてみるがいい!メスィユー・ダーム!☆」
青山のネビルレーザーの勢いに乗ってボールはマトの方に飛んでいく。
「クソッ!」
ボールはグングンとマトまで伸び、すかさず木下が飛びかかるが、メタルーダが木下を羽交締めで捕らえる。
「おい離せ!」
木下が振り解こうとした時にはすでにボールはマトに当たり、Aチームに得点が入った。
Ateam2 Eteam1
「ヤッタァ!逆転だ!」
「みんな気合い入れるよ!」
逆転で士気が高まったAチーム。あと一点を決めれば、勝利となる。勝ちを確信したその時、遠くから目が眩むほどの青い光がステージ全体を照らした。
「舐めやがって...!俺をコケにするとどうなるかわからせてやる....!」
「あらら、怒らせちゃった...」
「ウッソ...!何アレ!?」
木下は右手に握りしめたボールを大きく振りかぶって全速力で投げる。その速度は青山のネビルレーザーの勢いに乗った速度とは比にならないほどの速さでボールは壁をいとも簡単に破壊し、マトの真ん中にめり込む程に叩き込まれた。
Ateam2 Eteam2
「ケロ。彼すっごく怒ってるみたいね」
「気にしないで。よくあることだから」
マトにめり込んだボールはポロッと落ち、そのボールを青沼がキャッチする。
「はぁ...。向こうも本気だし...こっちも行くぞ」
青沼は気怠そうに手を上に向ける。
スペースドミネーション
すると青沼を中心に空間が歪み始める。地面が盛り上がり、分裂し、木々があらぬ方向に曲がり始め、光が屈折して空間が歪んで見える。いや、実際に歪んでいた。歪みの影響により、重力の影響が乱れ、四方八方に物が落ちていく。AチームもBチームも立ってられなくなり、近くにあったものを掴んでなんとか体を支える。
「うおおおお!?なんだこれ!?」
「サレンダー。無理しないでよ」
「このくらいは余裕...」
青沼は引っ張るような動作をするとEチームのマトが勢いよくAチームの方に引き寄せられる。
「え!?」
「引き寄せられてる!?」
流星塾生以外の雄英生の全員がこの奇妙な現象に戸惑っている中、木下は阿部に指示を出す。
「バーン。足場作れ」
「OK」
阿部は地面に手を置くとEチームの足元全体に鉱石を張り巡らせる。そして木下はその鉱石にエネルギーを流し込む。
フィジカルエナジー
すると鉱石全体が浮き始め、Eチームの足場が安定する。
「私の鉱石は5秒ぐらいで蒸発しちゃうから手が離せなくて動けないの!みんなで頑張って!」
阿部の個性から生まれる鉱石はとてつもない強度を誇る代わりに分子同士の結合が非常に不安定なため、数秒で蒸発してしまうという弱点がある。そのため、こうして鉱石を常に出し続けていないと足場を維持できないのだ。その次に木下は八百万に指示を出す。
「おい痴女。あのボールの偽物と煙玉作れ」
「私の名前はクリエティですわ!」
八百万は木下に怒りながらもいくつかの偽物のボールと煙玉を作る。木下はこれを使ってAチームを撹乱させようという作戦だ。
「
そして次に木下は後ろにいる峰田、瀬呂、物間、拳藤、回原の5人にバリケードを作るように指示を出す。その間に青沼が空間を引き寄せることによってAチームとEチームの距離が段々と近づく。その時、青沼がEチームの足場を歪めようと手を伸ばす。するとEチームの足場が歪み始め、グラグラと揺れ始める。
「うわわ!落ちる!」
「みんなつかまって!」
Eチームが足場から振り落とされそうになった瞬間、棟宮が個性を発動する。
ピューリフィケーション
すると急に揺れが収まり足場が安定した。
「助かった....」
「一体何を?」
「レイレディレイの個性は浄化。害になるものを取り除くことができる個性なの。だからさっきの空間の歪みを取り除いたのよ」
レイレディレイのおかげで足場が安定したEチームは気を取り直す。
「合図が出るまで待てよ」
木下はお互いがギリギリまで近づくのを待つ。
「これで決める」
青沼がボールを投げたと同時に木下が八百万に合図を出した。
「投げろ!」
その直後、八百万が煙玉を投げる。それによりAチームたちの視界が奪われ、Eチームの姿が見えなくなる。しかし咄嗟に西田がメタルーダに命令を出す。
「メタルーダ!」
メタルーダは鋼の翼を羽撃かせ、煙を吹き飛ばす。視界が晴れたと思った直後、目の前には大量のボールがあった。八百万が事前に作った偽物のボールで誰が本物のボールか目で見ただけでは判別できない。そこで咄嗟に西田はハウンドルーパーに命令を出した。
「ハウンドルーパー!」
ハウンドルーパーたちはいくつものボールを口で取る。どれが本物か見分けが付かなくても全て取ってしまえばどれか本物を掴めるはずだ。しかしハウンドルーパーたちが全てのボールを取った瞬間、全て弾けてしまう。
「なっ!?」
ハウンドルーパーたちが取ったのはどれも偽物のボールだったのだ。じゃあ本物はどこだと辺りを見渡すと目の前にEチームがいた。そしてそのチームの1人、木下がボールを持っている。あれが本物のボールだ。八百万が煙玉を投げて目眩しをした時に木下がボールを掴み取っていたのだ。ボールを持っている木下はエネルギーをボールの中に込める。そして野球でボールを投げるフォームを取る。マトはすぐ目の前、決着は目前だ。木下は思いっきりボールを投げた。
スペースディストーション
しかし青沼が木下が投げたボールの目の前にワープホールを作り出し、ボールはそのワーフホールを通り抜ける。通り抜けた先はEチームのマト。これで負けてしまうかと思われたが、全く焦らない木下。なぜならすでに峰田たちがバリケードを作っていたからだ。木下はこれを見越してバリケードを作らせていた。勢いに乗ったボールはバリケードにぶつかる。本来なら先ほどのように簡単に貫いてマトに当たる所だが、木下はあえてエネルギーを抑えていたため、軽くバリケードを破壊する程度にとどまった。そしてマトに当たり損ねたボールは物間呂がキャッチし、木下に渡す。
「はい。最後は君で決めてよ」
「上から偉そうに、お前は俺に指図する権利はねぇ」
木下は物間からボールを受け取り、嫌味を垂れながらAチームのマトの方に振り向く。そして先ほどよりも大きなエネルギーをボールに流し込んだ。そして木下は力を込めて爆音と共に音速を超えるボールを投げた。
「させるか」
青沼は今度は空間を引き延ばした。グングンとAチームとEチームの距離が離れていき、元のフィールドの距離よりもはるかに長くなる。しかし木下のボールは空間が伸びるスピードよりも遥かに速く飛ぶ。そこで神道が音速を越えてたんでくるボールめがけて水を放つ。
ヴァッサーキャノン
勢いよく横に放たれた水柱はボールに直撃する。ボールの勢いは多少落ちたものの、それでも勢いが収まらない。神道はさらに出力を上げるが、それでも勢いは落ちない。神道はさらに出力を上げようとするが、何を思ったのか、神道は途端に腕を下げた。抵抗をなくしたボールは神道の顔の横をかすめ、マトに直撃した。
Ateam2 Eteam3
WinnerEteam
瞬間、負けを悟った青沼は空間を元の状態に戻した。すると歪みは消え、重力場も安定し、阿部はすぐに足場を消した。
「だる....」
勝者Eチーム。その事実にEチームは歓声を上げた。
「やったー!」
「オイラたちの勝ちだーー!」
「やったわね。リトルウィング」
阿部は木下に勝利を分かち合おうと近づく。木下はいつものように傲慢な態度をとる。
「ああ、点決めたのは全部俺。つまり全て俺のおかげだ」
その態度に阿部はため息をつく。
「はぁ、みんなのおかげでしょ?あんた1人じゃ無理だったじゃないの」
「......かもな」
「え?」
木下には珍しく自分以外を褒めるようなことを言う。
「99.99%は俺のおかげ。残り0.01%はあいつらのおかげかもな」
しかしそんな期待も裏切るように、いつもの木下で阿部は呆れを通り越して怒りが湧いてくる。
「翼!!」
「リトルウィーーングだ!ルールを守れバーカ!」
「うるさい!!」
するとEチームの目の前に扉が現れた。突然現れた扉にEチームはその扉に視線を向ける。
「何あれ?」
「あれはのチーム戦の通路よ。みんな行きましょう!」
Eチームは阿部の後についていき、扉の中へと入って行った。一方、敗北したAチームの目の前に通路が現れていた。この通路は出口に繋がっているらしい。
「ごめん。俺のせいで負けちゃった」
「いや、ロンリーハートのせいじゃないよ。みんなよく頑張ったさ」
神道がAチームに謝罪する中、西田がフォローする。すると蛙吹が神道に一つを質問をした。
「ロンリーハート。なんであの時、手を下げたの?」
その質問に対して神道は特に躊躇うこともなく答えた。
「あれ以上は止められなかったと思ってね。それに周りに被害が大きくなっちゃうなって思ったんだ...」
「そうなのね。それならいいわ。私てっきりあなたが諦めちゃったのかもって思っちゃたから」
「俺たち流星塾はみんな諦めの悪い奴ばっかりだよ」
神道はそんな言葉を蛙吹に呟く。すると青沼が口を開いた。
「早く帰るぞ。疲れた。だりぃ...」
「そうだね。みんな帰ろっか」
Aチームは疲れた体を軽くほぐしながら、出口へとつながる通路を進んでいった。