故にロマリア皇国のいう「異教」とはエルフでは無く、かつて始祖を追い立てた勢力の事であり、「奪われた聖地」とは「地球」のことです。
拙作では大隆起を阻止することで一致しており、ハルケギニアの地を捨てて地球に移住する事は考えていません。
何せ「地球」は環境破壊が進みすぎたディストピアということをロマリアは世界扉(ワールドドア)で知っていますから。
…あの状態の「地球」を欲しがる勢力はちょっと思いつきません…。
アンリエッタが体内の水の流れを調整して二人を沈静化させたこともあり、翌日には行動可能になった。
『貴女は、貴女は…悪い人ではない。それは、理解した。だが…貴女を妹として受け入れるには時間が欲しい。』
絞り出すような腹違いの姉から受けた言葉に、ティファニアは頷く事しかできなかった。
翌日出勤し、何故王宮の一角がこんな破損しているのか?とデムリ卿は問いただしたくなったが、『アルビオン王と王妃が極秘に来ていてトラブルが起きた。』
という説明を受けて引き下がる。修繕費は王宮の修繕費に計上されている予算から出ることとなる。
デムリ卿が深く問いたださなかったのは、アンリエッタがルイズにした『お願い』を忘れられないからだ。
あのお方は嫁いだのにまだやらかすのか?と本人が聞けば憤慨する事を想像しつつ、修繕のために土メイジを手配する。
秘密裏に妹夫婦をアルビオンに帰国させ、ティファニアを王宮の貴賓室に匿いつつ…ザナックは本腰を入れてロマリアの案件を処理に取り掛かる。
先日の公爵令嬢襲撃について、正式にロマリア皇国への抗議を行う根回しが整い。
まずは協議のため、在トリステインのロマリア大使を呼び出すことにしたザナック。
「それにしてもロマリア皇国、か」
「ザナックは、行った事ある?」
「いや、無いな。」
「…私は幼少期にモード大公と母上と共に訪れた事がある。光の国、その話通りに美しい街並みと聖堂が印象的だった…。でも」
「でも?」
「モード大公に連れられて路地裏に入った時。やせ細った乞食が大勢居た。そんな彼らを、治安維持の名の下に…健康で身なりの整った聖堂騎士団が乱暴に扱っていた…。」
「…そう、か」
「『ここは光の国ではないのか?』とか細い声で嘆く乞食に暴力をふるう聖堂騎士を見て、咄嗟に杖を抜きかけた私を…モード大公は止めた。『他国の事に干渉すれば、祖国に迷惑がかかる。だからよく見ておきなさい、これがブリミル教の現実だ。にも拘らず、ロマリアはこの現実を認めようとしない。光の国と宣伝するから、こうして難民が押し寄せる事態を招いている』と。母上からは『現実を認めない為政者に、決してなってはならない。夫がそうなろうとしていたら止めなさい』と諭された。」
「リリーシャが、内戦の後に復興をしようとしたのは」
「あの日見た光景が、忘れられなかったから。」
リリーシャは一人の老人に目を向ける。
「枢機卿猊下に聞きたかった事がある。」
「なんでしょう?正妃様。」
「他国人でも気になっていた。どうして、猊下はロマリア皇国の教皇への道を選ばなかったのか?」
それはザナックも思ってはいたが、それどころでは無い事態だった事と、聞いてしまって関係が悪くなることを恐れて聞けなかった事だ。
一方でマザリーニは「王妃様は今まで実の父親を父上と呼んで居たのに、今日になってモード大公と他人行儀のように呼ぶのは何故だろう?」
と思ったが、そこには触れず話を進める。マザリーニの直観は、『そこには決して触れるべきではない!』と警告を発している。
「…ロマリアには、保守派と改革派があります。大多数を占めるのが保守派。今の教皇は、改革派です。」
「待て、それでどうやって教皇になれたのだ?」
「保守派は多いですが、派閥も多く足並みを揃えられませんでした。私に帰国要請が出たのはその為です。」
「…なるほど。」
「私がトリステインに留まった事で足並みが乱れた保守派が敗れ、改革派である今の教皇が消去法で選ばれた、というのが実情です。アクイレイアは、保守派の重鎮ですな」
―――――
トリステイン王国ロマリア大使館の駐留大使、サウル大司教はこの日。トリステイン王政府からの呼び出しを受けた。
内容は。
『貴国のアクイレイア聖堂の関係者が、ヴァリエール公爵家の令嬢を襲撃した件』
というものだ。真っ先に誤報、それか第三国の謀略を思い浮かぶが、まずは情報を収集しなければならない。
部下を送って調べさせたところ、事実ということが明らかになった事で彼は激怒した。
自分に話を通さずに、そんなことをされては…いや、そもそもするな!
何を考えている!ただでさえ、大隆起が起こるかもしれないというのに…。
今のトリステインと事を構える訳にはいかない。領土は小さくとも、ザナック王の統治により大きく改善しつつある。
もはや侮れない国家だ。
「赴かねばならないか…。」
覚悟を決め、交渉をするべくサウル大司教は赴く。
―――――
対応に来たのは、マザリーニ枢機卿だったことでサウルは安堵する。
二人は顔見知りだ。
「…マザリーニ猊下。お伺いしても?」
「この度の案件について、被害者の身内はもとより、ザナック陛下も大変お怒りだ。」
「拘束した者がいるなら、会わせて頂きたい!」
「サウル殿。私は、トリステイン国王ザナック陛下の家臣だ。肩入れは出来ない。」
マザリーニの意思は固い。かつての後輩だが…。
ロマリア皇国からの帰国要請を断ってトリステインに留まった選択をした時点で、聖職者ではなく外交官としてトリステインにとどまっている。
―――――
謁見の間。そこで、サウル大使はザナックと対峙する。
「ようこそ、ロマリア大使殿。早速本題に入らせて頂きます。捕縛したアクイレイア聖堂の関係者を逃がすために協力していた者は全員極刑に処しますが、ロマリアの意見も聞くとしましょう。」
西方聖典の大多数は逃げおおせたが、彼らをサポートするために潜り込んでいたアクイレイア聖堂の関係者はザナックが張り巡らせた包囲網により一網打尽にされていた。
「おい、少し性急だぞ。」
「被害者は私の義妹にとって掛け替えのない親友。彼女を誘拐されたにも関わらず甘い対応をしては、義妹とヴァリエール公爵家に対して、私の面子が丸つぶれです。」
「それもそうだが…。」
まずはリリーシャが圧をかけて、ザナックがその圧を抜く事でロマリア大使から本音を引き出すのが目的である。
それは確かな功を奏し、いきなり究極の二択を王妃から迫られたサウル大使は、何とか表情を取り繕う。
正直、こんな事をやらかしたのであれば切り捨ててしまいたいが。
アクイレイア聖堂の西方聖典の武力と、彼らが保持する秘薬の存在もあって、ロマリア保守派では大きな力を持っている。
ロマリア皇国はかなり割れている。大多数の保守派と少数派である改革派の対立、その保守派もそれぞれ派閥があってまとまりがない。
マザリーニの帰国を促さねばならないほど、保守派の分裂は深刻。
今は大隆起の阻止で足並みをそろえたいのだが、その後の利権で揉めている状況だ。
漆黒聖典とその配下は、エルフに立ち向かって獅子奮迅の働きを示した。その子孫で構成された西方聖典は、間もなく勃発するエルフの過激派との闘いでは欠かせぬ存在。
だというのに。始祖の秘宝と指輪、それに担い手を囲うことで権威を高めようとするのだから、度し難いにも程がある。
ゆえに、真相を告げることにした。
「陛下は。大隆起をご存じですか?」
「なんだそれは。」
「…ハルケギニアの地下には風石がたまり、ある程度蓄積されると…ハルケギニアの大陸が天空に向かって飛んで行ってしまうのです。」
「は?」
ザナックの思考が停止し、空白になる。この場にいたのがザナックではなく、ラナーでさえも同じように思考が停止するだろう。
「浮遊大陸アルビオンは。かつて起きた大隆起の名残です。」
「で、出鱈目を!祖国が大隆起とやらの名残?!」
「事実です。ロマリアはそれを阻止するための方策を模索し続けて来ました。解決策はあります。」
「解決?どうやって?ハルケギニア中の土地を掘り返すとでも?」
「亜人のいう『大いなる意思』という精霊石の塊。それを虚無魔法の『爆発』で吹き飛ばす事で阻止できるのです…。かつて、始祖ブリミルは半分を吹き飛ばしました。我々が、残りを消し飛ばさねば…ハルケギニアは人が住める土地がなくなります。エルフの過激派は、我々の行動を阻止しようと目論んでいます。そうすれば、我々は滅び去るのですから…。我々は、虚無の担い手を連れて砂漠を越え、エルフと戦いながら、『大いなる意思』を破壊せねばなりません。かつての始祖がそうしたように。」
サウル大使は深々と頭を下げる。
「西方聖典は、かつてエルフを大いに討ち取った漆黒聖典の子孫。エルフとの戦いにおいては貴重な戦力。ザナック陛下、もはや時間は残されていないかもしれないのです。お慈悲を」
ようやく、ザナックの頭脳が活動を再開する。
耳には入っていたが、理解が追い付いていない状況だったが、徐々に内容を把握していく。
「…事情は、いまだ呑み込めないが…。切羽詰まっていることは、理解した。」
「では!」
「だが、担い手である公爵令嬢を襲ったことは事実。ヴァリエール家の当主に娘を襲った連中はお咎め無し、その上で娘を最前線に連れていく、と言えば。ヴァリエール公爵は娘を実家に連れて帰るだろう。そうなれば、担い手が一人欠ける事になる」
「それ、は。」
「協力するが、こちらとしてはアクイレイア聖堂の解体は前提条件だ。」
「…わかり、ました。トリステインの国法に基づいて、裁いてください…」
「最後に一つ聞く。貴方はどうなのだ?大隆起の阻止が最優先なのか?」
「はい。大隆起を阻止出来るのであれば、この命をなげうつ覚悟があります。」
「…わかった。大隆起の阻止には私も協力する。」
想定外すぎる話になってしまった。
ザナックでさえ、心を落ち着かせる時間が必要だった。
―――――
同時刻。アクイレイア聖堂にとらわれの身となっていたルイズは、護衛と言う名の監視が付けられていた。
だが、彼らから聞かされた話は、衝撃が大きかった。
「大隆起ですって?」
「うん。貴女の元婚約者、ワルド子爵の母君も真相にたどり着いていた。」
「ええっ?!」
義理の母になりうる人物の真相を知って、ルイズは驚愕する。
「ワルド子爵が聖地に行かねばならない、そう思うようになったのは…亡き母親の遺言である、私は考えている。マザリーニ枢機卿の覚え目出度く、貴女を娶ればヴァリエール家の力も得て国政に食い込める立場でありながら、レコン・キスタに身を投じたのはそのためかと。」
「そんな、そんなことは一度も…。」
「信じられる話ではない。実際、この話が広まればハルケギニアの土地価格が暴落し、自棄になった民が暴動を起こしたり、こぞって東方や、砂漠へ逃げ出しかねない。」
「……。」
考え込んでいたルイズは、目の前の監視兼護衛の金髪で紫の瞳を持つ可愛らしい少女が、次々と料理を完食していく様を見つめる。
「それにしても、西方聖典ってみんな紫の瞳なのね。」
「西方聖典第ゼロ席次は、東方から現れた人物、漆黒聖典。私たちは彼の子孫。」
「ぜ、ゼロですって?!」
「彼は頑なに、第一席次を名乗る事はしなかった。そう聞いている…。」
卵を10個使ったオムレツと、ゆでた芋、山盛りのサラダを平然と完食した護衛の少女と共にルイズはアクイレイア聖堂を歩く。
その荘厳な内装に、公爵令嬢であるルイズも圧倒される。
やや歩くと、持ち運びに便利そうだが、あちこち傷ついている手記がガラスケースに収められている事にルイズは気づく。
「あら、あれは?」
「あれが第ゼロ席次が残した手記。」
東方。もしかして、才人がいたアーベラージなのかしら?
興味を持ったルイズは祈祷書が輝いている事に気づく。
「虚無魔法…リコード?!」
記されたルーンを唱えると、手記が輝く。
―――――
気が付くと、ルイズの周囲には見知らぬ地が広がっている。どこだろうか?聖堂のようだが…。
ブリミル教の聖堂では断じて違う。東方か?
「…アデル。お前を漆黒聖典に迎え入れる。」
「ありがとうございます。神官長様。」
「これからも、人類の守護者として励むように。」
深々と一礼する青年。黒と赤が混ざった髪に紫の瞳。
6つの紋章が印象的な部屋から長い廊下を歩き、退出する。
しばし歩くと…。三人の同じような服を纏った男女が駆け寄ってくる。
「アデル様!漆黒聖典への昇格、おめでとうございます!」
「ありがとう、バート。当面は一緒に任務をこなせないと思うと寂しくなるな」
「あら。私はすぐに追いつきますわ!」
「それまで亜人やモンスターに後れをとったりしないでくださいよ!」
朗らかに笑う青年。
実に楽しげだ。
そんな彼らのすぐ近くに、銀色の鏡のようなものが浮かぶ。
『召喚のゲート?!』
ルイズはその正体に気づく。
「アデル様!あれはいったい…」
「何かしら。鏡?」
「いずれにせよ、報告を!」
「待て待て、この程度の些末な事に一々報告していたら…そんな事も自力で処理できないのか?と叱られてしまう。」
木の枝やら、小石を投げつけるアデル。だが、何も起きない。
「なんでしょうか?これ。」
「わからん…だが、気になる。」
触ろうとするアデルに対し、他の三名が止めようと服や肩を掴む。
だが、アデルの力が強く。その手がゲートに触れてしまった。
―――――
場面が切り替わる。
「ここは、どこだ?!」
「少し、乾燥している…」
「さっきのって、上位転移(グレーター・テレポーテーション)では?!」
「馬鹿な、あんな銀色の鏡ではなかったはずだ!」
動揺するメンバー。そんな中、アデルが剣を抜く。
「構えろ、血の匂いだ!」
「っつ、天使たちを召喚します!」
未知の場所で動揺するも、即座に戦闘態勢に入る。よく訓練されている。規律を貴ぶヴァリエール公爵家の一員であるルイズから見ても見事な動きだ。
彼らが駆けていくと、目の前でエルフが曲刀を人間に振り下ろす光景が広がる。
血しぶきを上げて、倒れ伏す人間。ルイズは思わず口元に手を当てる。
「思い知ったか、蛮人め!ん?」
「…エルフ!」
「我々は、鉄血団結党!蛮人、貴様らは見慣れぬ服装をしているな…何者だ?」
「スレイン法国の、漆黒聖典だ!」
この青年は…「人類の守護者として励むように」と神官長なる人物に言われていた。
きっと使命感が強いのだろう。だが、相手はエルフ。
剣で勝てる相手ではない。そう思っていたルイズだが。
剣が一閃されるたびに、完全武装しているエルフの首が飛ぶ。
召喚された「天使」なる存在が空中から襲い掛かり、エルフを討ち取る。
17人のエルフを討ち取ったが、アデルだけではなく、他の隊員の息も荒い。
「アデル様、一時撤退しましょう。」
「そもそも、ここがどこか不明です。」
「バハルス帝国だろう?エルフに鉄血団結党なる組織がある事を報告しに戻ら。」
隊員の一人は最後まで言い切る事が出来なかった。
血しぶきをあげて、倒れ伏す仲間にアデルが叫ぶ。
「バートッ!」
「…残りは後3匹か。侮るな、確実に一匹ずつ仕留めろ。」
鉄血団結党でも、慎重かつ腕利きのエルフが包囲網を敷き始めたようだ。
なれない地形、敵の数も不明という絶望的な状況でも。
漆黒聖典であるアデルは諦めず、エルフを討ち取っていく。
だが。
「…アデル様、レックスが…。」
「そう、か。済まない、ティナ。君を巻き込んでしまって。」
一人、一人倒れていく。散らばっていたエルフ達が集まりつつある。形勢は不利だ。
それでも諦めず、十数名のエルフを討ち取る戦果を上げている。
「蛮人如きがっ!我々の崇高な使命を妨害するだけにとどまらず、同志を殺害するとは…!もはや許さぬ!」
豪奢な甲冑を着こんだ髭面のエルフが現れ、曲刀を抜く。
「…お前が指揮官か。」
「だとしたら、どうする?」
「お前を討ち取って、この殺戮を終わらせる。」
剣を構えて対峙し、部下と思われるエルフが包囲をしようと動く中。
「っつ、魔法最強化(マキシマイズマジック)!魔法の矢マジック・アロー!」
ティナが何やら唱えた後、マジック・アローを発動。
だが、マジック・アローは途中で『反転』する!
『エルフのカウンター?!』
放った魔法がそのまま反射される、という現象に対応できず、ティナは鮮血を噴き上げながら倒れ伏す。
「どう、し、て…いや、まだ、死にたく、な…」
「ティナっ!」
「クククッ、蛮人、お前の攻撃は通じない!このまま、なぶり殺しにしてやる!」
致命傷を負って倒れ伏す女性。隊員は全滅。
冷酷な目のエルフに対し、アデルは神経を研ぎ澄ます。
「ディメンジョナル・ムーブッ!」
「?!消えっ、後ろかっ!」
「流水加速っ!」
咄嗟に曲刀で防ごうとしたエルフだが、曲刀の刀身と腕をアデルは切り飛ばす!
「がああああああああっ!蛮人、蛮人風情があああああっ!」
荒い息をつくアデル。周囲のエルフが迫る中。
煙幕がまかれる!
「くそっ!蛮人、蛮人めぇええええ!」
「アストス様っ!お怪我は…」
「それよりも蛮人だ!あの蛮人は見つけ出して…殺せぇええええええっ!」
―――――
ふと、ルイズは我に返る。
「…今のは、夢?それとも幻…。いえ、これは。これが、リコード…。」
本当にあった事に違いない。彼の記憶。
エルフが人間を襲っている場面に遭遇して、逃亡では無くて戦う道を選ぶ。
最期まで逃げずに立ち向かった漆黒聖典のアデルの気持ちが、ルイズにはわかる。
魔法を使えるものを貴族と言うのではない。背中を見せないのが貴族なのだと。
彼は、あの後。西方聖典を立ち上げたのだろう。その際に自ら「第ゼロ席次」と名乗ったのは…。祖国への、帰還を考えていたからではないか?
それは叶わなかったようだが…。
「…ヴァリエール様。い、今のはもしや…虚無魔法?それも、新たなものか?」
「リヒテン枢機卿…。」
豪奢な服を纏った男。誘拐を指示した首謀者である事もあってルイズの眼は険しくなる。
「馬鹿な!虚無魔法の習得には指輪と始祖の秘宝が無ければならないはず!水のルビーはトリステイン、風のルビーはアルビオン、土のルビーはガリア、火のルビーはロマリアから失われて久し…ん、んん?!」
リヒテンの眼が丸く見開かれる。
「ま、まさかそれは!火のルビーか!は、はは、はははははははっ!ロマリアから持ち出された火のルビーを取り戻したとあれば、ヴィットーリオを蹴落とせる!よし!神と始祖の思し召しに違いない!」
大陸が空に飛んで行ってしまう『大隆起』の対処に協力してください!と言う依頼をオバロ勢が聞けば目が点になるでしょうね。
エルフのアストスが使った「カウンター」をアデルが突破出来たのは、元々アストスのカウンターを張るための契約が万全ではなく、直前でティナが強化した「マジック・アロー」で「カウンター」がかき消されていたからです。
「カウンター」が失われたものの、はったりをかましていましたが…「遠距離攻撃がダメなだけ」と判断したアデルに接近戦で切られたから敗れた、というのが真相です。
今回書いていて思いましたが、オバロとゼロ魔のクロスオーバーでスレイン法国出身者…例えばエルヤー・ウズルスがハルケギニアに来る展開を書くならば、ルイズが召喚するよりも今回の流れがいいと思います。「ゲートを潜ったから使い魔になれ」よりも「ゲートを潜ったらエルフが人間を虐殺していた」方が介入するきっかけにしやすい上に、カルネ村の虐殺を見てモモンガさんが介入する、というのがオバロの第一話ですから。