トリステイン王子、ザナック!   作:交響魔人

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ビダーシャルがオバロ現地に行った場合、どれぐらいの強者として認識されるのでしょうか?
…エルフの「カウンター」が位階魔法をどこまで跳ね返せるか、という事でも変わってくると思いますが。


外伝:タバサとヘジンマールとビダーシャル

 蛮人が軍事活動を進めている事を察知したエルフ達は、行動を開始する。

 

 

『蛮人の国で一番大きな国、ガリア王国。国王の縁者を捕えれば交渉することも可能なはず。』

 

 評議会(カウンシル)からの命令を受け、ビダーシャルが交渉役として選ばれた。

 上からの命令である以上、ビダーシャルも断れない。

 

 

 伝手を使い、ガリア王国へ潜入。ガリア王族特有の「蒼い髪」の人物を捕えるべく、ビダーシャルは行動を開始する。

 

 

 

 

―――――

 タバサは、杖を握りしめながら唇を噛みしめていた。

 望まぬ任務で、クラスメイトを襲撃して失敗。身柄を拘束されたものの解放され、実家に帰ったら…。

 

 

 忠実な老執事ペルスランが言うところによれば、エルフが待ち受けているというのだ。始祖ブリミルはどこまで自分に試練を下すのか。

 危険だ、というヘジンマールを制し、タバサは向かう。

 勝てるとか勝てないとか、そういう問題ではない。もう、戦うしかない。

 

 

 慣れ親しんだ屋敷だが…。この先に行くな、と生存本能が警告を発する。

 大広間に、それは待ち構えていた。

 

 

 

「我はネフテス老評議会議員のビダーシャル。」

「母は、無事?」

「危害は加えておらぬ。娘よ。降伏して欲しい。我の目的は、この国の王と交渉する事。」

「私は、人質ということ?」

「逃げるのであれば追わぬ。母親の方を捕らえるだけだ。」

 

 

 その言葉でタバサは杖を構える。

 交渉決裂、となってもビダーシャルは動かない。この期に及んで、敵としてすら認識されていない事にタバサの怒りが膨れ上がる。

 

 

 今まで戦ってきた、どの敵よりも強い。

 この一撃にかける。そう思い、渾身の精神点を込めた「エア・ストーム」は。

 

 

 そのままタバサに跳ね返ってきた。

 

 

 

 

―――――

 この娘はガリア王族の一人。これで、交渉の札が手に入った。

 そう思ったビダーシャルは、屋敷の外に出ると…何かが向かってくる事に気づく。

 

 かなり大きい使い魔、ドラゴンだろう。そう思っていたビダーシャルだったが。

 

 

「引け、竜よ。大いなる意思は我とお前が戦う事を望ん…で…」

 

 ピダーシャルは、絶句する。

 

 

 …どら…ごん?

 その外見はドラゴンといえなくもないが。

 

 

「…韻竜、か?」

 

 

 エルフが問いかけて来たことで、ヘジンマールはその鋭敏な頭脳を巡らす。

 相手のエルフは困惑している。ならば、ここは…。

 

 

「私は、アゼルリシア山脈に住むフロスト・ドラゴン・ロード、オラサーダルク=ヘイリリアルが長男、ヘジンマールである!」

 

 

 父が良く取っていたポーズを真似て、ヘジンマールは威嚇する。

 ピダーシャルの表情がこわばる。

 

 

 アゼルリシア山脈?!フロスト・ドラゴン・ロード?!

 ピダーシャルであっても情報量が多くて脳が処理しきれないところに。

 

 ヘジンマールは、ドラゴンブレスを叩きつける!

 

 

 あらかじめ発動していた「反射」のおかげで、無事だが…。ピダーシャルは戦慄する。

 

 ドラゴン・ロードの長男、と言っていた。つまり、家族がいるという事を示している。

 もはや絶滅寸前の韻竜でありながら…家族で暮らしている?!

 

 

 評議員として聡明なビダーシャルはヘジンマールが『嘘をついていない事』に加えて、『誰か』を『模倣』している事まで看破した。だから、気づいた。気づいてしまった。

 

 

 オラサーダルク=ヘイリリアルなる『未知』の韻竜王は、実在する事を。

 息子に対してどう思っているのかは不明だが、危害を加えれば自分たちに対して良い感情を持たないであろう事も瞬時に理解する。。

 

 

 この韻竜単体であれば…勝てる。だが、長男ということはほかに子供がいるはず。

 未知の韻竜の一族と事を構える?敵対して勝てればよいが…例え勝てても受ける損害が計り知れない。

 

 

「韻竜よ!お前と争う意思はない!大いなる意思は我々の争いを望んでいない!」

「彼女を置いていくなら、父上には何も言わない。」

 

 ヘジンマールの眼をビダーシャルは見つめる。嘘は、ついていない。

 ガリア王との交渉が決裂し、その上オラサーダルクなる韻竜王の一族との交戦という可能性がよぎり、ビダーシャルは決断を下す。

 

 

「…よかろう。この娘は連れて行かぬ。我も、この国を去る。」

 

 

 未知の存在、ということでビダーシャルは撤退を選択する。

 ヘジンマールのすべてがブラフだと気づかずに。

 

 

―――――

 …引いてくれた、か。

 ヘジンマールはホッとする。

 

 

 

 まさか、自分のドラゴン・ブレスが自分に返ってくるとは思わなかった。

 冷気に対する耐性があるから無事だったが…。

 

 

 なるほど、タバサが自分を制したのも分かる。

 

 

 全てはブラフでしかない。あのエルフが、自分の言葉を嘘と決めつけたり、思慮深い性格でなければ自分は死んでいただろう。

 だが。

 

 

 使い魔は、主人と視界を共有できる。

 それにより、ヘジンマールは相手のエルフが非常に理知的、理性的な性格であることを知った。

 

 

 ヘジンマールは、自分がフロスト・ドラゴンに生まれた事に感謝しながら…タバサを連れてトリステイン魔法学園に戻る。

 この屋敷より、あそこの寮のほうが安全だ。

 

 




先住魔法を使えるというのがシルフィードの強みですが、ハルケギニアでは「未知の韻竜」という錯覚資産を持っている事がヘジンマールの最大の強みだと思います。
…逆にシルフィードがオバロ現地に行った場合、長生きは難しそうですね。

Q:ビダーシャルとオラサーダルクが戦ったらどうなりますか?
A:オラサーダルクが勝ちます。

Q:オラサーダルクと鉄血団結党全員が戦ったらどうなりますか?
A:鉄血団結党が「火石」を使い、その爆発に巻き込まれたらオラサーダルクも死にます。
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