ターフの景色   作:にんじんぷりんとにんにく

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深い空


ターフの景色

今日も私は夢を見る

 

あなたを抜き去り、1番でゴール板を横切る姿

何度も脳内で繰り返したレース

敗北を繰り返し、その度に折れそうになる私の心

何度運命を呪ったか

何度あなたがいなければと思ったか

そして

何度あなたに憧れて

何度あなたを求めたか

あなたは決して気づかない

あなたの目に写るのは誰?

 

変則二冠

どれだけのウマ娘が私を祝福してくれただろうか

私は確かに満たされていた

その時だけは

 

 

あなたの存在は知っていた

 

"常識やぶりの女王"

 

私達が乗り越える壁だった

前ダービーウマ娘

安田記念制覇

成る程私が倒すのにふさわしい

この東京のステージで

地につけて

私が新たな女王になる

 

けれどもあなたは

"緋色の女王"を見ていた

 

完敗だ

完全に負けた

あのステージに私は立ててすらいなかった

女王と女王のぶつかり合い

あのレースはそう呼ぶにふさわしい

控え室に下がれば

トレーナーが慰めてくれた

「仕方がない」「あれは次元が違う」

…聞きたくない

言い訳なんざ聞きたくない

確かに次元は違かった

そんなことはわかっている

わかっている…

…だけども決して届かないレースではなかった

食らいついた

二人の女王を引きずり下ろそうと

必死に

だが結果はこれだ

あぁくそ

認めよう

あなたは確かに女王だ

 

…だが

だが勝てない訳ではない

あれは届く

勝てる

勝てる相手だ

ならやることはただひとつ

トレーニングだ

 

 

 

 

…勝った

いや、勝ったと言っていいのだろうか

確かに女王に先着した

だが私の前に一人いた

先着は勝ちなのか

…これで一勝一敗だ

そう、一勝一敗

次こそ先着し

一着も私が手にして

完膚なきまでに勝利しよう

あなたを倒したら次は緋色の女王だ

 

 

 

 

 

 

緋色の女王のいないレースは女王の独壇場だ

決して他のウマ娘達が弱いわけではない

G1に出走しているだけで彼女達は強い

だが女王がそのレベルから逸脱しているだけだ

女王はなにやら吹っ切れた顔をしている

成る程、年明けの府抜けた感情はすでに置いてきたようだ

ならば不足なし

私もベストで挑もうか

 

 

 

 

八万人の観客は

前人未踏の記録を見にきているようだ

女王は当然一番人気

私は二番人気

成る程

別に不満はない

…いや少々気に入らないが

だが人気で結果が決まるわけではない

女王は気合いが入っている

当然か

女王の目には私が写っていた

そうだ

そうだ!そうだ!

私を見ろ!女王!

お前のライバルは緋色の女王だけか?

それともあの先輩か?

はたまた夢への旅路か?

違う

今女王の最大のライバルは私だ!

あの日から

あの京都から

私はずっとあなたを見ていた

あなたと走れることを夢見て

あなたを倒すことを夢見て

あなたが私だけを見てくれることを夢見て

最高の瞬間はまだこない

だって来てしまったらそれは

私の夢の終着駅だから

だから…

だからどうか

折れてくれるな"私の最強"

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