ぐ~…
『どうしたの、ヒナ?おなか空いちゃった?』
「うん…」
『あ、そっか。今日はあれだったね。はい、どーぞ!』
「いつもごめんねぇ…それじゃいただきます!」
かぷっ
『うっ…』
「ごめん、痛かった?」
『大丈夫だよ!もう慣れたから!』
「すぐ終わらせるから、もう少し我慢しててね」
今日は、二週間に一回の吸血の日。ヒナは吸血鬼だけど、人の血を吸わなくていいとか、日光やにんにくの克服をしためずらしいタイプらしい。おじいちゃんが言ってたから間違いない。
普段はヒメと同じ食事をとっているけど、たまに血がとりたくなる。痛いはずなのに、いつも協力してくれるヒメのことが大好きなんだ!
一度だけ、
「パックの血が売ってあるから、それでもヒナは大丈夫だよ」
って言ったことがあるんだけど、そしたら
『誰のものかわからない血なんて、ヒナに飲ませられないよ!ヒメの血じゃいや…?』
なんて言われたから、ずっとヒメの血をもらっている。
…そういえば、おじいちゃんがなにか言ってたような気がするけど…ま、いっか!
翌朝
『ナ…ヒナ、起きて!』
「う…どしたの?まだ5時だよ?」
『なんか、牙生えてきてるし、羽生えてるんだけど…どうしよ!?』
「え!?ちょっと見せて!」
…ほんとだ…ヒメが吸血鬼化してる…
あっ!そうだった…。同じ人から血をとりすぎると耐性ができて、その人も吸血鬼になるって言われてたんだった!!
「え~っとね、ヒメ、落ち着いて聞いて欲しんだけど…実は…」
すべてのことを話し終えるとヒメは、
『なんだ~、そうだったんだ!よかった♪』
なんて言うものだからびっくりした。
「いや、吸血鬼だよ?大変じゃない?」
って聞いてみたら、
『確かに大変かもしれないけど、ヒメの好きな人と一緒になれたことがうれしいから//』
なんて顔を真っ赤にして言うから、ヒナまで恥ずかしくなってきちゃった…
「そうなの…?それならいいけど//」
『へへ!お揃いだね!!』
あれ、ヒメってこんなに可愛かったっけ?改めて見ると可愛く感じてしまった…
『でも、お腹空いちゃった…』
「あ、まだ血飲んでないもんね。どうしよう…?」
ここで思いついた。ヒナの血があるじゃん!と。
「ヒナの血でも…大丈夫?」
『え…いいの?やった~!!』
「そんなに嬉しいの?」
『うん!だって好きな人と触れ合えるんだよ!?』
やっぱり普段より可愛く見えてしまう。あとでおじいちゃんに聞こうっと。
「わかった!ほら、いいよ」
『いただきま~す』
かぷっ
「うっ…」
いつもヒメはこれに耐えていたんだ…すごいよ…
『大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ!ヒナの血、美味しい?」
『うん!美味しいよ!』
「それならよかった~…ゆっくり飲んでね」
しばらくして…
『ごちそうさまでした!』
「いっぱい飲んだね!おなか大丈夫?」
『うん!大丈夫だよ~!』
「あ、そうだちょっとおじいちゃんに連絡してみるね」
『わかった~!ヒメは動画のネタ考えておくね』
「そんなことあるの!?」
『ぴっ!びっくりした…どうしたの?』
「おじいちゃんに聞いてみたら…」
曰く、同じ血の共有で吸血鬼化した人は相思相愛状態になる。そして、同じ遺伝子を受け継ぐから、ヒナと同じで、特殊な吸血鬼になるということだった。
『そうなの…?』
「うん…事例が少なくてなんとも言えないけど、そうなることが多いんだって」
『でも、それでよかったよ!』
「どうして?」
『ずっとヒナ、さみしそうだったんだもん。まわりに吸血鬼居ないし…だけどこれからは、ヒメがいるから大丈夫だよ!』
「…ヒメぇ…!」
まさか見抜かれていたとは…。ふつうは嫌がられるからなかなか仲良くなれないんだけど、ヒメは最初に受け入れてくれた。それがとても嬉しくて、ずっと一緒にいるって決めたんだ…!!
『ほら、おいで?』
「いつもありがとう…!これからも大好きだよ!」
『もちろんだよ!ヒメもヒナが大好きだよ!!』
ヒナたちは、これからも二人で暮らしていくんだ。吸血鬼として―