ヒメヒナSS集(てぇてぇLaska)   作:秋月あおば

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You are all I've got.

あの日の事をずっと夢にみるんだ…

一緒に寝ていたはずのヒメが、朝起きると居なくなっていた夢を…

 

『ヒナァ…?おはよぉ…』

「ヒメ、おはよ!まだ早いからもう少し寝てていいよ~」

『うん…』

今日も隣にヒメが居ることに安堵して朝ごはんの準備を始める。

 

あの日もいつもと同じ日常が来るはずだった。ヒメにおやすみを言って、翌日の遊びに行く計画の確認をして眠った。でも、遊びに行く日は来なかった。ヒメが突如として姿を消したからだ。

「ねぇ、ヒメ!!!どこにいるの?!」

一緒に寝ていたはずのヒメは、居なかった。枕元を見ると充電したままのスマホが置いてあるし、玄関にはヒメの靴もあるから出掛けてはないはずなのに何処にも居ない。警察に連絡して探して貰ったけど家から出た痕跡すらない。家の近くの防犯カメラを確認してもらったけどヒメらしき人は居なかった。

その日のうちに、市役所から行方不明者として放送をしてもらった。けれど見つからない。

「ねぇヒメ…帰ってきて…」

「ヒナがずっっとゲームして、ヒメに構わなかったからなの…?お願いだからヒメに会わせて…ヒメ…ヒメ…」

その日を境に、世界が真っ黒になった。色々な人が声をかけてくれた気がしたけれど何も覚えていない。それまでは楽しかったゲームをしても何も感じない。

「やっぱり…ヒメが居ないと楽しくないよ…。ねぇ、ヒナを置いてどこにいっちゃったの…?」

虚空に問いかけても返ってくるわけがない。そうと分かっていてもせずには居られなかった。

 

ヒメが居なくなって2ヶ月が経った。未だに足取りは掴めていない。

「ヒメ…お願いだから帰ってきてよ…ヒナを一人にしないで…ヒナに悪いところがあったなら治すから…帰ってきて…」

ヒメの手掛かりを探すため、何度も探した家の中を散策する。それは日常になっていたから、何もないことはわかっている。でも、しないわけにはいかない。“もしかしたら”があるかもしれないから。

いつもと同じように家の中を探して、寝室に来た。ヒメの痕跡を残していたくてあの日以来使っていない寝室に。

「な、なにこれ…」

昨日まではなかったはずの黒い物体がヒメの寝ていた場所に浮かんでいる。身体は近づくなと警告を発するけど、気が付くと手が伸びていた。

手が触れた瞬間、すごい光に包まれた。そこは天空の世界だった。なぜか不釣り合いなハンモックが置いてあって、普段なら絶対にしないけどそこで寝たくなってしまった。

「…なんでここに…?」

そこにはヒメがずっとつけていたリボンがあった。

「ここにヒメが来たってこと?」

そうとわかれば手がかりを得るために、そこで眠るしかなくなった。そのハンモックに横になった瞬間、とてつもない睡魔が襲ってきた。

「…ひ、めに会えま、すように…」

 

浮遊感を感じて目を開けると、ゆっくりと地面に向かって落ちていた。

本来ならば怖くて、不快なはずのそれに対して何も思わない。それどころか安心している自分がいる。

だって、その下にずっと会いたかったヒメがいるんだもん!!!

受け止めてはくれなかったけど、下まで迎えに来てくれた。

「ヒメぇぇ!!!!会いたかったよ~!!!!!!!」

『ヒナ、ごめんね…。目が覚めたらこの世界に飛ばされてて…何があったのかヒメにもわからないんだ。』

「そうだったの…?」

『うん…。朝起きたらここにいて、周りを見ても誰も居なくて…もうヒナに会えないのかも…って思って…うぅ…ひぐっ…うわぁぁぁぁ…』

「ヒメ…ぐすっ…うわぁぁぁん…」

 

『ぐすっ…ぐすっ…

でね…ヒナが…ゲームしてる時に、どうしてヒメに構って、くれないんだろう、って思ってて、それならヒメが居なくなれば、ヒナが心配してくれるのかなって思ったから、もう会えなくなっちゃったのかなって思ってたけど…また会えて、嬉しい…』

「ヒメ…ごめんね…ヒナもゲームばっかりしててヒメとお話してなかったから、もうヒメが愛想を尽かして出ていちゃったのかもしれないって思って、自分が大好きな人の事も見てあげられないなら、生きている意味もないって思って、あと少しで…でもまたヒメに会えて…良かった…」

 

久し振りに会えた最愛の人の感触をしっかりと確かめるように抱き合っていたら、ヒメが

『今度は…絶対に離さないから…。ここから逃げ出したくなっても逃げさせないよ?ずっとヒメだけを見ててね?』

と言ってきた。それがとても嬉しくて、

「うん…ずっと…離さないで…?ヒナは…ヒメと一緒だから、もう何処にもいかないよ?」

と返していた。

 

いつもアニメで観て、こんな展開あるわけないって一蹴していたのに、まさか体験することになるなんて…

でも、最愛の人が求めてくれているのがこんなに心地良いことなんて思わなかったな…

 

「『もう絶対に離さないから。ずっと私だけを見て?』」

 

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