小豆沢こはねに結婚を前提でお付き合いをお願いする話 作:こはねかわいいよこはね
突然ですが皆さま、運命って本当にあると思いますか?
命を運ぶと書いて運命……これは違うか。
運命とは不可抗力、生きてさえいれば必ず巡ってくる吉凶禍福なのです。
良く聞く言い回しに、運命の出会いっていうのがありますよね。
曲がり角で出会い頭に美少女と衝突!そして始まる恋物語……みたいなあれです。
私、その運命の出会いをたった今この身をもって体験しています。
言ってしまえば、恋に落ちました。はい。
事の経緯を話しましょう。
いつも通りの学校帰り、だけど今日はちょっぴり寄り道したい気分でした。
そんな時にうってつけな場所があることを、私は知っています。
シブヤの裏通り、ビビットストリート。ストリート、という名がついているだけあってヤンチャな若者が多く、あまりよくないイメージを抱いている人も少なからず居るでしょう。
そんな評判と治安があまりよろしくないビビットストリートこそが、私の寄り道スポットなのです。
有象無象に溶け込むオンボロビルには、古着屋やカフェなど、暇つぶしにはピッタリなお店が詰め込まれていて、この通りにあるお店の総数は計り知れません。
そんななので店と店の競争率がとても高く、言うなれば群雄割拠、ボロビルとボロビルがバチバチにガンをとばし合っています。
特に私のお気に入りなのはWEEKENDGARAGEというカフェバー。
伝説の元バンドマン、まぁ私の知人が運営をしているのですが、ここのコーヒーが中々に美味で、気づけば私はかれこれ1年以上前からの常連客になっていました。
そんな訳で今日もWEEKENDGARAGEにやってきたわけなのですが……
扉を開くと見慣れぬ少女が一人、不安げな表情で所在無さげにちょこんと座席に座っていました。
どっかーん。雷が落ちました。
正確には、雷が体に落ちたかのような衝撃。
ミルクティーのように甘く、大和撫子を連想してしまう程に優しい色味のベージュの髪。
どこかあどけなさを残している顔立ちはとてもキレイで、眼鏡越しでもキラキラと輝く琥珀のような黄褐色の瞳に、綺麗な一本筋が通っている鼻、血色が良くふんわりとした唇。
ピンクのスタジャンをオーバーサイズで着こなすという、カジュアルなファッションをしているにも関わらず止めどなく溢れ出ている清楚感。
紛うことなき美少女でした。
所謂、一目惚れと言うやつでしょう。え?これはただの面食いだって?黙れ。
彼女の美貌に目が釘付けになった私は扉を開いたまま入口に立ち尽くしてしまいました。
そして、現在に至るというわけです。
ふむ、いつまでもココに突っ立っていたら邪魔になってしまいますね。ここは覚悟を決めてダイナミック入店を決めるしかなさそうです。
男らしくガツンと言ってやりましょう。
足を一歩踏み出せば、もう後戻りできない。ズンズンと足が勝手に、少女の方へと動いていきます。
少女と私の距離が1mを切ったあたりで、彼女と目が会いました。
不思議そうに小首を傾げる少女、瞳の奥には少量の怯えが垣間見えています。可愛すぎて死にました。
じっと見つめ合うこと約十秒。少女が痺れを切らして口を開きかけたその瞬間、私はついに意を決し、思いっ切り頭を下げて右手を差し出しながらこう叫びました。
「あ、あの―――」
「私と結婚を前提にお付き合いしていただけませんか!」
「え……? ……えぇぇぇぇ!?」
私の耳をつんざく少女の悲鳴に近いそれすらも、心地よく感じてしまいました。
続かないけど反響あったら続きます。
なんかちげぇなとおもってタイトル変えました。