日曜日。
ライスシャワーのトレーナーは部屋で事務作業をしていた。
(ライスは次のレースへの仕上がりも問題なしかな。またさらに次のレースに申し込んで…)
一人の時間、淡々と作業をこなしていき、作業が一区切りついたので休憩に入る。
最近のトレーナーは何かの作業に夢中になっているとき以外、
頭に浮かぶのはライスシャワーの事ばかりだった。
出会った頃のように暖かな気持ちでのことだったらよかったのだけど、
今は暗い気持ちになってばかりだ。
元々、走るのは人を笑顔にしたいからだと言っていたライス。
しかし実際には自分自身の理想を求めて走っていることに変わりはない。
ブルボンさんを追いかけた日々も、マックイーンさんを追いかけた日々も、
「ブルボンさんのようになりたい」「ブルボンさんの期待に応えたい」という、
その根源は自分自身の理想のためだった。
だがライス自身はそれに気づいていないんだろう。
だから理想が人のためになると強く信じられたとき、彼女は最強の力を発揮する。
そして状況を見ると、今のライスも同じだ。
でも今のライスは一体何を求めている?どこに向かっているんだろう?
「最近はヒール扱いされることはほとんどなくなって、そこは嬉しいけどね」
ライスの評判を調べてみると、
『最近のライスシャワーすごく強いよね』
『今回で重賞8連勝だろ?相当だよな』
『いまだにヒール扱いしてる人いるけど、もう立派なスターウマ娘だろって思う』
『でも昔に比べて表情怖くなってない?レースの時の眼光が鋭すぎる』
『確かに。ライブだとかわいい表情なのにね』
『人に笑顔や幸せを与えたい言ってる割に迫力ありすぎて草』
『確かに見てても笑顔になるよりは熱い気分になるw』
『それだけレースに全力ってことなんじゃん?』
『幸せとかはいまいちわからんけど、あれだけ強いとワクワクしちゃうよな』
天皇賞の前後に比べて、ずいぶんと肯定的な意見も増えてきた。
これもひとえにライスが勝っているおかげなんだろうけど…
「『レースの表情が怖い』か…」
(ライスは…ずっとこのままなのかな…)
その時、静かな部屋に響くノックの音。
ドアを開けると、そこにいたのはトレーナーにとっては思いがけない来訪者だった。
「失礼します。メジロマックイーンです」
「失礼しまーす、トウカイテイオーでーす」
「あら、マックイーンさん、テイオーさん。
ライスに会いに来たの?ごめんね、今日はいないんだ」
「いえ、わたくしたちが会いに来たのはトレーナーさんにですの」
「え、私?えっと、どのようなご用件でしょう?」
「実は最近ライスと予定が合わなくて全然遊べてなくてさみしいんだよね。それでね…」
「今のライスさんのトレーニングメニューは、トレーナーさん、あなたのご指導なのですか?」
(ンモー!マックイーンはズバズバ言いすぎなんだよー!少し様子見てからにしようよ!!)
トレーナーの表情がわずかに曇るが、すぐ穏やかな顔に戻り答える。
「うん、私はライスのトレーナーだからね。トレーニングメニューを管理してるのも私だよ」
「少し調べましたが、かなりのハードスケジュールですわね。
この内容を続けて、オーバーワークにならないのですか?」
「ならないように最大限の注意をしてるよ。
体力がなくならないよういろいろ栄養も用意してるし、
休みの日も作って、マッサージや整体、リラクゼーションとかで体を休めてるから」
「本当ですか?それで本当に足りているのですか?無理させてはいないのですか?」
また少し表情が変わる。やはり聞かれたくない質問のようだ、と察するマックイーン。
「最近のライスさんを見てると、とても楽しく走っているようには見えません。
いつも優しく微笑んでいた彼女が、今はどんな表情をしているか知っていますか?」
「……」
「ウマ娘が走る理由は様々。だからどのような考えでもそれはいいでしょう。
ですが、今の状況は本当にライスさんのためのものなのですか?
ライスさんの目的に合ったものなのですか?」
「……」
目をつぶり、息を深く吸い、ゆっくりと、そしてハッキリと答えるトレーナー。
「……もちろん、そうだよ」
マックイーンが予想していたのは、
ライスシャワーはトレーナーの理想を無理矢理押しつけられているというものだった。
自分が問い詰めればうろたえるか、怒り出すか。それとも冷静に対応するか?
それでも、きっと表情で考えがわかるだろう。
しかし当初の予想に反し、トレーナーが浮かべたのは悲しそうな表情だった。
「これはライスの…ライスがやりたいことなんだ。私はサポートしてるだけ」
「本当にライスさんが…?」
「私だって本当はこんなにやりたくないよ。だけど、これでも凄く抑えた方なの。
ライスが最初にやりたいと言ってきた練習メニューがどんなものだったと思う?
今やってる内容の倍はあったんだよ」
「「倍!!??」」
衝撃的な返答に思わず叫ぶ二人。
「今のライスには目標がある。絶対に叶えたい目標が。
そのためだったらどんなトレーニングだってやる。やってしまう。
私がいなかったとしてもね」
「あ、あれでも…トレーナーさんが制御してる方なの…!?」
話を聞き、恐れ戦くテイオー。
「そう。だから、これでもライスのためなんだよ」
「目標とおっしゃいましたが、どんな目標なんですの?」
「それは………」
トレーナーは思い出す。ライスが今の顔つきになった日…
天皇賞の次の日の事を。
ライスが勝利を求めているのは言っていたからすぐわかる。
しかし、「何故それほど勝利を求めるのか」は決して喋らなかった。
勝利がうれしかったのか。負けたのが悔しかったのか。勝って人を笑顔にしたいのか。
きっとどれも違うだろう。なぜなら、今のライスに笑顔はないのだから。
前は勝てば喜んでいた。だが今は違う。淡々と次へと進むだけだ。
ライスは勝利を目指し全力で走っている。
しかし、そこにはかつてのような相手への敬意はない。
ライスは勝利に何を求めているのだろう?
話すことはなかったが、しばらく見ていてなんとなく分かった。
今のライスは『ヒーロー』に固執している。妄執と言っていいほどに。
ヒーローは勝たなければならない、そんな気持ちを感じた。
勝つことで人に喜んでほしい、私やブルボンさんにとってのヒーローであると言われたこと、
それらが絡み合っておかしな方向に行ってしまったのだろう。
それが始まったのは間違いなくあの天皇賞の後だ。
やはりブーイングを受けたライス。あんなに頑張っていたのに、ライスに対する評価はあれだ。
とても納得できるものではないが、止める手段もありはしない。
これならやっぱり走るのはやめようと考えたって不思議ではなかったし、心配していた。
でも自分から走りたいと言ってきてくれて、吹っ切れたのかと思っていた。でも違かった。
あの時ライスは深く傷ついていたのに、私が全力で支えてあげるべきだったのに、
私では力不足だったのだろう。だから自分の中で解決しようとした。
その結果が今ということなのだろう。
「……」
トレーナーは答えなかった。答えたくなかった。
ライスの考えが歪んでしまっていることを言いたくなかった。
自分の足りなさを言いたくなかった。
「…トレーニングはライスさんの意志ということはわかりました。
でも、これが激しすぎると理解しているのなら、
ちゃんと止めるのがトレーナーであるあなたの役目なのではありませんか?
ライスさんが何を目標にしているのかは知りません。しかし今の状態は普通とは思えません。
ライスさんの持っている目標の、そこに至るまでの道。
そこから外れてしまっているのではないですか?
心が迷走、逸走してるのなら、あなたが正してあげるべきでは?」
「………… 私もそうしたいんだけどね…」
苦い顔で答えるトレーナー。
「…ライスさんとわたくしが天皇賞で競い合ったレース。
あの時、ライスさんは『もう走らない』と言っていました。
でも最後は走ってくれました。
しかしそれは、テイオーとブルボンさんの励ましによって立ち直ってくれたからです」
「そうだったね。あの時はありがとう、テイオーさん」
「ん、ボクもライスに走ってほしかったからね。お礼言われるようなことじゃないよー」
「わたくしが聞きたいのは、トレーナーさん。あなたはあの時何をしていたのですか?
担当ウマ娘が苦しんでいるとき、あなたは何をしてあげたのですか?
あなたはライスさんの何なのですか!?何の為にあなたがいるんですか!!」
直球の言葉で責め続けるマックイーンに、テイオーが割って入る。
「ちょっとマックイーン!もっと言い方を考えなよ!」
「テイオーは少し黙っててください!」
「なにをっ…!」
「……」
トレーナーはふう、と息を吐く。
「やっぱり、そうだよね」
「私は何もできてないんだよね…」
マックイーンさんの言うとおりだ。
私はライスのことを支えてきたつもりだった。
だけど、ライスが辛い目に合っているとき、私は何かしてあげられただろうか?
ライスが立ち直ったのはいつも自分の力だったじゃないか。
新しい目標を見つけて、そこに向かうために立ち上がる。
それはライス自身の心の強さだ。私は、何もできていない…。
そしてトレーナーは話し始めた。
器をひっくり返したかのように、止めどなく言葉が流れ出す。
「菊花賞のあと、ライスとはいっぱいお話ししました。
何故ライスが走るのか。そして走った結果がどうだったのかについて。
二人とも聞いてる…よね?ライスの元々の目標。
『自分の走りを見せて、人に勇気をあげたい。人を笑顔にしたい』。
それがライスの目標だった。
でも…菊花賞でブルボンさんに勝った時。
あのレースはブルボンさんが一番人気で、ファンも一番多かった。
それに無敗の三冠をかけた大勝負、ファンじゃなくても記録達成に期待する人が多かったね。
そんな中で勝ったのはライス。
ブルボンさんの勝利を期待していた人からはブーイングがたくさん投げかけられた。
人を笑顔にしたかったのに、ライスシャワーは祝福の名前なのに、
自分は人を不幸にするだけだって泣いていた。
そんなことはないんだよ。
だって、一番とはずいぶん差があったけど、ライスだって二番人気だったんだ。
成績を見た人気だけじゃなくて、ファンの人だって少しはいたはず。
ライスの勝利を喜んでくれた人だって少しはいたはずなんだよ。もちろん私だってその一人…。
だけどあの時のライスにはその声は届かなかった。
みんなを喜ばせるはずの勝利が、ブーイングを浴びせられ、ヒール扱いされて。
自分の頑張りを否定されてしまって。自分の目標と真逆の結果になって。
傷ついて、周りが見えなくなって、心が凍りついてしまった。
私も何度も励ましたけど、あの子結構頑固だから…なかなか届いてくれなかった。
だから少し様子を見ることにしたの。きっと今の状況はずっと続くわけじゃない。
少し時間がたてば冷静になれる。冷静になれば自分を見つめられる。
周りを見ることができるのはそれからだって。
それに、もしもずっとその気持ちが変わらないなら…走ることがライスの幸せにならないなら。
本当にずっとそのままだったら、走ることをやめる、それがライスのためなのかもしれない、
ってね。
今考えると私が甘かっただけ、弱かっただけなんだよね。
向き合うことを諦めてしまったんだから…。
だけどテイオーさんとブルボンさんが励ましてくれて、ライスの心を溶かしてくれた。
私がうまくできなかったことをやってくれて、自分が情けなくなったし嫉妬もしちゃったよ。
でも本当にうれしかった。走る理由を見つけてくれて、走ると言ってくれて。
だけど…少し問題もあったの。
ライスがまた頑張ってくれたのは、新しい『走る理由』を見つけたからで、
『走りたくない理由』がなくなったわけじゃない、走る理由の方が強くなっただけ。
また『走りたくない理由』が大きくなったら、また足を止めてしまうかもしれない。
天皇賞で勝った時、予想通りまたブーイングが起きた。それも、前回よりもひどい規模で。
あの時のライスはどう感じたのか、とても傷ついてるのだけはわかった。
その傷が、走りたくない理由として大きくなってしまうのを心配してた。
それなのにまた走りたいと言ってくれて、批判を乗り越える覚悟ができたのかなと思った。
だけど実際はそうじゃなかったんだ。ただ、心の奥に隠しているだけ。
今のライスはすごく心配なの。たぶん今のライスが求めているのは『勝つことだけ』。
勝ちたいという走る理由が、他の全てを押しこめ、塗りつぶしている。
勝利を続けた果てにどこに行きたいのかは私にもよくわからないけど、
今は勝つことしか考えていない。走ることの楽しさを置き去りにしてしまってる。
でも、だから、今のライスが…今のライスが負けたらどうなっちゃうんだろう。
勝つことだけが自分を支えている人が、それを失ったらどうなっちゃうんだろう。
レースで負けたら、どこかで体を壊したら、自分の全てを失ってしまう。
そして、心の中に押しこめていたいろいろなものが全部出てきてしまう。
そうなったら、ライスはどうなってしまうの?
心配で心配で、だけど何度お話しても考えを変えさせることができなかった。
私はあの子の笑顔が好きだった。それなのに、笑顔をなくしてるのに、私は何もできてない。
私はライスのトレーナーなのに、ライスは私にたくさんのものをくれたのに、
私はライスに何もしてあげられてない!
私はトレーナー失格だよ…!!」
こんなこと言わない方がいい。そんなことはわかっているのに、言葉が止まらなかった。
ずっとずっと考えていた。私はライスのトレーナーにふさわしくないって。
拳を強く握りしめ、感情のままに言葉を吐き出してしまった。
「ト、トレーナーさん…」
トレーナーからあふれ出した言葉に驚く二人。
そうか、トレーナーもずっとライスの事を考えていたんだ。自分たちよりもずっとずっと…。
だけど止めることができない自分に苦しんでいるんだ。
「っ…。ごめんなさい。変な事言っちゃって。
二人に言うようなことじゃなかったね。本当にごめんなさい。
申し訳ないけど、今言ったことは忘れてください」
顔をそむけたままトレーナーが言う。
「ごめんね、私まだ仕事の途中だったから、そろそろいいかな?
これからもライスと仲良くしてあげてね」
「あっ…はい。失礼しますわ…」
「…失礼しました」
強引に押し出すようにして部屋の外へと促される二人。
返せる言葉も思いつかず、そのまま外へ出てしまった。
帰路につき、マックイーンが呟く。
「わたくし、トレーナーさんの事を誤解していたようですわ…」
「すっごい熱い気持ち持ってたね。ライスの事を大切に思ってるんだなあ」
「でも今聞いた話。ライスさん…自分の事が見えなくなっているようですわね」
「そうだね、勝つことしか求めてないってさ。あのライスがね…。
たぶん、菊花賞とかのことがまだ吹っ切れてなかったんだ」
「そうですわね。おそらく…勝ったのに否定され貶されるのなら、
もっとたくさん勝てば認めてもらえるはずだと思い込んでしまっているのでしょう」
「天皇賞に出てくれたから乗り越えたんだと思ってたけど、
ブルボンやトレーナーさんの言葉じゃ足らなかったかあ…」
「今の自分に求められているのは勝利だけ。
そう思い込んでいた時期がわたくしにもありましたわ」
「うん、ボクもあったなあそういう時期…」
「……」
「……」
無言で歩く二人。
ライスシャワーの話はテイオーにとっては他人事に思えなかった。
自分はシンボリルドルフと同じ無敗の三冠ウマ娘が目標だった。
だが怪我で三冠を逃し、そして敗北で無敗も失い。
あの時、自分の全てを失った気がした。
勝つことが目標だったから、何の為に走ればいいのかわからなくなった。
自分が歩いている道がわからなくなった。前も後ろも真っ暗で、足元さえ見えなくなった。
だけど、マックイーンたちのおかげで目標が見つかった。また歩いていけるようになった。
失ったものは戻らないけど、見えてなかっただけで、
ボクの周りにはいろんなものがいっぱいあったんだ。
それにまた新しい物を持ってきたっていいじゃん。そのことをみんなに教えてもらった。
ライスだって同じはずだ。勝つこと以外にも理由はいっぱいあるはずだ。
なによりボクと違って、人を笑顔にしたいという決して失わない目標があるはずじゃないか。
なのに周りが見えなくなっている。
このままだと、いつか必ず訪れる敗北で、心が壊れてしまうかもしれない…。
そんなの駄目だよ。ライスには立派な心と体があるのに。
ボクはライスが羨ましかった。自分の目標について来てくれる体を持つライスのことが。
そんないいものを持ってるのに、それがおかしくなるなんて許せない!
高く登れば登るほど、落ちた時の傷も深くなるんだ。それなら…!
だけどこれはボクでは無理だ。ボクの足はまだ治っていないから…。
やるとしたら方法は…きっと一つしかない。
ライスシャワーはマックイーンにとっても大切なウマ娘だった。
先の天皇賞での敗北。とても悔しかったけど、何よりもライスさんの強さが輝いていました。
あの時の自分には驕りがありました。
テイオーに背中を見せること。メジロ家に恥じない走りをすること。
三連覇という偉業を果たすこと。そんなことを考えていました。
相手を見下していたわけではありません。
ライスさんも、他のウマ娘も、強敵として意識していたのです。
しかし、レースそのものへの熱意はどうだったでしょう?
わたくしが見ていたのはレースそのものではなく、レースの先で得る結果でした。
だから内心では勝つことが当然と思っていたのです。
レースに挑むのではなく、すでに手中にしているような気持ち…。
ライスさんに思った、『最初から勝つつもりだなんて』…それは自分もそうだったのです。
それに対してライスさんはずっとわたくしを見ていました。
そしてずっとレースそのものを見つめていました。
『このレースに勝つ』という、勝利を求める執念。
それには歴然の差があったことは疑いようもありません。
だからわたくしを食いちぎらんばかりのオーラ、鋭い眼光、激しい執念を見たとき、
情けないことに恐れ、そして見惚れてしまったのです。
結果は二着。悔しかったけれど、それほどショックではありませんでした。
相手の強さと、自分の弱さを認められたから。
本当は分かっていたはずのことだけど、ライスさんが再び教えてくれました。
勝利とは簡単に手に入るものではないこと。
レースとは己と、そしてライバルとの戦いであること。
勝利とはそれを強く望む者にこそ訪れるものであると。
だからライスさんの事は心から尊敬しています。強く、超えるべきライバルとして。
自分が目指す目標として。同じステイヤーの仲間として。
そんなライスさんが道を迷っている。苦しんでいる。
このままだといつか壊れてしまうかもしれない。
テイオーは一度折れそうになったけど立ち直ってくれました。
だけどそれは全員がそうなれるわけではないでしょう。
もし酷い負け方をしたら、酷い怪我をしたら、
自分たちやあのトレーナーさんの声を届けることはできるのでしょうか?
勝ち続けることなんてほとんど不可能なのだから、いつかは負ける時がくるでしょう。
せめてその時に出来るだけの声を届けてあげたい。
でも『いつ』なのかなんてわからない。ただ一つの状況を除いて。
それならば…自分に出来ることは。
「テイオー」
「マックイーン」
同時にお互いの名を呼ぶ。
「……ねえマックイーン。ボクと相乗りする勇気、あるかな?」
「力を貸してください、テイオー」