紫は今アンチ撲滅の為パソコンを使えない間を利用して本職である妖怪の仕事をしようと考えた。
紫「さて、取り敢えず怪奇現象でも起こしましょ。」
紫はスキマを東京の上野に繋げた。
~上野上空~
上野は日曜なのもあってかなり賑わっていた。紫は上空から何処に狙いを定めるかを決めていた。
紫「動物園も良いんだけどねぇ……あそこ、『死』が濃くて中々良いじゃない。」
紫は数多くの
~国立科学博物館~
手始めに紫は日本館2F北翼のレプリカの人体骨格標本が置いてある『日本人と自然』という展示エリアに来た。
紫「ふーん……結構良いわね…でもレプリカねぇ…本物置けば良いのに。」
紫は数ある展示の中で一つだけ注目したものがある。『江戸時代の女性のミイラ』。平成11年辺りに発掘され、余りにも状態が良いため研究に大いに貢献したという。
紫「へぇ……良いじゃない。本物も。」
紫は『生と死の境界』を弄ることでそのミイラを蘇生した。とはいっても体の節々は乾燥しており動かすことはできない。ただ生きていることを知る方法は一つ。それは……
紫「『大と小の境界』を弄れば……」
心音を聞くことだ。境界を弄るとエリア全体に心音が響き渡り、そのエリアに居た人々は困惑した。
紫「放置しちゃうと腐敗が進んじゃうのよねぇ…戻しましょう。」
紫は『生と死の境界』の状態を元に戻した。勿論心音は聞こえなくなった。
紫は「『軟と硬の境界』を弄っても良かったけど……まぁいいわ。」
紫は『地球館』の方にスキマを繋げた。
~地球館~
地球館にも面白い場所がある。勿論境界を弄ったら面白い場所だが。
紫「ふふふ……死がかなり濃いわ…唯、所詮詰め物された動物の毛皮なのよねぇ…まぁやってみる価値はあるわね。」
紫は『生と死の境界』を弄った…が何も起こらなかった。
紫「やっぱりそうなるよねぇ…ま、打つ手が無くなった訳ではないけど。」
次に紫は『動と静の境界』を弄ってみた。すると今度は動物達はちゃんと動き、元気にガラスを割り、何処かへと走り去った。
紫「走り去る 音に続くは 悲鳴音」
季語を無視した俳句を読んだ紫は満足したため、『事前と事後の境界』を弄って動物達を元に戻し、ガラスも直した。
紫「ただこの境界弄ると半分位妖力持ってかれるのよねぇ…色々と他の境界でも持ってかれちゃったし、帰って寝ようかしらね。」
紫はかなり疲れた体に鞭をうち、最後の妖力を振り絞り、ベットの上に境界を開き、倒れるように入った。
ちなみに余談ですが地球館3F『大地を駆ける生命』(紫が最後に行った所)には鳥類を含めると276体の剥製が展示してあるそうです。紫は276体全ての『動と静の境界』を弄ったわけです。