七武海ですが麦わらの一味に入れますか?   作:赤坂緑語

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今回は結構ギャグ回です。
若のキャラ崩壊が激しいのでご注意ください。


男には仕事よりも大事なことがありますよね?

 

世は正に大海賊時代!

俺の青春は暗黒時代!

今となっては七武海! ←まだなってない。

 

ふへへ、いきなり気持ち悪いラップで失礼。

 

もうすぐ七武海になれるかと思うとテンションが高ぶってしまった。

 

さて、ドフラミンゴ先輩と七武海にさせてもらう約束をした俺だが、もちろんなりたいからといってすぐになれるようなものでもない。

 

パイセン曰く、色々と段階を踏んでいく必要があるそうだ。

 

「ステップその1。世論を味方につける」

「世論を?」

「あぁ。七武海任命権を持っているのは上の連中だが、それでも世論を軽んじることはできねェ。その気になれば無視もできるが、今は革命が盛んな時期だ。嫌でも世論の声を気にしているだろうさ」

 

そう言って悪い顔で笑うドフラミンゴ先輩。

一体何をするつもりなのやら。

 

とはいえ、この分野に関して俺に出来ることなんてほとんどない。

 

大人しく屋敷でお世話になるしかないのだが、パイセンは(俺のための)裏工作で忙しそうで、少し暇になってしまった。

別に俺は軟禁されているわけではないので好き勝手にドレスローザへ遊びに行っていいのだが、一応、逃走中の身の上なので街へ出る時には変装を忘れないようにと釘を刺されている。

 

ただまぁ、何となくまだダラダラしていたいので、暫くこの屋敷の中で食っちゃ寝生活を満喫しておくかぁ……なんて思っていたらすっかり忘れていた用事を思い出した。

 

「そういえばアンタも俺に話があるんだったよな。バーソロミュー・くま」

 

急用で席を外していたという七武海にして革命軍幹部の彼が帰って来たのだ。

アロハシャツでくつろいでいる俺に少々面食らったようだが、くまは感情の見えない静かな声で言った。

 

「……俺の話は単純だ。お前に会ってほしい人がいる」

「なるほど……まぁ、何となく察しはついたよ」

 

この状況で俺に会いたい人なんて一人しかいない。

しかし、気軽に会いに行っていいものなんだろうか。

多分、俺がやろうとしている七武海加入は彼を怒らせるだけな気がするんだが……

 

「まぁ、ここまで逃がしてくれた恩もあるわけだし、無下にするわけにもいかないか。ドフラミンゴ先輩、取り敢えずこっちの用事を先に終わらせてきていいかな?」

「勝手にしろ。こっちはお前の加入準備を進めておいてやるよ、後輩」

「ありがとう。さて、行こうか。くま先輩」

「……行くぞ」

 

俺の先輩呼びにツッコミを入れることもせず、くま先輩は手袋を外してから能力を発動し、短い空の旅行が始まった。

しかし、マジで便利だなこの能力。

黒ひげみたいに人の能力を奪えるんなら真っ先に手に入れたい能力の一つだ。

 

移動にはそこまで時間はかからなかった。

体感、1時間くらいだ。

恐らくドレスローザの近くまでわざわざ足を運んでくれたのだろう。

便利なくま先輩の能力で着地した人気のない島には予想通りの人物が待ち構えていた。

 

「会いたかったぞ。混沌の獣よ」

 

なに、その呼び名。

カッコいいのでそっちを正式名にしていいかな?

 

「アンタほどの男に会えるなら世界中どこでも(くま先輩の能力で)飛んでいくさ。革命家ドラゴン」

 

俺の船長のお父様が堂々たる立ち姿でそこに待っていた。

 

 

 

 

 

 

◆◆翌日――再びドレスローザの屋敷◆◆

 

 

「ただいまー」

「なんだ、随分と遅かったじゃねぇか。七武海入りを革命軍の連中に引き留められでもしたか?」

「いや、その逆だったよ」

「なに?」

 

ニヤニヤと新聞を眺めていたドフラミンゴ先輩の対面に座り、テーブルの上に置いてあったラム酒をぐびっと飲み干した。

 

「ぷはー! 今の状況は革命軍上層部が望んだものとは少し離れているらしくて……コントロールされた混沌ではないやら、タイミングじゃないやらどうのこうの……まぁ、なんかよくわかんないけど七武海入りは好きにしろって感じだったよ」

「ほーう、それは意外だな。話はそれだけだったのか?」

「うん。革命軍のコアラっていう可愛い子ちゃんをナンパしていたら思ったより時間が掛かってね。呆れてくま先輩は途中で帰っちゃうし、仕方ないから自力で飛んで帰って来たんだよ」

「アホか……」

 

心底呆れた様子のドフラミンゴ先輩。

 

……まぁ、今言ったの殆ど()なんだけどね。

 

あの場にコアラはいなかったし、俺は純粋にドラゴンとの話で時間を食っていただけだ。

後は、公にできない契約を幾つか結んできた。

 

にしても、このナンパなキャラはいいかもしれないな。

いい感じに用事を誤魔化せるし、向こうも深くは突っ込んでは来ないから。

 

「しかし、あれだな。お前、その優男風の見た目とイカレた中身で女好きなのか?」

「大好きですねぇ」

「そういえば、うちのファミリーにもモネっていう美人がいるんだが……」

是非紹介してください

「うちのファミリーに入るなら紹介してやるのもやぶさかじゃないんだが……」

前向きに検討させていただきます

「マジかコイツ」

 

まぁ、モネちゃんのことは本当に心の底から好きだから、ナンパキャラとか関係ないんだけどね。

えっ、しらほし姫? いや、彼女のことも心の底から好きだから(ry

 

 

閑話休題。

 

 

「さて、数日前から仕込んでいたステップ1が実を結んできたぞ。これを見ろ」

 

そう言って読んでいた新聞に加え、さらに複数社の新聞を纏めてこちらに投げて寄越すパイセン。

言われた通り広げた新聞たちには次の文面が記載されていた。

 

“怪物キリア、世界政府に屈服か⁉ 七武海入りの報道あり!”

“お騒がせ男、怪物キリアが七武海入り⁉”

“近々、世界政府が正式な発表を行う予定か”

“革命軍は誤った情報を発信していると憤慨”

“キリアは自分たちの味方であると革命軍は主張”

“しかし情報の出所は世界政府の高官か”

“確かな情報”

“怪物キリアは好条件を提示した世界政府に下るつもりか”

“海軍元帥は急ぎ世界政府へ確認するとコメント”

「おーおー、好き勝手言いなさる」

 

俺は届いた新聞を広げながらびっくりしていた。

すげー、紙面のほとんどが俺に関することで埋め尽くされている。

 

「ちょっと伝手のある幾つかの新聞社に情報を流しただけでこの騒動。フッフッフッフ、人気者だな、キリア」

「わー、うれしー(棒)」

「だが、革命軍のコメントが気になるな。昨日会ってきた連中は気にするなと言っていたんだろう?」

「うん。でも、コントロールされた革命がどうたらは最高幹部くらいしか知らないらしくて、下っ端が俺の七武海加入で騒ぐ分には気にしてなさそうだったよ」

「なるほどな」

 

ドラゴンは何やら熱心に語っていたが、正直言って微塵も関心がわかなかった。

もう少し具体的に話してほしいもんだ。

上期までに革命成功国目標15国とか、そんな感じで。

ま、提示された条件は悪くなかったからある程度は引き受けたけどさ。

 

「さて、キリアよ。俺は力の一端を見せたぞ。今度はお前の番だ」

「えー、新聞会社に情報を流すだけで力の一端? そんなの俺にも出来るじゃん」

「お前なァ……俺が築き上げたコネクションと地位があるからここまで大事に出来ているんだぞ。半端な奴だったらすぐに世界政府に情報握りつぶされて一文字だって紙面に載ることはなかった」

「本当にぃ~?」

「ぐだぐだ言わずにさっさと教えろ。プルトンってのは何だ?」

 

まぁ、情報を流すだけなら俺だけでもできるかもしれないが、俺の七武海入りが当たり前、みたいな流れをつくるのは俺だけじゃ無理だったのかもしれない。

というか、この案を思いついて実行した時点でパイセンの勝ちだ。

仕方ない。ちょろっと教えますか。

 

「……宇宙戦艦ヤマトって知ってます?」

「知らん」

 

普通に戦艦だって教えた。

 

 

 

 

 

 

◆◆数日後◆◆

 

 

出かける準備をしている最中のことだった。

 

「おいキリア! 出かけるぞ! ……何してんだ、お前?」

 

俺が寝泊まりしている個室のドアがパイセンによってノックもなしにいきなり開けられた。

ちょっと、プライベート侵害でっせ?

 

「何って……正装ですけど」

 

ドレスローザで購入したとびっきり高いスーツを着こなし、自慢の金髪をきっちりセットすればほら、男前の完成。

ちょっと顔立ちが中性的な感じが物足りないが、まぁこれはこれで需要あるだろう。

今はもう無理だが、幼い頃は女装で海軍の目を誤魔化したりしてたし。

おっと、変装用の眼鏡を忘れていた。

 

「なんだ、見聞色で未来でも見たのか? なら話は早い。さっさと行くとしようぜ」

「あぁ! この日をどれほど待ちわびたことか! 気合いは十分ですぜ! 先輩!」

「フッフッフッフ、頼もしいこって。さて、それじゃあ行くとしようか」

「うっす! いざ――」

「世界政府へ!」「モネちゃんとのデートに!」

「「……ん?」」

 

暫くの沈黙の後、俺は首を傾げながら訪ねた。

 

「世界政府ってなんすか?」

「おいちょっと待て。その前にモネとのデートってのは何だ? アイツは確かに今ドレスローザに居るが、お前に紹介した記憶はねぇぞ?」

あまりに会いたかったので見聞色で見つけました

気持ち悪っ

 

パイセンに本気で引かれた。

 

「というか、よくあのお堅いモネを口説けたもんだな。しかもデートの約束までこぎつけたのか?」

「ふふん、しかも既に2回目のデートだ!」

「お前……本当に気持ち悪いな」

「なんで⁉ ここ褒めるとこじゃないんすか⁉」

 

俺は某サンジと違ってTPOを弁えた本物の紳士だ。

顔もいいし、性格もいいし、モテるのも当然だと思うんですが!

 

「ハァ……いかん、またお前の意味わからんペースに巻き込まれるところだった。おい! 悪いが今日はデートの約束はキャンセルだ! さっきも言ったが世界政府に行くからな」

「どうしてです?」

「フッフッフッフ、ステップ2さ。上の説得。俺が今からお前の七武海入りのキーマンに会わせてやる。ちょうどいいことに正装だしな、その格好で俺についてこい」

嫌です

「あぁ⁉ 何言ってやがるテメェ! いいからさっさと来い!」

「嫌だ! 俺はこれからモネちゃんとのデートがあるんだ!」

「おまっ――七武海とデートどっちが大事なんだ!」

デートです!

 

暫くフリーズしていたパイセンだが、数秒後に深い……深いため息をついてから言った。

 

 

「……俺はどうしてコイツを仲間にしようとしたんだ……」

 

知るか。そっちが勝手に言い出しただけだ。

そんなことよりも今はモネちゃんだ。

俺の脳みそは今、恋の熱で沸騰している――!

 

プルルルル、プルルルル、プルルルル、

 

ん? この電伝虫は……モネちゃんだ!

 

「えー、ゴホン。ちょっとパイセンは黙っててくださいよ。――もしもし! モネちゃん?」

『えぇ。約束前に突然ごめんなさいね、()()()()()。まだお昼まで時間はあるけれど、あなたに会うのが待ちきれなくて……』

「レオン……?」

「しっ! 静かに!」

 

パイセンが首を傾げているが、これは俺の偽名だ。

ていうか、ドレスローザに遊びに行く時は身分を偽れっていったのはそっちでしょ全く。

 

「俺もだよモネちゃん。寧ろ俺の方から待ちきれなくて電話しそうになっていたくらいなのに……」

『レオンさん……』

「モネちゃん……」

「……」

 

彼女との運命的な出会いを思い出す。

そう。あれはドレスローザでぶらぶらと探索していた時のこと――

 

 

 

「おい、モネ。俺だ」

『わ、若っ⁉』

 

ちょっと若! いいところなのに邪魔しないでよ!

なに急にモネちゃんの上司顔でカットインしてきてるんすか!

俺はドフラミンゴのピンクジャケットを引っ張りながら抗議するが、完全に無視を決め込んだパイセンは電伝虫に語り掛ける。

 

「いいか、モネ。こいつはこれから俺と一緒に大事な商談があるんだ。悪いが、今日の予定はキャンセルにしてくれ」

「ちょ、ちょっ――!」

 

こ、コイツ……人の心がないのか⁉

愛し合う男女の仲を容易く引き裂くなんて……

 

『はい。分かりました若! レオンさん、若とのお仕事頑張ってくださいね!』

「モネちゃん……」

 

楽しみにしてくれていたのに、わざわざ俺のことを応援してくれるなんて……!

 

「うん! 任せて! 若との仕事頑張ってくるよ! デートはまた今度行こうね!」

『えぇ。楽しみにしているわ!』

 

ガチャっ

 

「……ったく、世話の掛かる――」

「何をしているんです、ドフラミンゴ先輩」

「あん?」

さっさと世界政府へ行きますよ。下らん雑務はさっさと終わらせて、俺はモネちゃんとのデートに戻るんだ

「……」

 

 

この時、ドフラミンゴはこう思っていた。

コイツ、マジでぶち殺したろうかなー、と。

 

 

 




若、そのうちストレスで倒れそう......
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