ヤーナムの詩人狩人 作:はらはら
唯一自分の力でクリアしたフロムゲー
知ってる人がいたら嬉しい…
鍵と女王の伝説
アーガイル大陸
それは三柱の神によって創られた地…
200年前女王と鍵の力によって統一され小さな争いはあれどその度に女王の手によって収められ平和を維持していると言う…
鍵とは神の力が込められた聖なる石であり、代々オランジュ地方に住まう王女が継承し神々や魔物と言ったあらゆる異形の存在を操る力があると言う…
そのため初代女王カティア=ジェルベールから続くオランジュの女王は三神と同等の崇拝と尊敬を得て崇められているらしい
「とっ、まあこんな感じですね…私も歴史に熱心と言う訳では無いので細かいところは解りませんが…」
怪物から救い出した男がvに話す、先程まではあんなにも怯え警戒していたくせに町までの護衛を引き受けた途端随分と饒舌に話し始めた…
男はどうも商人らしく荷物を載せて街道を進んで行ったところをあの怪物(ストームハガンと言うらしい)に襲われたらしい
馬車も壊され上に馬も殺された…また襲われたら今度こそ殺されてしまうといった所でvからの提案だ
まさか自分が商人だと知って法外な額の金を要求するのではと思ったが、とりあえず一通りアーガイル大陸の一般常識と少量の金銭のみで良いと言った瞬間すっかり上機嫌だ…
正直こんなに怪しい(自分で言うのもなんだが)男をすぐに信用すると言うのは商人としてどうかと思うが面倒は省けるので特に指摘せずに話を続ける
「…鍵を持っているのは女王だけなのか?」
「いえいえ!昔は一つだけでしたが今は機械や細工品で有名なコルテン地方で量産化されてますよ!もっとも女王様の鍵と違って何でも操れるって訳では無いようですが…」
「量産化?」
vはその言葉に眉を顰める
あらゆる異形を操る道具を人の手で創り出し複製し続ける
仮にも神が生み出した物をそんな容易く創り出せる訳がない…量産化などもっての外だ
まず間違いなく裏には人ならざる何かがいるだろう…しかし
(俺が関わる義理もないか…)
ヤーナムでは上位者達の目的が自分であったため否が応でも巻き込まれていたが、この世界ではその必要はない
下手に関わればこの世界の超常的な存在に目を付けられる可能性もある
自分から問題を起こすことも無い、故に
「大体わかった、約束通り町まで送ってやる、報酬は町に着いてから払えば良い…」
この世界では大人しくするとしよう、まぁ相手から仕掛けて来た時は話は別だが
数日後、壊れた荷馬車の使える部分を利用して作り上げたリヤカーに荷物を載せた商人がvと共にブリューワ地方唯一の町、カディスに帰還した
「いや〜!!ありがとうございますvさん!お陰で無事町まで辿り着家ましたよ!!」
「…礼はいい、報酬の為にやっただけだ」
「ええ!わかってますとも!!今商品を倉庫に置いて来ますので少しお待ちを!」
商人が店の倉庫に街道近くでかき集めた薬草や食材を入れると店の中でvに待つよう促す
しばらくして戻ってきた商人の手には布袋が握られていた…
「どうぞ!御約束の報酬です!全部で250G程入れて置きました!!」
「ああ」
Gとはこの世界の貨幣の単位らしい…
異形を操るコルテン兵が使用するカード(異形はカードに封印され魔力を使って召喚するらしい)が大体数十〜数百G
大人一人の一日の食費がどんなに多くても10を超えるか超えないか
報酬としては充分だろう…
「ならこれで仕事は終わりだな…次はもう少し周りに気を付けながら仕事をしろ」
「あ!?ちょっとお待ちを!!」
vは報酬を受け取りそのまま出て行こうとするが商人に呼び止められる
「何だ…」
「いや〜申し訳ない!!実は私今回の件で反省したんですよ!護衛も無しにあの怪物達の巣窟に足を踏み入れるなんて!」
「…」
「もしまた襲われでもしたら今度こそ奴らの腹の中に収まってしまうかも知れません!」
何やら語り出した、それと同時に嫌な予感がする…
「そこで!vさん!ウチで護衛として雇われてみませんか!?報酬は一度の護衛につき300お支払いしましょう!!」
「…遠慮する」
「何故です!?」
まさか断られるとは思わず商人は驚きの声を上げる
この数日間vと共に行動してきた商人は彼を観察し信頼足る人物と評価していた
それと同時に彼が余りにも王国の常識について無知であることも知った…
本人曰くずっと人間社会から隔離された生活を送っていたとのことだが(真偽はともかく)それなら尚の事この話は良いものだと思うのだが
「報酬が足りませんでしたか!?それなら家が所有している空き家をお貸ししますよ!勿論家賃は頂きません!」
「…」
正直なところvにとってこの提案は魅力的だった、だが彼はどうしても懸念していることがある為首を縦に振れない
本来なら異形を相手にするのは兵士達の仕事だ
勿論一般的な護衛や傭兵達が戦うこともあるらしいが、基本的にはその領主の仕事だろう…
だが鍵を持たない者たちが戦っても精々勝てるのは下級の異形のみ、あのストームハガンが中級の異形らしいのでそいつらには期待出来ない
なので異形関係の問題が起こった時は基本的には女王に嘆願するか金を払ってコルテン兵に何とかしてもらうらしい
ところがここに単独で下級以上の異形を倒せる人間が現れればどうなるか…
その噂は広がって何れ女王やコルテンの耳に届くかもしれない、明らかに人間以上の存在が絡んでいるであろう勢力に
自分はそれでも対処できるだろうが下手をすれば彼やその身内にも被害が及ぶ可能性がある、それは正直気分が良く無い
なので丁重に断ろうとしていた所に彼の頭に声が響く
『イイジャネェカ!受けてヤレヨ!』
『お前は何を言っているんだ?そんな事をすれば間違いなく目立つだろう…』
グリフォンの言葉にvは反論する
『イヤイヤ良い事思いついたんだヨ!上手行けばそれ程目立たネェで動けるゼ!!』
まぁ聞けとグリフォンは話した
「ありがとうございます!!詳しい内容は依頼をお願いする時にでも話ますので!どうぞこちらが例の空き家です!」
「ああ、礼を言う」
「いえいえこちらこそ!!引き受けていただきありがとうございます!!これが家の鍵です!」
家の鍵を受け取りvは家内に入る、こじんまりとした一階建ての小さな家だが暮らしには困らない…
「さて…行くか…」
vは室内を確認した後家の外に出て町の出口に向かって歩き出した…
その日の夜、コルテン領とブリューワ領の境目にある砦にて襲撃があった
多くの兵や機械に損害は出たものの死者は居なかった
ただ兵士達が持っていた鍵が盗まれていたことから今回の件は何かしらの異形を操るものがコルテン製の鍵を奪う為砦に攻め入ったと見ている
兵士達の証言によるとコルテン領側の方から巨大な怪鳥が現れた証言している…
そのことからコルテンの領主であるマッコイ8世は光り物を狙った鳥の異形の仕業と言う事で捜査を打ち切り砦の再建を命じた…