ヤーナムの詩人狩人 作:はらはら
ブリューワ街道
大陸が統一されるよりも以前の名残りであるブリューワ城の跡地に隣接するこの道には夥しい程の異形が存在する
その為大体の者は近づくことさえ無いのだが何事にも例外はある
一攫千金を狙って城の中に残ってるであろう財宝を狙う盗賊
領主や貴族などの権力者を敵に回した罪人
街道付近にある貴重な薬草や食材などの資源を採取する商人
基本的にはそう言った連中が足を運んでは命を落としていくのだが今日の街道は何やら様子がおかしい…異形の者達の動きがおかしい
正確に言うと一つの方向に突っ込んでいる
「ハッハー!!どうだネズミ野郎に雑草野郎!!あっ!vさん右ですお願いしまーす!!」
「わかっている」
大量の異形に囲まれながら馬車の上から煽り散らす商人とその護衛を行うvがそこにはいた…
言葉を理解しているのか知らないがやたらと商人に向かって突っ込んでいく異形達を流れる様に捌いていくが彼だけでは護りきれない
「くたばりやがれー!!」
「グルルルルルルルル!!」
その為グリフォンとシャドウを異形達の群れに攻めこませた
稲妻の帯が花の異形(マンイーター)を挟むように閉じて焼かれていく、針ネズミの異形(ペッペル)の群れが襲いかかってくるが自らの針よりも巨大な針に串刺しにされた
「終わりだ」
瀕死の異形達に向かって魔力で生み出した杖をばら撒く、異形達は一際大きな声を上げるとそのまま倒れ伏した、生きているものはもう居ない…
「いや〜お見事です!相変わらず凄まじい強さですな!」
「この程度の奴らなら俺でなくてもどうにかできるだろう…」
「そんな事は!確かにマンイーターもぺッペルも下級の異形ですが、これ程の数となると話は変わります!貴方の実力あっての事ですよ!」
馬車に乗った商人vを褒めちぎる、謙遜ではなく本心から言ったのだが…
「ソウソウ!!vチャンはスゲーだろ!ヤーオレ達も鼻がたけーヨ!」
横に飛んできた鶏肉が面白がって商人に同調している、とりあえず後で痛め付ける
「しかしvさんが鍵を拾った時は驚きましたよ!それも人語を話す異形のカードまで!此れだけでひと財産築けますよ!」
喋るグリフォンを見て商人は興奮しながら話す
そう、今vは鍵を持っていた…コルテンの砦をグリフィンに襲わせた時に奪った鍵の内の一つだ
唯の人間(正確には違うが)が武器のみで下級以上の異形を倒してしまえば目立ってしまう、ならば鍵の力を使っていることにすれば良いとグリフォンからの提案だった
鍵の力を使いカードを使用するフリをしながら異形と戦う、それならばさほど目立たないだろう、少なくとも生身で戦うよりかは…
「お疲れ様でしたvさん!今回の分です!お受け取り下さい!」
「ああ」
数日後
再び町に戻ったvは商人から依頼料をもらいその場を後にする…
「ハァ…」
近くにある噴水広場にある段差に腰掛けvはため息をつく
(ン〜どうしたv?元気ネーナ?)
自身の内から直接話しかけくる声を無視して両目を手で覆う
町で仕事を始めてから数週間しか経っていない
だと言うのに精神的、肉体的疲労が凄まじいのだ…
簡単に言うと休めない
依頼のない日にこの世界の事を知るために町にある歴史家に本を借りに行けば聞いてもいない妖精の話を長々と話され
外に外食をしに行き店に向かえば夜道で鍵を狙う奴らが襲いかかってきた為返り討ちにし
何もせず一日休んでいようとした日に仕事の依頼がきた…
正直断りたかったが初仕事から拒否する訳にもいかない、vは体にムチを打ってようやく今日休む事ができた…
「大人しく怪物狩りでもして金を稼げば良かったか?」
自重する様に呟く
異形を倒すと奴らはある物を落とす、魔石と呼ばれる物だ
文字通り魔力の篭った石であり、取る事で魔力を回復させる事が出来るがこれは通貨にもなる
地道に狩っていればそれなりの金額になる
だが今のように家の中で休むことは出来なかっただろう
結局は今の状況が最善だ…そう自分に言い聞かせ立ち上がる
今日はもう疲れた大人しく休むとしよう、そう家に向かって歩き出ししばらくすると
「ねぇ待って!一緒に遊んで!」
厄介ごとが聞こえた
次は主人公登場です