ヤーナムの詩人狩人 作:はらはら
何故こんな事になったのだろう?少女は走りながら思う
自分は旅行に来ただけの筈だった、オルディン地方のお城から遠く離れたブリューワに旅行にきて、病弱な母の為におみやげを買おうと馬車に町に行くよう頼んだ
だが兵士は自分を馬車から降ろすと馬を走らせ行ってしまった…
馬車の垂れ幕から幼馴染の男の子ソルが自分に向かって手を伸ばしている、その姿を見て不安になり急いで追いかけた
目に涙を浮かべ待って!と叫ぶ…しかし馬車は停まることなく走って行く
途中で転び、胸に抱えていた母から渡された石が投げ出される
急いで石を拾い追いかけようと前を向くが既に馬車の姿は見えなくなっていた
少女は泣きながら自問自答する
何故置いてかれたのか?自分が町に行きたいとわがままを言ったから?反省したら迎えに来てくれる?
だが辺りが暗くなっても日にちが変わっても迎えには来てくれない、子供ながらに理解した
自分は捨てられたのだと…
どうしたら良いのかわからず町を歩いた、しかし母からもらった石を狙った大人たちが自分に襲いかかってきた為それからは人に見つからないように隠れながら暮らした
ある日の事だった、食べ物を分けてもらう為お店の手伝いをしている時同い年くらいの子を見つけた
その子は友達や兄弟と楽しそうに遊んでいる、その姿を見て昔を思い出した
幼馴染のソルと双子の妹のリュシエンヌ…
お城の中で遊びまわりよく怒られた
「いいなぁ…」
遊んでいる子供達を見て呟く、今の自分の周りには誰もいない…
大人達から石を守るためにカードから出した怪物が居るが彼らは遊んではくれない…
(そうだ!仲間に入れて貰おう!!)
良い考えだと思った、手伝いを終え店の外にいる子に声をかける
「ねぇ待って!一緒に遊んでよ!」
その言葉に彼らは足を止め振り返る、喜んだのも束の間返ってきた答えは残酷なものだった
「おまえはいつも化け物と一緒にいるだろ、そいつらに遊んでもらえよ」
「そうだそうだ!!」
笑いながら少年達は話す、少女は動けなくなった…自分はただ仲良くなりたかっただけだったのにここまで拒絶されるとは思わなかったのだ
そしてその中の一人がいい事を思いついたとばかりに少女言う
「そうだ!その石寄越せよ!そしたら遊んでやる!」
大人達が少女の持っている石について話していたのを聞いた、売れば大金持ちになれると
その少年の言葉に同調する様に他の子供も言う
「そうだ!石寄越せ!」
少女は石を守るように抱えうずくまる
「やめて!これはお母さんからもらった大事なものなの!」
少年達はその姿を見て笑う、少女は涙を流しながら懇願する
(皆私の事嫌いなんだ…)
少女は思う、だから捨てられるんだとどこにも自分の居場所なんてないんだと…
「ハハハ!!コイツ泣いて…」
急に笑い声が聞こえなくなった、少女は不思議に思い涙を拭い少年達を見る
少年達は顔を真っ青にしてこちらを見ていた、いや正確には自分の背後を見上げている
少女は疑問に思い後ろを振り向く、そこには
「…どうした?続けないのか?」
鋭い眼光で少年達を睨みつける男がいた…
彼は、vは物凄く機嫌が悪かった…
休もうと思っていた所で子供の声が聞こえた、そこまでは良かった
しかしその後に続く会話を耳にし、ただでさえ疲れて機嫌が悪いところに追い討ちをかけられた
「ぁ…あの…その…」
「ぅうぁう…」
幼い少年達にとって怒れるvの姿はトラウマものの恐怖だ…現に蛇に睨まれたカエルのようになってしまっている
「満足したなら行け、二度とくだらない事をするな」
少年達は頷きそのまま全力で走って行く、一度も振り返る事なく
「オイv、ガキ相手にやりすぎじゃネ?」
グリフォンが自分を注意してくるが知った事ではない…こっちは眠い所を邪魔されたのだ
「ぁあの!お兄さん!!」
その場から立ち去ろうと踵を返したところで引き止められる、なので先手をうつ
「礼はいらん、五月蝿い声が聞こえたから黙らせただけだ」
そうして歩き出すが少女は自分についてくる…しばらく無視すればいなくなると思ったが遂には家の前までついてきた…
「なんだ?他に何か用でもあるのか?」
少女に対して強めに言う、案の定少女は怯えて一歩後退るが意を決して声に出す
「あ、あの私アドリエンヌ・ジェルベールです!」
少女の名前にvの眉が動く、しかしその後に続く言葉でvは度肝を抜かれた
「わ、私も怪物を出せるんですけど!どうしたらお兄さんたちみたいに仲良くなれますか!?」
「「は?」」
vとグリフォンは同時に声を出し思った、コイツは何を言ってるんだ?
他の世界から連れてこられたヤーナム狩人の話とか番外編で書いてみたい