Sideアルメール
『地区予選Aブロック準決勝勝者はヴァイスアルメール選手!余力を残して決勝へとのし上がったあー!』
「チクショー!」
「ふう!…」
遊園地での一件後も順調に準決勝の相手を下して遂に決勝戦へと勝ち進む事が出来ていた。
『おっと!?どうやら既にAブロックの準決勝は終了し決勝戦の対戦カードが決まったようです!
世界大会への切符を軽々と手にするのは一体何方なのか?!
では発表致します!Aブロック決勝戦のバトルカードは今期大会初出場のウマ娘であるヴァイスアルメール選手!相対しますは同じく初出場であり一回のバトルを最短二分以内で勝利するという驚異の腕前を見せつけたサトノ・ミシヒト選手に決定だあー!』
「!」
実況放送にて告げられた言葉に私は驚愕した。
非常に覚えがあったからだ…もしかして私の相手は…!
「やあ!また会ったね」
「貴方は…!」
選手用控室に現れたのはやはりあの時不良ファイターから助けてくれた青いギラーガの青年、彼こそが決勝で戦う相手であるサトノ・ミシヒトだったのだ。
「貴方が決勝の相手…」
「ガンプラバトル初出場のウマ娘が居るとは耳にしてはいたけどよもや同じブロックだったとはね…おかげで君と戦える!…この戦い全力でいかせてもらうよ!」
ミシヒトさんは私にそう宣言した。
確かに不良ファイターとのバトルにおいては彼は実力の半分すらも発揮させていなかった…という事はあの時以上のスピードの領域を彼の扱うガンプラには備わっているという事に私は驚愕した。
そう、まるでG1レースを余裕で制せるかの様なだ。
「私も世界を目指すファイターです…ですから例え貴方が相手だろうと負けない!…」
「ああ、僕だって君に勝ちたい!…世界に行く意味も増えるってもの!…お先に待っているよ!」
「ええ!」
彼と想いの丈をぶつけ合い私も会場へと駆け出した。
『さあ!遂にガンプラバトル地区予選Aブロック決勝戦の火蓋が切って落とされます!
ガンプラバトル、レディィーゴオオー!』
「ヴァイスアルメール、ガンダムヴァイスアスクレプオス…」
「『サトノ・ミシヒト、ギラーガSD…』」
「「出ます/出る!!」」
バトルフィールドは宇宙空間、其処に二機のガンプラが降り立つ。
「『まずはほんの小手調べといかせてもらおうか!』」
「受けて立ちます!」
私はアスクレプオスのビームサーベルを抜刀、対して彼のギラーガはクローで応戦してくる。
「くうっ!」
「『流石に反応してこれるか!ならコレならどうだい?!』」
続けざまにギラーガがバックパックに格納してある紫と緑に塗装されたビームブレイドを引き抜きアスクレプオスのビームサーベルとの斬り合いになる。
「ッ!」
私はもう一振りのサーベルを出して対応しようと考えたが不意に粒子の流れが変わったのを目にして高機動モードになって緊急回避した。
その瞬間、ギラーガのキックが空を切った。
あの直撃を喰らっていれば不味かっただろう。
「『零距離ライダーキックにも対応してくるか!…ならばそろそろ僕の全力の領域を展開させてもらうとしようか!』」
ギラーガはビームブレイドをバックパックに戻して不可思議な構えをとっていた。
「何をしようとしてるのか分かりませんが好機です!」
私は通常モードに戻してパイソンクローを構え最大加速でギラーガに突撃を仕掛けようとした。
「『甘いね!迂闊だよ!はああああああー!』」
「こ、これは!?…くうっ!?…」
ギラーガから発せられてくる何かを感じ取った私は慌ててパイソンクローを防御態勢にした。
「ああっ!?…」
ギラーガから放たれた何かをなんとか防御した私だったがなんと左腕のパイソンクローに亀裂が生じて粉々に砕け散ってしまった。
それ所か腕の方にもかなりのダメージが入ったようでボロボロになってしまっていた。
ギラーガの青かった全身は金色に染まり眩い輝きを放っていた…。
オマケミニストーリー②「チヨノオー、黒ワンコを知る」
「わぷうっ!」
「この子の事やっぱりタキオンさんに聞いてみましょうか」
黒い機械のワンちゃんを拾った翌日、私はアグネスタキオンさんが知っている筈だろうと思って寮を訪れた。
「ん?チヨノオーくんじゃないか珍しい事もあるものだな…何か御用かな?」
「あ、あのタキオンさんに聞きたい事がありまして!この子の事なんですけど…」
「機械の犬?」
「その反応…タキオンさんが作った物じゃなさそうですね…」
「うん全く身に覚えがないね」
どうやらタキオンさんは本当に見知らないようだった。
その時
「およ?ソレってMPDじゃないですか!ってさ、サクラチヨノオーさん!?ほわああー!」
「わわっ!?デジタルさん!?」
ふと横からひょこっと覗き込んできたタキオンさんのルームメイトであるアグネスデジタルさんが何時も通りの奇声を発して倒れそうになったのを見て私は慌てて受け止める。
「ひょわ…またおもわず尊みで保健室行になる所でした…」
「デジタルさんはこの子の事知っているんですか?」
「はい!その子はつい最近発売されたMPD、最新の自立型AIが搭載されているモビルペットドールのガイアガンダムタイプですね!ガンダム好きには勿論、動物好きな方にも大変好評なものですね!」
「が、がんだむ?」
「およ?ガンダムを御存じではない?でしたらなにゆえチヨノオーさんが割とレアなその子を?」
「実は昨日学園内で見かけて拾ったんです」
「ふむ?その子を捨てる輩なんていないだろうし恐らく出荷途中のトラブルで何らかの弾みでその子のスイッチが入って動いてトレセンに彷徨い出て来てしまったのですかね?…」
「うーん…ガイアちゃんなんで迷い込んで来たの?」
「わう?」
デジタルさんにも何故この子がトレセンに居たのか分からないようだった。
私はワンちゃんに聞いてみるが首を傾げるだけだった。
「でしたらその子の製造番号の照合を問い合わせてみましょうかね、メモらせて下さい」
「お、お願いします」
デジタルさんにお任せして私は結果を待つ事となった。