水星武闘伝Aガンダム   作:足洗

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感動の再会?姉弟子現る!その名は二代目────

 

 

 

 消灯時間はとうに過ぎ、草木も眠る夜の深み。

 非常灯が点るばかりの薄暗い共用格納庫には、明日使用予定のデミトレーナーが複数機、整然と佇立していた。

 半球形のシンプルな頭部センサー、各種装備の換装と外付けを容易にした外骨格、マニピュレーター等々。際立った性能は無いものの、その扱い易さと拡張性から作業、建設、採掘、そしてアスティカシア高等専門学校においては訓練用にと、幅広い領域でニーズを満たす汎用モビルスーツである。

 

「早く早く」

「ひひひっ」

 

 静まり返った格納庫に、潜めた笑声が響く。

 二人の女子生徒が、デミトレーナーの立つ作業フラップに近付き昇降パレットを操作する。

 昇降機が作動して頭部、その面前にまで辿り着くと、一人が腰元の工具ポーチからスプレー缶を取り出した。滑らかなメインカメラレンズに向けて何らかの塗料を吹き付けていく。

 堪らずといった具合に、彼女らは頻りに空気漏れのような笑い声を吹いた。それはとても楽しげであり、いっそ無邪気ですらあった。少なくとも当人らにとってこの行為に対し悪びれるところは微塵もない。

 調子に乗った新参者に、少しお灸を据えてやる。身の程を理解させる為に必要な、悪戯だ。

 悪意とは自覚するに困難で、差別とは往々にして一方的正義感によって発露する。

 スペーシアンたる自分達にはあらゆる権利が約束され、アーシアン達はその正義に粛々と従う義務がある。そう思っている。明確に言語化されない根底のエゴイズムで、感覚としてそれを信じている。

 

「……」

 

 己が正しさを信仰している。

 ……とはいえ今、彼女らの妨害工作を受けた機体は、一応その同類の水星出身(スペーシアン)の少女が明日使用する予定のものだが。

 ある意味平等。なんとも見境の無い悪意だこと。

 ぬっと、格納庫の天窓に影。邪鬼のように忍び嗤う少女二人を見下ろして、その黒い巨躯は静かに鼻息を吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 元理事長室。現植物栽培温室兼ミオリネの自室で、ミオリネの何気ない問いにスレッタは答えた。

 

「夢、なんです。水星に学校を作るって……」

 

 水星に子供はほとんどいない。技術が進歩し、少なくとも以前より向上の傾向にあるとはいえ、未だ水星周辺は人類の生存困難な極限環境に変わりない。

 人は増えず減る一方、慢性的過疎の水星軌道基地は今以て緩やかな衰退を歩んでいる。

 故郷をもっと豊かで、もっと住み良い場所にしたい。人々が当たり前に生きていける。若い人を呼び込んで、その子供達が将来を夢見られる。そんな場所に。

 

「ふーん、じゃああんたの進路は学校の先生?」

「えっ、い、いえいえいえ! 私が先生とか、む、無理です。学校を建てられるくらい、水星を豊かにできたらって……人になにかを教えるとか、私なんかには」

「……既に一人教えて欲しそうなのがいるみたいだけど」

「うっ……」

 

 押し掛け弟子筆頭グエル。本人がそんな名乗りを上げた訳ではないが、実際それ以外の何者でもない。

 スレッタの実力。技量。仄かに秘めた……そんな彼の心情を少女は露知らず。

 しかしその熱量と本気は、さしもの朴念仁スレッタをしても理解できる。

 

「私が、師匠なんて……」

 

 誰かを教え、導くなど。

 けれど。

 自分が受け継いだ師の言葉、心は、自分を強くしてくれた。ただ家族(エアリアル)の胸の内に逃げ込んで泣きじゃくるばかりだった自分に、闘うということを、強く在るという意味を、教えてくれたのは師匠だった。

 流派・東方不敗の心境。この怒涛のように波乱する天地時世に、王者たる気風を吹き知らしめ、平らかと為す。

 赤く燃える暁の心が顕すものは、ただただひたむきな平和への祈りだった。

 誰かに優しく在りたい。同じように、優しい世界であって欲しい。

 

 ────優しい子だ

 

 そう微笑んでくれたあの人に恥じない自分で在りたい。

 そして。

 そして、なによりも。

 

 お母さんを、助けてあげたい

 

「学校が、もし学校ができるくらい、水星が豊かになったら……流派・東方不敗の、道場を開いて、子供達に師匠の教えを伝えたい……優しく逞しく、健やかに、育ってくれるように……なんて」

 

 スレッタは慌ててプランターから顔を上げ、階上のミオリネを見上げた。

 

「あ、あははっ、はは、じょじょ冗談です! そそそ、そんな大それたこと、私には無理無理カタツムリで」

「いいんじゃない」

「え」

 

 素っ気無くミオリネは言った。

 スレッタはぽかんと少女の微笑を見上げた。

 

「ま、流石に水星人みんなあんたみたいに人間辞めさせるのは止してよね。宇宙の法則が乱れるから」

「や、辞めたつもり、ないんですけど」

「……やっぱり自覚なしかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 実習当日。

 今日はきちんと支給されたパイロットスーツに身を包んだスレッタと、同じく指定の作業着姿のミオリネは作業フラップを小走りに急ぐ。

 

「当たり前だけど、今日の実習はあくまで通常のMS操縦技術の試験だから。モビルトレースなんて反則は使えないって解ってるわね?」

「はい。でも大丈夫です! 水星で採掘作業を手伝う時は基本操作系で操縦桿を握ってましたから!」

「へぇ、実務経験十分ってわけ。ならその自信の程ってやつを、見せてもらおうじゃない」

「はい!」

 

 

 

 

 

 同日、スレッタ共々追試を受講する生徒の一人。

 チュチュは自分専用にチューンアップされたデミトレーナーを降り、管制台兼待機場からスレッタ達の実習の様子を眺めていた。

 特殊な操縦体系を有するワンオフ機体を使っているわりに、スレッタの駆る訓練機の動きはそう悪くない。いやむしろ、扱い馴れてさえ見える。高低差激しい丘陵、随所に断崖や裂け目の空いた荒野を、デミトレーナーは危なげなく走っていく。

 

「右前方20度に地雷。左に少し進路取って。そう、そのまま……」

 

 やや離れたセンサーモニターでは間断なくミオリネが指示を飛ばしている。

 埋設された地雷を、スポッターの指示の下に躱していくことも課題の一つだ。

 デミトレーナーはその足運びを有効爆破範囲外へ逸らす。最短の距離で。大回りすればそれだけタイムに響くからだ。

 それは天性のセンスなのか、はたまた経験なのかはわからない。

 

「……結構やんじゃん」

「ね。スレッタさんすごい」

 

 隣でニカが素直に感嘆する。

 チュチュとしては少し面白くないが。

 口先と傲慢なだけのスペーシアンよりは余程マシだ。

 

「間合の読みの完璧さ……奴の近接戦における異常な強さの理由だな。モビルスーツ大に拡張された視界で、生身と同等の肌感覚を維持する、か……」

「んで、てめぇはなに同僚面で滔々と解説垂れてんだジェターク坊ちゃんよぉ」

 

 チュチュ、ニカ、そしてその隣で腕組みして仁王立つグエル。

 ちなみにチュチュ専用デミのメカニックであるヌーノは、ちゃっかりその奇妙な取り合わせから距離を置いて自分の作業に没頭していた。

 

「俺の勝手だ。二度も言わせるな。派手なわりに物覚えの悪い頭だな」

「髪型関係ねぇだろボケ!!」

「チュチュ、見学は誰でも自由なんだから」

「けっ」

「それとグエル先輩も、女の子の髪型からかっちゃダメですよ」

「そんなつもりはない……だが、まあ、今後は気を付ける」

「ニカ姉には折れんのかよ!」

「ふんっ」

「ふふふ」

 

 とても和やかな空気の中、スレッタの搭乗機がそろそろ試験場の中央付近に至る。

 タイムは上々。平均所要時間の三分の二ほど。

 基礎実習ならこんなものか。グエルは冷静に分析する。

 チュチュもまた自身の手番が近いと見て、機体のコクピットへ足を向けようとした。

 突如、スレッタの機体が停止した。

 

「なに……?」

「なにしてんだ、あいつ」

「わ、わかんない……どうしたんだろ、スレッタさん」

 

 

 

 

 

 

 

 メインカメラが暗転した。スレッタの目前からほぼ一切の視界が消えて失せる。

 

『なにしてるのスレッタ』

「モ、モニターが、死んじゃいました」

『はあ!?』

 

 ミオリネが叫ぶ。が、即座に管制室の教官へ通信を飛ばし、機体トラブルと再試験を上申するが……却下された。

 機体を常に最良の状態に整備することもまたメカニックの義務であり、課題の内である。とは教官の言。正論である。

 

「ミオリネさん! 続行しましょう。ナビゲートお願いします!」

『……当然よ!』

 

 計器類の微光以外が消えた薄闇のコクピットで、スレッタは迷いなく言った。ミオリネとてもそれに応えた。

 

『きっかり50メートル直進して。右に二歩移動。その後また直進』

「はい!」

『進路上に亀裂。カウント3で跳び越えて。3、2、1……今!』

「はっ!」

 

 デミトレーナーは駆ける。先程よりも幾分速度と機動性を落としながら、それでもその足取りに躊躇は皆無だった。

 

 

 

 

 

 

「遅効性遮蔽スプレー、だと?」

「ちっ……そうだよ。前の実習ん時あーしもやられた」

「うへぇまたかよ。モビルスーツ付属のカメラ洗浄液くらいじゃ簡単には落ちないぞ、あれ」

 

 唾でも吐き捨てるようにチュチュは言った。

 技術屋であるヌーノもまたうんざりと呟く。

 それを聞いた途端、グエルの顔が歪む。苦々しく、荒々しく、憤怒を形作っていく。

 ヌーノは縮こまって、元居た場所に引き下がった。

 

「誰の仕業だ」

「てめぇらだよ、糞スペーシアンが」

「俺は! そんな腐った真似はしない……!」

「そっちの事情なんて知るか。実際こうやって腐ったことしやがんのがスペーシアンで、やられんのはアーシアンだ。てめぇ曰くの、弱小寮なんだよ。えぇい! 胸糞わりぃ……!」

「…………」

 

 グエルは形相を顰めながら、しかし返す言葉を持たなかった。被差別者に対して、特権階級に身を置く自分が共感など出来よう筈もないからだ。していい筈がない。

 チュチュは押し黙ったグエルに鼻を鳴らす。しかしそれ以上を責めることはしなかった。する気が失せてしまった。

 

「あぁっ、もう時間が……」

 

 ニカの焦燥虚しく。

 無常にも時間切れのブザーが試験場に鳴り響く。

 

「『リトライ、お願いします!』」

 

 同時に、スレッタとミオリネの声がオープン回線で重なった。

 

 

 

 

 

 

 再戦。そのたった二度目にして、変化が生じた。

 光学視界を取り払われた筈のデミトレーナーが荒野を駆ける。縦横無尽に。

 

『右10度三歩、左30度五歩、最後は大股で跳んで!』

「はい!」

『はっ、上手いじゃない』

「えへへっ、そうで」

『右脚出し過ぎ! 油断すんな!』

「はいぃ!」

 

 荒い叱責を受けながら、それでもスレッタの操縦に淀みはない。

 微調整、時には大胆に跳躍し、自律姿勢制御機構の追い付かない機動には自らマニピュレーターで地面を叩くことさえあった。

 

『……あんたさ、ホントにメインサイト見えてないの。実は()()()こいてたりしない?』

「そ、そんなことないですよぅ!? ただ、闇稽古は、師匠ともよくやってましたし……それに私の兄弟子は、本当に灯り一つない洞窟の中で、技を研いたって」

『ふーん、兄弟子ね……』

「その人は生身で振るった刀で、何機ものモビルスーツを倒したそうですよ! すごいですね!」

『……やっぱりふかしこいてる?』

「なんでですか!?」

 

 

 

 

 

「やっぱあいつおかしいわ……」

「ああ……」

「すごいすごい! スレッタさん、さっきよりタイム上がってるよ!」

 

 無邪気にはしゃぐニカに、チュチュとグエルは閉口した。同じパイロットであるだけに、センサーと有視界を奪われたモビルスーツの操縦がどれほど無謀であるのかをよくよく理解できるのだ。

 理解できるゆえ、今目の前で地雷原をぴょんぴょん跳び回るデミトレーナーが理解できなかった。ちょっと不気味だった。

 

 クソッ、なんだよあの動き!?

 塗料効いてないの? 変態かよ!?

 

「!」

 

 待機場から離れた位置で、なにやらごそごそと身動ぎして騒ぐ者をグエルは見付けた。

 自然、足が向く。歩調を怒らせ、強かに足底で地を踏み付ける。

 

「おい、どこ行く気だ」

「つまらん真似する馬鹿を見付けた」

「……で? スペーシアンの元締めの御三家の御曹司様が、強権振り回して潰してくれるっての?」

「それの何が悪い」

「胸糞悪いってんだよ」

 

 チュチュはグエルを乱暴に押し退けた。

 そうして真っ直ぐに犯人らしき少女達の方へ歩を進める。

 今まではどうやら建物の陰でこそこそ隠れていたらしい。おそらく、グエル・ジェタークの姿を見付けたからだ。

 グエルがスレッタ・マーキュリーに悪感情を抱いていないのは先の決闘で学園の皆が知るところ。見咎められることを恐れたのだろう。だから嫌がらせは取り止める、といった結論に至らないのは、彼女らの意志の固さか、真面目さか、あまりの愚かしさゆえか。

 

「特権振り翳して弱い奴を甚振るなら、糞スペーシアンと何も変わらない……てめぇはそんな糞か? 違うって言うんなら手ぇ出すな。あの馬鹿共は私がやる……!」

「チュチュ……」

「…………」

 

 チュアチュリー・パンランチがスレッタ・マーキュリーの味方をする理由は、今のところなかった。

 肩入れするに至る理由を、チュチュは持たない。スレッタの夢を知らない。

 しかし気に入らない。動かずにおれない。

 チュチュにとってスレッタは、少なくとも「糞スペーシアン」ではないからだ。自分を無邪気に好きだと宣う、少しおかしな、面白い奴だからだ。

 自分の内心を反芻しながらチュチュは待機場の階段に足を掛け、そこでグエルに肩を掴まれた。

 

「おい……」

「放せよ。てめぇには関係ねぇ。これは私の気分の問題で」

「いや、そうじゃない」

「あぁ!? だったらなんだよ!?」

 

 振り仰いだグエルは呆然と口を開けていた。

 チュチュは予想外の顔に声を荒げ損ねる。

 その後ろでは、ニカもまた、同じような顔で目を見開いていた。グエルと同じ方向を見て。

 

「チュチュ、あれ」

「え?」

 

 ニカの指差す方に目を遣って、チュチュもまたあんぐり口を開けた。

 遥か見上げたその先に。それは管理棟の屋上に。陽光を背にして

 

 ────漆黒の馬がそこに立っていた。

 

 かなりの巨躯。

 馬体の大きさから言って、少なくとも地球寮で飼育する小型のものとは別種。比べ物にならない体高。

 

「お、お前らのところから逃げ出したのか」

「い、いや、うちらの寮にあんな怪物馬いねぇわ」

「初めて見る子だね」

 

 果たしていつそこに現れたか、それは定かではない。

 物陰で騒ぎ立てる下手人の女子生徒二人は、自分達の頭上に立つ巨大な黒い影に未だ気付いてすらいない。

 不意に、馬が跳んだ。

 地上五階建ての建屋を跳び降りた。

 

「な!?」

「いっ!?」

「あ……!?」

 

 三者驚愕の気息とは裏腹に、馬は軽やかに、にべもなく着地した。

 そうして遂に、片方の少女がそれに気付いた。気付いた瞬間に硬直した。その様を見て後ろを振り向いたもう一人もまた凝固した。

 黒馬が嘶く。その鋭い聲は、試験場を木霊した。

 

 ひぃぃいいいいいいいいいい!?!?!?

 なになになになにこれなに!?!?!?

 

 少女二人の悲鳴もまた響き渡る。

 その二人分の金切り声を嫌ったのだろう。

 馬が無造作に前脚を翻す。残像を刻むこときっかり二度。

 金切り声は止んだ。

 少女二人はすとんとその場に崩れ落ちた。

 

「……死んだ?」

 

 ニカは呟く。

 チュチュとグエルは顔を見合わせその場を駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 その悲鳴はミオリネと繋がった通信機越しに、スレッタにも届いていた。

 

「な、なんですか今の?」

『いや、私にもわかんないけど……っ!? う、馬ぁ!?』

「はい?」

『馬がっ、真っ黒い馬が!』

「ミオリネさん? 馬って────」

 

 ミオリネの驚愕の声の背後で、再び鋭い音色が響く。それもまた声だった。嘶き、喝を叫ぶ。

 スレッタを呼ばわる声だった。

 コンソールを操作してデミトレーナーのハッチを開く。

 暗闇から解放され、恒星熱の人工太陽光が一瞬視界を眩ませる。

 

「……あ」

 

 荒野の向こう。管理棟の表玄関、大階段の踊り場に佇む漆黒の巨躯。

 太陽光すら吸い込み消し去るような深い黒の馬体。それはスレッタに否応なく郷愁を齎した。懐古の灯を胸に点した。

 ハッチから跳び降りる。10メートル近い高さから危なげなく地上に降り立ち、荒野を全力疾走する。

 

「ふ……!」

 

 呼吸が乱れる。かっと眼球は熱を持った。涙の兆しを自覚する。

 それでも止められない。

 平素ならありえないほどに歩調を乱しながら、スレッタは試験場を駆け登った。

 黒馬は間近。

 両腕を広げてスレッタは叫んだ。

 

「風雲再起ッーー!!」

 

 熱い抱擁が馬体を包む────その前に繰り出された前脚、蹄がスレッタの顔面にめり込んだ。

 

「ふぎゅう!?」

「スレッタァ!?」

 

 ミオリネは叫んだ。感動の再会のような空気が一瞬で死滅したことを憐れめばいいのか心配すればいいのか驚けばいいのかもはやわからなかった。

 手をばたつかせるスレッタを馬は突き放す。

 弾き飛ばされてもスレッタはめげなかった。

 

「風雲再起! 久しぶりー!」

「ちょっ、スレッ……スレッタ! もうなに!? なんなの!? これなんなの!?」

「私の姉弟子、風雲再起です!」

 

 蹄で思い切り踏まれながら、スレッタは満面に笑った。鼻血が出ていた。

 ミオリネ、グエル、チュチュ、ニカ、ヌーノ、運悪くこの場に居合わせてしまった多くの人々の混乱を他所に、スレッタは誇らしげに言った。

 

「二代目です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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