ある日、僕は事故にあった。運転手がよそ見運転をしていたことによる不慮の事故だった。その日から僕の人生はガラッと色を変えた。レギュラーを勝ち取っていたバスケは出来なくなり、クラスメイトも最初は心配の顔を見せてくれていたが、そのうち普段の生活に戻っていった。骨折なんていずれ治るとか、何も知らない奴らは言うだろう。でも折れた骨が治ってもブランクの分は戻らないし、何よりもう一度折れるかもっていう恐怖心は抜けないだろう。だから僕はバスケ部を辞めた。
「……ねぇ、墨田奏斗くんだよね」
「……なんだよ急に」
足も折れて、バスケも出来なくなった僕になんの用があるってんだよ。
「あのさ! 今日ちょっと話があるから放課後、体育館裏で待っててくれない?」
名前も知らない彼女は僕の机をバンと勢いよく叩いて僕を誘った。
「……なんで」
どうせバカにすんだろ……。
「話があるって言ってるでしょ! じゃあ来てね! 来なかったら許さないから!」
「そんな強引な……」
……行かなくてもいいか、別に。そう思った僕は放課後すぐに自宅に帰った。寝る頃にはすっかりそんな約束も忘れてしまっていた。
「じゃあ、出席を取るぞ〜っと、恋歌は休みか、珍しいな」
でも、翌日彼女は学校に来なかった。
「……クソ、僕のせいだってのかよ……」
……でも、名前を知れたのは悪いことじゃない。でもその次の日も休むなんて思わなかった。
「……急遽、学級にて話し合いをすることになった。噂でも聞いているかもしれないが、このクラスの雪室恋歌さんがおとといの放課後から行方不明になったそうだ」
え……? 雪室恋歌……って、あの時の……。動揺を必死に押し殺して担任の話を聞く。
「何か知っていることがあれば、どんな些細なことでもいいから先生か警察の方に言って欲しい」
そう言って担任は教室を出ていった。その日の放課後。
「おめでとうございます。あなたは仮面ライダーに選ばれました」
なんて言ってピンク色の箱を持った女性が僕の前に突然現れた。
「……なん、ですかあなたは」
でも、彼女はその質問に答えることはなく姿を消してしまった。
「え……なんだよこれ」
家に帰った僕はその箱を開ける。すると中にはベルトのバックルみたいなものと、ペットボトルのキャップ程度の大きさの丸い塊が入っていた。まさかと思い、ベルトのバックルみたいなやつを腰にあてる。するとその黒の物体から出た銀の帯が僕の腰を巻き付けた。
「……この丸いの、もしかしてここに……」
ベルトの真ん中に空いていた穴に丸い塊を嵌める。
『Entry』
ベルトからシステム音声みたいなのが流れて辺りが光に包まれる。
「ここは……てか、なんで立てて」
周りに人が沢山いるのが見えた。僕と同じベルトをつけた人達が。
「うああああ!! お、落ちる──ー!!」
また新しい人がこの空間に転移してきた。
「何!? ここ……」
「キャー!! 英寿様よ!!」
英寿様……? あぁ、最近話題のあれか……。
「みなさんこんにちは!」
突然空間の真ん中にさっき僕に箱を渡してきた女性が現れた。
「私はゲームナビゲーターのツムリです。ようこそデザイアグランプリへ!」
……はぁ? なんだよそれ……