二人目の男子はホモ(二人ともホモ?)   作:倒錯した愛

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ホモ成分少なめ、月斗の黒さが際立つお話。




黒月斗

月斗side

 

 

ご飯を食べた後部屋に戻るとシャルルちゃんは少しずつ話してくれた。

 

「つまり、簡単に纏めると、一夏の専用機のデータを手に入れるために男装して来たってことだね」

 

「うん……」

 

「う〜〜〜ん………どうしよっか一夏?」

 

「今すぐにデュノア社の社員を一列に並べて殴る」

 

「うん、とりあえず落ち着こうか、でも、それでもまだ足りないだろうね」

 

「ああ、なんとかできねえかな?」

 

う〜〜〜ん、どうすればデュノア社を潰せるのかな?

 

「ちょっ、ちょっと待って!僕のこと隠していてもいいの!?スパイなんだよ!?」

 

「え?でもシャルルちゃんは抵抗せずに大人しくしてるでしょ?ならそれでいいじゃん」

 

「でも!」

 

「っていうか、もしシャルルちゃんが暴れてたら………」

 

スターダストを抜いてシャルルちゃんの頭に向けて引き金に指をかける、もちろん弾は装填してある。

 

「………頭を吹っ飛ばしてたけどね」

 

「ヒィッ!」

 

そう笑顔で言うと顔を真っ青にしてカタカタと震えだした、かわいいなあ、首輪をつけたら犬に見えそう。

 

「まあ暴れる気は無いみたいだからそんなことしないけどね」

 

スターダストをホルスターにしまう、セーフティも忘れずに。

 

「……………あ、そうだ」

 

「どうしたの一夏?」

 

「いい方法を見つけたぜ月斗、千冬姉と楯無さんに頼んでみようぜ」

 

「あ!なるほど、楯無姉さんに交渉してもらうんだね!」

 

「イグザクトリー!」

 

「「イェイ!」」

 

これで心配はほとんど無くなったね、よし!

 

「え?楯無さんって生徒会長の?」

 

「「そうだよ」」

 

「頼むってなにを?」

 

「「シャルル(ちゃん)の身柄」」

 

「僕の身柄かあ………って僕ぅ!?どうして!?僕はスパイで……」

 

「でもまだ盗んでいない、否!盗めていない!」

 

一夏が突然立ち上がり奇妙なポーズで言う。

 

「そ、そうだけど、でも僕は……」

 

「シャルルちゃんはスパイでいたいの?デュノア社の人形でいたいの?それとも、1人の人間でいたいの?」

 

「僕は……僕は………僕は人間でいたい!こんなことしたくない!」

 

シャルルちゃんは大声でそう叫んだ、目には涙が溜まっていた。

 

「シャルルちゃんの気持ち、よくわかったよ、これから織斑先生と生徒会長と話れくるから一夏と待ってて」

 

「おう、よかったなシャルル」

 

「うん、うん………ありがとう…」

 

ついに泣き出してしまった、落ち着いてシャルルちゃんを慰める一夏、なんかちょっとイライラする。

 

「じゃあ行ってくるね、それと一夏は後でお仕置きだよ」

 

「ちょっ!?」

 

返事を聞かずに部屋のドアを閉めて生徒会長室に行く、ドアの前に立って。

 

「ノックしてもしもーし」

 

「どうぞー」

 

楯無姉さんが返事を返してくれたちょっぴり嬉しい、中に入ると楯無姉さんと虚さんがいた。

 

「月斗君じゃない、何かよう?」

 

「あら、月斗君、久しぶりですね」

 

「久しぶりです虚さん、楯無姉さん、実はお願いがあってきたんだけどいいかな?」

 

「話してみて」

 

ぼくは楯無姉さんにシャルルちゃんをなんとか助けたい意思を伝える、楯無姉さんはしばらく考えたあとこう言った。

 

「ええ、いいわよ」

 

笑顔でそう言ってくれた。

 

「ただし条件があるわ」

 

「なになに?」

 

「今度の日曜日に、その、デートしない?」

 

へ?

 

「デートって、まさかぼく男の格好で行くの!?」

 

「そうだけど?」

 

さも当然のように言う楯無姉さん。

 

「…………女装して行ったら?」

 

「別にそれでもいいけど一生口聞かないわよ?」

 

…………どうしよ、一夏とばっかりデートしてたから男の格好になりにくいなぁ、女の格好ならいくらでもできるんだけど……。

 

「ムムムムムム………」

 

「言っとくけど、こればっかりは譲れないわよ」

 

くぅ、仕方ないか。

 

「はぁ、わかった、男の格好で行くよ、だからこっちの件はお願いね」

 

「うん、わかったわ♬」

 

ああ、嬉しそうな楯無姉さんの前で言うのもなんだけど憂鬱だよ。

 

 

 

所変わって千冬姉さんなんだけど……。

 

「………………っていうことなんですけど、お願いできますか?」

 

盗聴対策が施された特別室でお願いをする。

 

「ああ、いいぞ」

 

意外とあっさり終わった。

 

いやいやいやいやいや!ここはもっと長引く展開とかじゃないの!?まあすぐ終わったしいいかな。

 

 

 

「というわけで、協力してくれるって」

 

「よかったなシャルル」

 

「うん………ありがとう、2人とも、僕なんかのために」

 

「シャルルちゃんは大切な友達だから、当然だよ、ね?一夏」

 

「おう、それと、何かあったら俺たちを頼ってくれよな」

 

「一夏、月斗………ウゥ……」

 

シャルルちゃんはいきなり泣き出してしまった、ってちょっ!?

 

「ど、どうしたんだ!?なにか痛いところでも……」

 

「ううん、嬉し、かったの、僕にも、友達が、できて」

 

「シャルルちゃん………」

 

シャルルちゃんを抱きしめる。

 

「私たちを頼っていいんだよ、私たちは友達なんだから」

 

「うん、うん……グスッ」

 

そのあと泣き止むまで抱き合って、泣き疲れたシャルルちゃんを寝かせてぼくと一夏も寝た。

 

 

 

数日後の朝。

 

今日は休日だからいつも通り一夏と一緒に過ごそうと思っていたんだけど、神様は休みを与えてくれないみたいで……。

 

「ドイツの候補生と2人の候補生が模擬戦してるんだって!」

 

「2対1で劣勢なのにドイツの子が圧倒してるんだって!」

 

走りながら喋る女子の声を聞いたのが5分前くらいかな。

 

アリーナについたのが3分前で、アリーナの中で起こっていることを理解したのが2分前ちょっと。

 

シャルルちゃんがドイツのISの機能を説明したのが1分と20秒ちょっと前くらい。

 

セシリアと鈴の首が締められて苦しそうにしている顔を見たのが50秒前。

 

一夏がシールドバリアーを破壊してアリーナに入っていったのが15秒前だったな〜。

 

一夏がドイツのISの、え〜〜〜と…………AIC?に捕まったのが4秒前。

 

そして、ぼくがアリーナに生身で飛び降りて着地したのが0秒前。

 

さすがのぼくも大切な友達2人が理不尽にボコボコにされてるのをゆっくり眺めていることなんてできないからね。

 

うん、そうだよ、ぼくはね、【キレた】んだよ、もう殺すよ、殺す、造作もなく殺すよ。

 

「一夏……」

 

「月斗!?何してんだ!危ねえから外に……」

 

「一夏だといくら時間をかけても勝てないから変わってあげる、雪片貸して」

 

「な!?何言って……」

 

「ハヤクシロ」

 

「は、はいぃぃぃ!」

 

素直な子は好きだよ。

 

さて、戦争を始めようか。

 

僕とドイツのナチのメス豚の、ぼくとあいつの戦争を。

 

 

noside

 

 

月斗は雪片弐型を持ってボーデヴィッヒに向かい歩いていく。

 

「君には悪いと思うけど、死んでもらうよ」

 

「私を殺す?生身でか?貴様頭がおかしくなったのか?」

 

「知らないの?シールドエネルギーが切れたら防御は装甲に依存する、その装甲も無くなったらISを展開していようと生身同然なんだよ」

 

月斗はそこまで言って上着のポケットから小さな箱のようなものを取り出し左手の平の上で転がす、右手で2、3回雪片弐型を回してから呟く。

 

「意外と軽いのね……まあ十分かな」

 

「なにをぶつくさ言っている?来ないならこちらから行くぞ!」

 

ボーデヴィッヒがISを展開したまま月斗に向かって突進する、突如月斗はボーデヴィッヒに向けてやり投げの要領で雪片弐型を投げた。

 

「!?」

 

突然のことに混乱しつつAICで受け止める、だが前方には月斗はいない、ハイパーセンサーを使うと自分の真後ろに背を向けて立っていることがわかった。

 

ボーデヴィッヒは振り向いてスラスターを吹かそうとした、そのとき突然スラスターが燃え上がった。

 

「な、なんだ!?なにをした!?」

 

混乱と焦りを顔に滲ませて月斗に問う、ボーデヴィッヒの軍人らしからぬ行動だった。

 

「さあ?一体なんだろうね?自分で考えてみたら?軍人でしょ?」

 

おちょくるように言う月斗、月斗がしたことを簡単に説明すると、龍宮寺工業製【ナパームボム】のナパーム部のみをボーデヴィッヒに気づかれぬように背部スラスターにぶつけたのだ、見た目はジェル状になっているためナパームとは瞬時に判断できない、さらにいくらハイパーセンサーでもスラスターに付着したジェル状のナパームまでは見えない、では月斗はどうやって後ろに回り込んだのか?それは簡単だ、跳んだだけなのだから、ISの実習でみせたジャンプして打鉄に飛び乗った時のように高く跳躍して後ろに回っただけに過ぎない、あとはナパームに気づかないボーデヴィッヒがスラスターを噴射してナパームに点火、全身を火達磨にするという算段だった、ということだ。

 

月斗の態度に内心業を煮やしながら冷静に考えようとするボーデヴィッヒ、だがナパームによって全身が火達磨になるまでもう時間がない、ボーデヴィッヒは意を決して月斗に向け突進する、射撃武装の選択もあったが、対人戦でISが負けるはずがないという過信と軍人としての傲慢さがボーデヴィッヒをさらにどん底に突き落とす。

 

月斗が、生身の人間がISを倒す術などない、その過信が、当たり前だと思っているその考えこそが命取りとなった。

 

スラスターを吹かせ突進し始めるボーデヴィッヒ、瞬間、ナパームの炎が全身を包む、焦りと傲慢と過信が冷静な判断力を失わせ、ナパームの特性を忘れていたのだ、ナパームはよく燃える、そして、引火しやすい、スラスターに塗られたナパームは瞬く間に背部スラスターから垂れ下がり、脚部や腕部にも浸透していた、背部スラスターの噴射によって燃えたナパームはボーデヴィッヒが突進しようと身を屈めた瞬間、火がついた状態で脚部や腕部に浸透していたナパームに引火したのだ、一瞬で体全身が炎に包まれ、絶対防御が発動しシールドエネルギーは一瞬にして消滅する、シールドエネルギー無きISは、ただの鉄の塊に過ぎない、よって、ボーデヴィッヒは……。

 

「うわああああああああ!!!!!」

 

己の身が炎に包まれた状態で何の行動もできずにただ鉄の塊をまとって突っ立っていることしかできない、ボーデヴィッヒは焚き火の中に放り込まれたおたまじゃくしのように必死にもがく、だがナパームは燃え続ける、月斗はただ、地獄の業火に焼かれる自らの敵を見て、そっと微笑んだ。

 

 

 

 

事態が変わったのはアリーナに織斑千冬が到着したとき、ボーデヴィッヒが火達磨になって5分後のことだった、教師部隊によってボーデヴィッヒのIS、シュバルツァレーゲンの火は消火され、ボーデヴィッヒは治療を受けるため運ばれた、月斗は千冬に呼び出され相談室という名の尋問部屋に来ていた。

 

「龍宮寺、どうしてあんなことをしたんだ?」

 

「大切な友人を傷つけられて気が動転していてつい誤ってナパームを投げつけてしまった…………というのはどうでしょうか?」

 

月斗は笑みを湛えながら冷静に言う。

 

「………ふざけるな、私を怒らせないでくれ」

 

千冬は頭を抱えてそういった。

 

 

今回の件での非はドイツ側にあった、イギリスと中国の代表候補生に対し暴行を加え、転入した当日には世界唯一の男性操縦者の一夏に怪我を負わせようとしたのだ、これだけのことを働いたのがドイツ軍のIS部隊隊長で少佐というのがさらに問題となった、ドイツは部隊を解散、ボーデヴィッヒのISを取り上げ階級を下げると公表したが、ここに追い打ちをかけたのは龍宮寺家だった、龍宮寺家はドイツがISを持つことが危険だと訴えた、今回の騒動を軽く見ていれば、ナチスのような状態になってしまうだろう、という理由をつけてドイツのISコアを半数に減らす要求を突きつけ、またそのコアは日本、イギリス、中国、の3ヶ国で平等に分配することなども要求、議会はこの要求で燃え上がった、条約違反の行為を許可できないというドイツ、ナチスの復活を危険視する諸外国、結果、多数決によってドイツのISコア3つを日本、イギリス、中国に譲るという形でこの騒動は解決した。

 

………かに見えた、だがここで終わらせる龍宮寺家ではなかった、一夏から聞いた誘拐事件、まともに護衛もできず捜査もせず救出もしなかったことを(一夏の合意の上)公表したのだ、世界各国からブーイングの嵐、誘拐事件をダシに使い織斑千冬に1年半もの間指導を強要させたなど、バッシングが相次いだ、ドイツのIS企業は他国との技術連携を切り離され、イグニッションプランからも除外され、ヨーロッパの陸の孤島と化した、ドイツの信頼が回復するのは何年、いや、何十年後なのだろうか。

 

 

 

 

夜、月斗は盗聴対策を施された相談室に1人で電話をしていた。

 

「こんばんわ、月斗です、すべて滞りなく…………はい……………えぇ、そうです…………………ドイツのISコアの1つは、我々龍宮寺工業が…………はい……………今の状況ならドイツは…………はい………それでは………………えぇ、すべては、計画通りに………………その通りです……………はい、では……」

 

電話を切った月斗は変声機を使い電話をかける。

 

「こんばんわ、金木です、龍宮寺工業はドイツとの接触を試みています……………ドイツの技術は魅力的です………………遅れを取り戻さねばなりません……………はい…………龍宮寺工業はAICに興味を持っていないようです……………えぇ、独占です………はい…………では、そのように………明るい未来の為に」

 

電話を切り変声機をいじって声を変え、再度電話をかける。

 

「こんばんわ、いえ、おはようございます、実川です…………ドイツは今孤立状態、今の状況なら………………仰る通りです……………龍宮寺工業と倉持は確実に接触を行うでしょう……………そう、チャンスです、日本企業との連携をアピールすれば……………はい………倉持はAICに興味を持っております……………えぇ、そうです…………はい……………では、龍宮寺工業とは…………わかりました……では…………」

 

今度は変声機を取り普通の声で電話をかけた。

 

「こんばんわ、お父さん………うん、みんな馬鹿みたいに信じ込んじゃってるよ…………うん………倉持は龍宮寺工業がAICに興味がないと思い込んでる……………ドイツは日本企業との連携をアピールしてイメージの回復に努めたいみたい………………役員どもは計画通りに進んでると今頃思ってるよ…………うん、そうだね……………お父さんのレールの上だよ…………まだ一度たりとも、うん………そりゃわかるわけないよ、僕が【交差点】だなんて………うん、続けるよ…………たぶん楯無姉さんにはバレてると思う、更識を出し抜くなんて難しいから……………うん…………じゃあね……………すべては、龍宮寺家繁栄の為に」

 

そう言って電話を切った月斗は笑っていた、龍宮寺家は今、すべてが順調に進んでいる、ISコアの獲得による状況の変化を月斗はたった1人で情報を操作していた、龍宮寺工業の危険な重役を消すために、日本の他企業を置いてきぼりにするために、ドイツの技術を利用するために、それぞれの陣営にとって都合のいい話を伝え、月斗が巧みに誘導する、結果的にそれぞれの陣営は選択肢を選んでいるように思い込み、最終的には龍宮寺家にとって利益になるように操作する。

 

つまり今回の騒動の陣営たちは、すべてが月斗の、龍宮寺家に手の内で踊る憐れな道化に過ぎなかったのだ。

 

 

 

 

「全部うまくいっている、もう誰も止められやしないよ、ふふふふふ」




月斗怖えええええ!!!

多重スパイな月斗マジかっけぇ(中二病)
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